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15話
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手術が無事終わった健斗と共に病室に移動した三葉と海は椅子に腰掛け彼が目覚めるのを待っていた。
桜宮の計らいで上層階にある特別室をあてがわれたが広いベッドが頼りなく小さな体を際立たせ更に痛々しい。
まだ麻酔が効いているようで眠り続ける健斗に早く目を開けて欲しい気持ちとこのまま穏やかに眠り続けていて欲しい気持ちが綯い交ぜになり三葉の胸は酷く痛んだ。
しばらくすると桜宮が静かに病室に入って来た。そして健斗の顔を見ながら小さな声で呼びかける。
「桜宮さん健斗はまだ目覚めないと思います。先生の話だと後四時間くらいは・・」
海がそう桜宮に伝えた瞬間、健斗の目がうっすらと開き桜宮を見て微笑んだ。
それはまるで眠り姫のお話のようで見つめ合う二人はさながら一枚の絵画に見えた。
「酷い目にあったな。痛むか?」
「・・大丈夫です・・」
喉が詰まったように掠れて途切れ途切れの言葉を紡ぐ白銀の髪に桜宮がそっと触れた。
その途端健斗が顔を顰める。
ああ・・浩太と番ったから他のαに拒絶反応が出てるんだ。
健斗もそれに気付いたのか笑顔のままで眦からぽろぽろと涙を溢れさせた。
「健斗くん落ち着いたら話を聞かせて欲しい。君にこんな事をした奴を絶対に捕まえる」
そういう桜宮に健斗は何も見てませんと固い声を出す。
「声は?覚えのない相手だったか?」
「暗かったし必死だったので覚えてないです」
「そうか・・」
・・本当だろうか?
暗くて見えないとしても浩太の声ならよく知ってるはずだ。
もしかして俺のことを思って・・。
「犯人を知ってます」
三葉が声を上げると桜宮と健斗が驚いてこちらを見た。
「健斗本当のことを話していいんだ」
「で・・でも」
泣きそうな顔の健斗の代わりに三葉が桜宮に向き直った。
「犯人は浩太です。俺のところに連絡がありました」
「あいつか!邪魔された事への腹いせか?絶対許さない」
「俺も許せません」
「あそこに居たということはオメガ園の人身売買にも関わってるって事だな。あいつを捕まえて更に上の奴を炙り出す」
そう言って桜宮は急いで病室を出ていく。
残された健斗は三葉を見てごめんと呟いた。
「なんで健斗が謝るんだよ!」
「だって・・僕が浩太に捕まったりしたから三葉の番を犯罪者にしちゃった・・」
そういうと目を閉じで泣きながら布団をかぶってしまう。三葉はたまらない気持ちになって布団ごと健斗を抱きしめた。
「あいつはもう犯罪者だし謝らなきゃいけないのは俺の方だ。俺と友達になったばっかりにあいつにこんな事されて・・。ちゃんと報いは受けさせるし番いも解消させる」
「三葉!」
それを聞いてがばっと布団から顔を出して健斗が叫ぶ。
「三葉!海も!変なこと考えないでよ?!俺の側にずっと居て。一人にしないで!その方が僕はつらい!」
その言葉を聞いていつの間にか三葉の頬も涙で濡れていた。
でも許せないんだ。
大丈夫。俺が一人でやる。
海は健斗の側にいてくれるよ。
番が解消されたら海でも桜宮さんでも健斗が想う人と改めて番になって欲しい。
三葉はそんな事を思いながらいつまでも健斗の柔らかい髪を撫でていた。
面会時間が終わり家に帰された三葉は丁度帰宅した桜宮と遅めの簡単な夕食を摂ることにした。
「浩太の行方目処着きましたか?」
「今あらゆる防犯カメラを確認してる」
「そうですか・・」
どこに隠れているのか本当に逃げ回るのが上手い。
三葉は忌々しい思いを抱えお茶漬け用の出汁を作り始めた。
「しかし本当に卑劣な男だ・・あ、失礼気にしないでくれ」」
「・・いえ言われて当然ですし俺も思ってます」
「・・なぜ彼は運命の番であるはずの君をこんなに苦しめるんだろうな」
「わかりません・・」
最初はあんな風じゃなかった。
