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第14話 ジャイアントラット討伐依頼
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薬草採取依頼を無事に終え、アルトは達成感と共に冒険者ギルドへと戻った。
カウンターで、採取したばかりの新鮮な薬草を種類ごとに分けて提出する。
「ギルドマスター、依頼の品です。確認をお願いします」
ギルドマスターは、慣れた手つきで薬草を手に取り、その状態を一つ一つ確かめていく。
「ほう、ムーンリーフもサンデューも状態が良いな。…ファイアハーブも、ちゃんと本物を採取してきたか。あの群生地は少し森の奥だが、道中、特に問題はなかったか?」
マスターの問いに、アルトは正直に答えた。
「はい、途中でゴブリン・ソルジャーに一体遭遇しましたが、なんとか撃退できました」
「なに?ゴブリン・ソルジャーをか?」
ギルドマスターは、少し目を見開いてアルトを見た。
そして、ニヤリと口角を上げる。
「やるじゃないか、坊主。ただの薬草採りじゃ終わらなかったというわけだ。正直、君のギフトじゃ難しいかと思っていたが…見直したぞ」
初めて、ギルドマスターから明確な賞賛の言葉をもらった気がした。
アルトは少し照れながらも、誇らしい気持ちになった。
「依頼達成だ。これが報酬の銅貨12枚だ」
アルトは差し出された銅貨をしっかりと受け取った。
前回のスライム討伐よりも多い報酬。
危険に見合った対価を得られることも、冒険者の仕事の一部なのだと実感する。
薬草採取の成功で自信をつけたアルトは、その場で次の依頼を受けることに決めた。
もう、ためらいはない。
「あの、ギルドマスター。次に、この『ジャイアントラット討伐』の依頼をお願いできますか?」
アルトは、掲示板で目をつけていた依頼書を指差した。
ギルドマスターは特に驚く様子もなく、頷いた。
「よし。その意気だ。だが、ラットは動きが素早いぞ。それに、仲間を呼ぶこともあるからな。決して油断するんじゃないぞ」
そう言って、ギルドマスターは注意点を添えながら、ジャイアントラット討伐の依頼書をアルトに手渡した。
目標は3匹。
農地に被害を出している害獣の駆除だ。
依頼を受けた後、アルトはすぐにはギルドを出なかった。
ジャイアントラットについて、もっと詳しく知る必要があると考えたからだ。
ギルドの片隅には、魔物に関する簡単な記録が保管されている小さな棚がある。
アルトはそこで、ジャイアントラットに関する記述を探した。
記述によれば、ジャイアントラットは体長が1メートル近くにもなる大型のネズミで、見た目に反して力が強く、縄張り意識も高いらしい。
最大の特徴はその素早さ。
そして、鋭い前歯による噛みつき攻撃が強力だという。
弱点は比較的柔らかい腹部らしいが、その素早い動きゆえに狙うのは難しい。
また、巣穴の近くや餌場などでは、複数で行動することが多いとも書かれていた。
「素早い相手か…ゴブリンやホーンラビットとは、戦い方を変えないとダメだな」
アルトは情報を頭に叩き込み、対策を練り始めた。
ナイフでの牽制や、反射のタイミングも、より速い動きに対応できるよう調整する必要があるだろう。
家に戻ったアルトは、数日間、ジャイアントラットを想定した訓練に集中した。
庭先で、俊敏な動きをイメージしながらフットワークの練習を繰り返す。
素早くステップを踏み、攻撃を回避する動き。
そして、回避からのカウンターを意識したナイフの素早い突きや払いの練習。
反射の訓練も、より短い時間で集中力をピークに持っていき、瞬間的にギフトを発動させる練習を繰り返した。
兄のヨハンがくれた革の腕当ても、ジャイアントラットの鋭い牙から腕を守ってくれることを期待し、フィット感を確かめながら何度も装着してみた。
準備は整った。
アルトは依頼書に記された討伐場所――村はずれにある古い廃倉庫――へと向かった。
そこは、かつて村の収穫物を保管していた場所で、今は使われずに放置されている。
ネズミにとっては格好の住処となっているのだろう。
廃倉庫に近づくにつれて、キーキーという甲高い鳴き声が、複数聞こえてくる。
そして、何か硬いものを齧る音や、走り回る物音も。
間違いなく、ジャイアントラットがいる。
アルトはナイフを抜き放ち、息を潜めて、軋む音を立てる古い扉から倉庫の中へと足を踏み入れた。
倉庫の中は薄暗く、埃っぽい匂いがした。
天井からは光が差し込んでいるが、隅の方は暗がりになっている。
積み上げられた古い穀物袋や、壊れた木箱が散乱していた。
その物陰から、いくつもの赤黒い目が、侵入者であるアルトを捉えた。
キーーーッ!!
甲高い警戒音と共に、アルトが想像していたよりもずっと大きなネズミ――ジャイアントラットが、物陰から3匹同時に飛び出してきた!
体長はアルトの腰の高さほどもあり、灰色のごわごわした毛並みをしている。
そして、その動きは驚くほど素早い!
あっという間に距離を詰められ、アルトは咄嗟に身構える。
ジャイアントラット討伐依頼、開始!
