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第4章―舞い降りた翼―
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しおりを挟む「能力脳覚醒装置、起動!」
美岬のサポートに回っていた2人のパイロットは冴嶋の指示の下、その場でレゾナシステムの力を解放した。そこで起動することにより、機体とパイロットの身体は1つにシンクロされた。
シンクロした途端に、本来の力と機体の能力が発揮された。さっきまでトロい動きだったアビスはレゾナシステムの力により。みるみるうちに、動きが良くなった。2人のパイロットはその力の変化に確信した。
「これがレゾナシステムの力? す、凄い……! 力がみなぎってくる! それにさっきよりも体が軽い気がする……! それに機体の動きも速い! 機体全体の能力が上がってる気がする、これなら僕にだって…――!」
2人のパイロットはレゾナシステムを初めて体感した。その衝撃は彼らの心を大きく揺るがした。ゲルマンは彼らに向かってビームライフルを撃つとその攻撃を軽々と避けた。
「チッ、おのれぇ……! さっきよりも動きが良くなっている! それに機体だけではなく、他のもう1機の方も動きが速いではないか! こっ、これは一体……!?」
ゲルマンはアビスの動きが急激に変化した事に少し焦った表情をしながらも、ビームライフルを何発も撃ちまくった。
彼らはレゾナシステムの驚異的な力で、ゲルマンの攻撃を防ぐ事に成功した。そして2機のアビスは冴嶋の指示の下、美岬の後方でサポートに専念した。彼が2機のアビスに気をとられている間に、美岬は隙を突いてアビスの右脚からヒドラのパーツを取り出して銃に装着した。
ヒドラのパーツを銃に装備する事でDTB―5000の通常の銃の威力を倍の威力へと上げた。美岬は銃を構えると離れた所から距離をとり、ヒドラを撃ち放った。
ゲルマンは2機のアビスに気をとられていて、急接近してくる高エネルギーには気づかなかった。そして気づいた時には遅かった。その瞬間、銃弾はアークⅡの脇腹に被弾した。
『ヌォオオオオオオオオーーッ!!』
側面から攻撃が当たると その大きな衝撃に声を上げて叫んだ。一瞬のことだったので油断した。激しい揺れに機体は左右に揺れるとアークⅡは、地面に片足をついて体勢を崩した。
『ゲルマンッ!?』
「カイン様、この戦い手出し無用です……!! このゲルマン、ここで我が身が朽ち果てようとも必ずや奴らを仕留めて御覧になります…――!」
「ああ、それでこそミストラル部隊の隊長に相応しい男だ! よく言った! ならばヤツらを一人残らず駆逐するのだ!」
「はっ! 我がこの身は、アザゼルの栄光と共にありぃいいいー! うぉおおおおおおおっ!!」
その瞬間、彼は力強く雄叫びを上げると、狂戦士能力覚醒装置起動させた。その瞬間、DT2―ARRK にパイロットの肉体と精神が1つにシンクロされた。そして、シンクロされる事で彼は一瞬にして驚異的な力を手に入れた。それはまさに、今まで以上の力が体中から漲った。
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