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次の町 モリッツ
おじさんとおじさんのお友達
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ちょっと脱線したがともかく当事者のマックさんを呼ばないと話は進まない。ギルドの経営状態・・・は半ば分かったようなものだがそれでも詳しい状況、そしてどうしてこんなに向こうと差がついてしまったのかを探りたい。
「マックはどこだ?せっかく来たんだから早く顔が見てえんだが」
「えっと、ギルド長は冒険者のスカウトに・・・」
「なに!アイツがスカウト?冗談だろ・・・」
おじさん曰く口下手なのにどうやら新人発掘を行っているようだ。しかしこの寂れたギルドに来てくれる人なんか居るんだろうか・・・。っていうかマックさんが新人を発掘できるのか?
そう思って何とはなしに周囲を見渡していると入り口から足音が聞こえ、ハンチング帽をかぶった男性が入っているのが見えた。
「あれは・・・」
「ん?おお!マックじゃねえか!」
「・・・フェルグス!やっぱり来てくれたな!」
おじさんよりは小柄だがそれでも大柄で筋肉質な男性が笑みを見せた。おじさんと同い年なのだろうがこの最近苦労が続いていたのだろう、少しやつれていて疲れているようだ。
「店が大変なんて聞いてきてみりゃお前さんがギルドの長をやってるとは思わなかったぜ」
「まあな、だが・・・最近はどうも不調でな・・・」
ため息をついてマックさんはカウンターに寄り掛かった。おじさんよりは細身だが体つきはがっしりしており、マントにハンチング帽がダンディで良く似合っている。おじさんと話し合っていると西部劇のワンシーンを見ているみたいだ。
「これで不調かよ、終わり掛けじゃねえのか?」
「かもな、助けを求めといてなんだがこっちは手詰まりだ。真面目に店開けててもバカにされちまう始末だ」
必要経費すら捻出が難しい状態の極貧ギルドでは生活費や遊行費を稼ぎたい冒険者は見向きもしないだろう、そうなると色々と不味い。何せギルドは二つあるのだ、わざわざ賃金の安いこのギルドでクエストをこなすよりも賑わってる向こうのギルドで仕事した方がいいに決まっている。
「そうなると・・・まあ、向こうのギルドを調べて向こうに無い物で勝負するか相手の強みを上回るしかないよね」
「簡単に言うがな・・・」
「とりあえずおじさんとリッキーでまず向こうのギルドを偵察に行ってよ、顔は割れてないんでしょ?」
「ん?ああ、俺はともかく仲間の顔までは向こうも知らないはずだ」
敵と戦うにはまず敵を知るべし。情報を集めてからじゃないとやるべきことは分からないからね。
「やる事は分かったが・・・お嬢ちゃんはどうするんだ?」
「え?此処の掃除だけど?」
なんか釈然としない顔してるけどこのギルドはお店だからね?汚くていいわけないからね?
「汚くていかにも人が来てませんって状態をどうにかしないと来てくれた人がそのまま帰っちゃうでしょ!そんな噂が広まってさらに人が来なくなるんだからね!」
「お、おう・・・」
おじさんは過去の事で心当たりがあったのか納得してくれた。とにかく、酒場に使えそうなホールとキッチンカウンターが汚いというのは個人的にも許し難い。まずは綺麗にして、酒場から再開して商売を始めないとね。
「ま、なんだ・・・とりあえず俺とリッキーで相手方の内情を探れるだけ探ってみる。期限はどうする?」
「三日でお願い、それまではどこかに宿をとってできる限り此処と無関係を装ってほしいわね。私はその内に此処を綺麗にして酒場を再開できるようにするわ」
そう言うと私はリッキーとおじさんを送り出し、入り口の雨戸を閉めた。
「お、おい・・・閉めちまうのか?」
「これからお掃除だからね、ささ、お二人も手伝って!さっさとキレイにしてお客さんを呼んでも恥ずかしくないようにする!」
ジェイナを集めて四人でまずは掃除を始める。
「さて、どうすっかな」
「とりあえずさっきのギルドに戻って登録してみよっか」
端から見れば親子というより冒険者とその荷物持ちと言った様子。フェルグスとリッキーはてくてくと商売敵の冒険者ギルドへと向かう最中にあれこれと話し合う。
「ギルドの良し悪しってどうやって測るの?」
「そうさな、まずは入ったときの雰囲気だ。ギスギスしてるトコなんかは最悪だ、場所によっちゃ職員同士で揉めてたり冒険者同士の揉め事を放置してる場所もある」
「そうなんだ・・・」
「そうだぜ、そんなとこで考えなしに誰かとつるむといつの間にかどこかの派閥の一員扱いされて反対勢力から妨害あう、中立の時はまだいいが敵対したと思われると最悪命に関わるからな」
第三者の時はもしかしたら味方になるかもと好意的にみれば思ってくれるかもだが相手のグループと付き合いがあるとなると味方に引き入れる事すらリスクを伴う。そうなるとあっという間に攻撃の対象となるのだ。
そしてそう言ったことを放置しているとなるとギルドの職員にやる気か能力かどちらかが欠如していることになる。
前者は冒険者の上前を刎ねる可能性があり、後者は単純に無法地帯と化している。どちらもまともな商売なんかできっこないのでいずれ寂れる事になる。公営の場合は下手をすると騎士団や属する領地の警邏と事を構えることになる。
「マックはどこだ?せっかく来たんだから早く顔が見てえんだが」
「えっと、ギルド長は冒険者のスカウトに・・・」
「なに!アイツがスカウト?冗談だろ・・・」
おじさん曰く口下手なのにどうやら新人発掘を行っているようだ。しかしこの寂れたギルドに来てくれる人なんか居るんだろうか・・・。っていうかマックさんが新人を発掘できるのか?