確かに強引ではあったけど。
それでも縁があって番になったんだから幸せになりたかった。
よく無い交友関係が広がっていくうちに三葉のいうことなど何も聞いてくれなくなって人をバース性でしか見なくなった。
Ωやβは虐げても構わない、αこそがこの世の頂点だと。
明らかに贔屓され優遇されるうちに浩太の感覚はどんどん麻痺していく。
学生の間はまだいい。
確かに就職も引く手数多だ。
けれど実際社会に出たらαと言うだけでは成功出来ない。
桜宮のようにαという性に甘んじる事なくむしろαであるからこそ誰よりも努力した結果今の地位があると浩太は理解しているんだろうか。
「俺が悪いんです」
「え?」
「もっと早いうちに浩太の実家に助けを求めるなりすれば良かった」
ぽつりと話す三葉に桜宮はそれは違うと言った。
「自分が言うのもなんだがαは万能だ。大抵のことは出来る。けれどその力をどこに使うかは自分次第だ」
「はい・・」
「αは強いんだ。だから威張る必要はない。強いから周りの人を助けられる。恵まれて生まれたのは自分の為じゃないと知るべきだ」
そんな風に考えるαもいるんだ。
そしてそんな人だからこんなにも惹かれるんだ。
「ごめんなさい・・」
「どうして謝る?」
「だって俺の番があなたの好きな人に取り返しのつかない事をした。再会出来てこれからって時に」
「・・
「確かにそれはあるな。もっと早く出会っていればと何回思ったかしれない」
「すいません・・」
・・ああやっぱり桜宮さんは健斗のことが好きなんだ。
そう思うと失恋に胸が痛んだが自分にそれを口に出す資格はない。
「だがそれを本人に謝られるのは複雑だ。番がいても諦める気はないしな」
「・・本人?」
三葉は桜宮の言葉の意味を測りかねるように30センチ近く高いところにある大好きな甘い表情を見上げる。
「まさか気付いてないって事は無いよな?」
「なにをですか?」
「俺が好きなのは君だって事」
「・・え?」
そんなはずない
番い持ちの自分を。
ましてや相手はあんなろくでなしだ。
「遊園地で初めて君を見た時からずっと忘れられなかった。いつか会えると夢見てたけど次に会えたのはカフェのバイトの面接でその時は既に番持ちだった」
面接は店長だけだった。
あの時どこか店内にいたのだろうか
三葉は驚きに声も出せない。
「さっさと探して気持ちを伝えれば良かったと後悔したがもう遅い。キッパリ忘れて初めて会ったように振る舞った。もちろん三葉くんが幸せだと思ってたから。それなのにそうじゃないのかもしれないと気付いて色々とお節介を焼いてしまった」
「おせっかいなんて・・」
向かいに座っていた桜宮がそっと三葉の横に座り直す。嫌悪感を抱かせないように若干広すぎる距離を取るのが桜宮らしいと三葉は泣きそうになった。
「実は俺には歳の離れた姉がいた。三葉くんと同じ髪の色で優しいのに芯が強いところも君に似てた」
「その人はもしかして・・」
「オメガだった」
やっぱり
銀に近いグレーの髪はΩ特有のものだ。Ωの中でも多くはないが際立って珍しいものでもない。
「姉は望まない番契約をした。事故のようなものだ。けれど番ったからには幸せになると笑ってた。でも・・」
ぐっと息を呑んで桜宮が続ける。
「その男は散々うちから金を引き出してもう無理だと姉が拒んだらあっさりと姉を捨てた。それから間もなく姉は命を絶った。お腹には子供もいたのに」
そんな事が・・・。
「カフェで君を見ていて姉と重なったんだ。大切な人を手遅れになる前に助けなければと思った。今度こそ、と」
優しく微笑みながらそう話す桜宮は見ているのが痛いくらい当時の記憶に傷付けられていて三葉は抱きしめてもあげられない自分の運命を呪った。
この強く優しいひとに自分はどうしたら報いることができるだろう。
「重い話だったな。悪かった」
そう言って立ち上がろうとする袖を引きもう一度ソファに誘う。
「俺も桜宮さんが好きです」
「気を・・使わなくていいんだよ・・」
半信半疑の絞り出すような声さえ甘く耳に響いた。
