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テオドアの真実
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この季節には珍しい長雨がマノイ国全体を包んでいる。
スウは肌寒い部屋でストールを巻いて窓の外を見ていた。
ラウラは街外れに視察に出かけていてしばらく会っていない。脆弱な地盤が雨で弛み建物が半壊したと報告があったのだ。
この城で他に話が出来る者も居らずスウは一人静かに部屋で過ごしていた。
相変わらずテオドアは姿を見せない。
公務に忙しいとラウラが言っていたが本当かどうか。
「側室が沢山いたらそりゃ忙しいですよね」
そんな不貞腐れたような独り言を溢し溜息をついて窓の外の枯れた葉を見た。
「俺もあんな風に枯れてそのうち捨てられるのかな」
嫁いで来た頃の前向きな気持ちはすっかり萎びて近頃は笑う事も無くなった。ラウラが居ないと尚更何の楽しみもない。こんな風に過ごす為にここに来たんじゃないのに。
本当に自分には人質以上の価値は無いんだ。
そう思うと鬱々した毎日を過ごす事が馬鹿らしくなってきた。
こんな状況でも逃げるわけにいかない。まずはこの部屋から出よう。そして何か楽しい事を自分から探そう!
スウはストールをソファに放り投げて重たいドアを開け人気のない廊下に足を踏み出した。
滅多に部屋から出なかったスウだが館を歩き回ってみると思った以上に広く様々な部屋がある事に驚く。
この館はルウの嫁入りに合わせて設られたと聞いた。本の好きなスウの為の大きな図書室やお茶を飲んだり人を招くことも出来るサロンも内装はマノイでは無くニア風だ。
興味深く部屋を見て回っていると女官達がのんびりと掃除をしたり何かを運んだりしている。
見つかると面倒なので隠れながら館を探検しているうちにスウは段々と楽しくなってきた。
いくつもの部屋を抜け渡り廊下を歩き階段を登りドアを抜ける。
そのうち周りの調度品や飾られている絵の様子が変わった事に気付いた。
もしかしてテオドアの館まで来ちゃったんでは・・。
見つかったら咎められるだろうか。
少し不安になったが考えたらそもそも好かれてないのだから機嫌を損ねる事を恐れる理由はない。
スウは構う事なく広い廊下をどんどん進んだ。
建物と建物を繋ぐ回廊だが壁がないので細かな雨が花の上で跳び踊る様子がよく見える。もうと土の匂いもして故郷の小さな花壇を思い出しスウは途端に心細くなりその場に立ち止まった。
「あなた誰?」
人影はないのに声だけが聞こえる。
スウは慌てて周りを見渡した。
「ごめんなさい。ここよ」
その言葉と共に薔薇の植え込みからぴょんと大きな耳を頭につけた女性が顔を出した。
「濡れますよ!」
驚いて声をかけるがその長い髪や耳を覆う被毛は雨を弾くようで思ったほど酷い状態ではなかった。
「お気遣いありがとう。こんにちは」
にこにこと茂みから現れたのはシンプルだが品の良いドレスを纏ったスウと同じくらいの年齢の女性だった。
この人も獣人?猫かな?
ラウラが一部でも獣の部分が発現するのは高貴な者だけと言っていたから王族に縁の人かもしれない。スウは腰を折って挨拶を返した。
「まあ!王妃様おやめ下さい。私はただの側室ですわ。ミウと言います。お見知り置きを」
側室・・。この人も。
けれど楽しそうに笑うミウは不思議な魅力のある人でテオドアと一緒にいた姫とはまるで違う雰囲気だった
「雨の日にあんな所で何をされていたんですか?」
「鳥がおりまして」
「鳥?」
鳥が怪我でもしていたんだろうか。
「わたし猫の獣人なもので」
「はい」
「つい飛びかかってしまって」
「えっ?!」
コロコロとあどけない笑顔ではあるがスウは驚きのあまり言葉を無くす。
「あら?どうなさったの?」
「あ、いえ・・もしや鳥を食べ・・」
脳裏に浮かんだのはこの美しい人が生きたままの鳥をバリバリと咀嚼している姿だ。
いや獣人なら普通なのか?
驚いたら失礼なのか??
