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プロローグ
闇オークション!ルナを探せ!その3
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物品の倉庫でオーナーの男性はふーむと考え込んでいた。
「ふぅむ、無名の悪魔は初めて見るなぁ・・・どう値とラベルをつけたものか」
ルナを見ながら男性は耳まで裂けた口をさらに歪めて笑う。どう転んでも希少価値は消えない。
あとはどれだけ値を釣り上げられるか。宣伝文句は大切だ。その一言で金貨の山がさらに高くなる。
「この小娘が・・・名無しの悪魔であるだけでかなりの値段になることは間違いないが・・・」
悪魔に好きな名をつけて使役する。それだけでとんでもないステータスになる。貴族連中はもちろん、魔法使いだって欲しがるだろう。悪魔を無償で従えることができるのだ。上位の悪魔の力が借りられず拙い術師の命名で多少ランクを落とすハメになったとしてもそれを補って余りある。
「それに見た目も悪くない、老いないペットや愛妾として飼うにしても最適だなぁ」
封印をされていて触れられずともわかるその若さ、瑞々しさ。それだけでも価値がある。
さらに悪魔であると銘打っておけば使役したり売買しても見逃されることもある。なにせ悪魔は様々な物に姿を変えられる・・・というより人間に使ったら違法な魔法であっても月光教の目さえ掻い潜ればどれだけ雑に扱ってもゆるされてしまうのだ。見た目を誤魔化すために虫や動物に変えて連れ歩き、必要な時に人型にすることも可能だ。
悪魔の中には好んでそのように振る舞うものもいるため非常にややこしく、違法かどうかを見極めるのも難しい。
ニヤニヤと笑顔が止まらないオーナーにノックの音が水を差した。
「・・・なんだ」
『オークションの物品リストから洩れたものがあるそうです』
ドア越しに届いたのはボーイの声だった。
「商品のリストから洩れた?」
『はい、封印の解除につかう道具だそうで・・・』
「ああ、添え忘れか?ちょっと待て」
歪んだ顔をぎちぎちと押し固めて元に戻す。オーナーはこのオークション会場を仕切る悪魔であり、ルナが悪魔であることを一瞬で見抜いたのも同族であるというところが大きい。
普段は日光教の神官や聖職者の目を逸らす為に人の形をとり、なるべく自分が悪魔であることを明かさないようにしている。たとえ人づてであったとしても悪魔がいるとなれば彼らは突然やって来ては中を散々に散らかしていくことがある。厳重に正体を隠す一番の理由はたとえパトロンに貴族や力のある政治家がいても彼らに聖職者の悪魔祓いを止める権利は無いからだ。逃げおおせることが可能だとしてもトラブルは無いにこしたことはない。
「いいぞ、入ってこい」
オーナーがそう言うとボーイがドアを開けて入ってきた。オーナーはボーイの後ろに立っている人物に目が留まる。
「そちらの人は?」
「商品の封印を解くための道具を持ってきたと・・・」
「そうか」
内心では部外者をここまで連れてきたボーイにキレたい一心だったがお客の前でキレるのは客商売としてよろしくない。適当に商品を受け取ってあしらい、さっさと帰ってもらわないといけない。
「どうも、無理を言ってすみませんね」
入ってきたのはアダムだ。変装はしているもののこの状況でヘラヘラしていられるのは大した度胸である。
「それで、お客様の商品とは?」
「ええとね、ああそうそう。これですよ」
許可も得ていないにも関わらずアダムはルナの前にやってくる。オーナーは怒鳴りたいのを堪えるので必死だったがそんなことなぞお構いなしである。
「主人がね、商品がちょろまかされたりしないかと心配してましてねぇ」
「ウチがそんな信用ならないと?」
「そこまでは言ってませんが・・・これは入手経路が特殊なもので」
アダムはレリーフを取り出すとルナの方に翳した。するとレリーフは淡い輝きを放ち始める。
「ふむ、これで問題ないようだな」
「おい!何を勝手な事・・・」
オーナーが声を荒げた刹那、彼の額に短刀が突き刺さった。
「お、オーナー!」
「騒ぐな、どうせ人身売買で死刑レベルの罪だ。ここで死んでも誰も困りゃあせん」
派手にひっくり返ったオーナーを後目にアダムはレリーフを翳すとルナの封印の解除に取り掛かった。
「空間ごと切り取ったような感じだな・・・それでこれを当てればいいのか?」
見えない壁がルナを包んでいるようで、その見えない壁にレリーフを当てるとその壁が徐々に光とともに縮んでいくとやがてルナが封印から解き放たれた。
「・・・」
「おっと、大丈夫か・・・?」
そのまま地面に倒れ込んだルナを受け止めると意識の有無を確認する。どうやら気絶しているだけのようでアダムは安堵した。しかし問題はこれからである。
(封印のまま運びだすのは無理と思って解除したがまさか意識が飛んでいるとはな・・・)
目の前のボーイは突然の事に呆然としているが正気に戻ると大騒ぎになるだろう。そうでなくてもオークションが正常に開かれなければどちらにしろ騒ぎにはなる。
「どちらにしろ長居は禁物か、お暇するとしよう」
ルナを抱えて立ち上がろうとしたアダムだったが
「どこへ行くってんだ?おお?」