「あなたが好きです」
「三葉くん」
全てが終わったら
それでも好きだと言ってくれるなら
その時にもう一度伝えたい
例え実らなくても
最後は一人になったとしても。
桜宮の計らいで上層階にある特別室をあてがわれたが広いベッドが頼りなく小さな体を際立たせ更に痛々しい。
まだ麻酔が効いているようで眠り続ける健斗に早く目を開けて欲しい気持ちとこのまま穏やかに眠り続けていて欲しい気持ちが綯い交ぜになり三葉の胸は酷く痛んだ。
しばらくすると桜宮が静かに病室に入って来た。そして健斗の顔を見ながら小さな声で呼びかける。
「桜宮さん健斗はまだ目覚めないと思います。先生の話だと後四時間くらいは・・」
海がそう桜宮に伝えた瞬間、健斗の目がうっすらと開き桜宮を見て微笑んだ。
それはまるで眠り姫のお話のようで見つめ合う二人はさながら一枚の絵画に見えた。
「酷い目にあったな。痛むか?」
「・・大丈夫です・・」
喉が詰まったように掠れて途切れ途切れの言葉を紡ぐ白銀の髪に桜宮がそっと触れた。
その途端健斗が顔を顰める。
ああ・・浩太と番ったから他のαに拒絶反応が出てるんだ。
健斗もそれに気付いたのか笑顔のままで眦からぽろぽろと涙を溢れさせた。
「健斗くん落ち着いたら話を聞かせて欲しい。君にこんな事をした奴を絶対に捕まえる」
そういう桜宮に健斗は何も見てませんと固い声を出す。
「声は?覚えのない相手だったか?」
「暗かったし必死だったので覚えてないです」
「そうか・・」
・・本当だろうか?
暗くて見えないとしても浩太の声ならよく知ってるはずだ。
もしかして俺のことを思って・・。
「犯人を知ってます」
三葉が声を上げると桜宮と健斗が驚いてこちらを見た。
「健斗本当のことを話していいんだ」
「で・・でも」
泣きそうな顔の健斗の代わりに三葉が桜宮に向き直った。
「犯人は浩太です。俺のところに連絡がありました」
「あいつか!邪魔された事への腹いせか?絶対許さない」
「俺も許せません」
「あそこに居たということはオメガ園の人身売買にも関わってるって事だな。あいつを捕まえて更に上の奴を炙り出す」
そう言って桜宮は急いで病室を出ていく。
残された健斗は三葉を見てごめんと呟いた。
「なんで健斗が謝るんだよ!」
「だって・・僕が浩太に捕まったりしたから三葉の番を犯罪者にしちゃった・・」
そういうと目を閉じで泣きながら布団をかぶってしまう。三葉はたまらない気持ちになって布団ごと健斗を抱きしめた。
「あいつはもう犯罪者だし謝らなきゃいけないのは俺の方だ。俺と友達になったばっかりにあいつにこんな事されて・・。ちゃんと報いは受けさせるし番いも解消させる」
「三葉!」
それを聞いてがばっと布団から顔を出して健斗が叫ぶ。
「三葉!海も!変なこと考えないでよ?!俺の側にずっと居て。一人にしないで!その方が僕はつらい!」
その言葉を聞いていつの間にか三葉の頬も涙で濡れていた。
でも許せないんだ。
大丈夫。俺が一人でやる。
海は健斗の側にいてくれるよ。
番が解消されたら海でも桜宮さんでも健斗が想う人と改めて番になって欲しい。
三葉はそんな事を思いながらいつまでも健斗の柔らかい髪を撫でていた。
面会時間が終わり家に帰された三葉は丁度帰宅した桜宮と遅めの簡単な夕食を摂ることにした。
「浩太の行方目処着きましたか?」
「今あらゆる防犯カメラを確認してる」
「そうですか・・」
どこに隠れているのか本当に逃げ回るのが上手い。
三葉は忌々しい思いを抱えお茶漬け用の出汁を作り始めた。
「しかし本当に卑劣な男だ・・あ、失礼気にしないでくれ」」
「・・いえ言われて当然ですし俺も思ってます」
「・・なぜ彼は運命の番であるはずの君をこんなに苦しめるんだろうな」
「わかりません・・」
最初はあんな風じゃなかった。
確かに強引ではあったけど。
それでも縁があって番になったんだから幸せになりたかった。