口をパクパクさせている俺の顔を真顔で見つめているミウ嬢。
その表情がじわりじわりと崩れ突然吹き出したと思ったらお腹を抱えて大笑いを始めた。
「ごめんなさい!嘘よ!獣人はそんな野蛮じゃないわ!」
その様子から揶揄われた事に気付いたスウはミウと一緒になって大笑いをした。
その後スウは後宮にあるミアの部屋に招待してもらい美味しいお茶をご馳走になりながらお互いの話をした。
ミウはやはり王家の遠縁に当たる姫で半年前からここにいるらしい。周りの女性とはあまり気が合わないらしくいつも一人で庭にいると言っていた。
「みんなテオドア様の寵愛を得ようと必死なの。上手く子供を身籠れば皇太子の母だしね。それでギスギスしてるのよ」
猫族らしいくるりと大きな金色のつり目を憂鬱そうに瞬かせ黒く長い癖毛を指に絡ませながらミウはため息をついた。
「ミウは違うの?」
「私好きな人がいるの。でも父には逆らえないから1日でも早くテオドア様に飽きて貰って家に帰りたいの」
好きな人がいるのに他の人と同衾するなんて辛いだろうな・・。
やるせない気持ちが顔に出ていたのかミウが慌てて違うの!と立ち上がった。
「テオドア様は後宮に一度も来られてないの!たまに強引な令嬢がテオドア様の執務室に押しかけても後宮まで送り届けていらっしゃるだけ。彼の方にも大切な人がいるのよ」
「えっそんな人が?」
「そんな人がって。その思い人は貴方に決まってるでしょスウ皇后」
「そんなはずない」
「なんですって?」
「テオドアはいつも怖い顔で睨むだけで一緒にいてくれた事も無いのに」
「仕方ないでしょ。獣人は表情に乏しいのよ。それに以前夜に見かけたわよ。二人で寄り添って月を見てたじゃない」
「寄り添って?狼となら覚えがあるけど・・」
「あれが獣化したテオドア様よ!知らなかったの?」
知らなかった。
野盗から助けてくれた。
寂しい時寄り添ってくれた。
暖かい毛皮に包んでくれて共に空を見上げたあの獣がテオドアだったなんて。
けれどラウラはどうして危険だから近づくななんて言ったんだろう。
ラウラが獣化したテオドアを知らないわけがない。
どういう事なの?
「テオドアに会って話を聞いてくる」
「そうね。そうした方がいいわ」
スウはミウにお礼を言い急いで後宮を後にした。
スウは肌寒い部屋でストールを巻いて窓の外を見ていた。
ラウラは街外れに視察に出かけていてしばらく会っていない。脆弱な地盤が雨で弛み建物が半壊したと報告があったのだ。
この城で他に話が出来る者も居らずスウは一人静かに部屋で過ごしていた。
相変わらずテオドアは姿を見せない。
公務に忙しいとラウラが言っていたが本当かどうか。
「側室が沢山いたらそりゃ忙しいですよね」
そんな不貞腐れたような独り言を溢し溜息をついて窓の外の枯れた葉を見た。
「俺もあんな風に枯れてそのうち捨てられるのかな」
嫁いで来た頃の前向きな気持ちはすっかり萎びて近頃は笑う事も無くなった。ラウラが居ないと尚更何の楽しみもない。こんな風に過ごす為にここに来たんじゃないのに。
本当に自分には人質以上の価値は無いんだ。
そう思うと鬱々した毎日を過ごす事が馬鹿らしくなってきた。
こんな状況でも逃げるわけにいかない。まずはこの部屋から出よう。そして何か楽しい事を自分から探そう!
スウはストールをソファに放り投げて重たいドアを開け人気のない廊下に足を踏み出した。
滅多に部屋から出なかったスウだが館を歩き回ってみると思った以上に広く様々な部屋がある事に驚く。
この館はルウの嫁入りに合わせて設られたと聞いた。本の好きなスウの為の大きな図書室やお茶を飲んだり人を招くことも出来るサロンも内装はマノイでは無くニア風だ。
興味深く部屋を見て回っていると女官達がのんびりと掃除をしたり何かを運んだりしている。
見つかると面倒なので隠れながら館を探検しているうちにスウは段々と楽しくなってきた。
いくつもの部屋を抜け渡り廊下を歩き階段を登りドアを抜ける。
そのうち周りの調度品や飾られている絵の様子が変わった事に気付いた。
もしかしてテオドアの館まで来ちゃったんでは・・。
見つかったら咎められるだろうか。
少し不安になったが考えたらそもそも好かれてないのだから機嫌を損ねる事を恐れる理由はない。
スウは構う事なく広い廊下をどんどん進んだ。
建物と建物を繋ぐ回廊だが壁がないので細かな雨が花の上で跳び踊る様子がよく見える。もうと土の匂いもして故郷の小さな花壇を思い出しスウは途端に心細くなりその場に立ち止まった。
「あなた誰?」
人影はないのに声だけが聞こえる。
スウは慌てて周りを見渡した。
「ごめんなさい。ここよ」
その言葉と共に薔薇の植え込みからぴょんと大きな耳を頭につけた女性が顔を出した。
「濡れますよ!」
驚いて声をかけるがその長い髪や耳を覆う被毛は雨を弾くようで思ったほど酷い状態ではなかった。
「お気遣いありがとう。こんにちは」
にこにこと茂みから現れたのはシンプルだが品の良いドレスを纏ったスウと同じくらいの年齢の女性だった。
この人も獣人?猫かな?
