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今日の天気は冬曇りで零下に近いが、散歩しながら買い食いでもするか、ということになって、温かくコートを着て出掛ける。
はらはらとかすかに雪が舞い落ちる。吐く息が白い。
街の中心部に向かってぶらぶらと歩く。
今日は平日だから、街行く人も忙しそうだ。
ふと大きい広場に差し掛かかると、大きい市が催されていた。
「平日にこんな賑やかなの珍しい。何かの記念かな?」
依子が見て周りたい、と言ったので、広い会場をゆっくり見て回ることにした。
どうやら何かハンガリー国内における地方都市の物産展のようらしかった。
同じハンガリーでもちょっと珍しい物産や料理の屋台、工芸品のテントが並んでいる。けっこうな人が訪れていた。
色とりどりの果物や野菜、花、乾物やハム屋、ジャムやハチミツ、チーズなどの加工品。
2人は、見ているだけで目の栄養になりそうだね、とその眺めを楽しむ。
「依子さん、見て。あれ。」
譲治が指差す方向に何やら動物のゲージがいくつか並んでいた。
「わあ、豚さん!」
おもしろーい!と言って依子は喜ぶ。
それはとある地域の地場産の家畜展示だった。
野生のものと近縁の大きくて毛色の濃い猪豚や、骨格のしっかりした馬が何頭か、客に鼻をひくつかせていた。
「すごい、面白いのね。こういう展示もするんだ。
日本で言ったら沖縄フェアとか、そんな感じかな?」
それから、きれいで清楚なお嬢さん、という感じの女性が店主をしている、手作り雑貨のお店や、陶芸作家のお店。
やっぱりこういうの好き、と言って依子は熱心に作品を見ていた。
最後に、飲食のテントの並ぶ一角で、遅めのランチをする。
冬だから、湯気を立てて並べられている様々な煮込みがいかにも美味しそうだった。
「うーん。何が煮込まれているのかよくわからないところが、ちょっと、だけど、まあいいか。」
依子はそう言いながら、お皿とホットワインを抱えてくる。
その煮込み屋のテントの兄ちゃんは英語がいまいちよくわからないようで、結局指差し注文だった。
譲治は、ぐるりと回って、野菜とハムのぎっしり詰まったパニーニを買ったようだ。
2人で、空いている立ち食いテーブルを見つけて、そこで食べる。
「おいしい?」
依子はにこにこしながら聞いてくる。
「うん、まあまあですね。寒いからサラダ部分はともかく、このハムが絶品です。」
譲治はカプチーノにしたようだ。
「それなんですか?」
譲治が聞く。
「なんだろね。わからん。」
そう言って依子が大きな口で一口食べて、何か判定している。
「わからんもの買ったんですか!?」
譲治が若干引いている。
「いかにもビジュアルが美味しそうだったのよ。
だけどあの兄ちゃん英語が通じなくて。もう引っ込みつかなくて。
まあ大丈夫でしょ。火通ってるし。」
「ふむ。おお、なんと。これはモツ煮ですな。」
依子はうんうん、と言いながら食べる。
「食べる? お芋とかお豆とかたくさん入ってておいしいよ?