突然背後から聞こえた声にアダムは心底嫌そうな顔をしながら振り返った。
「ふぅむ、無名の悪魔は初めて見るなぁ・・・どう値とラベルをつけたものか」
ルナを見ながら男性は耳まで裂けた口をさらに歪めて笑う。どう転んでも希少価値は消えない。
あとはどれだけ値を釣り上げられるか。宣伝文句は大切だ。その一言で金貨の山がさらに高くなる。
「この小娘が・・・名無しの悪魔であるだけでかなりの値段になることは間違いないが・・・」
悪魔に好きな名をつけて使役する。それだけでとんでもないステータスになる。貴族連中はもちろん、魔法使いだって欲しがるだろう。悪魔を無償で従えることができるのだ。上位の悪魔の力が借りられず拙い術師の命名で多少ランクを落とすハメになったとしてもそれを補って余りある。
「それに見た目も悪くない、老いないペットや愛妾として飼うにしても最適だなぁ」
封印をされていて触れられずともわかるその若さ、瑞々しさ。それだけでも価値がある。
さらに悪魔であると銘打っておけば使役したり売買しても見逃されることもある。なにせ悪魔は様々な物に姿を変えられる・・・というより人間に使ったら違法な魔法であっても月光教の目さえ掻い潜ればどれだけ雑に扱ってもゆるされてしまうのだ。見た目を誤魔化すために虫や動物に変えて連れ歩き、必要な時に人型にすることも可能だ。
悪魔の中には好んでそのように振る舞うものもいるため非常にややこしく、違法かどうかを見極めるのも難しい。
ニヤニヤと笑顔が止まらないオーナーにノックの音が水を差した。
「・・・なんだ」
『オークションの物品リストから洩れたものがあるそうです』
ドア越しに届いたのはボーイの声だった。
「商品のリストから洩れた?」
『はい、封印の解除につかう道具だそうで・・・』
「ああ、添え忘れか?ちょっと待て」
歪んだ顔をぎちぎちと押し固めて元に戻す。オーナーはこのオークション会場を仕切る悪魔であり、ルナが悪魔であることを一瞬で見抜いたのも同族であるというところが大きい。
普段は日光教の神官や聖職者の目を逸らす為に人の形をとり、なるべく自分が悪魔であることを明かさないようにしている。たとえ人づてであったとしても悪魔がいるとなれば彼らは突然やって来ては中を散々に散らかしていくことがある。厳重に正体を隠す一番の理由はたとえパトロンに貴族や力のある政治家がいても彼らに聖職者の悪魔祓いを止める権利は無いからだ。逃げおおせることが可能だとしてもトラブルは無いにこしたことはない。
「いいぞ、入ってこい」
オーナーがそう言うとボーイがドアを開けて入ってきた。オーナーはボーイの後ろに立っている人物に目が留まる。
「そちらの人は?」
「商品の封印を解くための道具を持ってきたと・・・」
「そうか」
内心では部外者をここまで連れてきたボーイにキレたい一心だったがお客の前でキレるのは客商売としてよろしくない。適当に商品を受け取ってあしらい、さっさと帰ってもらわないといけない。
「どうも、無理を言ってすみませんね」
入ってきたのはアダムだ。変装はしているもののこの状況でヘラヘラしていられるのは大した度胸である。
「それで、お客様の商品とは?」
「ええとね、ああそうそう。これですよ」
許可も得ていないにも関わらずアダムはルナの前にやってくる。オーナーは怒鳴りたいのを堪えるので必死だったがそんなことなぞお構いなしである。
「主人がね、商品がちょろまかされたりしないかと心配してましてねぇ」
「ウチがそんな信用ならないと?」
「そこまでは言ってませんが・・・これは入手経路が特殊なもので」
アダムはレリーフを取り出すとルナの方に翳した。するとレリーフは淡い輝きを放ち始める。
「ふむ、これで問題ないようだな」
「おい!何を勝手な事・・・」
オーナーが声を荒げた刹那、彼の額に短刀が突き刺さった。
「お、オーナー!」
「騒ぐな、どうせ人身売買で死刑レベルの罪だ。ここで死んでも誰も困りゃあせん」
派手にひっくり返ったオーナーを後目にアダムはレリーフを翳すとルナの封印の解除に取り掛かった。
「空間ごと切り取ったような感じだな・・・それでこれを当てればいいのか?」
見えない壁がルナを包んでいるようで、その見えない壁にレリーフを当てるとその壁が徐々に光とともに縮んでいくとやがてルナが封印から解き放たれた。
「・・・」
「おっと、大丈夫か・・・?」
そのまま地面に倒れ込んだルナを受け止めると意識の有無を確認する。どうやら気絶しているだけのようでアダムは安堵した。しかし問題はこれからである。
(封印のまま運びだすのは無理と思って解除したがまさか意識が飛んでいるとはな・・・)
目の前のボーイは突然の事に呆然としているが正気に戻ると大騒ぎになるだろう。そうでなくてもオークションが正常に開かれなければどちらにしろ騒ぎにはなる。
「どちらにしろ長居は禁物か、お暇するとしよう」
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「どこへ行くってんだ?おお?」
突然背後から聞こえた声にアダムは心底嫌そうな顔をしながら振り返った。
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