目の前には、これまでのどの魔物よりも素早く、そして獰猛な敵が迫っていた。
カウンターで、採取したばかりの新鮮な薬草を種類ごとに分けて提出する。
「ギルドマスター、依頼の品です。確認をお願いします」
ギルドマスターは、慣れた手つきで薬草を手に取り、その状態を一つ一つ確かめていく。
「ほう、ムーンリーフもサンデューも状態が良いな。…ファイアハーブも、ちゃんと本物を採取してきたか。あの群生地は少し森の奥だが、道中、特に問題はなかったか?」
マスターの問いに、アルトは正直に答えた。
「はい、途中でゴブリン・ソルジャーに一体遭遇しましたが、なんとか撃退できました」
「なに?ゴブリン・ソルジャーをか?」
ギルドマスターは、少し目を見開いてアルトを見た。
そして、ニヤリと口角を上げる。
「やるじゃないか、坊主。ただの薬草採りじゃ終わらなかったというわけだ。正直、君のギフトじゃ難しいかと思っていたが…見直したぞ」
初めて、ギルドマスターから明確な賞賛の言葉をもらった気がした。
アルトは少し照れながらも、誇らしい気持ちになった。
「依頼達成だ。これが報酬の銅貨12枚だ」
アルトは差し出された銅貨をしっかりと受け取った。
前回のスライム討伐よりも多い報酬。
危険に見合った対価を得られることも、冒険者の仕事の一部なのだと実感する。
薬草採取の成功で自信をつけたアルトは、その場で次の依頼を受けることに決めた。
もう、ためらいはない。
「あの、ギルドマスター。次に、この『ジャイアントラット討伐』の依頼をお願いできますか?」
アルトは、掲示板で目をつけていた依頼書を指差した。
ギルドマスターは特に驚く様子もなく、頷いた。
「よし。その意気だ。だが、ラットは動きが素早いぞ。それに、仲間を呼ぶこともあるからな。決して油断するんじゃないぞ」
そう言って、ギルドマスターは注意点を添えながら、ジャイアントラット討伐の依頼書をアルトに手渡した。
目標は3匹。
農地に被害を出している害獣の駆除だ。
依頼を受けた後、アルトはすぐにはギルドを出なかった。
ジャイアントラットについて、もっと詳しく知る必要があると考えたからだ。
ギルドの片隅には、魔物に関する簡単な記録が保管されている小さな棚がある。
アルトはそこで、ジャイアントラットに関する記述を探した。
記述によれば、ジャイアントラットは体長が1メートル近くにもなる大型のネズミで、見た目に反して力が強く、縄張り意識も高いらしい。
最大の特徴はその素早さ。
そして、鋭い前歯による噛みつき攻撃が強力だという。
弱点は比較的柔らかい腹部らしいが、その素早い動きゆえに狙うのは難しい。
また、巣穴の近くや餌場などでは、複数で行動することが多いとも書かれていた。
「素早い相手か…ゴブリンやホーンラビットとは、戦い方を変えないとダメだな」
アルトは情報を頭に叩き込み、対策を練り始めた。
ナイフでの牽制や、反射のタイミングも、より速い動きに対応できるよう調整する必要があるだろう。
家に戻ったアルトは、数日間、ジャイアントラットを想定した訓練に集中した。
庭先で、俊敏な動きをイメージしながらフットワークの練習を繰り返す。
素早くステップを踏み、攻撃を回避する動き。
そして、回避からのカウンターを意識したナイフの素早い突きや払いの練習。
反射の訓練も、より短い時間で集中力をピークに持っていき、瞬間的にギフトを発動させる練習を繰り返した。
兄のヨハンがくれた革の腕当ても、ジャイアントラットの鋭い牙から腕を守ってくれることを期待し、フィット感を確かめながら何度も装着してみた。
準備は整った。
アルトは依頼書に記された討伐場所――村はずれにある古い廃倉庫――へと向かった。
そこは、かつて村の収穫物を保管していた場所で、今は使われずに放置されている。
ネズミにとっては格好の住処となっているのだろう。
廃倉庫に近づくにつれて、キーキーという甲高い鳴き声が、複数聞こえてくる。
そして、何か硬いものを齧る音や、走り回る物音も。
間違いなく、ジャイアントラットがいる。
アルトはナイフを抜き放ち、息を潜めて、軋む音を立てる古い扉から倉庫の中へと足を踏み入れた。
倉庫の中は薄暗く、埃っぽい匂いがした。
天井からは光が差し込んでいるが、隅の方は暗がりになっている。
積み上げられた古い穀物袋や、壊れた木箱が散乱していた。
その物陰から、いくつもの赤黒い目が、侵入者であるアルトを捉えた。
キーーーッ!!
甲高い警戒音と共に、アルトが想像していたよりもずっと大きなネズミ――ジャイアントラットが、物陰から3匹同時に飛び出してきた!
体長はアルトの腰の高さほどもあり、灰色のごわごわした毛並みをしている。
そして、その動きは驚くほど素早い!
あっという間に距離を詰められ、アルトは咄嗟に身構える。
ジャイアントラット討伐依頼、開始!
目の前には、これまでのどの魔物よりも素早く、そして獰猛な敵が迫っていた。
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