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11.里帰りと建国の書
72.エピローグ
しおりを挟む「猫の父さん、この本読んで」
「僕も聞きたい!」
「二人とも本当にこの本が好きだね。これは僕と竜の父さんのおじいちゃんの、おじいちゃんの、おじいちゃんの、ずーっと昔のおじいちゃんの話だよ」
*
山の上にある大きなお城には、竜と猫の妖精の夫夫が住んでいました。
二人の間には、竜の血を濃く受け継いだ兄と、猫の妖精の血を濃く受け継いだ弟がいました。
二人はとっても仲良しで、いつも一緒に山の中で遊んでいました。
「我らはずっとここで暮らしてもいいが、息子たちにはいずれ人の世界に下りて生きていってほしい」
「ええ、僕たちみたいに広い世界を見てほしいですね」
「しかし見事に我ら二人の血を分けた兄弟になったな」
「ヴェルナーは竜の血を継いで、エルヴァンはケットシーの血を継ぎましたね」
「闇と光も対極的なのに、仲がいい」
「ふふ、そうですね」
夫夫は二人の息子が遊ぶ姿を眺めながら、空を飛ぶのが好きでした。
大きくなった二人の息子は旅に出たいと両親に告げます。
「竜の父さん、猫の父さん、俺たち山を下りて世界を見て回ろうと思うんだ。エルヴァンと二人ならきっと大丈夫」
「僕も兄さんと協力して世界を見てみたい」
夫夫は顔を見合わせ、とうとう巣立ちの時が来たのだと悟りました。
「二人なら大丈夫だ。広い世界を見ておいで」
「二人とも気をつけてね」
夫夫は旅支度を終えた二人の背中を見えなくなるまで見送りました。
「心配だ。だって世の中は綺麗なだけじゃない。僕が村を追い出されたみたいに、息子たちは何も悪くないのに嫌な思いをするかもしれない」
「そうだな。下の世界で暮らすのであれば、息子たちはそれも知らなければいけない。二人が山に戻りたいと言ったら、それでもいい」
「うん。傷ついて帰ってきたら、僕たちが傷ついた心を癒してあげよう」
「我は息子たちを傷つけた奴を焼き尽くしてもいい」
「穏やかじゃないね。ダメだよ僕はもうそんな君は見たくない」
「分かった。善処する」
数年後、息子たちは大きくなって山に帰ってきました。
「竜の父さん、猫の父さん、ただいま帰りました」
「世界をたくさん見てきました」
二人の息子は夫夫に、山の下の世界で見た色々な話を聞かせます。
いいことも、嫌なこともたくさんあったようです。
「竜の父さん、猫の父さん、僕たちは下の世界で暮らそうと思う」
息子たちの決意は硬いようです。夫夫は少し寂しいと思いながら、息子たちを送り出すことにしました。
「お前たちが決めたのなら、反対はしない」
「何か困ったことがあれば相談して。父さんたちはいつでもお前たちの味方だから」
二人の息子は、国を作る計画を始めました。しかし、恵み豊かな土地には既に人が住んでおり、彼らを追い出してまで作ろうとは思いませんでした。
「兄さん、ここは誰も住んでいない。それに魔力がとっても潤沢だよ」
「だが、この地は人が暮らすにしては恵みが少なすぎる」
「父さんたちならなんとかできるかな?」
「できるかもな。聞いてみるか」
久しぶりに山に帰った息子たちは、夫夫に国を作る計画をしていると伝えて協力を願いました。
「国か。それはまた壮大なことを考えたものだ。我が息子ながらやるな」
「二人は一緒に国を作るんじゃないの?」
息子たちはそれぞれ国を作ると言っています。それを疑問に思った猫の妖精は、不思議に思いました。
「僕は猫の父さんのように村を追われた人たちを集めて国を作りたい」
「エルヴァン、優しいお前らしいな。俺は竜の父さんのように強い力を持つ国を作る。そしてお前の国を守る」
息子たちの決意は硬いようです。
「よし、我が人が住める平地を作り、鉱脈も作ってやる」
「それだけじゃダメだよ。人が暮らすには豊かな実りがないとね。僕が二人が治める土地に光の加護を与えよう。エルヴァン、その後はお前が加護を維持するんだ」
こうして竜と猫の妖精の力で、不毛の大地を住める国に変えました。
「僕は武力を持たない。だけど兄さんのことは僕が救う。僕の力で僕の国と兄さんの国を豊穣に導くよ。闇の魔力のことも癒すよ」
「ありがとう。俺はお前とお前の国を守る。戦いは俺に任せろ」
「ずっと僕たちの国が手を取り合って永く繁栄するといいね」
「そうだな」
*
「アルフ、また『建国の物語』を読んでいるのか?」
「うん。カスパーとフリードが読んでほしいって」
「二人とも寝ているぞ」
「あれ? 本当だ」
「次は俺の相手をしろ」
「はい」
「この手は至高だ」
皇帝はいつものようにバルコニーで日向ぼっこをしながら僕の手をフニフニと触っている。
「手だけ? 唇は?」
「お前の存在が至高だ。まったく、お前はどこまでも俺を虜にする」
柔らかくて少し冷たい唇が重なった。
(完)
==========
最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
お気に入り登録、ハート、エール、感想、BL大賞にご投票いただいた皆様、本当にありがとうございました。
また別の作品でお会いしましょう(*^o^*)/
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いや〜良いですなぁ🩷流石です。アルの頑固な所が特に推せますよ。体調整えて佳いお年をお迎え下さい。
いつも感想をいただきありがとうございます🩵
お褒めの言葉をいただきとても嬉しいです🥹
グレオン様に従っているように見えて、実は頑固で自分の考えを曲げないアル。拗れながらも幸せを掴みました😊
しのママさんも良いお年をお迎えください。
いつも感想をいただきありがとうございます🩵
奨励賞、信じられません。読んでくださる皆さんのおかげです🥹
ありがとうございますm(_ _)m
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いつも感想をいただきありがとうございます🩵
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いつも応援していただきありがとうございます🥹
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