悪魔になったらするべきこと?

ファウスト

文字の大きさ
109 / 172
ルナの新しい力

そういえば授業中でした

しおりを挟む
感動の場面ではあったが同時に授業中でもあった。アダムはこの空気を壊したくはなかったが
ルナが変身をまだ上手くコントロールできていないことが解決していないので授業に戻る事に。

「さて、それじゃあ名残惜しいけど授業再開すんぞー」
『はぁい』

各々が魔力のコントロールに戻る中、ルナは先ほどのイメージの話を考えていた。

(変身にはイメージが大事、蜘蛛なら蜘蛛の特徴、百足なら百足の特徴、なら蝙蝠は何だろう?)

まず、蜘蛛の変身。さっきは目をイメージしてやってみたら出来た。

「うーん」

目を両手で覆って蜘蛛の顔をイメージすると

「出来た!」

背中から足が生えた。そして前回の夢でやった練習と同様に足は思うままに動かせる。目のイメージをさらに深めると今度は視界を分割できる事にも気がついた。

「うわー、これはすご、す・・・」

複数の映像が頭の中に映し出され・・・

「おえー!」

気持ち悪くなった。どうやら情報を処理できる限界があるようだ。それを超えると気持ち悪くなるらしい。

「うぐぐ、これだと目を使うにも色々と制限がありそう」

そう思いながら変身を解いて元に戻ると今度は再び足をイメージする。

「おお、今度はコントロールできる!」

伸びた足は現実的なサイズでーーーそれでもかなりデカイがーーー家や部屋を壊す程ではなかった。

「後は蝙蝠の・・・翼か」

パタパタと羽根を動かすイメージで腕を動かして見たが不発だった。首を傾げながら今度は翼を広げるイメージで自分の体を抱いてから広げる。

すると

「おおっ、できた」

バサッと音を立てて広がった翼、羽ばたいてみると体は容易く宙に浮いた。何度か羽ばたくとその度に上昇し、数度目で天井に頭をぶつけた。

「ぐえっ!」

頭を押さえながら地面に着地して翼をバタつかせていると目の前にアダムが立っていた。

「お前マジで隠す気ある?」
「えっ、いや、あのその・・・」
「コントロールは必要だけどポンポン新情報出されると困るぞ」
「すみません、ホントに、もう打ち止めなんで、ホントにごめんなさい」

怒るを通り越して呆れた様子のアダムにルナは平謝りだ。しかしルナはアダムに謝りつつ変身そのものの
コントロールのコツを掴んだ気がして少しだけ嬉しかった。

「んー・・・ぱっ!」

目隠しをして、唸る。すると背中から足が伸びて、六個の目が開眼する。

「んー・・・ばさっ!」

自分の肩を抱くようにしてから両手を広げる。すると今度は翼が開いた。

「んー・・・ばたばたっ!」

地面に膝をついて膝を両手でリズミカルに叩く。すると下半身が百足に変じた。
一通りのイメージと変身のトリガーとなる行為を頭の中で紐づけたことで変身はとてもスムーズになった。

「一時はどうしてやろうかと思ったが変身のイメージがつかめたようで何よりだ」
「はい、これで思った時に思った通りに変身できるかも・・・」
「それも良いが、それぞれの体の特性についても訓練しておくべきだろう。蜘蛛と言えば糸を張る事が出来たりするはずだが・・・」

アダムにそう言われてルナは頭の中で考える。

(糸ってどこから出してたっけ?)

口?それとも・・・

「お尻?やだなぁ・・・」

キュッとした顔をしながらルナは溜息をついた。ぷひー、と口を手で覆って空気を抜くようにしていると・・・

「む?」

なんだか手がべたべたする気がする。手のひらを見てみるとなんだかちょっと手がテカっているような気が。

「むむっ?」

手をこすり合わせてみるとペタペタした感じから何やら粘土をこねているような感触。
そしてそれをさらに続けてから手を放すとうにょーん、と糸が伸びた。

「むむむっ!?」

掌同士をつなぐように伸びた糸を人差し指と親指でつまんでくるくると捩ってみるとどんどんと
見知った糸の感じになっていくではないか。

「これが糸・・・?」

まるでゴムのようにみょんみょんと伸びたり縮んだりしている。その内に乾燥して来たのか片方の手から
離れて小さなボール状に纏まった。その手についた玉をまた指でつまんで伸ばしてみると少しぺたぺたするが
手から簡単に離れてまた玉に戻る。ルナは試しにその玉がくっついている方の手を翳してみる。
玉はくっついたままだ。自然に落ちることはないだろう。それをルナは試しに風の魔法を使って
飛ばしてみることにした。

「風よ・・・!」

糸玉を飛ばす様に掌から魔力を籠めてみると糸玉はぐにょーんと伸びながら飛んでいき壁に直撃した。
すると壁にぶつかった糸は存外強靭な物でまるで太いロープを思わせるようである。
しかもそれはルナが魔力を籠めると縮む。力を緩めると伸びる。

「おお、これすごい・・・でも取れるかな・・・」

壁に貼り付いた糸玉の先端を指で突いてみると引っ張っても大丈夫なくらいにくっついている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

乙女ゲームの隠れチートモブ〜誰も知らないキャラを転生者は知っていた。〜

浅木永利 アサキエイリ
ファンタジー
異世界に転生した主人公が楽しく生きる物語 その裏は、、、自分の目で見な。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

処理中です...