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「ざっけんな。…………同情とかいらねえよ、そううのは真っ平なンだよ」
思わず長谷川を綺麗な顔を思い切り叩いてしまって、そんな自分に嫌気がさした。
これじゃ、八つ当たりのDVと変わらない。
こんなに好きな相手に対して、付き合おうと慰められたのに手をあげてしまうなんて、最低だ。
もう、本当に終わりだと絶望に打ちひしがれていると、グイッと腕捻り上げられ、怒りの形相の長谷川が目に入った。
「痛ェ……………な、…………離せ」
謝ろうと思っていた言葉が、喉からまた腹までひっこんでしまう。
「…………人の話聞いてた?オレ、アンタに会えなくて寂しくメシ食ってたっつったろ。会えなくなって、気づいたんだよ。…………アンタが好きだって……いくら優しいふりだとしたってさ、同情で男なんか抱けるかよ」
長谷川らしくない物言いで、敬語も忘れているようだ。
らしくないというより、こちらの方が本性なのかもしれない。
やっぱり、俺を抱いてくれた記憶は夢じゃなかった。
「……でも……昨日……俺は…………あんな……」
あんな失態や痴態をみせてしまった。
俺を好きになって欲しいと願ったけど、あんな風な姿を見せたことは、記憶から消して欲しかった。
俺が何度も頭を振ると、長谷川は腕を回して俺の体を引き寄せる。
「あんなのノーカン。さっぱり忘れなよ。つーか、オレが忘れさせてやるから」
俺の気持ちが通じたような言葉と、男らしい物言いに、呆気にとられてその顔を見返す。
長谷川は目を細めて、ぐりぐりっと俺の頭を撫でて額にちゅっと唇を押し当てた。
腹がたつほど、カッコいい姿に困惑してしまう。
元々その綺麗な顔に惚れていたが、キュッとトキメキで胸を掴まれてしまう。
「オマエさ…………今気づいたんだけど、さっきっから性格ちがくねえか。眼鏡外してるから、か?」
「…………まあ、こっちが、わりと地だと思う。……キレると地がでちまうんだけど…………」
頭を掻いてまるで、失敗したなといった表情をする長谷川は、どこからどうみてもオスの顔である。
忘れさせてやると言った長谷川のセリフは、どう考えても俺を抱く気満々のセリフに他ならない。
長谷川は昨日のことは、ノーカンだと言い放ったが、それは、全くなかったことにはなっていない。
男と女なら、ここで両思いになってハッピーエンドかもしれないが、俺はその言葉に嬉しいと答えを返す気持ちにはなれなかった。
「……なあ、長谷川。俺はオマエが好きだ。そんでもって、俺はオマエを抱きたいと思ってる。オマエのキモチはそれに答えてくれるものじゃねえよ、な」
答えは聞かなくても、なんとなく分かっていた。
長谷川がそれを受け入れるような性格ではないのも、手に入るものでもないことも、性格を知るうちに分かってしまっていた。
ちょっと驚いた表情を浮かべて、長谷川は俺の隣に腰をおろして、うーんと唸ってから天井を見上げる。
「…………僕が勃つかどうかが問題なのかと思ったけど、そういうものでもないんですね。こういうときは、どうするものなのかな、順番?どっちも男なんだし、入れたいのは本能として当然ですよね」
すっかり気持ちが落ち着いたのか、口調もいつもどおりの優等生ヅラに戻っている。
「そういっちまったら、まあ…………そうなんだけどな」
長谷川は意外にも自分が入れる方だと、オレに主張することはなかった。
昨日のことは本当になかったことにしてくれているのだと思った。
「僕は貴方を可愛いと心から思ってます。だから、抱きたいと思うけど、無理に求めたりは出来ない。反対に、受け入れるのが、出来るかと言われたら正直言って、難しい気がする。だから、付き合うのにはセックスとか正直いらないかなって、思う」
それはどう考えても、短絡的すぎるだろう。
「どうやっても、どうせ生物学的にも何も生まれないし。まあ、…………僕は先輩と一緒にいれたらいいかな」
いや、それは俺が嫌だ。
俺の好きは下半身も込みでの恋情だ。
そんなのに耐えられるはずもない。
あーーーーもーーーーーーー。
うだうだ考えるのも、ホントに面倒くせえ。惚れた方が負けだ。そんなのは分かってる。
「1回やっちまったら、100回やっても、一生やってもかわんねえ。オマエと繋がれない方が、よっぽどつれえ」
変わるとは思うが、ウダウダ考えてる自分がホントにうぜえ。
ちらっと隣に座る長谷川を見遣ると、俺の言葉を予測していたような、してやったりといった表情にぶつかり、俺は後悔した。
まさに、計画通りってやつか。
クソ、この腹黒優等生が。
「大好きですよ、瀬嵐先輩」