ラウラが一部でも獣の部分が発現するのは高貴な者だけと言っていたから王族に縁の人かもしれない。スウは腰を折って挨拶を返した。
「まあ!王妃様おやめ下さい。私はただの側室ですわ。ミウと言います。お見知り置きを」
側室・・。この人も。
けれど楽しそうに笑うミウは不思議な魅力のある人でテオドアと一緒にいた姫とはまるで違う雰囲気だった
「雨の日にあんな所で何をされていたんですか?」
「鳥がおりまして」
「鳥?」
鳥が怪我でもしていたんだろうか。
「わたし猫の獣人なもので」
「はい」
「つい飛びかかってしまって」
「えっ?!」
コロコロとあどけない笑顔ではあるがスウは驚きのあまり言葉を無くす。
「あら?どうなさったの?」
「あ、いえ・・もしや鳥を食べ・・」
脳裏に浮かんだのはこの美しい人が生きたままの鳥をバリバリと咀嚼している姿だ。
いや獣人なら普通なのか?
驚いたら失礼なのか??
口をパクパクさせている俺の顔を真顔で見つめているミウ嬢。
その表情がじわりじわりと崩れ突然吹き出したと思ったらお腹を抱えて大笑いを始めた。
「ごめんなさい!嘘よ!獣人はそんな野蛮じゃないわ!」
その様子から揶揄われた事に気付いたスウはミウと一緒になって大笑いをした。
その後スウは後宮にあるミアの部屋に招待してもらい美味しいお茶をご馳走になりながらお互いの話をした。
ミウはやはり王家の遠縁に当たる姫で半年前からここにいるらしい。周りの女性とはあまり気が合わないらしくいつも一人で庭にいると言っていた。
「みんなテオドア様の寵愛を得ようと必死なの。上手く子供を身籠れば皇太子の母だしね。それでギスギスしてるのよ」
猫族らしいくるりと大きな金色のつり目を憂鬱そうに瞬かせ黒く長い癖毛を指に絡ませながらミウはため息をついた。
「ミウは違うの?」
「私好きな人がいるの。でも父には逆らえないから1日でも早くテオドア様に飽きて貰って家に帰りたいの」
好きな人がいるのに他の人と同衾するなんて辛いだろうな・・。
やるせない気持ちが顔に出ていたのかミウが慌てて違うの!と立ち上がった。
「テオドア様は後宮に一度も来られてないの!たまに強引な令嬢がテオドア様の執務室に押しかけても後宮まで送り届けていらっしゃるだけ。彼の方にも大切な人がいるのよ」
「えっそんな人が?」
「そんな人がって。その思い人は貴方に決まってるでしょスウ皇后」
「そんなはずない」
「なんですって?」
「テオドアはいつも怖い顔で睨むだけで一緒にいてくれた事も無いのに」
「仕方ないでしょ。獣人は表情に乏しいのよ。それに以前夜に見かけたわよ。二人で寄り添って月を見てたじゃない」
「寄り添って?狼となら覚えがあるけど・・」
「あれが獣化したテオドア様よ!知らなかったの?」
知らなかった。
野盗から助けてくれた。
寂しい時寄り添ってくれた。
暖かい毛皮に包んでくれて共に空を見上げたあの獣がテオドアだったなんて。
けれどラウラはどうして危険だから近づくななんて言ったんだろう。
ラウラが獣化したテオドアを知らないわけがない。
どういう事なの?
「テオドアに会って話を聞いてくる」
「そうね。そうした方がいいわ」
スウはミウにお礼を言い急いで後宮を後にした。
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ようやく誤解が解けた?!
ミウ、アナタイイネコ(ΦωΦ)
ラウラの企み破れたり👍
これからテオドア、邪魔されていた分スウとうんとイチャイチャラブラブ時間堪能して欲しい!
逆に今までの分、ラウラに見せつけてやろうヾ(*’O’*)/
テオドア切なかったモン、報われて欲しい。
ここで真実を知ることになるんですね‼︎
ミウさんが言葉を発する度にそうそう‼︎それもそうだったんですよ🥹✨って嬉しくなっちゃいましたw w
直接テオドア様の口から本当の気持ちを聞ける日もそう遠くないんでしょうか🥺
ミウさん🙏ありがとう〜〜😭テオドア様〜〜勇気を持って、素直になって下さい🥹😘 ふたりとも❣️頑張ってぇ〜〜💕💕💕