28 / 100
旅立ちの日に
さて、準備不足のツケは・・・?
しおりを挟む
クァスがおじさんに大好評だった日から早五日。もはやこの宿屋さんに寝泊りするのも慣れてしまった。
冒険者ギルドに顔を出しておじさんにお弁当を届けたり、町の治安維持のお手伝いをしたりとちょろちょろ小銭を稼ぐ日々。貢献度が気づいたらDになっていた。能力ランクはGのままだけども。貢献度に関しては身内びいきの感じが否めないがまあいいでしょ。
「さてと、それじゃ張り切って今日もお手伝いしますか」
「はーい」
働く時間から考えるとホントに小銭稼ぎだがひと様の役に立つ仕事という事と煤の騎士さんとも仲良くなったし、
ここらへんじゃ大体顔パスでなんとかなるようにもなれた。
「今日はなにするの?」
「警邏隊のお手伝いを午前中、後はそうねぇ・・・良い依頼が無かったらポーションの作り方でも教えてあげる」
「ホントに?やったぁ!」
先生が作った万能薬チックなものは作れないがそれでも傷や毒に効果の高いポーションを作る事ができる。湿布や軟膏といった普通の薬ならさらに色んなものが作れる。その手ほどきをしてあげてもいいだろう。
リッキーは力持ちだが知識や経験の不足からまだまだ戦闘には向かない。サポーターとして薬学や毒の使い方を教えてあげれば一人でもやっていけるようになるだろう。戦闘に関しては長期で組むことになってからにしようかな。
そう思いつつ私達はギルドへと向かう。今日もいい天気。
『何故、冒険者たちは誰も名乗り出んのだ!』
ギルドの入り口に入ろうとしたところでそんな怒鳴り声が聞こえてくる。なんの話だろう?
「お邪魔ー、なんの騒ぎ?」
「おぅ、リーシュちゃんか。あれだよあれ」
遠巻きに見ていた冒険者の一人に話しかけると彼はやれやれといった様子で一点を指さした。視線を動かすとギルドの受付で怒鳴り散らす騎士の姿があった。
「あれなに?」
「報酬も日時も正確に伝えなかった癖に呼べば来ると思ってたバカだよ」
山賊や魔物と戦う戦闘専門の冒険者はほとんどいない。なぜならここらへんにはそれほど脅威度の高い魔物もおらず、どちらかというと山菜や薬草の採取地だということはここ数日の生活で分かっている。そんなわけでガン・・・なんだっけか、能力ランクDとかそこらの連中でも大きい顔ができるわけだ。
「そもそもここらへんで山賊の・・・それも王都付近で悪さしてた札付きと戦えるヤツなんかいるもんかね」
そう言う中年の冒険者さん。彼は探索と採集を主に行う地形把握のスペシャリスト。実のところ彼が斥候の役割を果たして既に様々な場所で山賊が塒にしそうな場所のアタリをつけていたという。能力ランクはEだが貢献ランクBかつベテランの彼はそれを騎士団に売り込もうかと考えていたのだが応援の騎士に尋ねたところ一笑にふされてしまいそれから騎士団に対する協力を拒んでいるとのこと。元より戦闘に関しては門外漢の彼にとっては最大の協力を拒否されてしまったのだからどうしようもないのかもしれない。
「俺たちの戦闘能力なんてせいぜいが護身術程度さ、戦闘に特化した連中ならすくなくともパーティ組んだDランク、一人ならCの+判定つきじゃないとアンデットを増やすようなもんだ」
腕力的な能力があればDはすぐにでもなれる。そこから知識や経験を積んだ者がCに、B以上はその道のスペシャリストと言っていいレベルらしい。貢献度ランクでBをもらっているこの冒険者のおじさんはその道のプロで、探索や地図の作成などでその道のプロを名乗れるレベルだという。また隠密行動も得意らしくその能力をフルに駆使してアンデッドを避けて山賊の塒を単身確認できたとのこと。斥候や採集専門の冒険者などは能力ランクに影響しないのでD以下が多い。能力ランクE以下の中で貢献度Aランクは此処にはいないので彼より地形把握能力の高い、もしくは実績のある冒険者は此処にはいないという事になる。
(一流の人にそっぽむかれちゃったわけ・・・どうするんでしょうねー)
市民は周囲を自発的に警戒してくれる煤の騎士や冒険者の好意によって薬草や木の実などの採集を行っている。それに私が来た方向、ゴウリ村から食料品などはその気なれば送ってくれるはずなのでそれを知っている商人たちも表向きは焦った風にして騎士団から高く売りつつ、商人しかしらないルートで安く仕入れている。騎士団にしてみれば憤慨ものだろうが市民の人達用には値段を抑えてもくれているので誰も文句は言わない状態。知らぬは白の騎士ばかりなり。
「このリストにはランクが高い者もおるではないか!」
「それは登録を此処でしただけでして今は他所の町へ行ってます」
「それではこの冒険者は?」
「北部へと長期クエストを受けて移動しております!」
騎士はどういうわけかリストを見てプリプリと怒っている様子だが受付のお嬢さんもそれに対して反論を重ねている。しかしながらイライラが重なっているようだ。
冒険者ギルドに顔を出しておじさんにお弁当を届けたり、町の治安維持のお手伝いをしたりとちょろちょろ小銭を稼ぐ日々。貢献度が気づいたらDになっていた。能力ランクはGのままだけども。貢献度に関しては身内びいきの感じが否めないがまあいいでしょ。
「さてと、それじゃ張り切って今日もお手伝いしますか」
「はーい」
働く時間から考えるとホントに小銭稼ぎだがひと様の役に立つ仕事という事と煤の騎士さんとも仲良くなったし、
ここらへんじゃ大体顔パスでなんとかなるようにもなれた。
「今日はなにするの?」
「警邏隊のお手伝いを午前中、後はそうねぇ・・・良い依頼が無かったらポーションの作り方でも教えてあげる」
「ホントに?やったぁ!」
先生が作った万能薬チックなものは作れないがそれでも傷や毒に効果の高いポーションを作る事ができる。湿布や軟膏といった普通の薬ならさらに色んなものが作れる。その手ほどきをしてあげてもいいだろう。
リッキーは力持ちだが知識や経験の不足からまだまだ戦闘には向かない。サポーターとして薬学や毒の使い方を教えてあげれば一人でもやっていけるようになるだろう。戦闘に関しては長期で組むことになってからにしようかな。
そう思いつつ私達はギルドへと向かう。今日もいい天気。
『何故、冒険者たちは誰も名乗り出んのだ!』
ギルドの入り口に入ろうとしたところでそんな怒鳴り声が聞こえてくる。なんの話だろう?
