108 / 172
ルナの新しい力
変身について
しおりを挟む
本来ならこの手の存在が仲間としていることは非常に喜ばしいことである。
金運の塊みたいな存在であるし、彼女の存在そのものが悪魔のカテゴリでありながら
悪意を跳ね除ける強烈な加護のそれであるからだ。
ただ、それがなんの力も地位もない女生徒がもっていなければ。
何の知識も制御もできていない子供が持つにはあまりにも強力すぎる力である。
(百足の魔物は甲殻に強い対魔法の力が宿っている。純粋な硬さも。そして伝承の百足の力を持っているとすれば・・・)
アダムが考えていると不意にルナの下半身と百足の境目のあたりに裂けめができ始めた。
「むっ?」
「む、む、むーん!」
奇妙な声を出しながらルナがプルプルと震えるとその裂け目から牙が飛び出した。
恐らくは百足の口であろう。
「口が二つになっちゃった!どっちでご飯食べるの?」
「呑気なこと言っとる場合か!それになんだかデカくなってるぞ!」
ティナが仰天している中、伸びていた下半身がさらに伸び始めたので興味本位で見ていた
ダズやテイロス達も慌てて距離を取っている。
「壁を突き破るぞ!別の物をイメージしろ!」
「えっ!?え、えーと、蜘蛛は、足はダメだから・・・えーと!えーと!」
「蜘蛛は目が多いよ!」
「目!あ、そうか!目、目・・・」
ルナはアダムの声に慌てていたがティナが思いついた事を大声で伝えたのでルナは目をイメージするために両目を手で覆い隠してうーんとイメージをする。
「と、止まった?」
「み、見たいだね」
すると今度はルナの額に以前見たような目が開いた。
「ぐ、う・・・むんっ!」
百足の下半身がするすると巻き戻しのように引っ込んでいくとルナの足に戻った。
そしてそれと入れ替わるように背中から蜘蛛の足がにょっきりと伸びた。
「ふひー・・・間に合った・・・?」
周囲を増えた目で見ながらルナは呟いた。皆はホッとした顔でルナの元に駆け寄ると
「蜘蛛と百足になれるんだ?すごいね!」
「二種類もなれるなんて・・・」
「どうやってるの?」
「蜘蛛って糸だすよね・・・」
「友達の一部を・・・」
「やめてよー!」
わいわいとルナを囲んではしゃぎまわる。アダムは遠い目をしていた。
「はいはい!一応授業中だぞ!フラウステッドの力はさっき見た通り練習が必要だ。そして・・・」
「そして?」
「実のところ言うとかなり希少な能力なので口外するのはよろしくない」
アダムはそう言うともう考えを変えて皆に共有することにした。
「これはフラウステッドの体に眠る力の事だ、こうなっては下手に隠すのも良くないからお前たちにも共有する」
重ねて言うがこれは口外無用だ。とアダムはつづけた。
「フラウステッドの体の中には悪魔の力が眠っている」
「悪魔の力・・・」
誰ともなく呟いた。互いに顔を見合わせ、驚いた様子だ。
「フラウステッドはこのクラスでお前たちと一緒に進級していくことを願っているし望んでいる。お前たちはどうだ?」
再びの問いかけに皆は顔を見合わせ、そして口を揃えて言った。
『一緒が良いです!』
その言葉にルナは思わず涙が出そうになった。自分の姿はあまりに異様なはずだ。
それでも、皆は全く動じた様子はない。今まで自分の姿を見て動じなかったのはあくまで
エトナ―やルルイエのような大人ばかりだった。しかも彼女達はその道のスペシャリストだ。
彼女達の胆力や経験を考えれば動じないのも納得だった、しかし今回は自分と同じ年ごろの同級生。
拒絶されるかもしれないとずっと心の中では思っていた。
仲良くなったといっても、まだまだ日が浅い。知らないこともまだまだ多い。
そんな中で断言してくれる皆のやさしさが身に染みたのである。
「むぅ・・・うう」
するすると体が元に戻り、目の前に涙目のルナが戻ってきた。
「ルナちゃん、大丈夫。私達も頑張ってルナちゃんの力になるから」
「そーそー、私達Fクラスのメンバーじゃん。気にしないで」
「まだまだ始まったばかりだ、あれこれ悩んでも仕方ないだろ?俺たちだって似たようなもんさ」
「のんびりいきましょう、まだまだ高等部に上がったばかりですし」
皆口口にルナの事を気遣い、そしてこれからの事を考えるように諭してくれる。
「ありがと・・・私・・・いままで、心細かった・・・」
「そりゃああれだけでかくなれるんだもん、皆がビックリすると思ったんでしょ?」
「うん・・・それに、私、実は虫苦手だったから・・・皆もそうじゃないかって・・・」
「そりゃ虫は・・・」
ティナはそう言いつつ皆を見たが・・・マリー以外は不思議そうな顔をしているし
「私も虫は苦手ですけど苦手なのはなめくじだし・・・」
「・・・えっ」
なめくじから連想する物があったのかクロエがギョッとしている。じめじめしてるからだろうか。
「それにルナちゃんはルナちゃんじゃない」
「そうそう、何も気にしなくていいよ。皆が皆誰かに迷惑かけることもあるんだし」
ルナは思わずティナに抱き着いた。ティナはそれを見て優しく微笑む。
「あー、ルナちゃん、すごいあったかいよ」
「うー・・・」
皆のやさしさに触れてルナは再び笑顔を見せた。
