映画館でギャルと

クレイン

文字の大きさ
1 / 3

前編

しおりを挟む
 テスト最終日の晴れた放課後、今日は部活もないので久しぶりに映画館に来ている。
 映画館は複合商業施設の中にある。上映予定の映画から適当に選んでチケットを買い、時間まで施設内のフードコートで昼食を食べて待つことにする。
 
 うどん屋さんで素うどんを頼み、呼び出しベルの機械を受け取って椅子に座って待つ。こういうとき意味もなく端っこに座ってしまうのはなぜだろうと思いながら2人掛けの席に座る。
 スマホを取り出してネットニュースなどを見ていると、フードコートの隅の方に女性が1人立っていることに気がついた。その女性はスマホを見ながら片手で髪を弄っている。
 
“すごい体してるな。”
 彼女はヒールを履いていることもあって高身長に見える。上はニット素材のシャツにジャケットを羽織っており、下はショートパンツを履いている。メイクばっちりで髪も染めており、正しくギャルといった感じだった。
 壁に寄りかかっているので見えないが、後ろからなら尻肉が見えるんじゃないかというほどショートパンツの丈は短い。惜しげもなく曝されている太ももは白く輝き美しい。
 僕はスマホを見るふりをしながらチラチラと横目で彼女の太ももを見る。ムチっとして肉付きが良い太ももをチラ見していると彼女は歩きだしてアイスクリーム屋さんに向かっていった。
 後ろから見るとより一層彼女の脚は美しく見えた。歩くたびにショートパンツに包まれた尻と、太ももが互いを押し合い形を歪めチラチラと尻肉も見える。彼女の尻を見送っていると僕の呼び出しベルが鳴った。
 席を立ち彼女の尻と太ももを凝視してからうどん屋に向かう。
 
 脳裏に映る彼女の太ももと尻を忘れないようにしながら、受け取ったうどんを持って戻る。さっき座っていた席を見ると、僕の正面のテーブル席に彼女が座っていた。
“え?なんで?”
 今は平日の昼間で人はほとんどいないし、僕の席はフードコートの隅の方だ。僕が離れた席に行こうかとも思ったが席取りのつもりでペットボトルを置いてきたので僕はその席に座るしかない。
 
 席に座り正面を見ると、なぜ僕の席の近くにという疑問は霧散し彼女に見惚れてしまった。
“太ももがすごい。”
 僕からは彼女の左半身が見える。横から見ると彼女の太もものボリュームがよく分かる。それと同時に座っている彼女の太ももは椅子の形に合わせて少し横に広がりその柔らかさまで感じてしまう。
 僕はまた彼女の太ももをチラ見しながらうどんを食べ始める。彼女も手に持ったソフトクリームを食べ始めていた。
 
“エロい”
 不躾だとは思ったが彼女を見るのをやめられない。彼女の赤い舌が真っ白なクリームを舐めとるのを見て、自分の陰茎が彼女に舐められる想像をしてしまう。妄想の中の彼女は上目遣いで丁寧に僕の陰茎を舐めている。
 一度そういう想像ができてしまうとイメージが固まってしまう。彼女がクリームを舐めとるたびに僕の陰茎はピクッと反応している。妄想とはいえ失礼だろと思って再びうどんを食べ始めた。
 
 彼女はテーブルに置いたスマホを弄りながらソフトクリームを舐めとっている。僕はそれを見ながらときどき太ももをチラ見しているので、うどんが全然減らない。いつもなら5分もせずに食べ終わる量なのにその時間を過ぎても半分も食べ終わっていない。
 彼女はコーン上のクリームを食べ終わり、今はガリガリとコーンを齧っている。さっきソフトクリームを陰茎に見立てて妄想したからか、その光景を見て少し陰茎が落ち着いた。だが時折見えるクリームを舐めとる舌がいまだにすごく淫らに見えてしまう。間もなく彼女は食べ終わりコーンを包んでいた紙を潰してテーブルに置いた。
 それを見届けて僕はうどんに集中する。啜っている間も太ももには気を取られるが無事に食べ終わった。まだ映画まで時間があるのを確認し、時間潰しという席を立たない理由を作った。食器返却もせずにスマホを取り出す。
 
 画面を見るふりをしながら彼女の太ももをチラ見し続ける。興味の無いネットの記事を見るより何倍も早く時間が過ぎていく。しばらくスマホを盾にして太ももを見ていると映画の時間が近づいてきた。映画を見ずに彼女を見続けようかとも思ったが、もう料金は払ってしまったので名残惜しいがスマホをしまう。席を立つタイミングでも彼女の太ももと尻をチラ見して、それから食器を返却しに行く。食器を返却した後、最後に彼女を遠目で見て目に焼き付けてから映画館に向かった。
 
 トイレを済ませてからチケットとポスターを見て上映時間を確認し、ポップコーンとコーラを買ってからシアタールームに向かう。
 今から見る映画は広告でも見たことがない外国の映画だ。主演らしい女優がきれいだったから選んだだけである。チケットを買うときにR15だったので軽い濡れ場シーンがあるのではないかと思ったのも選んだ理由だった。
 
 映画館のドアを開き迷いなく歩いて席に座る。座席は後ろの方だ、そもそもいつもそんなに人がいないので指定席でもないしどこに座ってもあまり変わらない。
 今日は特に客が少ないらしく、僕以外には前の方に2人の客が1組いるだけだった。
 僕はコーラを左側のドリンクホルダーに置き、ポップコーンを股で挟むように置く。あと10分ほどで映画が始まるがスクリーンでは最近の映画のCMや映画泥棒の映像が流れている。
 スマホがマナーモードになっていることを確認して、ポケットにしまい上映開始を待つ。
 
 ぼーっとスクリーンを眺めていると、小さくドアが開く音がして何となくそちらに目をやる。
 先ほどのギャルが立っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

処理中です...