【完結】破壊神のお婿さんはイケメンらしい

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七章:帝都 ロディ視点

55.俺の中に潜むもの

  

 アダムは帰っても難しい顔をしている。きっと事件のことを考えているんだろう。俺ができることはアダムを包み込んであげることだけだ。

「アダム、おいで」
 ソファに仰向けに寝ると、アダムは俺の上にうつ伏せに乗ってきた。そのまま抱きしめて、背中を撫でているとアダムがふぅ~っとゆっくり息を吐いた。
 きっとこれで大丈夫だ。

 アダムは苦しいことを考える時、息を止める癖がある。だから俺がちゃんと息ができるように背中を撫でるんだ。

 アダムはそのまま、俺の首筋に顔を埋めて匂いを嗅いでいる。
 さっき詰んだ『モジャ』は新鮮で、とてもいい匂いがすると思う。アダムが癒されるなら、『モジャ』をアダムの部屋にも生けてみようか。花瓶というのを借りなければならないけど、『モジャ』は兵舎裏にたくさんあるから、毎日摘んでも大丈夫だ。

 アダムを上に乗せて撫でていると、呼吸がだんだん整って、体の力を抜いて俺に身を預けてくれる。力を抜いてくれた時の重みと柔らかさがとても心地いい。温かくて幸せな気持ちになる。

「アダムが愛しくて可愛くてどうしよう」
 俺はいつでもアダムに触れたいし、たまに少しだけ意地悪したくなってしまう。

 時々怖くなる。『キラキラした石がついた服を着た男』は俺が魔術を当てられて痛いと泣いていた時、たぶん嬉しくて楽しんでいた。俺はアダムが気持ちいいと泣く時、どうしようもなく愛しくて嬉しいと感じてしまう。
 自分の中に嗜虐的な悪魔がいるんじゃないかと不安な気持ちになることがある。いつか、アダムを傷つけたらどうしよう。

「ロディ、キスしたい」
「うん。いいよ」
 待っていると、アダムが少し迷いながら俺の唇に軽く触れるだけのキスをして、恥ずかしかったのか俺の首筋に顔を埋めて隠れてしまった。
 あぁ、やっぱり可愛い。

「俺のアダムは世界一可愛い」

 少しだけ。そう思いながら、前に兵舎の裏でフライツがアストロにやっていたように、アダムの上衣の裾から手を忍ばせて、直に背中を撫でてみた。
 ツルツルでスベスベだ。すごく気持ちいい。

「あっ……やだ、そんなことされたら……」
「されたら?」
 また意地悪したい悪魔の俺が出てきた。
「ロディ、格闘したい」
「うん。しよう」
 アダムが求めてくれるなら何度でもする。たくさん幸せを感じてもらいたい。
 でも俺が悪魔だったらどうしよう。
 これだけは、怖くて打ち明けられそうにない。

 俺はアダムを抱き上げて、ベットに向かう。アダムの少し伸びた髪が頬にかかって、すごく綺麗だ。丁寧に脱がして、せっかくアダムが買ってくれた俺の服もそっと脱いで端に避けた。
「入れるよ」
 アダムの中に洗浄剤を入れると、柔らかくてプルンとした唇に吸い付く。あぁ愛しい。

「アダム、大好きだよ」
「うん。僕も好き」
 やっぱりネーベル様は神様だと思う。俺があの地下の部屋から出ても、こんなに幸せな日々が待っているなんて分からないはずだ。
 別の家の地下に入れられたかもしれないし、戦場に放り込まれたかもしれない。幸せな未来が待ってるって知ってたんですよね?

 アダムには何度言っても足りない気がする。俺はまだ言葉をよく知らないんだ。だからアダムに思いを伝える言葉が「好き」「愛してる」しか出てこないのが歯痒い。もっともっと大切で、大好きで、宝物なんだ。

「ロディ、気持ちいい」
「うん。アダム。可愛いよ。綺麗だよ。愛してるよ」
 またアダムを泣かせてしまった。宝石みたいに綺麗な目が潤んで、ポロッと涙が溢れて、ツーッと綺麗な涙が流れていく。アダムが綺麗すぎて、俺はいつもドキドキしている。アダムを泣かせて嬉しいなんて、やっぱり俺はおかしいのかもしれない。
 俺は眉毛のおじいちゃん先生に教えてもらったようにアフターケアを行うんだが、その中には少し懺悔の気持ちも入っている。だから丁寧に丁寧に、絶対に壊れないように、大切に大切にするんだ。
 泣かせてごめんね。でもアダムの涙も好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。

「アダム、大好きなんだ」
「うん。僕も大好きだよ」
 アダムの大好きと、俺の大好きが同じだといいな。そう願いながら、アダムのスベスベの肌にオイルを塗って、丁寧にマッサージをする。そして柔らかい肌のアダムを俺の腕に閉じ込める。今日も幸せだ。



  
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