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突然の異世界
突然の連行
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おばあさんが教えてくれた通り、道を進んでいく。
周りを石造りの家々が並んでいて、朝陽は先ほど
よりだいぶ高くなっていた。
ちらほらと歩く人も見かけるが、服装こそ違えど
見た目にそこまで大差はないようだった。
まっすぐ道を進み、
ようやく3つ目の通りが見えてきた。
たしかあの角を左に曲がったら、警備署があるはずだ。
それにしても、この世界では異世界から来る人が
そこまで珍しくはないみたい。
これなら、自力でも何とか生きていけるかもしれない。
よし!なんか大丈夫な気がしてき、、
ぶっ!!
い、痛い、、
何か堅いものにぶつかって見上げると、
グレーの鎧をつけた兵士2人組が目の前にいた。
ガシっ!
その兵士が急に私の腕を掴んできたのだ。
「な、なんですか!?」
「貴様、変わった服装をしているな。異界人か。」
「おかしいな。ここ数日扉が開いた形跡はないと
報告があがっていたはずだが」
兵士2人が私の腕を掴んだまま、なにやら険しい
表情で話している。
「あの!ちょっと!
腕が痛いんですけど、離してもらえませんか?」
「念のため、王宮まで連行した方が良さそうだな。連行するぞ」
そう言ってぐいっと両サイドから腕を掴まれ、
どこかに連れて行かれる。
「え?何なんですか?説明してください!
ちょっと!」
一体なんなの!?
この世界で異界人は珍しくないんじゃないの!?
ほとんど引きづられるようにして、
たどり着いたのは高い塀に荘厳な門の前だった。
そこにいた衛兵の1人に何やら話しかけている。
「登録ない異界人、、、早急に宰相の、、、
さまへ、、たのむ」
まだ私の腕を掴んで横に立っている兵士に尋ねて みる。
「あの!ここどこですか?」
「・・ここは王宮だ。登録のない異界人は基本的に警備隊で申請し、王宮で承認を経て滞在の許可が
出る。
本来、異界人が王都に入れば結界が反応して事前に分かるはずだが、今回その反応は確認されていない。
よって、貴様は不審者もしくは危険人物の可能性があるため直接、王宮に判断を仰ぐことになったのだ」
「そう、、なんですね」
横の兵士は未だに仏頂面だが、
意外にも親切に教えてくれた。
まぁ、とりあえずいきなり罰せられるようなことはなさそうだとほっとする。
いや、ここのお偉いさんが死刑!といえばそうなるかもだけど、、
今は素直に従うしかなさそうだ。
暫くして、先ほど伝言を任された衛兵が戻ってきた。どうやら中に入る許可が出たようだ。
私たちは門を潜り、敷地内に入るとすぐ目の前には石造りの高い壁がそびえ立っていた。
見上げると遥か高くに窓が並んで見える。
大した庭もなく道が続いてるだけなので、
ここは裏口なのかもしれない。
暫く進むと人1人が通れるくらいの小さな鉄製の扉が見えてきた。
その扉を開け中へ入ると、少しヒヤッとした空気が流れた。
目の前には幅の狭い石の階段が続いていて、
衛兵を先頭に縦に並んで上がっていく。
少し息を切らしながら登りきるとまた扉が現れた。
その扉を開けた瞬間、世界が変わった。
壁はシックな紺、廊下には暗めの落ち着いた赤い絨毯がひかれ、窓や家具は全て金で縁取られていた。
急に煌びやかな世界になり呆気に取られていると
「何をしている。さっさと歩け」
後ろにいた兵士に急かされる。
そんな言い方しなくてもいいじゃない。
何も悪いことしてないのに、、。
膨れながら歩いていると、ピタっと前を歩いていた衛兵が止まり横に向き直るとドアをノックした。
「シュタイン様。例の者を連れて参りました」
「中へ入りなさい」
低い落ち着いた声がしたあと、ドアが開かれ私たちは中へと入った。
周りを石造りの家々が並んでいて、朝陽は先ほど
よりだいぶ高くなっていた。
ちらほらと歩く人も見かけるが、服装こそ違えど
見た目にそこまで大差はないようだった。
まっすぐ道を進み、
ようやく3つ目の通りが見えてきた。
たしかあの角を左に曲がったら、警備署があるはずだ。
それにしても、この世界では異世界から来る人が
そこまで珍しくはないみたい。
これなら、自力でも何とか生きていけるかもしれない。
よし!なんか大丈夫な気がしてき、、
ぶっ!!
