【完結】魔王奮闘記

シマセイ

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反乱の兆しと新たなる仲間

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会合が終わり、リオンが部屋に戻ると、ミリアがそっと近づいてきた。  

「リオン様、レギナとドルガ、油断なりませんよ。  
あの二人、裏で何か企んでるかもしれません。」  

リオンはベッドに座り、首をかしげた。  
「企むって?  
僕のこと嫌いなのかな?」  

「嫌いというより、自分たちの力を保ちたいだけです。  
魔王が強くなると困る連中もいるんですよ。」  

その時、窓の外から小さな石が投げ込まれ、床に転がった。  
リオンが驚いて立ち上がり、窓に駆け寄ると、下に一人の少年が立っていた。  
少年はボロボロの服を着て、緑色の髪が風に揺れている。  

「ねえ、魔王様!  
僕、会いたかったんだ!」  
少年が叫ぶと、リオンは目を丸くした。  

「え?  誰!?  
僕に用事?」  

少年は木を登って窓枠に飛び乗り、リオンに笑いかけた。  

「僕、カイルって言うんだ。  
南部の森に住む魔族でさ、魔王様が村を助けたって聞いて来たんだよ!」  

カイルは細身で身軽そうな体つきで、手には小さな弓が握られていた。  
リオンは目を輝かせて手を振った。  

「カイル!  
かっこいいね!  
弓持ってるの?」  

「うん、僕、弓なら誰にも負けないよ!  
魔王様に仕えたくてさ、一緒に戦わせてくれない?」  

ミリアがカイルを怪訝そうに見つめた。  
「南部の森の魔族がわざわざ?  
何か裏があるんじゃないですか?」  

カイルが慌てて手を振った。  
「違うよ!  
僕、ただ魔王様が好きなんだ。  
人間に負けたくないし、魔族を強くしたいんだ!」  

リオンはカイルの手を握り、笑顔で言った。  
「僕も同じだよ!  
カイル、仲間になってくれるなら嬉しい!」  

カイルが頷き、二人は握手を交わした。  
だがその夜、城の外で怪しい影が動いていた。  
レギナとドルガが密かに会い、囁き合っている。  

「このままじゃガキに主導権を握られる。  
人間との戦いの前に、内部を固めねばな。」  

「同意だ。  
リオンを試すいい機会だよ。」  

反乱の兆しが静かに忍び寄っていた。  
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