金運の塊みたいな存在であるし、彼女の存在そのものが悪魔のカテゴリでありながら
悪意を跳ね除ける強烈な加護のそれであるからだ。
ただ、それがなんの力も地位もない女生徒がもっていなければ。
何の知識も制御もできていない子供が持つにはあまりにも強力すぎる力である。
(百足の魔物は甲殻に強い対魔法の力が宿っている。純粋な硬さも。そして伝承の百足の力を持っているとすれば・・・)
アダムが考えていると不意にルナの下半身と百足の境目のあたりに裂けめができ始めた。
「むっ?」
「む、む、むーん!」
奇妙な声を出しながらルナがプルプルと震えるとその裂け目から牙が飛び出した。
恐らくは百足の口であろう。
「口が二つになっちゃった!どっちでご飯食べるの?」
「呑気なこと言っとる場合か!それになんだかデカくなってるぞ!」
ティナが仰天している中、伸びていた下半身がさらに伸び始めたので興味本位で見ていた
ダズやテイロス達も慌てて距離を取っている。
「壁を突き破るぞ!別の物をイメージしろ!」
「えっ!?え、えーと、蜘蛛は、足はダメだから・・・えーと!えーと!」
「蜘蛛は目が多いよ!」
「目!あ、そうか!目、目・・・」
ルナはアダムの声に慌てていたがティナが思いついた事を大声で伝えたのでルナは目をイメージするために両目を手で覆い隠してうーんとイメージをする。
「と、止まった?」
「み、見たいだね」
すると今度はルナの額に以前見たような目が開いた。
「ぐ、う・・・むんっ!」
百足の下半身がするすると巻き戻しのように引っ込んでいくとルナの足に戻った。
そしてそれと入れ替わるように背中から蜘蛛の足がにょっきりと伸びた。
「ふひー・・・間に合った・・・?」
周囲を増えた目で見ながらルナは呟いた。皆はホッとした顔でルナの元に駆け寄ると
「蜘蛛と百足になれるんだ?すごいね!」
「二種類もなれるなんて・・・」
「どうやってるの?」
「蜘蛛って糸だすよね・・・」
「友達の一部を・・・」
「やめてよー!」
わいわいとルナを囲んではしゃぎまわる。アダムは遠い目をしていた。
「はいはい!一応授業中だぞ!フラウステッドの力はさっき見た通り練習が必要だ。そして・・・」
「そして?」
「実のところ言うとかなり希少な能力なので口外するのはよろしくない」
アダムはそう言うともう考えを変えて皆に共有することにした。
「これはフラウステッドの体に眠る力の事だ、こうなっては下手に隠すのも良くないからお前たちにも共有する」
重ねて言うがこれは口外無用だ。とアダムはつづけた。
「フラウステッドの体の中には悪魔の力が眠っている」
「悪魔の力・・・」
誰ともなく呟いた。互いに顔を見合わせ、驚いた様子だ。
「フラウステッドはこのクラスでお前たちと一緒に進級していくことを願っているし望んでいる。お前たちはどうだ?」
再びの問いかけに皆は顔を見合わせ、そして口を揃えて言った。
『一緒が良いです!』
その言葉にルナは思わず涙が出そうになった。自分の姿はあまりに異様なはずだ。
それでも、皆は全く動じた様子はない。今まで自分の姿を見て動じなかったのはあくまで
エトナ―やルルイエのような大人ばかりだった。しかも彼女達はその道のスペシャリストだ。
彼女達の胆力や経験を考えれば動じないのも納得だった、しかし今回は自分と同じ年ごろの同級生。
拒絶されるかもしれないとずっと心の中では思っていた。
仲良くなったといっても、まだまだ日が浅い。知らないこともまだまだ多い。
そんな中で断言してくれる皆のやさしさが身に染みたのである。
「むぅ・・・うう」
するすると体が元に戻り、目の前に涙目のルナが戻ってきた。
「ルナちゃん、大丈夫。私達も頑張ってルナちゃんの力になるから」
「そーそー、私達Fクラスのメンバーじゃん。気にしないで」
「まだまだ始まったばかりだ、あれこれ悩んでも仕方ないだろ?俺たちだって似たようなもんさ」
「のんびりいきましょう、まだまだ高等部に上がったばかりですし」
皆口口にルナの事を気遣い、そしてこれからの事を考えるように諭してくれる。
「ありがと・・・私・・・いままで、心細かった・・・」
「そりゃああれだけでかくなれるんだもん、皆がビックリすると思ったんでしょ?」
「うん・・・それに、私、実は虫苦手だったから・・・皆もそうじゃないかって・・・」
「そりゃ虫は・・・」
ティナはそう言いつつ皆を見たが・・・マリー以外は不思議そうな顔をしているし
「私も虫は苦手ですけど苦手なのはなめくじだし・・・」
「・・・えっ」
なめくじから連想する物があったのかクロエがギョッとしている。じめじめしてるからだろうか。
「それにルナちゃんはルナちゃんじゃない」
「そうそう、何も気にしなくていいよ。皆が皆誰かに迷惑かけることもあるんだし」
ルナは思わずティナに抱き着いた。ティナはそれを見て優しく微笑む。
「あー、ルナちゃん、すごいあったかいよ」
「うー・・・」
皆のやさしさに触れてルナは再び笑顔を見せた。
1
あなたにおすすめの小説
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる