日常の怪

奇奇

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10 足音の怪

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俺は、高校生の時に一回だけ怖い体験をした事がある。忘れ物をして、放課後に学校へ取りに行った時のことだ。校庭の方で、まだ部活動をやっている生徒がいる。校舎に入り、廊下を歩いていると、こっちに向かって誰かが走ってくる音がした。そして、横を通り過ぎる音がする。しかし、人の姿がない。足音は、廊下の角で消えた。俺は怖くなり、駆け足で教室に向かい、忘れ物を見つけるとすぐに下駄箱へと向かった。下駄箱へ着くと、タッタッタッ と廊下を走る音がまた聞こえた。その音は、下駄箱の上や壁と天井からも聞こえてきた。俺は、靴を取り出すと全速力で、学校の外へ出て行った。あの日以来、俺は怖くて放課後の学校に行く事は無くなった。
                 終
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