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10.無敵になった僕(ユキ視点)
しおりを挟むずっと不安だった。
大切にしてくれているのは分かる。
だからこそ、僕がmisakiに何ができるのか。
何度も救ってもらって、健康をくれたmisakiに僕ができること。
毎日楽しくて、仕事もできるようになって、だから金銭的な負担はかけてない。
家事も覚えて料理も作れるようになった。
好きだし愛してるから離れたくはない。
でも、足枷になってないか不安だった。
誰かの役に立ったことなんて一度もなかったから。
前はmisakiの血をもらった時だったから、フワフワしててなんだか分からないうちに終わってた。
だから覚えているのは抱かれている時より、その前のmisakiが泣きながら何度も何度もキスしてくれた時かな。その時だってシャキッと頭が冴えていたとは言えない。
もうそろそろ死ぬのかと思ってたし、最後にmisakiの幻影を見ているのかと思ったくらい混乱していて、どんどん体が楽になって、キスが気持ちよくて僕も必死にmisakiを求めてた。
ほとんどその時のノリで、misakiが求めてくれるのが嬉しくて番になってしまった気がする。
だから少し後ろめたさがあるんだ。
前は真っ暗だったから恥ずかしくなかったけど、明るいのは恥ずかしい。
「あっ、、」
「ユキ、綺麗だよ。全部綺麗。愛してるよ。」
「んん、ぼくも愛してる。」
「気持ちいい?」
「あっ、、や、、」
misakiの指が僕の肌を撫でて胸の先をフニフニと揉むと、快感がブワッと体に広がる。
お腹の奥がキュンとして、misakiを求めているのが分かる。僕ってもしかして淫乱なのかな?
「こっちも触ってあげるね。」
「んふ、、あっ、、」
いつの間にか僕の中心で硬くなってたものをそっと掴んで扱かれると、今までに感じたことがないような快感が体を駆け巡る。
「ユキ、可愛い。」
「はずかしい」
「大丈夫。ユキは可愛いから。」
「あっ、、」
misakiの指が僕の中に入ってきてびっくりした。不思議じゃないけど、一回してるけど、そんなとこに入れるなんて怖かった。
大丈夫。大丈夫。僕はmisakiを受け入れる。
「ぁああ、、」
深呼吸を繰り返していると、misakiの指が変なところに触れて、僕の体は電気が走ったみたいに跳ねてビクビクして、背中は弓形に反ってた。
「ユキのいいとこ見つけた。」
「え?あっ、、や、あっ、、まって、、やっ、、」
misakiはそこばかり執拗に刺激してきて、僕は狂ったように嬌声を上げ続けた。
「ユキ、もう挿れていい?」
「うん」
正直怖かった。痛いとか苦しいとかじゃなくて、快感に支配されてしまうことが怖かった。
グププッとmisakiが中に入ってくる。
どうしよう。なんか、すごく幸せかもしれない。僕だけ。
「misaki、僕だけ幸せでごめんね。」
「は?何言ってる?俺も幸せだ。」
「んん、、あっ、、」
必死に手を伸ばしてmisakiに縋る。
misakiが僕に腰を打ちつける度にビクビクと体が痙攣して、ただただ気持ちよくて頭がおかしくなりそうだった。甘い吐息ばかり溢れて、misakiを必死に求めた。
ドクドクとmisakiのものを中に注ぎ込まれたお腹が温かい。はぁはぁと息を乱しながら僕の中から出ていくと、僕のお腹の上は僕から出たものでドロドロだった。お尻からトロリと出てくるのは、きっとmisakiのものだ。
クッタリと力が抜けた僕の体をmisakiは拭いて、ギュッと抱きしめてくれた。
「ユキがいる日々が、今でも夢じゃないかと思うくらい幸せで幸せで、幸せすぎて怖い。」
「うん。僕もそう思う。」
「ユキ、俺の番になってくれてありがとう。何を悩んでるのか知らないが、俺はユキがいないと歌えない。ユキが側にいてくれるだけで幸せなんだ。愛してる。どこにもいくなよ。」
「うん。」
番になってくれてありがとうなんて、言われると思ってなかった。misakiを見上げると目が潤んで涙が溢れそうになってる。
「misaki、いいの?僕でいいの?」
「当たり前だ。ユキ以外はいらない。俺のために生きて。」
~~♪
!!!
未来へ。何度も僕が救われた歌。misakiは僕を抱きしめたままこの歌を歌ってくれた。
いつも不安でいっぱいな僕に寄り添って、背中を押すんじゃなくて背中をそっと撫でてくれるような歌。
病気が治っても、この歌は僕の特別。
-----
「ユキ、うっとりしてるところ悪いけど、全然足りない。もう一回していい?体キツイか?」
「大丈夫。misakiが中にくれるからすごく元気だよ。」
「ユキ、そんなこと言うと寝かさないよ?」
「それって徹夜ってこと?徹夜って憧れてたの。僕、そんな無茶なこともできるのかな?嬉しい。」
「ユキ……まったく。」
「え?僕、変なこと言った?」
「いや、元気になったユキは無敵だな。じゃあ遠慮なくいただきます。」
(終)
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