【完結】おじさんの私に最強魔術師が結婚を迫ってくるんですが

cyan

文字の大きさ
20 / 20

おじさんの幸せ

しおりを挟む




「シモン、おはよう。」
「ラウロおはようございます? あれ? 私はいつ家に帰ってきたんでしたっけ? 魔力溜まりは?」
「えぇ~?? そこから~?」

 私は昨日あったことをラウロに説明してもらった。
 薄らと夢とも現実とも分からないような記憶が残ってはいる。
 全部現実か……ちょっと恥ずかしい。

「……そ、そうですか。なるほど……」
「これ、宮廷魔術師はもちろんだけど、陛下とかにもトップシークレットにして口外できないよう契約魔術使ってあるから安心して」
「え? 契約魔術?」
「そうだよ。命に別状がなくて魔力溜まりを1人で一瞬で浄化できるなんて知られたら大変なことになるからね。他国からも狙われかねない。シモンの体も」
「そう、ですか……」
「大丈夫。俺が守るから。まぁ、宰相辺りもかなりシモンを気に入ってるし、国もシモンのこと守ると思うけどね~」

「ラウロ、もしかしてこのことに気づいていて私を囲うために結婚したのではないですよね?」
「……シモン、そんなこと言うんだ? 俺がどれだけシモンのこと好きだと思ってるの? シモンには全然伝わってないの?
 抱かれ足りないなら、どんだけでも抱いてあげるよ? 魔術で体力回復できるし無限にいけるよ? そうする?」
「いえいえいえ、そんなことしたら私は死んでしまう。ごめんなさい。自分の力の大きさに少し不安になっただけです」

「まぁでも結婚を急いだのはそれもあるかな~。他の誰かに気付かれて掻っ攫われる前に俺のものにしたかった。でも体質とか関係なく好きだから」
「そうですか。嬉しいです。ラウロ、私も好きですよ」

 私たちはちょっとした危機も乗り越えて、いつも通りの生活に戻った。





「ねぇシモン、空好き?」
「空? えぇまぁ、青い空は綺麗ですよね。星空もいいですね」
「だよね。じゃあ今から空にデートに行こうね?」
「えぇ??」

 私はラウロに手を引かれるように外に出ると、ラウロはそのまま空へ飛び立った。

「ぎゃぁぁぁああああ、怖い、怖い、落ちるーーーー、死んじゃうー!!」
「大丈夫大丈夫。俺がついてるでしょ?」

 私は号泣し、空の景色なんて全然楽しめなかった。





「ねぇシモン、子供作ろ?」
「え? それはさすがに無理でしょう。私は男ですよ? ラウロも男ですよね?」
「そうだよ。男同士で子供作ったらダメなんて誰が言ったの? そんな法律ないよ」
「法律はなくても無理なものは無理でしょう?」
「ふふ~ん、大丈夫。最強魔術師の俺にかかれば子供なんてホイホイできちゃうから。こうしてこうして、シモンの中を子宮風に変えるでしょ? それでこうしてこうして、シモンの遺伝子から卵子作ればこれで完璧。
 今から子作りしようね~」
「えぇ??」

 こうして私は最強魔術師の夫に振り回されながらも、楽しく暮らしています。



(完)
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる

古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。

強面龍人おじさんのツガイになりました。

いんげん
BL
ひょんな感じで、異世界の番の元にやってきた主人公。 番は、やくざの組長みたいな着物の男だった。 勘違いが爆誕しながら、まったり過ごしていたが、何やら妖しい展開に。 強面攻めが、受けに授乳します。

生まれ変わったら知ってるモブだった

マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。 貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。 毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。 この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。 その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。 その瞬間に思い出したんだ。 僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。

悪役のはずだった二人の十年間

海野璃音
BL
 第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。  破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。  ※ムーンライトノベルズにも投稿しています。

幼馴染の王子に前世の記憶が戻ったらしい

325号室の住人
BL
父親代わりの叔父に、緊急事態だと呼び出された俺。 そこで、幼馴染の王子に前世の記憶が戻ったと知って… ☆全4話 完結しました R18つけてますが、表現は軽いものとなります。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

ゲーム世界の貴族A(=俺)

猫宮乾
BL
 妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。

名もなき花は愛されて

朝顔
BL
シリルは伯爵家の次男。 太陽みたいに眩しくて美しい姉を持ち、その影に隠れるようにひっそりと生きてきた。 姉は結婚相手として自分と同じく完璧な男、公爵のアイロスを選んだがあっさりとフラれてしまう。 火がついた姉はアイロスに近づいて女の好みや弱味を探るようにシリルに命令してきた。 断りきれずに引き受けることになり、シリルは公爵のお友達になるべく近づくのだが、バラのような美貌と棘を持つアイロスの魅力にいつしか捕らわれてしまう。 そして、アイロスにはどうやら想う人がいるらしく…… 全三話完結済+番外編 18禁シーンは予告なしで入ります。 ムーンライトノベルズでも同時投稿 1/30 番外編追加

処理中です...