ノーライフ・ガールは博士の最高傑作

ファウスト

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旅立ちの日に

さて、準備不足のツケは・・・?

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クァスがおじさんに大好評だった日から早五日。もはやこの宿屋さんに寝泊りするのも慣れてしまった。
冒険者ギルドに顔を出しておじさんにお弁当を届けたり、町の治安維持のお手伝いをしたりとちょろちょろ小銭を稼ぐ日々。貢献度が気づいたらDになっていた。能力ランクはGのままだけども。貢献度に関しては身内びいきの感じが否めないがまあいいでしょ。

「さてと、それじゃ張り切って今日もお手伝いしますか」
「はーい」

働く時間から考えるとホントに小銭稼ぎだがひと様の役に立つ仕事という事と煤の騎士さんとも仲良くなったし、
ここらへんじゃ大体顔パスでなんとかなるようにもなれた。

「今日はなにするの?」
「警邏隊のお手伝いを午前中、後はそうねぇ・・・良い依頼が無かったらポーションの作り方でも教えてあげる」
「ホントに?やったぁ!」

先生が作った万能薬チックなものは作れないがそれでも傷や毒に効果の高いポーションを作る事ができる。湿布や軟膏といった普通の薬ならさらに色んなものが作れる。その手ほどきをしてあげてもいいだろう。
リッキーは力持ちだが知識や経験の不足からまだまだ戦闘には向かない。サポーターとして薬学や毒の使い方を教えてあげれば一人でもやっていけるようになるだろう。戦闘に関しては長期で組むことになってからにしようかな。
そう思いつつ私達はギルドへと向かう。今日もいい天気。

『何故、冒険者たちは誰も名乗り出んのだ!』

ギルドの入り口に入ろうとしたところでそんな怒鳴り声が聞こえてくる。なんの話だろう?

「お邪魔ー、なんの騒ぎ?」
「おぅ、リーシュちゃんか。あれだよあれ」

遠巻きに見ていた冒険者の一人に話しかけると彼はやれやれといった様子で一点を指さした。視線を動かすとギルドの受付で怒鳴り散らす騎士の姿があった。

「あれなに?」
「報酬も日時も正確に伝えなかった癖に呼べば来ると思ってたバカだよ」

山賊や魔物と戦う戦闘専門の冒険者はほとんどいない。なぜならここらへんにはそれほど脅威度の高い魔物もおらず、どちらかというと山菜や薬草の採取地だということはここ数日の生活で分かっている。そんなわけでガン・・・なんだっけか、能力ランクDとかそこらの連中でも大きい顔ができるわけだ。

「そもそもここらへんで山賊の・・・それも王都付近で悪さしてた札付きと戦えるヤツなんかいるもんかね」

そう言う中年の冒険者さん。彼は探索と採集を主に行う地形把握のスペシャリスト。実のところ彼が斥候の役割を果たして既に様々な場所で山賊が塒にしそうな場所のアタリをつけていたという。能力ランクはEだが貢献ランクBかつベテランの彼はそれを騎士団に売り込もうかと考えていたのだが応援の騎士に尋ねたところ一笑にふされてしまいそれから騎士団に対する協力を拒んでいるとのこと。元より戦闘に関しては門外漢の彼にとっては最大の協力を拒否されてしまったのだからどうしようもないのかもしれない。

「俺たちの戦闘能力なんてせいぜいが護身術程度さ、戦闘に特化した連中ならすくなくともパーティ組んだDランク、一人ならCの+判定つきじゃないとアンデットを増やすようなもんだ」

腕力的な能力があればDはすぐにでもなれる。そこから知識や経験を積んだ者がCに、B以上はその道のスペシャリストと言っていいレベルらしい。貢献度ランクでBをもらっているこの冒険者のおじさんはその道のプロで、探索や地図の作成などでその道のプロを名乗れるレベルだという。また隠密行動も得意らしくその能力をフルに駆使してアンデッドを避けて山賊の塒を単身確認できたとのこと。斥候や採集専門の冒険者などは能力ランクに影響しないのでD以下が多い。能力ランクE以下の中で貢献度Aランクは此処にはいないので彼より地形把握能力の高い、もしくは実績のある冒険者は此処にはいないという事になる。

(一流の人にそっぽむかれちゃったわけ・・・どうするんでしょうねー)

市民は周囲を自発的に警戒してくれる煤の騎士や冒険者の好意によって薬草や木の実などの採集を行っている。それに私が来た方向、ゴウリ村から食料品などはその気なれば送ってくれるはずなのでそれを知っている商人たちも表向きは焦った風にして騎士団から高く売りつつ、商人しかしらないルートで安く仕入れている。騎士団にしてみれば憤慨ものだろうが市民の人達用には値段を抑えてもくれているので誰も文句は言わない状態。知らぬは白の騎士ばかりなり。

「このリストにはランクが高い者もおるではないか!」
「それは登録を此処でしただけでして今は他所の町へ行ってます」
「それではこの冒険者は?」
「北部へと長期クエストを受けて移動しております!」

騎士はどういうわけかリストを見てプリプリと怒っている様子だが受付のお嬢さんもそれに対して反論を重ねている。しかしながらイライラが重なっているようだ。
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