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13.2度目のキス
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ノアside
僕の特製魔力回復ポーションができたから、すぐにでもエリオに届けたいと思って手紙を出した。
今度は兄貴たちに邪魔されないようにエリオの家に行きたいと手紙を書いたら、すぐに返事がきた。
「坊ちゃんは部屋におりまして・・・」
公爵邸を訪ねると、使用人にはどうも歯切れが悪い感じで対応された。僕はエリオの部屋に行けばいいの?
コンコン
「ノアです。」
部屋をノックしても返事はなかった。エリオは部屋にいるって言ってたよね?勝手に開けてもいいのかな?
そっと扉を開けてみたけど誰もいなかった。
部屋にいるって聞いてたのに、外に出たのかな?部屋で待っていてもいいんだろうか?
一歩、また一歩と進んでいくと、机の横で膝を抱えるエリオがいた。
デジャヴ?
僕はこの姿のエリオを見たことがある。あの領地の森でエリオに助けられて洞窟で夜を明かした時だ。
でもこの前とは違って、顔色も悪いし震えているようだった。
「エリオ。」
「・・・ノア、見ないでくれ。」
声をかけてみたが、エリオは顔を上げることなく掠れて震えた声でそう言った。
「何で?」
「こんな情けない姿。」
別に情けなくなんかないけど、僕はこんな状態のエリオを放って置けるわけもなくて、床に膝立ちになってエリオを抱きしめた。
「何があったか知らないけど、大丈夫。僕が付いてる。」
僕より少し小さいエリオが丸まって震えているのが、なんだか可愛くて、守ってあげたいと思った。
実際、エリオは強いから僕が守ってあげる場面がくることはないけど、苦しそうなエリオを救いたいと思ったのは本当なんだ。
しばらく抱きしめて背中を撫でていると、エリオの震えは治まっていった。
「ノア、ありがとう。」
少し体を離すと、エリオは一旦は顔を上げてありがとうと言ったのに、すぐに顔を逸らしてしまった。
恥ずかしかったのかな?情けない姿とか言っていたし。
エリオの耳がちょっと赤い。
「エリオ、こっち向いて。」
エリオの頬に手を添えてこっちを向かせると、少し潤んだネイビーの瞳が不安そうに僕の姿を捉えて揺れていた。
「綺麗。」
「え?」
「エリオの目、すごく綺麗。」
ダメだと分かっているのに、僕はエリオの唇に吸い寄せられるようにキスをしていた。
「ごめん。許可もなくキスして。」
「ノア、もう一回して。」
エリオに縋るような目でそんなことを言われて、我慢できる奴なんかいるわけない。
僕はエリオの柔らかい唇をそっと指でなぞって、キスをした。何度も唇を合わせるけど、それだけじゃ足りなくなって、エリオの下唇をはむはむと喰んで唇の柔らかさを堪能して、ちょっと迷ってエリオの唇の間から舌を侵入させた。
「、、んん、、、、」
ビクッと震えて逃げようとするエリオを抱き寄せて、離れないように頭の後ろを手で押さえた。
僕より力が強いはずなのに、僕の胸を押し返す力は弱くて、口内を舌でなぞっていくと、諦めたのか抵抗をやめて大人しくなった。
エリオの逃げ続けている舌の動きで戸惑っているのは分かったけど、それすらも可愛いし愛しい。
はぁはぁはぁはぁ・・・
唇を離すと、上気した顔で息を荒げるエリオがいた。もしかして、息止めてたの?
しかも、ネイビーの瞳からは涙がポロポロと溢れていった。
「嫌、だった?」
「嫌じゃ、ない。」
僕はエリオの溢れる涙を指で掬ってギュッと抱きしめた。
「僕はエリオのことが好きだよ。」
「私も。ノアのことが好きだ。」
エリオは僕の背中に手を回してくれた。
でもこれ、エリオはまだ僕のことを友達として好きとか思ってたりするのかな?
「ノア、私のこと嫌いになってない?」
「え?なんで?嫌いになんかならないよ。」
「もうノアにはバレていると思うけど、私は弱い。全然自信もない。ダメな奴なんだ・・・。」
「何言ってるの。ダメな奴なんかじゃない。エリオは優しくて可愛くて格好いいよ。」
「ノア、ありがとう。こんな私のこと見捨てないでくれてありがとう。」
「もう、エリオ可愛すぎ。またキスしたくなっちゃう。」
「うん。して?」
何で今日のエリオはこんなに甘えたで可愛いのかな?
