俺たちの××

怜悧(サトシ)

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夏休み編

※ピアッシング →side T

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ネット通販で頼んだものが来たんだと、康史は上機嫌で俺の目の前にソレを並べ始めた。
つか…………通販だとしても、コイツは何を注文してるんだ。 
18歳だから高校生じゃ買えないだろうしし、親の名義で注文してるのだろうか。
実際に店で買うのも、身分証明書とかまで出せとは言われないにしても勇気がいる。
明らかに大人のオモチャ的なものが箱にいっぱい入っていて、すみっこにキラキラ光る綺麗なピアスがあった。
俺はそれを見て、ハッとしたように康史を見返した。

「トールがさ、全部くれるって言ったから。…………これ使って全部もらうつもり」
コイツの趣味はAVの傾向を見て、たいていのことはわかっている。
分かった上で、欲しいと告げた言葉にイイヨと返したのだが、目の前にえげつなそうな道具を見せられると、やっぱり躊躇う。
まあ、一度決めたものを俺は曲げるつもりもない。男に二言はねえのだ。

俺は机のはじっこにおいてあるキラキラしたピアスを手にとった。
幾何学的な模様が彫ってあり、馬蹄になっていてカッコイイ。
多分康史のイニシャルだろうか、ピアスにYHと彫ってある。
これを見つけた瞬間に、全部くれてやっていいと踏ん切りがついた。
「…………全部ヤんよ。オマエに」
俺が、奴らにつけられちまったピアスを外したい気持ちでいっぱいなのを、きっと康史は汲んでくれたのだろう。
俺がさっさと外すといったら、少し待てといった理由は、付け替えてくれるつもりだったのだろうな。

いつも、康史はそうだ。

いつでも、俺の気持ちを先回りしてくれる。
全部やっちまってもイイし、かまわない。
何されても構わねェ。

「これ全部使っていいのか」
「どう使うんか俺にはさっぱり想像つかねェけど、イイヨ。何でもしてやるし、何されてもイイ」

目の前に並んだ何に使うかかわからない器具を手にとって、面白い形してるなとぼんやり眺める。
「もー、かなわねえな。……トールは本当に潔ぎよすぎなんだよ」
「それは褒めてるンか」
「まあね。少しだけ嫌がられるのも好きなんだけど」
綺麗でたまらなく好きな顔が、嬉しそうな色に染まるのに、俺はにっと笑って見せる。
「じゃ、脱いで」
「っつっても、俺、ランニングとパンツしか着てねえぞ」
裸と殆ど変わらない姿の自分を見やり、肩を竦ませ手にした器具を机の上に置くとぱぱっと脱いで全裸になってやる。
「え…………まって、トール。ちょっと恥ずかしがるとかそういうのないの」
逆に慌てたような顔をする康史に、俺は首を傾げる。
「別に……恥ずかしくねェしな」
「……そ、そうか……そうだよな」
ちょっと残念そうな表情の康史に、何かやっちまったかなと思い首を傾げる。
特に今の行動に、問題ねえよな。
「あーと、何か違った?」
「いや。トールが……どうしたら恥ずかしがってくれるかなとか考えてらた」
ちょっと言いにくそうに、俺を眺め康史はは俺の腰に腕を絡める。
「恥ずかしがったらいいのか」
言われていることが分からず、俺はどうしようかと考える。
恥ずかしいことか。
そういうことを求められるとは思わなかった。結構、恥ずかしいことはしている気もするんだけどな。
考えあぐねていると、康史はぐいっと俺の体を抱きしめる。
「トールが考えなくてもいいんだ。トールが潔すぎるからさ」
目線ひとつ下に見えるヤスの頭に俺はあごをごつんと乗せた。
「大丈夫、トールが恥ずかしがるようなこと、俺いっぱいするから」
そうか。
うーん。

「それって、大丈夫っていうのか」

思わず突っ込むと、康史はベッドの上を手のひらで叩く。
「とりあえず、ピアス変えようね。ベッドに座って」

腕を解いて微笑む康史に俺は頷いて、ベッドに腰を下ろした。


康史は救急箱から消毒液をもってくるとピアスをきゅっきゅっと綿布で拭いて、俺の乳首をつまむように触れる。
その触れられる冷たさに、俺の背筋からぞくぞくと痺れが伝わり、ぴくんぴくんと股間が膨らんでくる。
「ちょっとひっかかると……痛いかも。ちゃんと穴に通るように刺すけど………」
カチンと嵌っているピアスのロックを外して、了解を得るかのように俺の顔をじっと見つめる。
「…………へえきだ。痛くてもよ…………」
へっと笑って見せると、ヤスはきゅっと乳首をつまむ指先に力を篭める。
きゅっとピアスを引き抜くと、康史は新しいピアスの針を刺し込む。
「――く、ッッ…………うう………ッて…………」
少しだけ肉にひっかかったのか、ビリビリっと脳天をつくような痛みと痺れが背筋を走る。
とくっと既に張り詰めた股間から我慢汁があふれてきてしまうのがわかり、俺は、唇軽く噛み締める。
殴られるより、こういう痛みのほうがクるようになっちまった。
康史は唇をちろっと舐めて、俺の表情を見つめ興奮したような表情を見せる。
ホントに、俺が辛そうな顔をするのが好きみたいだな。
「痛いのに感じてるの?…………可愛いよ、トール。もう片方ね」
つけていたピアスを、きゅっと外すとわざとらしく、今度はヤスは刺す穴から外して乳首をつつく。
「!!!っく…ッ……………は…………イタェッ………ッ…………」
ビクビクと震えて、俺はピアスをつけられた刺激に耐えられずに、精液を腹に撒き散らしてしまう。
「トールが、可愛いからいじめたくなっちゃった、でも、乳首だけでイッちゃったの?」
へらっと笑いつつ、ひくひくと痙攣する俺の頬を撫でて微笑む。
その笑顔を見て、こんな目にあわされいるのに、それでもまーいいやって思える。
こいつが満足するなら、俺はこんなこと別に問題ない。

「なあ、もう一個、オレのためにピアスあけてくれる?」

手のひらに乳首につけたのと同じピアスを載せて、俺の股間あたりを見つめる。
俺は、痛みと快感に少し霞んだ視界の中で微笑む康史に頷いた。


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