日常の怪

奇奇

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9 彼氏の怪

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私は、彼氏と付き合って2年になる。その日の夕方デートに行った帰りに彼氏がトイレに行きたいと言い出した。歩いている途中に公園があり、その中にトイレがあったので、彼氏はすばやくトイレに入って行った。私は、彼氏の走る後ろ姿がマヌケっぽくて、ついクスッと笑ってしまった。私は公園の中を見渡した。ブランコがあって、滑り台もある。なかなか充実した公園だと思っていると、公園の中央にある時計に目がいった。その時計の下に、彼氏が立っていた。そして私の方に歩いてくる。「あれっ 今トイレに入って行ったばかりだよね?」私が聞いても、彼氏は何も言わず少しニヤけた顔で近づいてくる。私は怖くなり、後退りした。急に、私は誰かに後ろから肩を掴まれ「ひいぃっ!」と声を上げた。振り返ると、そこにも彼氏が立っていた。そしてもう一度、恐る恐る公園の時計の方を見ると、もう一人の彼氏はいなくなっていた。「どうしたんだよ 急に!?」と今ここにいる彼氏が言った。私は、その彼氏に質問した。「さっきまで、どこ行ってたの?」「どこって、トイレに決まってんだろ!見てただろ?」という彼氏の言葉を聞いて、私はそう言う彼氏は本物だと確信できて安心すると、「行くよ!」と言って、彼氏の手を引っ張るとさっさと公園から抜け出した。 その後に彼氏に、もう一人の彼氏がいたことを言うと、「それ ドッペルゲンガーかもな」と言ってきた。私と同じことを考えたなと思った。でも、あの時少しでも本物の彼氏がトイレから出てくるのが、遅れていたら、もう一人の彼氏は私に何をするつもりだったのかを考えると、今でも怖くなる。
                 終
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