くさみとか全然ない。」
依子がスプーンを掲げる。
「僕、内臓系はちょっと...」
「あら、そう。残念。私意外と平気。羊肉とかも好きだし。
お腹弱いけど、煮てあるし、ハンガリーは不衛生な国じゃないしね。
これ、イタリアのトリッパに似てるわね。」
にこにこしながら話を聞いているが、微妙に遠ざかった譲治を見て、ホントにダメなんだな、これからは控えなきゃ、と思った依子だった。
ーーー
日本食材を買ってお祝いディナーにしようか、ということになって、いつものスーパーに来てみた。
ひととおり回って見て、生鮮品コーナーに来る。
まだ一月末だが、もうハウスものの苺が並んでいた。
2人は足を止める。
「ここで会ってから、もうすぐ一年ですね。」
譲治が言う。
「そっか、そうね。
突然ほとんど知らないおばちゃんに苺いらねえか、って言われてドン引きしたでしょ?」
「そんなことないですよ。不思議な雰囲気の人だなって、思いました。
よく知らない人に自分から声かけるってことないんですけどね。
一度マックで席譲っていただいてたし、依子さんには僕の緊張を解く何かがあったんだと思います。」
「私もよく図々しく言えたものだわ...後から恥ずかしかったもの。
お店のカードもちゃっかり渡しちゃってたし。
どんだけ苺欲しかったんだよ、って。」
依子は顔を覆って羞恥に身悶えしている。
でも、きれいだったのよね。元気が出る気がして、欲しかったのよ、と依子は優しい顔をして苺を見ている。
あの時と同じだ。
僕はその横顔に惹かれたんだ。譲治は思った。
「あの時、声をかけてなかったら、お店のカードをもらってなかったら、僕は今こうしてあなたの側にいられなかった。それを考えると胸が苦しくなります。」
譲治はなんだか泣きそうな声で言う。
依子は、譲治の手をぎゅっと握りしめて言う。
「こういうの、巡り合わせって言うのね。
神様か誰か、わからないけど、こんなに世界は広いのに、譲治くんと出会わせてくれたのよね。感謝しなきゃ...」
依子はそして腕を絡ませてぎゅっと胸に引き寄せ、譲治の目を覗き込んで微笑んだ。
「譲治くんありがとう。私を見つけてくれて。」
譲治は依子の目を見て、やっと微笑みを返す。
「さ、今回は僕が買います。」
そう言って、大盛りの苺のかごをカートに置いた。
譲治の夕飯リクエストはカレーライスだった。
今や日本のカレールーは魔法の調味料として普通に売っているので、なんの問題もない。
それから少し高めのランクのトカイワイン。甘口のこのハンガリーワインは譲治のお気に入りになっていた。
カレーに入れるのは、豚肉か鶏肉かで議論を戦わしたりしながら依子のアパートへ帰る。
ーーー
「譲治くんはお料理が趣味、とかではないのよね? 」
依子はキッチンに立ちながら、譲治は依子の作業を見ながらビールを飲んでおしゃべりしている。
「全然。一応サラダ程度なら用意しますけどね。
僕も胃腸が強いってわけではないし、自炊は安くあがるし。
料理も嫌いではないけど、依子さんみたいにいろんなものをちょこちょこ作るってのできませんからね。」
「そっか。毎日ちゃんと手作りサラダ食べて偉いなーと思ってるのよ。
はい、後は少し置いてちょっと馴染ませます。」
できたてより、少し置いた方がおいしいから、と言って依子は早めにカレーを作っておく、ということらしい。
そばに来ていた譲治が、背中をキッチンに預けながら依子を足の間に閉じ込め、抱きしめる。
「ちょっと充電させて」
そう言って譲治は依子をぎゅっと腕の中に閉じ込め、お互いの静かな呼吸や、脈拍、体温を感じようとぴったりくっつく。
腕の中にいた依子がもぞもぞと動き、譲治の顎にキスをしながらおしゃべりする。
「最近眼鏡してなくない? コンタクト?」
「いいえ。依子さんといる時はだいたいくっついてるから邪魔で。
最初から外してます。生活には支障ないんで仕事の時くらいでいいんですよ。」
そっか、と言って依子は譲治の鎖骨にキスを落とした。
「ねえ、依子さんはモテたでしょ?」
譲治はつぶやく。
「なあに、いきなり。」
依子は笑って言う。
「だって、こんなに小さくてかわいいのにいやらしくて、僕を溺れさせてる。
僕は誰かにとられるんじゃないか、っていつも不安です。」
「それって私のセリフよ。それに言ったじゃない。
私みたいな事故物件、誰も近寄らないのよ。モテたんじゃなくて、アホすぎてつけこまれやすいんだと思う。」
依子は腕を譲治に回して、ぎゅうと抱きしめる。
「私、もう誰とも付き合わなくていい、と思ってここにきたのよ。
そしたら譲治くんが見つけてくれたの。あなたじゃなかったら、ずっと1人だったわ。」
譲治は、静かな部屋に一人、どこかを見つめて過ごす依子の寂しそうな後ろ姿が頭に浮かんで、悲しくなった。
「やっぱり早々にアパート探します。
いくつか候補あげますから、依子さんも見てみてください。
気に入ったのあったら内見しにいきましょう。」
「そうね、楽しみ。新しい物件探しって楽しいわよね。
でもお仕事しながらなんだから無理しないでね。ゆっくりやりましょ。」
「あの...決まるまで、ここから通ってはダメですか?