よく無い交友関係が広がっていくうちに三葉のいうことなど何も聞いてくれなくなって人をバース性でしか見なくなった。
Ωやβは虐げても構わない、αこそがこの世の頂点だと。
明らかに贔屓され優遇されるうちに浩太の感覚はどんどん麻痺していく。
学生の間はまだいい。
確かに就職も引く手数多だ。
けれど実際社会に出たらαと言うだけでは成功出来ない。
桜宮のようにαという性に甘んじる事なくむしろαであるからこそ誰よりも努力した結果今の地位があると浩太は理解しているんだろうか。
「俺が悪いんです」
「え?」
「もっと早いうちに浩太の実家に助けを求めるなりすれば良かった」
ぽつりと話す三葉に桜宮はそれは違うと言った。
「自分が言うのもなんだがαは万能だ。大抵のことは出来る。けれどその力をどこに使うかは自分次第だ」
「はい・・」
「αは強いんだ。だから威張る必要はない。強いから周りの人を助けられる。恵まれて生まれたのは自分の為じゃないと知るべきだ」
そんな風に考えるαもいるんだ。
そしてそんな人だからこんなにも惹かれるんだ。
「ごめんなさい・・」
「どうして謝る?」
「だって俺の番があなたの好きな人に取り返しのつかない事をした。再会出来てこれからって時に」
「・・
「確かにそれはあるな。もっと早く出会っていればと何回思ったかしれない」
「すいません・・」
・・ああやっぱり桜宮さんは健斗のことが好きなんだ。
そう思うと失恋に胸が痛んだが自分にそれを口に出す資格はない。
「だがそれを本人に謝られるのは複雑だ。番がいても諦める気はないしな」
「・・本人?」
三葉は桜宮の言葉の意味を測りかねるように30センチ近く高いところにある大好きな甘い表情を見上げる。
「まさか気付いてないって事は無いよな?」
「なにをですか?」
「俺が好きなのは君だって事」
「・・え?」
そんなはずない
番い持ちの自分を。
ましてや相手はあんなろくでなしだ。
「遊園地で初めて君を見た時からずっと忘れられなかった。いつか会えると夢見てたけど次に会えたのはカフェのバイトの面接でその時は既に番持ちだった」
面接は店長だけだった。
あの時どこか店内にいたのだろうか
三葉は驚きに声も出せない。
「さっさと探して気持ちを伝えれば良かったと後悔したがもう遅い。キッパリ忘れて初めて会ったように振る舞った。もちろん三葉くんが幸せだと思ってたから。それなのにそうじゃないのかもしれないと気付いて色々とお節介を焼いてしまった」
「おせっかいなんて・・」
向かいに座っていた桜宮がそっと三葉の横に座り直す。嫌悪感を抱かせないように若干広すぎる距離を取るのが桜宮らしいと三葉は泣きそうになった。
「実は俺には歳の離れた姉がいた。三葉くんと同じ髪の色で優しいのに芯が強いところも君に似てた」
「その人はもしかして・・」
「オメガだった」
やっぱり
銀に近いグレーの髪はΩ特有のものだ。Ωの中でも多くはないが際立って珍しいものでもない。
「姉は望まない番契約をした。事故のようなものだ。けれど番ったからには幸せになると笑ってた。でも・・」
ぐっと息を呑んで桜宮が続ける。
「その男は散々うちから金を引き出してもう無理だと姉が拒んだらあっさりと姉を捨てた。それから間もなく姉は命を絶った。お腹には子供もいたのに」
そんな事が・・・。
「カフェで君を見ていて姉と重なったんだ。大切な人を手遅れになる前に助けなければと思った。今度こそ、と」
優しく微笑みながらそう話す桜宮は見ているのが痛いくらい当時の記憶に傷付けられていて三葉は抱きしめてもあげられない自分の運命を呪った。
この強く優しいひとに自分はどうしたら報いることができるだろう。
「重い話だったな。悪かった」
そう言って立ち上がろうとする袖を引きもう一度ソファに誘う。
「俺も桜宮さんが好きです」
「気を・・使わなくていいんだよ・・」
半信半疑の絞り出すような声さえ甘く耳に響いた。
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