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2 飛び降りの怪
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教室の扉が開く。女子生徒二人が入ってくる。直美と柚木だ。二人は中学が一緒で、仲良く高校も同じにしたのだ。直美は、活発な性格で柚木はその逆でおとなしい性格だ。「やっぱり ここだよ!男子生徒の霊が出るって噂の教室!」不安そうな顔をして立ってる柚木に直美が言った。ここの教室では、ある男子生徒が以前に、学校の屋上から自殺した。それから、学校の放課後にこの教室に入ると、自殺した男子生徒の霊が度々目撃されるという噂が広まっていた。だから、放課後にこの教室に残ったり、わざわざ入りにくる生徒はいない。「早く帰ろうよー!」柚木が言った。直美はクスッと鼻で笑いながら「まったく柚木はビビリだな~」とからかった。その瞬間二人はふと教室の窓に目を向けた。窓の外には、男子生徒が二人のいる教室を見ながら頭から落ちていくのが見えた。そしてそのまま下の方へ落ちていって窓から消えた。二人は慌てて、窓に駆け寄り勢いよく窓を開け男子学生が落ちていった方をのぞいた。地面には、誰も倒れていなかった。「あれ、、今人が落ちてったよね?」柚木が怯えた声で言った。「でも、、誰もいないよ、、」「じゃあ、今のは自殺した男子生徒の霊ってこと、、」柚木がそう言い終えると、二人は怖くなり、その場で固まった。「ほっ本当に出る、、なんて」直美が独り言を言った。柚木は内心、直美に教室に連れてこられたことに怒りを感じながら、それでも恐怖の方が勝っていた。外の景色をただ恐怖の中見つめていると、今度は近い距離に男子生徒の逆さの顔が現れた。男子生徒の霊が屋上から落ちてきたのだ。二人はその霊と目が合ってしまった。目というよりかは、目のところが窪んで不気味に黒くなっている。そして、口はまるで生気が抜けたように開いている。そのまま男子生徒の霊は下に落ちていき、二人の視界から消えていった。二人は窓のところで立ち尽くした。そして直美が口を開いた。「今、目が合ったよね、、」柚木も頷いてそれから、小さな声で「うん」と言った。二人は、いつのまにか窓から身を乗り出し、今にも飛び降りようとする体勢を作った。「目が合ってからなんだかものすごくここから飛び降りたいわ」柚木はそう言うと直美に微笑んだ。直美も微笑み返した。そして二人は手を繋いで、飛び降りた。ドスっと鈍い音がして二人の頭が地面に強く打ちつけられる。頭から大量の血が流れ出し、辺りからたくさんの悲鳴がこだまする。
終
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