い、痛い、、
何か堅いものにぶつかって見上げると、
グレーの鎧をつけた兵士2人組が目の前にいた。
ガシっ!
その兵士が急に私の腕を掴んできたのだ。
「な、なんですか!?」
「貴様、変わった服装をしているな。異界人か。」
「おかしいな。ここ数日扉が開いた形跡はないと
報告があがっていたはずだが」
兵士2人が私の腕を掴んだまま、なにやら険しい
表情で話している。
「あの!ちょっと!
腕が痛いんですけど、離してもらえませんか?」
「念のため、王宮まで連行した方が良さそうだな。連行するぞ」
そう言ってぐいっと両サイドから腕を掴まれ、
どこかに連れて行かれる。
「え?何なんですか?説明してください!
ちょっと!」
一体なんなの!?
この世界で異界人は珍しくないんじゃないの!?
ほとんど引きづられるようにして、
たどり着いたのは高い塀に荘厳な門の前だった。
そこにいた衛兵の1人に何やら話しかけている。
「登録ない異界人、、、早急に宰相の、、、
さまへ、、たのむ」
まだ私の腕を掴んで横に立っている兵士に尋ねて みる。
「あの!ここどこですか?」
「・・ここは王宮だ。登録のない異界人は基本的に警備隊で申請し、王宮で承認を経て滞在の許可が
出る。
本来、異界人が王都に入れば結界が反応して事前に分かるはずだが、今回その反応は確認されていない。
よって、貴様は不審者もしくは危険人物の可能性があるため直接、王宮に判断を仰ぐことになったのだ」
「そう、、なんですね」
横の兵士は未だに仏頂面だが、
意外にも親切に教えてくれた。
まぁ、とりあえずいきなり罰せられるようなことはなさそうだとほっとする。
いや、ここのお偉いさんが死刑!といえばそうなるかもだけど、、
今は素直に従うしかなさそうだ。
暫くして、先ほど伝言を任された衛兵が戻ってきた。どうやら中に入る許可が出たようだ。
私たちは門を潜り、敷地内に入るとすぐ目の前には石造りの高い壁がそびえ立っていた。
見上げると遥か高くに窓が並んで見える。
大した庭もなく道が続いてるだけなので、
ここは裏口なのかもしれない。
暫く進むと人1人が通れるくらいの小さな鉄製の扉が見えてきた。
その扉を開け中へ入ると、少しヒヤッとした空気が流れた。
目の前には幅の狭い石の階段が続いていて、
衛兵を先頭に縦に並んで上がっていく。
少し息を切らしながら登りきるとまた扉が現れた。
その扉を開けた瞬間、世界が変わった。
壁はシックな紺、廊下には暗めの落ち着いた赤い絨毯がひかれ、窓や家具は全て金で縁取られていた。
急に煌びやかな世界になり呆気に取られていると
「何をしている。さっさと歩け」
後ろにいた兵士に急かされる。
そんな言い方しなくてもいいじゃない。
何も悪いことしてないのに、、。
膨れながら歩いていると、ピタっと前を歩いていた衛兵が止まり横に向き直るとドアをノックした。
「シュタイン様。例の者を連れて参りました」
「中へ入りなさい」
低い落ち着いた声がしたあと、ドアが開かれ私たちは中へと入った。
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