毎日あなたにおはようって言いたい。」
おずおずと譲治が問いかける。
「いいわよ。必要な身の回りのものとか、あったら置いといたら?
譲治くんの物入れるスペース作っておくわ。」
依子が優しく答える。
「あ、でもまだ冬だし、通うのも大変だから、無理ない範囲で適当にね。」
「全然。依子さんはいつも僕に無理しないでね、って言ってくれるけど、自分も無理しちゃダメですよ。
僕は言ってもざっくりした奴なんで、素直にテキトー生活できますけど、依子さんは絶対我慢するでしょ。」
うん、がんばる、と答える依子に、だからがんばらなくていいって、と突っ込む。2人で笑う。
譲治が依子の耳元で囁く。
「ねえ、依子さん...入れたい。今すぐ。」
「だって、半日出かけてたのに。シャワー浴びたい。」
「いやだ。」
「いやだじゃなくて~。女心ってものをわかってよ~。」
依子が懇願する。
「わかりました。じゃあ一緒に入りましょう。僕が洗ってあげる。」
「ええー」
依子は抵抗するが。
「でなければ、今すぐ押し倒します。」
それを聞いて依子は仕方なく、お風呂の準備を始めた。
はらはらとかすかに雪が舞い落ちる。吐く息が白い。
街の中心部に向かってぶらぶらと歩く。
今日は平日だから、街行く人も忙しそうだ。
ふと大きい広場に差し掛かかると、大きい市が催されていた。
「平日にこんな賑やかなの珍しい。何かの記念かな?」
依子が見て周りたい、と言ったので、広い会場をゆっくり見て回ることにした。
どうやら何かハンガリー国内における地方都市の物産展のようらしかった。
同じハンガリーでもちょっと珍しい物産や料理の屋台、工芸品のテントが並んでいる。けっこうな人が訪れていた。
色とりどりの果物や野菜、花、乾物やハム屋、ジャムやハチミツ、チーズなどの加工品。
2人は、見ているだけで目の栄養になりそうだね、とその眺めを楽しむ。
「依子さん、見て。あれ。」
譲治が指差す方向に何やら動物のゲージがいくつか並んでいた。
「わあ、豚さん!」
おもしろーい!と言って依子は喜ぶ。
それはとある地域の地場産の家畜展示だった。
野生のものと近縁の大きくて毛色の濃い猪豚や、骨格のしっかりした馬が何頭か、客に鼻をひくつかせていた。
「すごい、面白いのね。こういう展示もするんだ。
日本で言ったら沖縄フェアとか、そんな感じかな?」
それから、きれいで清楚なお嬢さん、という感じの女性が店主をしている、手作り雑貨のお店や、陶芸作家のお店。
やっぱりこういうの好き、と言って依子は熱心に作品を見ていた。
最後に、飲食のテントの並ぶ一角で、遅めのランチをする。
冬だから、湯気を立てて並べられている様々な煮込みがいかにも美味しそうだった。
「うーん。何が煮込まれているのかよくわからないところが、ちょっと、だけど、まあいいか。」
依子はそう言いながら、お皿とホットワインを抱えてくる。
その煮込み屋のテントの兄ちゃんは英語がいまいちよくわからないようで、結局指差し注文だった。
譲治は、ぐるりと回って、野菜とハムのぎっしり詰まったパニーニを買ったようだ。
2人で、空いている立ち食いテーブルを見つけて、そこで食べる。
「おいしい?」
依子はにこにこしながら聞いてくる。
「うん、まあまあですね。寒いからサラダ部分はともかく、このハムが絶品です。」
譲治はカプチーノにしたようだ。
「それなんですか?」
譲治が聞く。
「なんだろね。わからん。」
そう言って依子が大きな口で一口食べて、何か判定している。
「わからんもの買ったんですか!?」
譲治が若干引いている。
「いかにもビジュアルが美味しそうだったのよ。
だけどあの兄ちゃん英語が通じなくて。もう引っ込みつかなくて。
まあ大丈夫でしょ。火通ってるし。」
「ふむ。おお、なんと。これはモツ煮ですな。」
依子はうんうん、と言いながら食べる。
「食べる? お芋とかお豆とかたくさん入ってておいしいよ?
