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林の真ん中にひっそりと佇む教会も高床式になっているが、他の民家とかとは異なり梯子では無くしっかりとした木の階段がつけられている。
窓にはグラスが嵌め込まれ、質素だが美しい木造の建物になっていた。
「神父様、旅人が宿を求めてます」
男は扉を開いて中に入ると、礼拝堂の奥から黒い式服を着た白髪の神父が出てくる。
「此方に迷い込まれるとは災難でしたね」
「沼に足をとられてしまって、馬に休息を与えたいのですが、一泊よろしいでしょうか」
普段とは違う紳士的なガイザックの口調に、ルイツは少し驚きつつも、以前は王の近衛騎士隊長だったのだなと思い直す。
「此方に辿り着かれたのも髪の導き、村の掟でこの教会の中でだけお過ごしいただくことになり、不自由をかけますがよろしいでしょうか」
静かに話をしながら神父はこちらにどうぞと、礼拝堂の中へと通す。
中には水晶で彫られたのか、このような小さな村の教会に置いてあるには似つかわしくない聖母像が中心に据えられている。
このような物が盗賊に狙われず存在していることが、不思議である。
「私たちは、休養がとれればそれで構いませんので」
「こちらの部屋になります。夜の間は外から施錠をさせてもらいます。貴方がたを疑う訳ではないのですが、昔あの像を盗もうとした旅人がおりましたもので」
神父は申し訳なさそうに言うと、部屋の中に2人が入るの確認してからそう告げた。
「外から、と、は」
ルイツが驚いて部屋の中を見回すが、その部屋だけ石壁になっていて窓はなかった。
「疑うわけではないのですよ……わたしたちが生きるためには、仕方のないことなのです」
静かに告げると、神父は部屋を出て外からガチッと施錠をした。
パタンと閉まった金属の扉とガチャと鍵がかかる音を聞いて、放心したかのように暫く眺めた後、我に返ると、フードを脱いでさっさと寝支度を始めるガイザックの胸ぐらを掴んだ。
「うわああぁ!!!何落ち着いてんだ、アンタ。って、これって軟禁だよな。なあ、あんたが後先考えないから閉じ込められちまっただろ」
ガタガタと青銅でできた扉を揺らして、しっかり施錠されているのに、ルイツは肩を落とす。
「一泊くらい部屋から出ないでも問題ないだろォ」
怠そうにさっさと寝て疲れをとらないとなと呟くガイザックにはまったく危機感はない。
「このまま閉じ込められたらどうするんだよ」
必死になってことの重大さを告げるが、ガイザックには伝わらないのか首を傾げ、長い金色の髪を紐で縛り上げる。
「落ち着いて考えろ、ルイツ。オレらを閉じ込めて、村人になんの利益があるんだ?」
「お尋ねモノの自覚あるんですか。追われてるんだし、政府に引き渡される可能性もある」
懸賞金もかかっている可能性があると諭すように告げるが、分かってないなあと面倒そうに言われて頭をポンポンと叩かれる。
ガイザックは不老不死の呪いがかかっているため、ルイツと見た目はあまり変わらないが、かなり歳上である。子供扱いのような仕草にルイツはさらにむっとして睨みつけた。
「大体、こんな村まで手配書きてないだろ、いざとなりゃ扉をぶち破ればいいだろ」
「って、青銅製の扉だぜ。破れっこない」
無茶苦茶なことを言い出すガイザックに、馬鹿じゃないのかという視線を向けると、ガイザックは自分の大剣を指さして、なんてことは無いと告げる。
「斬ればいいだろ、斬れば。こんなもん、二三枚重ねても斬れる。いいから寝かせろ」
斬れると言い切る男の言葉に、ハッタリなども感じずに、ルイツはすごすごと引き下がると自分も寝支度を始めた。
窓にはグラスが嵌め込まれ、質素だが美しい木造の建物になっていた。
「神父様、旅人が宿を求めてます」
男は扉を開いて中に入ると、礼拝堂の奥から黒い式服を着た白髪の神父が出てくる。
「此方に迷い込まれるとは災難でしたね」
「沼に足をとられてしまって、馬に休息を与えたいのですが、一泊よろしいでしょうか」
普段とは違う紳士的なガイザックの口調に、ルイツは少し驚きつつも、以前は王の近衛騎士隊長だったのだなと思い直す。
「此方に辿り着かれたのも髪の導き、村の掟でこの教会の中でだけお過ごしいただくことになり、不自由をかけますがよろしいでしょうか」
静かに話をしながら神父はこちらにどうぞと、礼拝堂の中へと通す。
中には水晶で彫られたのか、このような小さな村の教会に置いてあるには似つかわしくない聖母像が中心に据えられている。
このような物が盗賊に狙われず存在していることが、不思議である。
「私たちは、休養がとれればそれで構いませんので」
「こちらの部屋になります。夜の間は外から施錠をさせてもらいます。貴方がたを疑う訳ではないのですが、昔あの像を盗もうとした旅人がおりましたもので」
神父は申し訳なさそうに言うと、部屋の中に2人が入るの確認してからそう告げた。
「外から、と、は」
ルイツが驚いて部屋の中を見回すが、その部屋だけ石壁になっていて窓はなかった。
「疑うわけではないのですよ……わたしたちが生きるためには、仕方のないことなのです」
静かに告げると、神父は部屋を出て外からガチッと施錠をした。
パタンと閉まった金属の扉とガチャと鍵がかかる音を聞いて、放心したかのように暫く眺めた後、我に返ると、フードを脱いでさっさと寝支度を始めるガイザックの胸ぐらを掴んだ。
「うわああぁ!!!何落ち着いてんだ、アンタ。って、これって軟禁だよな。なあ、あんたが後先考えないから閉じ込められちまっただろ」
ガタガタと青銅でできた扉を揺らして、しっかり施錠されているのに、ルイツは肩を落とす。
「一泊くらい部屋から出ないでも問題ないだろォ」
怠そうにさっさと寝て疲れをとらないとなと呟くガイザックにはまったく危機感はない。
「このまま閉じ込められたらどうするんだよ」
必死になってことの重大さを告げるが、ガイザックには伝わらないのか首を傾げ、長い金色の髪を紐で縛り上げる。
「落ち着いて考えろ、ルイツ。オレらを閉じ込めて、村人になんの利益があるんだ?」
「お尋ねモノの自覚あるんですか。追われてるんだし、政府に引き渡される可能性もある」
懸賞金もかかっている可能性があると諭すように告げるが、分かってないなあと面倒そうに言われて頭をポンポンと叩かれる。
ガイザックは不老不死の呪いがかかっているため、ルイツと見た目はあまり変わらないが、かなり歳上である。子供扱いのような仕草にルイツはさらにむっとして睨みつけた。
「大体、こんな村まで手配書きてないだろ、いざとなりゃ扉をぶち破ればいいだろ」
「って、青銅製の扉だぜ。破れっこない」
無茶苦茶なことを言い出すガイザックに、馬鹿じゃないのかという視線を向けると、ガイザックは自分の大剣を指さして、なんてことは無いと告げる。
「斬ればいいだろ、斬れば。こんなもん、二三枚重ねても斬れる。いいから寝かせろ」
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