まだ恋だって気付いてないエリオを襲ったりはしないけどさ、こんな風に求められたらずっと我慢できる気がしない。
「はぅ、、ぁ、、、んん、、、」
エリオの逃げる舌を捕まえてジュッと吸うと、息の仕方を知らないエリオの唇の端から甘い吐息が漏れる。ヤバイ、俺のあれが元気になっちゃう・・・。
「エリオ可愛い。気持ちよかったの?」
「気持ちよかった。ノア、もう一回して?」
「何度でもしてあげる。」
「うん。嬉しい。」
男に対しておかしいかもしれないけど、『嬉しい』と言った時のエリオの微笑みは、もうそれはそれは美しくて女神の微笑みのようだった。
エリオが眩しい。しかもおねだり?
僕は床に胡座をかくと、その上にエリオを乗せて何度もキスをした。
ん?
僕の中心で硬くなったそれに当たるエリオのものも、硬くなっているのが服の布越しでも分かってしまった。
トロトロに蕩けて、まるで酔った時のようにふにゃふにゃしてるエリオの硬くなった中心を服越しにそっと手で撫でると、ビクッとして一瞬にして部屋の隅まで逃げられた。
困ったような顔で僕の様子を、ベッドの影に隠れて恐る恐るといった感じで伺っている。
しまった、早まった・・・。
まだエリオは恋だと認識していないのに、やり過ぎた。
舌を絡めるようなキスをしているのにおかしい気もするが、きっとエリオはとても初心なんだろう。
「エリオごめん。もうしないから、戻ってきて。」
床に胡座をかいたまま両手を広げると、エリオはゆっくりと僕のところまで戻ってきて、僕の膝の上に座った。
「ビックリさせてごめん。」
エリオを抱きしめると、僕の背中に回されたエリオの手は少し震えていた。
「エリオ、怖がらせてごめん。」
「大丈夫だ。少し驚いただけ。」
少し体を離してエリオを見ると、眉間に皺を寄せて怒ったような厳しい顔をしていた。
心を閉ざしてしまったのかもしれない。
「そうか。本当にごめん。」
「私の方こそ、逃げてすまない。」
「エリオが謝ることなど何もない。今のは本当に僕が悪かった。」
気まずい・・・。
僕がしたことだから仕方ないんだけど、とても気まずい。でも僕の腕の中にいてくれるってことは、まだ嫌われてはいないんだよね?
「そうだ。僕、エリオのために作ったものがあるんだ。」
「あぁ。そんな手紙をもらっていた。」
「僕特製の魔力回復ポーションなんだけど、もらってくれる?」
「いいのか?」
「領地まで護衛してもらったり、助けてもらったり、魔法陣も。だから僕にできることを考えたんだけど、高価な物は持ってるだろうし、それならポーションがいいかなって。」
「もしかして、あの時の紫の花の薬草は・・・。」
「うん。そうだよ。エリオに作ってあげたくて採りに行った。」
「そうだったのか。私のために・・・。嬉しい。」
眉間の皺が取れて、エリオはまた僕に微笑んでくれた。ちょっとぎこちない微笑みだったけど、それでもエリオが笑ってくれてよかった。
「ノア、キスして?」
「いいの?」
「ノアは私が嫌がることはしないし。キス、していい?」
「いいよ。」
エリオに信用されてるのは嬉しい。すごく嬉しいけど、そんなこと言われたらもう手は出せないな。
まだ出さないけど。
僕たちはまた唇を重ねて、口内で舌による追いかけっこを繰り広げた。
エリオは舌を絡めるということは知らないらしい。
何度キスしても、エリオの舌は僕の舌から逃げて逃げて逃げまくる。
それでもキスがしたいと言ってくれるのは、きっとそれもエリオの中では楽しいことなんだろう。
とうとう捕まえてジュッとエリオの舌を吸うと、甘い吐息が漏れるのも可愛い。
可愛いし楽しい。
僕に燃え上がるような恋をしてほしいと思っていたけど、翻弄されているのはこっちで、エリオは恋とも気付いていないのかと思うと、ちょっと悔しい。
早く気付いてよ。
僕の特製魔力回復ポーションができたから、すぐにでもエリオに届けたいと思って手紙を出した。
今度は兄貴たちに邪魔されないようにエリオの家に行きたいと手紙を書いたら、すぐに返事がきた。
「坊ちゃんは部屋におりまして・・・」
公爵邸を訪ねると、使用人にはどうも歯切れが悪い感じで対応された。僕はエリオの部屋に行けばいいの?
