【完結】おじさんの私に最強魔術師が結婚を迫ってくるんですが

cyan

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おじさん不安になる

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「じゃあ参加する人員の選択はナリオに任せる。よろしくね~」
「分かりました」
「シモン帰ろ」
「はい」

 そして私たちは転移ですぐに帰宅した。
 食事を食べながら私は遠征のことを切り出す。

「私も遠征に行くんですよね?」
「ん~、連れて行きたいけど連れて行きたくない」
「え? どっちですか?」
「俺の側に置いておきたいけど、魔力溜まりの影響を受けてしまうのが怖いから迷ってる」
「それは魔物が溢れるからですか? それとも私の体質のせいですか?」
「魔物なんかは別に脅威じゃないけど、体質がね。もっと早めに小さなもので試しておけばよかった」
「ん? どういうことですか?」
「シモンの体質は余剰魔力を吸い取って放出するって言ったのは覚えてる?」
「はい」
「これは仮説なんだけどね、シモンが吸い取った魔力は浄化された上で放出されている。
 それの裏付けとして、シモンが来てから魔術訓練場で定期的に行っていた浄化が今は必要ないんだ」
「へぇ」
「定期的に溜まった魔力を浄化しないと魔力溜まりになっちゃうんだよね。
 で、魔力溜まりにシモンを連れて行ったら、膨大な魔力を無意識に吸ってしまうかもしれない。どうなるか分からないから怖い」
「なるほど」

 もしかしたら救護班をという陛下の言葉は、このことだったのかもしれない。
 普段魔力を吸っているとか言われても、全く私は気付かなかった。体に何かを感じることも全く無かった。大丈夫なのでは? と思う反面、ラウロですらどうなるか分からないというのがとても恐ろしく思えた。


「遠征に参加しても、魔力溜まりに近付かなければ大丈夫でしょうか?」
「今考えてるのは魔力遮断結界。ただ、完全に遮断はできない。空中には魔力が漂っていて、水や食べ物も魔力を帯びているから、完全に遮断すると何も飲食できなくなるどころか息もできなくなる」
「死んでしまいますね」
「物理的な距離は保つにしても、どれほど離れれば安全なのかが分からないから不安はある」

 ラウロのそんな真剣に考え込む姿なんて初めて見た。
 いつも飄々としていて、何でもサラッと魔術で解決してしまうのが当たり前だと思っていた。

「シモン、ギューして。不安だから」
「いいですよ」

 私はラウロをギュッと抱きしめた。

「抱いていい?」
「優しくしてくれますか?」
「優しくする。すっごい優しくする」
「分かりました。いいですよ」

「シモン、好きだよ」


「あ、あ、、そんな、優しくされたら恥ずかしい、、」
「え~、シモンわがまま~」

 撫でるようにそっと触れられると、それだけでピクピク反応してしまう自分が恥ずかしい。

「ぁ、、はぁ、、ぅ、、あ、らう、、気持ちいいです、、あ、、」
「魔術使わないのもこれはこれでいいね。優しい刺激でじんわり気持ちいい。その、シモンにラウって呼ばれるの好きかも~」

 ラウロは優しくしてくれて、私を腕の中に閉じ込めて寝た。
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