くさみとか全然ない。」
依子がスプーンを掲げる。
「僕、内臓系はちょっと...」
「あら、そう。残念。私意外と平気。羊肉とかも好きだし。
お腹弱いけど、煮てあるし、ハンガリーは不衛生な国じゃないしね。
これ、イタリアのトリッパに似てるわね。」
にこにこしながら話を聞いているが、微妙に遠ざかった譲治を見て、ホントにダメなんだな、これからは控えなきゃ、と思った依子だった。
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日本食材を買ってお祝いディナーにしようか、ということになって、いつものスーパーに来てみた。
ひととおり回って見て、生鮮品コーナーに来る。
まだ一月末だが、もうハウスものの苺が並んでいた。
2人は足を止める。
「ここで会ってから、もうすぐ一年ですね。」
譲治が言う。
「そっか、そうね。
突然ほとんど知らないおばちゃんに苺いらねえか、って言われてドン引きしたでしょ?」
「そんなことないですよ。不思議な雰囲気の人だなって、思いました。
よく知らない人に自分から声かけるってことないんですけどね。
一度マックで席譲っていただいてたし、依子さんには僕の緊張を解く何かがあったんだと思います。」
「私もよく図々しく言えたものだわ...後から恥ずかしかったもの。
お店のカードもちゃっかり渡しちゃってたし。
どんだけ苺欲しかったんだよ、って。」
依子は顔を覆って羞恥に身悶えしている。
でも、きれいだったのよね。元気が出る気がして、欲しかったのよ、と依子は優しい顔をして苺を見ている。
あの時と同じだ。
僕はその横顔に惹かれたんだ。譲治は思った。
「あの時、声をかけてなかったら、お店のカードをもらってなかったら、僕は今こうしてあなたの側にいられなかった。それを考えると胸が苦しくなります。」
譲治はなんだか泣きそうな声で言う。
依子は、譲治の手をぎゅっと握りしめて言う。
「こういうの、巡り合わせって言うのね。
神様か誰か、わからないけど、こんなに世界は広いのに、譲治くんと出会わせてくれたのよね。感謝しなきゃ...」
依子はそして腕を絡ませてぎゅっと胸に引き寄せ、譲治の目を覗き込んで微笑んだ。
「譲治くんありがとう。私を見つけてくれて。」
譲治は依子の目を見て、やっと微笑みを返す。
「さ、今回は僕が買います。」
そう言って、大盛りの苺のかごをカートに置いた。
譲治の夕飯リクエストはカレーライスだった。
今や日本のカレールーは魔法の調味料として普通に売っているので、なんの問題もない。
それから少し高めのランクのトカイワイン。甘口のこのハンガリーワインは譲治のお気に入りになっていた。
カレーに入れるのは、豚肉か鶏肉かで議論を戦わしたりしながら依子のアパートへ帰る。
ーーー
「譲治くんはお料理が趣味、とかではないのよね? 」
依子はキッチンに立ちながら、譲治は依子の作業を見ながらビールを飲んでおしゃべりしている。
「全然。一応サラダ程度なら用意しますけどね。
僕も胃腸が強いってわけではないし、自炊は安くあがるし。
料理も嫌いではないけど、依子さんみたいにいろんなものをちょこちょこ作るってのできませんからね。」
「そっか。毎日ちゃんと手作りサラダ食べて偉いなーと思ってるのよ。