コンコン
「ノアです。」
部屋をノックしても返事はなかった。エリオは部屋にいるって言ってたよね?勝手に開けてもいいのかな?
そっと扉を開けてみたけど誰もいなかった。
部屋にいるって聞いてたのに、外に出たのかな?部屋で待っていてもいいんだろうか?
一歩、また一歩と進んでいくと、机の横で膝を抱えるエリオがいた。
デジャヴ?
僕はこの姿のエリオを見たことがある。あの領地の森でエリオに助けられて洞窟で夜を明かした時だ。
でもこの前とは違って、顔色も悪いし震えているようだった。
「エリオ。」
「・・・ノア、見ないでくれ。」
声をかけてみたが、エリオは顔を上げることなく掠れて震えた声でそう言った。
「何で?」
「こんな情けない姿。」
別に情けなくなんかないけど、僕はこんな状態のエリオを放って置けるわけもなくて、床に膝立ちになってエリオを抱きしめた。
「何があったか知らないけど、大丈夫。僕が付いてる。」
僕より少し小さいエリオが丸まって震えているのが、なんだか可愛くて、守ってあげたいと思った。
実際、エリオは強いから僕が守ってあげる場面がくることはないけど、苦しそうなエリオを救いたいと思ったのは本当なんだ。
しばらく抱きしめて背中を撫でていると、エリオの震えは治まっていった。
「ノア、ありがとう。」
少し体を離すと、エリオは一旦は顔を上げてありがとうと言ったのに、すぐに顔を逸らしてしまった。
恥ずかしかったのかな?情けない姿とか言っていたし。
エリオの耳がちょっと赤い。
「エリオ、こっち向いて。」
エリオの頬に手を添えてこっちを向かせると、少し潤んだネイビーの瞳が不安そうに僕の姿を捉えて揺れていた。
「綺麗。」
「え?」
「エリオの目、すごく綺麗。」
ダメだと分かっているのに、僕はエリオの唇に吸い寄せられるようにキスをしていた。
「ごめん。許可もなくキスして。」
「ノア、もう一回して。」
エリオに縋るような目でそんなことを言われて、我慢できる奴なんかいるわけない。
僕はエリオの柔らかい唇をそっと指でなぞって、キスをした。何度も唇を合わせるけど、それだけじゃ足りなくなって、エリオの下唇をはむはむと喰んで唇の柔らかさを堪能して、ちょっと迷ってエリオの唇の間から舌を侵入させた。
「、、んん、、、、」
ビクッと震えて逃げようとするエリオを抱き寄せて、離れないように頭の後ろを手で押さえた。
僕より力が強いはずなのに、僕の胸を押し返す力は弱くて、口内を舌でなぞっていくと、諦めたのか抵抗をやめて大人しくなった。
エリオの逃げ続けている舌の動きで戸惑っているのは分かったけど、それすらも可愛いし愛しい。
はぁはぁはぁはぁ・・・
唇を離すと、上気した顔で息を荒げるエリオがいた。もしかして、息止めてたの?
しかも、ネイビーの瞳からは涙がポロポロと溢れていった。
「嫌、だった?」
「嫌じゃ、ない。」
僕はエリオの溢れる涙を指で掬ってギュッと抱きしめた。
「僕はエリオのことが好きだよ。」
「私も。ノアのことが好きだ。」
エリオは僕の背中に手を回してくれた。
でもこれ、エリオはまだ僕のことを友達として好きとか思ってたりするのかな?
「ノア、私のこと嫌いになってない?」
「え?なんで?嫌いになんかならないよ。」
「もうノアにはバレていると思うけど、私は弱い。全然自信もない。ダメな奴なんだ・・・。」
「何言ってるの。ダメな奴なんかじゃない。エリオは優しくて可愛くて格好いいよ。」
「ノア、ありがとう。こんな私のこと見捨てないでくれてありがとう。」
「もう、エリオ可愛すぎ。またキスしたくなっちゃう。」
「うん。して?」
何で今日のエリオはこんなに甘えたで可愛いのかな?
