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エピローグ:暁光の未来、そして永遠に続く愛の詩
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アシュフォード公爵家の断罪と、エルドラード王国の解放から、七年の歳月が流れた。
かつて魔物の脅威と『黒き月の結社』の邪悪な陰謀に揺れた大陸には、フィリアとレオンハルト、そして彼らに協力した多くの国々の尽力により、確かな平和が訪れていた。
『黒き月の結社』は、その主要な拠点を次々と破壊され、指導者たちも捕縛あるいは討伐されたことで、もはや大陸の脅威となるほどの力は失っていた。
エルドラード王国は、フィリア女王、国民からの熱烈な支持を受け、父アウグストから正式に王位を譲り受けた彼女と、その夫であり、王配となったレオンハルトの賢明な統治の下、目覚ましい復興を遂げていた。
荒廃した国土には再び緑が甦り、街々は活気を取り戻し、民の顔には明るい笑顔が溢れている。
フィリアは、薬草の知識を活かした医療制度の改革や、貧しい民のための福祉政策を積極的に推し進め、国民から「慈愛の女王」「暁光の聖女」と称えられていた。
レオンハルトもまた、グリューネヴァルト辺境伯としての責務を果たしつつ、エルドラード王国の王配としてフィリアを献身的に支え、両国の間に強固な友好関係と経済的な繁栄をもたらした。
二人の間には、五歳になる活発な王子アレクシオスと、三歳になる穏やかな王女リリアという、二人の愛らしい子供たちが生まれていた。
アレクシオスはレオンハルトに似て黒髪に金色の瞳を持ち、幼いながらも正義感の強い少年に、リリアはフィリアの面影を強く受け継ぎ、金色の髪と瑠璃色の瞳を持つ、心優しい少女に育っていた。
王宮の庭園で、家族四人が仲睦まじく過ごす姿は、エルドラード王国の平和と幸福を象徴する光景として、多くの人々に愛されていた。
父アウグストは、王位をフィリアに譲った後、穏やかな隠居生活を送っていた。
過去の過ちを深く悔い、娘とその家族の幸せを心から願いながら、時折、孫たちの屈託のない笑顔に癒される日々だった。
ミモザ村は、辺境伯領とエルドラード王国の国境に位置する地の利を活かし、フィリアとレオンハルトの支援のもと、交易の中継地として少しずつ発展を遂げていた。
長老のマーサは、数年前に大往生を遂げたが、その温かい教えは村人たちの心に生き続けている。
フィリアは、女王となっても、時折お忍びでミモザ村を訪れ、かつて世話になった村人たちとの交流を大切にしていた。
騎士団長のゲルハルトは、グリューネヴァルト辺境伯領の軍事を引き続き取り仕切り、その勇猛さと忠誠心は揺らぐことがなかった。
彼もまた、フィリアとレオンハルトの幸せを心から喜び、二人の子供たちの良き遊び相手となることもあった。
一方、かつてフィリアを裏切り、国を滅亡寸前にまで陥れた者たちの末路は、あまりにも対照的だった。
セレスティアは、辺境の修道院で、誰からも忘れ去られた存在として、過去の栄華を夢想しては虚しく涙するだけの、色褪せた日々を送っていた。
その美貌も、かつての甘え声も、もはや何の意味も持たない。
アルフレッド元王子は、アストリア王国の最も過酷な鉱山で、重労働に喘ぎながら、わずかなパンと水だけで生き永らえていた。
かつての傲慢な王子としての面影は完全に消え失せ、ただ生きるためだけに土を掘り続ける、やつれ果てた男がいるだけだった。
彼らの名を、今では口にする者もほとんどいない。
それが、彼らが犯した罪に対する、当然の報いだった。
ある麗らかな春の日。
フィリアは、レオンハルトと二人の子供たちと共に、エルドラードとグリューネヴァルトの国境を見下ろす、思い出の丘を訪れていた。
そこは、かつて追放されたフィリアが、絶望の中で初めてミモザ村の灯りを見つけた場所であり、そして、レオンハルトと共に新たな人生を歩む決意を固めた場所でもあった。
眼下には、豊かな緑の大地が広がり、遠くにはエルドラード王国の王都アヴァロンと、グリューネヴァルト辺境伯領の都アウステルリッツが、互いに手を携えるかのように輝いて見えた。
「お母様、見て!綺麗な瑠璃色の蝶々!」
娘のリリアが、嬉しそうに指差す。
その先には、フィリアの瞳の色にも似た、美しい瑠璃色の羽を持つ蝶が、春の陽光を浴びてひらひらと舞っていた。
フィリアは、その蝶を微笑んで見つめながら、隣に立つレオンハルトの手に、そっと自分の手を重ねた。
「レオン……ここまで来ることができたのは、あなたと、そして多くの人々の支えがあったからですわ。本当に、感謝しています。」
レオンハルトは、フィリアの手を優しく握り返し、その額に愛おしそうに口づけを落とした。
「私の方こそ、君と出会えたことに感謝している、フィリア。君という太陽が、私の人生を、そしてこの二つの国を照らしてくれたのだから。」
二人の間には、もはや言葉は必要なかった。
ただ、互いの存在を確かめ合うように、穏やかな眼差しを交わすだけ。
フィリアは、かつて自分が経験した絶望と裏切りを思い返した。
あの時の苦しみがあったからこそ、今のこの温かい幸福の価値を、より深く感じることができるのかもしれない。
追放された王女の物語は、ここで一つの美しい結末を迎える。
しかし、彼女が愛する人々と共に築き上げていく、平和で、希望に満ちた未来の物語は、この瑠璃色の空の下、永遠に続いていくのだろう。
