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新しい関係(ディオ視点)5

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なんでジョルが手を繋いでくれたのかは分からない。それでも、ジョルの温もりが服越しではなく直に感じられることが嬉しかった。

好きだよ。愛してるよ、ジョル。


久々にジョルに触れて、しかも手を繋ぐのなんていつぶりか分からない。私はドキドキしてジョルの顔を見れなかったし、ジョルも話しかけてこなかったから、2人の間に会話らしい会話は無かったけど、私はジョルに触れていられるだけで幸せだった。



乗合馬車は長時間の移動になると、途中で何度か休憩を挟む。
ジョルは休憩の間も、ずっと手を握ったままでいてくれた。
最後の休憩を取るために馬車が止まると、ジョルは私の手を掴んだまま森の奥へ引っ張っていった。


「ジョル?どうした?どこへ行くんだ?」

私は手を引かれながらジョルに尋ねたが返答は無い。
すると、急に止まって木の幹に体を押し付けられて強引に唇を奪われた。


「、んん、、まっ、、あ、、は、、ぁ、、んん、」

それは息継ぎする暇もないくらい激しく、私の口内を蹂躙するようなキスだった。


「ディオは俺にこんなに強引に奪われても気持ちいいのか?」
「はぁ、はぁ、はぁ、気持ちいいよ。ジョルだから。」
「何で拒絶しねぇんだ?」
「嫌じゃないから。」
「そうか。」


私はジョルが求めてくれたことが嬉しかったけど、ジョルはそうではなかったみたいだ。
前に森で抱きしめてくれた時のように困った顔をした。

何で?拒絶してほしかったの?
そんな困った顔をされると、このキスの意味を聞けないじゃないか。


「なぁ、ディオは一度抱いた奴はそれきりなんだよな?」
「え?」
「いや、何でもない。忘れてくれ。」
「うん。」

ジョルが何をしたくて、私に何を聞きたいのか分からない。
キスをするほど近い距離にいたのに、それ以上何も聞くなと壁を作られている今はとても遠い。

思わず好きだと言いたくなる。好きだから愛しているから拒絶なんかするわけないと言えたら楽なんだけどな。
でもきっと、私のことを嫌ってはいないんだろう。旅にもこうして同行させてくれるし、一緒にいると言ってくれた。キスもしてくれた。
それでも、何も言ってくれなければ、ジョルが私に何を求めているのか分からないんだ。
 
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