はい、後は少し置いてちょっと馴染ませます。」
できたてより、少し置いた方がおいしいから、と言って依子は早めにカレーを作っておく、ということらしい。
そばに来ていた譲治が、背中をキッチンに預けながら依子を足の間に閉じ込め、抱きしめる。
「ちょっと充電させて」
そう言って譲治は依子をぎゅっと腕の中に閉じ込め、お互いの静かな呼吸や、脈拍、体温を感じようとぴったりくっつく。
腕の中にいた依子がもぞもぞと動き、譲治の顎にキスをしながらおしゃべりする。
「最近眼鏡してなくない? コンタクト?」
「いいえ。依子さんといる時はだいたいくっついてるから邪魔で。
最初から外してます。生活には支障ないんで仕事の時くらいでいいんですよ。」
そっか、と言って依子は譲治の鎖骨にキスを落とした。
「ねえ、依子さんはモテたでしょ?」
譲治はつぶやく。
「なあに、いきなり。」
依子は笑って言う。
「だって、こんなに小さくてかわいいのにいやらしくて、僕を溺れさせてる。
僕は誰かにとられるんじゃないか、っていつも不安です。」
「それって私のセリフよ。それに言ったじゃない。
私みたいな事故物件、誰も近寄らないのよ。モテたんじゃなくて、アホすぎてつけこまれやすいんだと思う。」
依子は腕を譲治に回して、ぎゅうと抱きしめる。
「私、もう誰とも付き合わなくていい、と思ってここにきたのよ。
そしたら譲治くんが見つけてくれたの。あなたじゃなかったら、ずっと1人だったわ。」
譲治は、静かな部屋に一人、どこかを見つめて過ごす依子の寂しそうな後ろ姿が頭に浮かんで、悲しくなった。
「やっぱり早々にアパート探します。
いくつか候補あげますから、依子さんも見てみてください。
気に入ったのあったら内見しにいきましょう。」
「そうね、楽しみ。新しい物件探しって楽しいわよね。
でもお仕事しながらなんだから無理しないでね。ゆっくりやりましょ。」
「あの...決まるまで、ここから通ってはダメですか?
毎日あなたにおはようって言いたい。」
おずおずと譲治が問いかける。
「いいわよ。必要な身の回りのものとか、あったら置いといたら?
譲治くんの物入れるスペース作っておくわ。」
依子が優しく答える。
「あ、でもまだ冬だし、通うのも大変だから、無理ない範囲で適当にね。」
「全然。依子さんはいつも僕に無理しないでね、って言ってくれるけど、自分も無理しちゃダメですよ。
僕は言ってもざっくりした奴なんで、素直にテキトー生活できますけど、依子さんは絶対我慢するでしょ。」
うん、がんばる、と答える依子に、だからがんばらなくていいって、と突っ込む。2人で笑う。
譲治が依子の耳元で囁く。
「ねえ、依子さん...入れたい。今すぐ。」
「だって、半日出かけてたのに。シャワー浴びたい。」
「いやだ。」
「いやだじゃなくて~。女心ってものをわかってよ~。」
依子が懇願する。
「わかりました。じゃあ一緒に入りましょう。僕が洗ってあげる。」
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依子は抵抗するが。
「でなければ、今すぐ押し倒します。」
それを聞いて依子は仕方なく、お風呂の準備を始めた。
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