暁光の姫君と呼ばれたフィリアの笑顔は、今、真の太陽のように、世界を優しく、そして力強く照らしていた。
かつて魔物の脅威と『黒き月の結社』の邪悪な陰謀に揺れた大陸には、フィリアとレオンハルト、そして彼らに協力した多くの国々の尽力により、確かな平和が訪れていた。
『黒き月の結社』は、その主要な拠点を次々と破壊され、指導者たちも捕縛あるいは討伐されたことで、もはや大陸の脅威となるほどの力は失っていた。
エルドラード王国は、フィリア女王、国民からの熱烈な支持を受け、父アウグストから正式に王位を譲り受けた彼女と、その夫であり、王配となったレオンハルトの賢明な統治の下、目覚ましい復興を遂げていた。
荒廃した国土には再び緑が甦り、街々は活気を取り戻し、民の顔には明るい笑顔が溢れている。
フィリアは、薬草の知識を活かした医療制度の改革や、貧しい民のための福祉政策を積極的に推し進め、国民から「慈愛の女王」「暁光の聖女」と称えられていた。
レオンハルトもまた、グリューネヴァルト辺境伯としての責務を果たしつつ、エルドラード王国の王配としてフィリアを献身的に支え、両国の間に強固な友好関係と経済的な繁栄をもたらした。
二人の間には、五歳になる活発な王子アレクシオスと、三歳になる穏やかな王女リリアという、二人の愛らしい子供たちが生まれていた。
アレクシオスはレオンハルトに似て黒髪に金色の瞳を持ち、幼いながらも正義感の強い少年に、リリアはフィリアの面影を強く受け継ぎ、金色の髪と瑠璃色の瞳を持つ、心優しい少女に育っていた。
王宮の庭園で、家族四人が仲睦まじく過ごす姿は、エルドラード王国の平和と幸福を象徴する光景として、多くの人々に愛されていた。
父アウグストは、王位をフィリアに譲った後、穏やかな隠居生活を送っていた。
過去の過ちを深く悔い、娘とその家族の幸せを心から願いながら、時折、孫たちの屈託のない笑顔に癒される日々だった。
ミモザ村は、辺境伯領とエルドラード王国の国境に位置する地の利を活かし、フィリアとレオンハルトの支援のもと、交易の中継地として少しずつ発展を遂げていた。
長老のマーサは、数年前に大往生を遂げたが、その温かい教えは村人たちの心に生き続けている。
フィリアは、女王となっても、時折お忍びでミモザ村を訪れ、かつて世話になった村人たちとの交流を大切にしていた。
騎士団長のゲルハルトは、グリューネヴァルト辺境伯領の軍事を引き続き取り仕切り、その勇猛さと忠誠心は揺らぐことがなかった。
彼もまた、フィリアとレオンハルトの幸せを心から喜び、二人の子供たちの良き遊び相手となることもあった。
一方、かつてフィリアを裏切り、国を滅亡寸前にまで陥れた者たちの末路は、あまりにも対照的だった。
セレスティアは、辺境の修道院で、誰からも忘れ去られた存在として、過去の栄華を夢想しては虚しく涙するだけの、色褪せた日々を送っていた。
その美貌も、かつての甘え声も、もはや何の意味も持たない。
アルフレッド元王子は、アストリア王国の最も過酷な鉱山で、重労働に喘ぎながら、わずかなパンと水だけで生き永らえていた。
かつての傲慢な王子としての面影は完全に消え失せ、ただ生きるためだけに土を掘り続ける、やつれ果てた男がいるだけだった。
彼らの名を、今では口にする者もほとんどいない。
それが、彼らが犯した罪に対する、当然の報いだった。
ある麗らかな春の日。
フィリアは、レオンハルトと二人の子供たちと共に、エルドラードとグリューネヴァルトの国境を見下ろす、思い出の丘を訪れていた。
そこは、かつて追放されたフィリアが、絶望の中で初めてミモザ村の灯りを見つけた場所であり、そして、レオンハルトと共に新たな人生を歩む決意を固めた場所でもあった。
眼下には、豊かな緑の大地が広がり、遠くにはエルドラード王国の王都アヴァロンと、グリューネヴァルト辺境伯領の都アウステルリッツが、互いに手を携えるかのように輝いて見えた。
「お母様、見て!綺麗な瑠璃色の蝶々!」
娘のリリアが、嬉しそうに指差す。
その先には、フィリアの瞳の色にも似た、美しい瑠璃色の羽を持つ蝶が、春の陽光を浴びてひらひらと舞っていた。
フィリアは、その蝶を微笑んで見つめながら、隣に立つレオンハルトの手に、そっと自分の手を重ねた。
「レオン……ここまで来ることができたのは、あなたと、そして多くの人々の支えがあったからですわ。本当に、感謝しています。」
レオンハルトは、フィリアの手を優しく握り返し、その額に愛おしそうに口づけを落とした。
「私の方こそ、君と出会えたことに感謝している、フィリア。君という太陽が、私の人生を、そしてこの二つの国を照らしてくれたのだから。」
二人の間には、もはや言葉は必要なかった。
ただ、互いの存在を確かめ合うように、穏やかな眼差しを交わすだけ。
フィリアは、かつて自分が経験した絶望と裏切りを思い返した。
あの時の苦しみがあったからこそ、今のこの温かい幸福の価値を、より深く感じることができるのかもしれない。
追放された王女の物語は、ここで一つの美しい結末を迎える。
しかし、彼女が愛する人々と共に築き上げていく、平和で、希望に満ちた未来の物語は、この瑠璃色の空の下、永遠に続いていくのだろう。
暁光の姫君と呼ばれたフィリアの笑顔は、今、真の太陽のように、世界を優しく、そして力強く照らしていた。
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