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第5章―生と死の輪舞―(ロンド)
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しおりを挟むなっ、なんだと……!?
俺様の盾が! 馬鹿なっ……!
クレイオスシールドを貫いただと――!?
『くっ!!』
その瞬間、彼は驚愕した。今まで絶対的な自信があった自分の盾が破壊されたのを目にし、それは彼の心に影響を及ぼした。その場でカインの盾をインフェルノブレイカーで破壊した。
機体の影響力で敵の盾の効果を無力化出来た事に成功したと思った美岬は、大胆にも勝負に出た。ヒート攻撃を吸収する自慢の盾も、機体の影響で能力を失うと只の鈍らになった。敵を倒す絶好のチャンスを逃さなかった彼は、アレスの盾を破壊すると同時に剣で機体の上半身を貫いた。
それも正確に、もっとも機体にダメージを与えられる場所を突き刺した。彼は自分の盾を失って驚愕している所にさらに追い討ちをかけられた。美岬が貫いた場所は、胸部にあるスキュラを放つ電子砲だった。
強い衝撃と揺れにコックピットに緊張が走った。カインは今まで自分が経験した事もないような、絶対絶命のピンチに追い詰められた。
コックピット内にある緊急時のアラームが突如作動した。さらに今の攻撃でアレスの再起動まで91%までなった所に強い攻撃が加わり。機体内部の破損により、再起動は再び0%にまで落ちた。その瞬間、カインは操縦桿を強く握り締めながら激しい怒りに内震えた。
「くそっ、やりやがったなっ!? よくも俺様に舐めた真似なんかしやがってぇ!!」
『ウォオオオオオオオオオオーーッ!!』
カインは怒りを爆発させると感情を剥き出しにして叫んだ。アビスは剣を抜くと機体から素早く離れて距離をとった。
美岬は完全にまで自分を戦士としてコントロールしていた。そこには敵への情けも一切なかった。司令室は彼の活躍に注目しながらも、誰もが息を呑んだ。緊急時のアラームはパイロットに脱出を促した。しかし、カインは自身の機体を投げ出すことはしなかった。
「くっ、まだだ……! まだ俺はやれる! この手で奴をあそこから引きずり出してやるっ!!」
カインは戦意喪失するどころか、さらに戦いにのめり込んだ。それは生まれながらに戦士として生きた、彼自身のプライドだった。カインは今だ闘志を激しく燃やした。美岬は再び剣を構えるとトドメにでた。
「これで終わりだぁーーっ!!」
『くっ……!!』
その瞬間、カインは絶体絶命のピンチを悟った――。
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