共鳴のヴァルキュリア （全話再編集完)

第7章―消えゆく命の残り火―

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ドーンと言う大きな音と、強い衝撃が機体全体を揺らした。それは被弾した時の音と揺れだった。カーターは一瞬、死を覚悟した。そして、閉じていた瞳を恐る恐る開くと、そこにはマードックがいた。

『っ…――！？』

　カーターは一瞬のことだったのでわけがわからなかった。なんとマードックは、彼が狙撃される手前で自らの身を挺して仲間を庇った。

「なっ、なんで…――！？」

「手間をかかせやがって、これだから……！」

　マードックは狙撃されそうになったカーターを庇うと、機体全体にダメージを受けた。辛うじて生きてるもの、その声は苦しそうだった。

「くそっ、どいつもこいつも…――！」

そう言って皮肉を呟くと彼は狙撃手のパイロットがいる所に目掛けて槍を放った。

『隠れても無駄だ、そこだぁあああーーっ！！』

　マードックは魂心の一撃を込めて槍を投げ飛ばすと、敵の狙撃手はそれを回避出来ずに命中して大破した。

「ハハハッ、どうだ参ったか…――！」

　彼は槍で狙撃手を倒した。一瞬だけ気が緩むとそこに、近くに隠れていた敵の機体が3機同時に奇襲攻撃をかけた。

「マードックっ！！」

　カーターは直ぐに気がつくと咄嗟に呼んだ｡だが、彼はそれに気づく前にいきなり3体から同時攻撃を受けた。

『ぐぁああああああああああっっ！！』

　敵の3体は同時に槍を突き刺した。その瞬間、槍が彼の機体を激しく貫いた――。

『マードックっつ！！』

突然、自分の目の前で仲間がやられると頭の中が真っ白くなった。そして、気がついたら彼の名前を叫んでいた。

マードックの後を追ってきたレオンも、その光景を目の当たりにすると驚愕した。3本の槍は機体の胴体を鋭く貫いていた。その姿はまさに絶望的だった。

『わぁあああああああっつ！！』

『退けぇえええーーっ！！』

　レオンは目の前で仲間がやられると一気に頭に血が昇った。そして身体は反射的に動いた。彼を助けようと敵の方に全速力で突っ込んだ。するとそこに新たな敵が立ちはだかった。

新たな敵はバズーカーを片手に、肩からミサイルポットを数発放って威嚇した。レオンは敵に行く手を阻まれると、叫びながら仲間に連絡をした。

『アレックス、アレックス、早く来てくれぇ！　マードックがっ…――！！』

　彼は無我夢中で仲間に連絡した。アレックスはジェイド共に急いで駆けつけると、そこで目を奪われた。

「なっ……！　なんだこれは…――！？」

アレックスは目を奪われるとそこで驚愕した。