悪魔になったらするべきこと?

ファウスト

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ルナの新しい力

変身について

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本来ならこの手の存在が仲間としていることは非常に喜ばしいことである。
金運の塊みたいな存在であるし、彼女の存在そのものが悪魔のカテゴリでありながら
悪意を跳ね除ける強烈な加護のそれであるからだ。

ただ、それがなんの力も地位もない女生徒がもっていなければ。
何の知識も制御もできていない子供が持つにはあまりにも強力すぎる力である。

(百足の魔物は甲殻に強い対魔法の力が宿っている。純粋な硬さも。そして伝承の百足の力を持っているとすれば・・・)

アダムが考えていると不意にルナの下半身と百足の境目のあたりに裂けめができ始めた。

「むっ?」
「む、む、むーん!」

奇妙な声を出しながらルナがプルプルと震えるとその裂け目から牙が飛び出した。
恐らくは百足の口であろう。

「口が二つになっちゃった!どっちでご飯食べるの?」
「呑気なこと言っとる場合か!それになんだかデカくなってるぞ!」

ティナが仰天している中、伸びていた下半身がさらに伸び始めたので興味本位で見ていた
ダズやテイロス達も慌てて距離を取っている。

「壁を突き破るぞ!別の物をイメージしろ!」
「えっ!?え、えーと、蜘蛛は、足はダメだから・・・えーと!えーと!」
「蜘蛛は目が多いよ!」
「目!あ、そうか!目、目・・・」

ルナはアダムの声に慌てていたがティナが思いついた事を大声で伝えたのでルナは目をイメージするために両目を手で覆い隠してうーんとイメージをする。

「と、止まった?」
「み、見たいだね」

すると今度はルナの額に以前見たような目が開いた。

「ぐ、う・・・むんっ!」

百足の下半身がするすると巻き戻しのように引っ込んでいくとルナの足に戻った。
そしてそれと入れ替わるように背中から蜘蛛の足がにょっきりと伸びた。

「ふひー・・・間に合った・・・?」

周囲を増えた目で見ながらルナは呟いた。皆はホッとした顔でルナの元に駆け寄ると

「蜘蛛と百足になれるんだ?すごいね!」
「二種類もなれるなんて・・・」
「どうやってるの?」
「蜘蛛って糸だすよね・・・」
「友達の一部を・・・」
「やめてよー!」

わいわいとルナを囲んではしゃぎまわる。アダムは遠い目をしていた。

「はいはい!一応授業中だぞ!フラウステッドの力はさっき見た通り練習が必要だ。そして・・・」
「そして?」
「実のところ言うとかなり希少な能力なので口外するのはよろしくない」

アダムはそう言うともう考えを変えて皆に共有することにした。

「これはフラウステッドの体に眠る力の事だ、こうなっては下手に隠すのも良くないからお前たちにも共有する」

重ねて言うがこれは口外無用だ。とアダムはつづけた。

「フラウステッドの体の中には悪魔の力が眠っている」
「悪魔の力・・・」

誰ともなく呟いた。互いに顔を見合わせ、驚いた様子だ。

「フラウステッドはこのクラスでお前たちと一緒に進級していくことを願っているし望んでいる。お前たちはどうだ?」

再びの問いかけに皆は顔を見合わせ、そして口を揃えて言った。

『一緒が良いです!』

その言葉にルナは思わず涙が出そうになった。自分の姿はあまりに異様なはずだ。
それでも、皆は全く動じた様子はない。今まで自分の姿を見て動じなかったのはあくまで
エトナ―やルルイエのような大人ばかりだった。しかも彼女達はその道のスペシャリストだ。
彼女達の胆力や経験を考えれば動じないのも納得だった、しかし今回は自分と同じ年ごろの同級生。
拒絶されるかもしれないとずっと心の中では思っていた。
仲良くなったといっても、まだまだ日が浅い。知らないこともまだまだ多い。
そんな中で断言してくれる皆のやさしさが身に染みたのである。

「むぅ・・・うう」

するすると体が元に戻り、目の前に涙目のルナが戻ってきた。

「ルナちゃん、大丈夫。私達も頑張ってルナちゃんの力になるから」
「そーそー、私達Fクラスのメンバーじゃん。気にしないで」
「まだまだ始まったばかりだ、あれこれ悩んでも仕方ないだろ?俺たちだって似たようなもんさ」
「のんびりいきましょう、まだまだ高等部に上がったばかりですし」

皆口口にルナの事を気遣い、そしてこれからの事を考えるように諭してくれる。

「ありがと・・・私・・・いままで、心細かった・・・」
「そりゃああれだけでかくなれるんだもん、皆がビックリすると思ったんでしょ?」
「うん・・・それに、私、実は虫苦手だったから・・・皆もそうじゃないかって・・・」
「そりゃ虫は・・・」

ティナはそう言いつつ皆を見たが・・・マリー以外は不思議そうな顔をしているし

「私も虫は苦手ですけど苦手なのはなめくじだし・・・」
「・・・えっ」

なめくじから連想する物があったのかクロエがギョッとしている。じめじめしてるからだろうか。

「それにルナちゃんはルナちゃんじゃない」
「そうそう、何も気にしなくていいよ。皆が皆誰かに迷惑かけることもあるんだし」


ルナは思わずティナに抱き着いた。ティナはそれを見て優しく微笑む。

「あー、ルナちゃん、すごいあったかいよ」
「うー・・・」

皆のやさしさに触れてルナは再び笑顔を見せた。
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