まだ恋だって気付いてないエリオを襲ったりはしないけどさ、こんな風に求められたらずっと我慢できる気がしない。
「はぅ、、ぁ、、、んん、、、」
エリオの逃げる舌を捕まえてジュッと吸うと、息の仕方を知らないエリオの唇の端から甘い吐息が漏れる。ヤバイ、俺のあれが元気になっちゃう・・・。
「エリオ可愛い。気持ちよかったの?」
「気持ちよかった。ノア、もう一回して?」
「何度でもしてあげる。」
「うん。嬉しい。」
男に対しておかしいかもしれないけど、『嬉しい』と言った時のエリオの微笑みは、もうそれはそれは美しくて女神の微笑みのようだった。
エリオが眩しい。しかもおねだり?
僕は床に胡座をかくと、その上にエリオを乗せて何度もキスをした。
ん?
僕の中心で硬くなったそれに当たるエリオのものも、硬くなっているのが服の布越しでも分かってしまった。
トロトロに蕩けて、まるで酔った時のようにふにゃふにゃしてるエリオの硬くなった中心を服越しにそっと手で撫でると、ビクッとして一瞬にして部屋の隅まで逃げられた。
困ったような顔で僕の様子を、ベッドの影に隠れて恐る恐るといった感じで伺っている。
しまった、早まった・・・。
まだエリオは恋だと認識していないのに、やり過ぎた。
舌を絡めるようなキスをしているのにおかしい気もするが、きっとエリオはとても初心なんだろう。
「エリオごめん。もうしないから、戻ってきて。」
床に胡座をかいたまま両手を広げると、エリオはゆっくりと僕のところまで戻ってきて、僕の膝の上に座った。
「ビックリさせてごめん。」
エリオを抱きしめると、僕の背中に回されたエリオの手は少し震えていた。
「エリオ、怖がらせてごめん。」
「大丈夫だ。少し驚いただけ。」
少し体を離してエリオを見ると、眉間に皺を寄せて怒ったような厳しい顔をしていた。
心を閉ざしてしまったのかもしれない。
「そうか。本当にごめん。」
「私の方こそ、逃げてすまない。」
「エリオが謝ることなど何もない。今のは本当に僕が悪かった。」
気まずい・・・。
僕がしたことだから仕方ないんだけど、とても気まずい。でも僕の腕の中にいてくれるってことは、まだ嫌われてはいないんだよね?
「そうだ。僕、エリオのために作ったものがあるんだ。」
「あぁ。そんな手紙をもらっていた。」
「僕特製の魔力回復ポーションなんだけど、もらってくれる?」
「いいのか?」
「領地まで護衛してもらったり、助けてもらったり、魔法陣も。だから僕にできることを考えたんだけど、高価な物は持ってるだろうし、それならポーションがいいかなって。」
「もしかして、あの時の紫の花の薬草は・・・。」
「うん。そうだよ。エリオに作ってあげたくて採りに行った。」
「そうだったのか。私のために・・・。嬉しい。」
眉間の皺が取れて、エリオはまた僕に微笑んでくれた。ちょっとぎこちない微笑みだったけど、それでもエリオが笑ってくれてよかった。
「ノア、キスして?」
「いいの?」
「ノアは私が嫌がることはしないし。キス、していい?」
「いいよ。」
エリオに信用されてるのは嬉しい。すごく嬉しいけど、そんなこと言われたらもう手は出せないな。
まだ出さないけど。
僕たちはまた唇を重ねて、口内で舌による追いかけっこを繰り広げた。
エリオは舌を絡めるということは知らないらしい。
何度キスしても、エリオの舌は僕の舌から逃げて逃げて逃げまくる。
それでもキスがしたいと言ってくれるのは、きっとそれもエリオの中では楽しいことなんだろう。
とうとう捕まえてジュッとエリオの舌を吸うと、甘い吐息が漏れるのも可愛い。
可愛いし楽しい。
僕に燃え上がるような恋をしてほしいと思っていたけど、翻弄されているのはこっちで、エリオは恋とも気付いていないのかと思うと、ちょっと悔しい。
早く気付いてよ。
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