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第3章 海の主討伐編
ダメ元
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まるで小島のごとく、海に鎮座するアーケロン。
そして丘の上でそれをじっと見つめながら座り込む私。
両者のにらみ合いは、かれこれ数時間以上続いている。
甲羅を筆頭に、防御力は相当なものがありそうだ。
機功竜の攻撃が通るかどうか、微妙なところだね。
大切な漁場であることを考えると、うかつに毒竜は使いづらい。
ぶっ飛ばすとは言ったものの、具体的にどうするのか悩ましいところだ。
「ミオンさーん」
ニナが呼びに来た。
もうお昼前だ。
『美音』の方も、今日はちゃんと材料があるし開店しないといけない。
「行きましょう」
「はーい」
ニナと一緒に村に戻り、今日シフトが入っているみんなと一緒に王都へ転移する。
店に入って清掃や最後の仕込みを済ませ、開店の準備を整えた。
「開店しまーす!」
「「「はーい!」」」
元気のよい接客がモットーの店だ。
みんなアーケロンの出現は知っていて、不安は抱えている。
でもそれを感じさせない明るい接客で、店を盛り上げてくれる。
私も頭の片隅では対アーケロン作戦を考えながら、懸命に調理の手を動かした。
「ありがとうございましたー!」
最後のお客さんを見送って、私は札を「OPEN」から「CLOSE」に変える。
今、私のアイテムボックスの中には、1営業日分の材料しか入っていない。
明日中にアーケロンを倒せなければ、肝心の魚が入って来ないので営業できなくなってしまう。
臨時休業も覚悟しないといけないね。
私は村に帰ると、再び丘の先端へと足を運んだ。
相変わらず、アーケロンが居座っている。
わずかに体を動かしただけで、月明かりに照らされた海が大きく波立った。
少しの動きであれだ。
思いっきり暴れられたらたまったもんじゃない。
【水無効】があるから溺れたりダメージを受けたりはしないけれど、巨大な波が立てば押し戻されることはある。
でも近づかないことには収納できない。
ミョン爺いわく、でかい図体の割に敏感で、こっそり近づこうとしても気付かれてしまうそうだ。
本当に厄介な相手だよ。
「こっから飛んだらどうなるんだろ」
私は立ち上がると、少し後ろに下がった。
そして勢いよく走りだし、崖の先端で飛び上がる。
まあ分かってたことなんだけど、私は別に跳躍力に優れているわけじゃない。
助走スピードのおかげで海まではギリ届いたけど、アーケロンには遠く及ばなかった。
そしてなまじ海に届いたばっかりに、バッシャーンと盛大に音が響く。
「やっべ……」
アーケロンが反応し、前足だか前ヒレだかを海面に叩き付けた。
大きく波が起こり、私は一気に飲み込まれる。
そして無抵抗で押し戻され、崖に叩き付けられた。
「あーあ」
明らかにダメ元、失敗するのが分かっていた無策の突進だから仕方ないね。
でも今ので閃いた。
アーケロン討伐、鍵は空中からだ。
そして丘の上でそれをじっと見つめながら座り込む私。
両者のにらみ合いは、かれこれ数時間以上続いている。
甲羅を筆頭に、防御力は相当なものがありそうだ。
機功竜の攻撃が通るかどうか、微妙なところだね。
大切な漁場であることを考えると、うかつに毒竜は使いづらい。
ぶっ飛ばすとは言ったものの、具体的にどうするのか悩ましいところだ。
「ミオンさーん」
ニナが呼びに来た。
もうお昼前だ。
『美音』の方も、今日はちゃんと材料があるし開店しないといけない。
「行きましょう」
「はーい」
ニナと一緒に村に戻り、今日シフトが入っているみんなと一緒に王都へ転移する。
店に入って清掃や最後の仕込みを済ませ、開店の準備を整えた。
「開店しまーす!」
「「「はーい!」」」
元気のよい接客がモットーの店だ。
みんなアーケロンの出現は知っていて、不安は抱えている。
でもそれを感じさせない明るい接客で、店を盛り上げてくれる。
私も頭の片隅では対アーケロン作戦を考えながら、懸命に調理の手を動かした。
「ありがとうございましたー!」
最後のお客さんを見送って、私は札を「OPEN」から「CLOSE」に変える。
今、私のアイテムボックスの中には、1営業日分の材料しか入っていない。
明日中にアーケロンを倒せなければ、肝心の魚が入って来ないので営業できなくなってしまう。
臨時休業も覚悟しないといけないね。
私は村に帰ると、再び丘の先端へと足を運んだ。
相変わらず、アーケロンが居座っている。
わずかに体を動かしただけで、月明かりに照らされた海が大きく波立った。
少しの動きであれだ。
思いっきり暴れられたらたまったもんじゃない。
【水無効】があるから溺れたりダメージを受けたりはしないけれど、巨大な波が立てば押し戻されることはある。
でも近づかないことには収納できない。
ミョン爺いわく、でかい図体の割に敏感で、こっそり近づこうとしても気付かれてしまうそうだ。
本当に厄介な相手だよ。
「こっから飛んだらどうなるんだろ」
私は立ち上がると、少し後ろに下がった。
そして勢いよく走りだし、崖の先端で飛び上がる。
まあ分かってたことなんだけど、私は別に跳躍力に優れているわけじゃない。
助走スピードのおかげで海まではギリ届いたけど、アーケロンには遠く及ばなかった。
そしてなまじ海に届いたばっかりに、バッシャーンと盛大に音が響く。
「やっべ……」
アーケロンが反応し、前足だか前ヒレだかを海面に叩き付けた。
大きく波が起こり、私は一気に飲み込まれる。
そして無抵抗で押し戻され、崖に叩き付けられた。
「あーあ」
明らかにダメ元、失敗するのが分かっていた無策の突進だから仕方ないね。
でも今ので閃いた。
アーケロン討伐、鍵は空中からだ。
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