「お邪魔ー、なんの騒ぎ?」
「おぅ、リーシュちゃんか。あれだよあれ」
遠巻きに見ていた冒険者の一人に話しかけると彼はやれやれといった様子で一点を指さした。視線を動かすとギルドの受付で怒鳴り散らす騎士の姿があった。
「あれなに?」
「報酬も日時も正確に伝えなかった癖に呼べば来ると思ってたバカだよ」
山賊や魔物と戦う戦闘専門の冒険者はほとんどいない。なぜならここらへんにはそれほど脅威度の高い魔物もおらず、どちらかというと山菜や薬草の採取地だということはここ数日の生活で分かっている。そんなわけでガン・・・なんだっけか、能力ランクDとかそこらの連中でも大きい顔ができるわけだ。
「そもそもここらへんで山賊の・・・それも王都付近で悪さしてた札付きと戦えるヤツなんかいるもんかね」
そう言う中年の冒険者さん。彼は探索と採集を主に行う地形把握のスペシャリスト。実のところ彼が斥候の役割を果たして既に様々な場所で山賊が塒にしそうな場所のアタリをつけていたという。能力ランクはEだが貢献ランクBかつベテランの彼はそれを騎士団に売り込もうかと考えていたのだが応援の騎士に尋ねたところ一笑にふされてしまいそれから騎士団に対する協力を拒んでいるとのこと。元より戦闘に関しては門外漢の彼にとっては最大の協力を拒否されてしまったのだからどうしようもないのかもしれない。
「俺たちの戦闘能力なんてせいぜいが護身術程度さ、戦闘に特化した連中ならすくなくともパーティ組んだDランク、一人ならCの+判定つきじゃないとアンデットを増やすようなもんだ」
腕力的な能力があればDはすぐにでもなれる。そこから知識や経験を積んだ者がCに、B以上はその道のスペシャリストと言っていいレベルらしい。貢献度ランクでBをもらっているこの冒険者のおじさんはその道のプロで、探索や地図の作成などでその道のプロを名乗れるレベルだという。また隠密行動も得意らしくその能力をフルに駆使してアンデッドを避けて山賊の塒を単身確認できたとのこと。斥候や採集専門の冒険者などは能力ランクに影響しないのでD以下が多い。能力ランクE以下の中で貢献度Aランクは此処にはいないので彼より地形把握能力の高い、もしくは実績のある冒険者は此処にはいないという事になる。
(一流の人にそっぽむかれちゃったわけ・・・どうするんでしょうねー)
市民は周囲を自発的に警戒してくれる煤の騎士や冒険者の好意によって薬草や木の実などの採集を行っている。それに私が来た方向、ゴウリ村から食料品などはその気なれば送ってくれるはずなのでそれを知っている商人たちも表向きは焦った風にして騎士団から高く売りつつ、商人しかしらないルートで安く仕入れている。騎士団にしてみれば憤慨ものだろうが市民の人達用には値段を抑えてもくれているので誰も文句は言わない状態。知らぬは白の騎士ばかりなり。
「このリストにはランクが高い者もおるではないか!」
「それは登録を此処でしただけでして今は他所の町へ行ってます」
「それではこの冒険者は?」
「北部へと長期クエストを受けて移動しております!」
騎士はどういうわけかリストを見てプリプリと怒っている様子だが受付のお嬢さんもそれに対して反論を重ねている。しかしながらイライラが重なっているようだ。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
RIGHT MEMORIZE 〜僕らを轢いてくソラ
neonevi
ファンタジー
運命に連れられるのはいつも望まない場所で、僕たちに解るのは引力みたいな君との今だけ。
そんな風に引き寄せ合う者達が、世界の波に翻弄されながらも抗い生きる物語。
※この作品は小説家になろうにも掲載されています
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる