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6話
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両手いっぱいで受け止めようとした風がわたしを通り過ぎる。
「たまに霊感がある人っているでしょ、あれはどういう人なの?」
人よりも大きな鳥に姿を変えたルークの背中でわたしは会話を求めた。
「人は魂を見て器を捉えるんだ。だから、人が魔物を見ることはできない。世界が魔物を見せようと重なった時やそれと同じ状態を魔法で作った時以外は」
魔法の力なのか、お互いの顔は離れ風の音もする中、ルークの声は病室で話している時と変わらずよく聞こえる。
「霊感がある人間が見ているのは悪霊で、それを見れる人間は魂を捉えるのが上手い人間なんだ」
「じゃあ、ルークがいつも突然現れるのは、見えるようにしたからってこと?」
「あぁ」
キラキラと光る街から徐々に離れる。取り敢えずの行き先はルークに委ねた。ただ、ルークもわたしに答えを求めていたので、何かないかと必死に目を凝らす。
「じゃあさ、神様はいると思う?」
「さぁ、わからない。ただ、魔物と同じように神も人間が作ったのだとしたら、その神が人間を作ったと人は言う。人は自分達が作ったものが人を超えることを恐れるが、既に作ってしまっているのかもしれないな」
いよいよ街から離れる。次の街で降りたいと言うのが正解かもしれないが、それなら、今の街で良かったのではと誰も気にしていない葛藤が生まれてしまう。
「ルークはさ、人間のこと好き?」
本当は吸血鬼になった理由を聞きたいが、その勇気はないので、想像の範囲で外堀を埋めてみる。
「個人を嫌いになることはあるが、人間自体は嫌いではない」
少し笑っている気がする。
「そんなにいい性格はしていないからな。人間でもそうだし、大人とか子供とか複数をくくって嫌いになってしまったら好きになれる者がいなってしまう」
「そうなんだ。それは、わたしも見習わないといけないね」
コロコロと変わる姿に翻弄されるが、ルークの考えを聞くと、やはり、わたしなんかよりずっと年上なんだろうと実感する。
「じゃあさ、魔物のことは人間よりも好き?」
「いや、同じだ。好きそうに見えたか?」
「なんか、さっきの話とかすごい詳しいなと思って、興味があっていっぱい調べてるのかなって」
「長く生きているから色々な話を聞いただけだ。間違いは言っていないはずだが、詳しい者からしたら、足りていない説明だったと思う」
そんなことないよ、とルークに感謝をしながら、わたしの興味は眼下の建物へと移った。
「ルーク、あそこに降りたい」
「わかった」
この姿なら関係ないはずだが、ルークはわざわざ正面入り口へと降下をしてくれた。
「たまに霊感がある人っているでしょ、あれはどういう人なの?」
人よりも大きな鳥に姿を変えたルークの背中でわたしは会話を求めた。
「人は魂を見て器を捉えるんだ。だから、人が魔物を見ることはできない。世界が魔物を見せようと重なった時やそれと同じ状態を魔法で作った時以外は」
魔法の力なのか、お互いの顔は離れ風の音もする中、ルークの声は病室で話している時と変わらずよく聞こえる。
「霊感がある人間が見ているのは悪霊で、それを見れる人間は魂を捉えるのが上手い人間なんだ」
「じゃあ、ルークがいつも突然現れるのは、見えるようにしたからってこと?」
「あぁ」
キラキラと光る街から徐々に離れる。取り敢えずの行き先はルークに委ねた。ただ、ルークもわたしに答えを求めていたので、何かないかと必死に目を凝らす。
「じゃあさ、神様はいると思う?」
「さぁ、わからない。ただ、魔物と同じように神も人間が作ったのだとしたら、その神が人間を作ったと人は言う。人は自分達が作ったものが人を超えることを恐れるが、既に作ってしまっているのかもしれないな」
いよいよ街から離れる。次の街で降りたいと言うのが正解かもしれないが、それなら、今の街で良かったのではと誰も気にしていない葛藤が生まれてしまう。
「ルークはさ、人間のこと好き?」
本当は吸血鬼になった理由を聞きたいが、その勇気はないので、想像の範囲で外堀を埋めてみる。
「個人を嫌いになることはあるが、人間自体は嫌いではない」
少し笑っている気がする。
「そんなにいい性格はしていないからな。人間でもそうだし、大人とか子供とか複数をくくって嫌いになってしまったら好きになれる者がいなってしまう」
「そうなんだ。それは、わたしも見習わないといけないね」
コロコロと変わる姿に翻弄されるが、ルークの考えを聞くと、やはり、わたしなんかよりずっと年上なんだろうと実感する。
「じゃあさ、魔物のことは人間よりも好き?」
「いや、同じだ。好きそうに見えたか?」
「なんか、さっきの話とかすごい詳しいなと思って、興味があっていっぱい調べてるのかなって」
「長く生きているから色々な話を聞いただけだ。間違いは言っていないはずだが、詳しい者からしたら、足りていない説明だったと思う」
そんなことないよ、とルークに感謝をしながら、わたしの興味は眼下の建物へと移った。
「ルーク、あそこに降りたい」
「わかった」
この姿なら関係ないはずだが、ルークはわざわざ正面入り口へと降下をしてくれた。
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