薄く柔らかい唇が俺のソレを包むように落ちてきた。
思わず長谷川を綺麗な顔を思い切り叩いてしまって、そんな自分に嫌気がさした。
これじゃ、八つ当たりのDVと変わらない。
こんなに好きな相手に対して、付き合おうと慰められたのに手をあげてしまうなんて、最低だ。
もう、本当に終わりだと絶望に打ちひしがれていると、グイッと腕捻り上げられ、怒りの形相の長谷川が目に入った。
「痛ェ……………な、…………離せ」
謝ろうと思っていた言葉が、喉からまた腹までひっこんでしまう。
「…………人の話聞いてた?オレ、アンタに会えなくて寂しくメシ食ってたっつったろ。会えなくなって、気づいたんだよ。…………アンタが好きだって……いくら優しいふりだとしたってさ、同情で男なんか抱けるかよ」
長谷川らしくない物言いで、敬語も忘れているようだ。
らしくないというより、こちらの方が本性なのかもしれない。
やっぱり、俺を抱いてくれた記憶は夢じゃなかった。
「……でも……昨日……俺は…………あんな……」
あんな失態や痴態をみせてしまった。
俺を好きになって欲しいと願ったけど、あんな風な姿を見せたことは、記憶から消して欲しかった。
俺が何度も頭を振ると、長谷川は腕を回して俺の体を引き寄せる。
「あんなのノーカン。さっぱり忘れなよ。つーか、オレが忘れさせてやるから」
俺の気持ちが通じたような言葉と、男らしい物言いに、呆気にとられてその顔を見返す。
長谷川は目を細めて、ぐりぐりっと俺の頭を撫でて額にちゅっと唇を押し当てた。
腹がたつほど、カッコいい姿に困惑してしまう。
元々その綺麗な顔に惚れていたが、キュッとトキメキで胸を掴まれてしまう。
「オマエさ…………今気づいたんだけど、さっきっから性格ちがくねえか。眼鏡外してるから、か?」
「…………まあ、こっちが、わりと地だと思う。……キレると地がでちまうんだけど…………」
頭を掻いてまるで、失敗したなといった表情をする長谷川は、どこからどうみてもオスの顔である。
忘れさせてやると言った長谷川のセリフは、どう考えても俺を抱く気満々のセリフに他ならない。
長谷川は昨日のことは、ノーカンだと言い放ったが、それは、全くなかったことにはなっていない。
男と女なら、ここで両思いになってハッピーエンドかもしれないが、俺はその言葉に嬉しいと答えを返す気持ちにはなれなかった。
「……なあ、長谷川。俺はオマエが好きだ。そんでもって、俺はオマエを抱きたいと思ってる。オマエのキモチはそれに答えてくれるものじゃねえよ、な」
答えは聞かなくても、なんとなく分かっていた。
長谷川がそれを受け入れるような性格ではないのも、手に入るものでもないことも、性格を知るうちに分かってしまっていた。
ちょっと驚いた表情を浮かべて、長谷川は俺の隣に腰をおろして、うーんと唸ってから天井を見上げる。
「…………僕が勃つかどうかが問題なのかと思ったけど、そういうものでもないんですね。こういうときは、どうするものなのかな、順番?どっちも男なんだし、入れたいのは本能として当然ですよね」
すっかり気持ちが落ち着いたのか、口調もいつもどおりの優等生ヅラに戻っている。
「そういっちまったら、まあ…………そうなんだけどな」
長谷川は意外にも自分が入れる方だと、オレに主張することはなかった。
昨日のことは本当になかったことにしてくれているのだと思った。
「僕は貴方を可愛いと心から思ってます。だから、抱きたいと思うけど、無理に求めたりは出来ない。反対に、受け入れるのが、出来るかと言われたら正直言って、難しい気がする。だから、付き合うのにはセックスとか正直いらないかなって、思う」
それはどう考えても、短絡的すぎるだろう。
「どうやっても、どうせ生物学的にも何も生まれないし。まあ、…………僕は先輩と一緒にいれたらいいかな」
いや、それは俺が嫌だ。
俺の好きは下半身も込みでの恋情だ。
そんなのに耐えられるはずもない。
あーーーーもーーーーーーー。
うだうだ考えるのも、ホントに面倒くせえ。惚れた方が負けだ。そんなのは分かってる。
「1回やっちまったら、100回やっても、一生やってもかわんねえ。オマエと繋がれない方が、よっぽどつれえ」
変わるとは思うが、ウダウダ考えてる自分がホントにうぜえ。
ちらっと隣に座る長谷川を見遣ると、俺の言葉を予測していたような、してやったりといった表情にぶつかり、俺は後悔した。
まさに、計画通りってやつか。
クソ、この腹黒優等生が。
「大好きですよ、瀬嵐先輩」
薄く柔らかい唇が俺のソレを包むように落ちてきた。
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