【R18完結】君にサチあれ~美少女双子姉の身代わりでコンカフェ女装バイトしていたらカースト上位ヤンキー男にお持ち帰りされました~

星式香璃143

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4.始業時間

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 ちらりと店長を見る。
 いい男だ。目を張るような美形ではないが、まとう空気が穏やかでのほほんとした声が魅力的な優しい男。


 姉も、彼氏にするならこんな男にすればよかったのにーーと、姉の男を見る目の無さを心底残念に思わざるを得ない。


 姉はその美少女顔ゆえ、バイトをすればセクハラに会い、ストーカーに狙われた経験は数知れずと散々な目にあっていた。

 なので、姉は生粋の男嫌いだ。

 しかし、この恵比寿えびすだけは違った。


 姉の美少女顔を手放しで称賛しつつも、それはそれとして管理者とキャストとしての距離感を適切に、かつ、しっかり線引きして守ってくれていた。
 姉が客にセクハラまがいの事をされようものなら、即座に警察を呼ぶし、管理者として客を徹底的に生涯出禁にするという漢気もある――こんな大人になりたいと、憂もあこがれていた。



 なので、繁忙期には時々だが厨房に入って手伝うこともあった。


 自分はどんくささと圧倒的コミュ障ゆえに、バイトはどれも長続きしないのがデフォだったが、恵比寿は憂が失敗しても「そんなこともあるよね~! でも大丈夫! 憂くんの作るメニューどれも最高に美味しいから!! もう全部チャラだよあはは~~!!」と見限ることなく、仕事を褒めてくれていたのだ。




ゆうくん。キッチンからお姉さんを見ていた君なら、お姉さんの代わりに接客一通りはできるだろうけど、無理はしなくていいからね。嫌な客が来たら一時的に下がってもらって裏方の仕事してくれてもいいし、他のスタッフやバイトの子にも事情は説明しているから頼ってくれて大丈夫だよ」




 そう。そういうさりげない心遣いが、尊敬に値するところ―――って。



「他のキャストさんにも言っちゃったんですか?!」


「うん? 言ったよ? 事情を知っている仲間が多くいた方が、何かあった時に助けられるでしょう?」



 なんてことだ!!!!
 このコンカフェの代替を引き受けた理由の一つに、姉以外のキャストさんとのお近づきのチャンスと狙っていたのに!!


 このカフェのキャストナンバーワンは言わずもがな、姉である愛衣ういなのだが。雇用主である恵比寿えびすの目利きが素晴らしいのかは不明だが、そのほかのキャストもかなりの美人揃いだ。
 男子校で出会いもなく、潤いもない自分としては正直、出会いを期待していたっていうのに!!




「これじゃあ完全に『姉の尻に敷かれた弟が女装させられて代打してる』ってだけじゃないですか~!!」


「うん、そうだね。むしろそれ以外に何を期待して?」


「うううう~~~」




 姉の愛衣だと思って仲良くしていたら、実は男で弟の方だった!!

 ――っていうエロ漫画的な展開を心のどこかで期待していたというのに。っていうか、もはやそれだけを楽しみにバイトを引き受けたと言っても過言ではないのに!!


 そう涙ぐんでいると、店長がにっこり顔で「一応言っておくけど、うちは社内恋愛禁止だよ~☆」とトドメを刺してくれた。

 クソ。マジで俺は、自分と同じようなオタク男に媚び売るためだけに女装してるだけじゃないか。




 悲しい。出会いもロマンも何もない。
 俺はやっぱり童貞のままなのか―――。



 カランカラン。
 
 店の扉が開き、店内に客が来たことを知らせる鐘が鳴る。
 ぴくりと反応した俺の肩を、店長がトンと優しく手を置き、「期待してるね」とさわやかに去っていく。
 



 始業時間だ。
 しょうがない、ここまで来たら腹をくくるしかない。
 



「お帰りなさいませ♡ ご主人さ……」


「うわー!! 本物の天使愛衣ちゃんだ!!!!」



「……………は?」





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