そう思って何とはなしに周囲を見渡していると入り口から足音が聞こえ、ハンチング帽をかぶった男性が入っているのが見えた。
「あれは・・・」
「ん?おお!マックじゃねえか!」
「・・・フェルグス!やっぱり来てくれたな!」
おじさんよりは小柄だがそれでも大柄で筋肉質な男性が笑みを見せた。おじさんと同い年なのだろうがこの最近苦労が続いていたのだろう、少しやつれていて疲れているようだ。
「店が大変なんて聞いてきてみりゃお前さんがギルドの長をやってるとは思わなかったぜ」
「まあな、だが・・・最近はどうも不調でな・・・」
ため息をついてマックさんはカウンターに寄り掛かった。おじさんよりは細身だが体つきはがっしりしており、マントにハンチング帽がダンディで良く似合っている。おじさんと話し合っていると西部劇のワンシーンを見ているみたいだ。
「これで不調かよ、終わり掛けじゃねえのか?」
「かもな、助けを求めといてなんだがこっちは手詰まりだ。真面目に店開けててもバカにされちまう始末だ」
必要経費すら捻出が難しい状態の極貧ギルドでは生活費や遊行費を稼ぎたい冒険者は見向きもしないだろう、そうなると色々と不味い。何せギルドは二つあるのだ、わざわざ賃金の安いこのギルドでクエストをこなすよりも賑わってる向こうのギルドで仕事した方がいいに決まっている。
「そうなると・・・まあ、向こうのギルドを調べて向こうに無い物で勝負するか相手の強みを上回るしかないよね」
「簡単に言うがな・・・」
「とりあえずおじさんとリッキーでまず向こうのギルドを偵察に行ってよ、顔は割れてないんでしょ?」
「ん?ああ、俺はともかく仲間の顔までは向こうも知らないはずだ」
敵と戦うにはまず敵を知るべし。情報を集めてからじゃないとやるべきことは分からないからね。
「やる事は分かったが・・・お嬢ちゃんはどうするんだ?」
「え?此処の掃除だけど?」
なんか釈然としない顔してるけどこのギルドはお店だからね?汚くていいわけないからね?
「汚くていかにも人が来てませんって状態をどうにかしないと来てくれた人がそのまま帰っちゃうでしょ!そんな噂が広まってさらに人が来なくなるんだからね!」
「お、おう・・・」
おじさんは過去の事で心当たりがあったのか納得してくれた。とにかく、酒場に使えそうなホールとキッチンカウンターが汚いというのは個人的にも許し難い。まずは綺麗にして、酒場から再開して商売を始めないとね。
「ま、なんだ・・・とりあえず俺とリッキーで相手方の内情を探れるだけ探ってみる。期限はどうする?」
「三日でお願い、それまではどこかに宿をとってできる限り此処と無関係を装ってほしいわね。私はその内に此処を綺麗にして酒場を再開できるようにするわ」
そう言うと私はリッキーとおじさんを送り出し、入り口の雨戸を閉めた。
「お、おい・・・閉めちまうのか?」
「これからお掃除だからね、ささ、お二人も手伝って!さっさとキレイにしてお客さんを呼んでも恥ずかしくないようにする!」
ジェイナを集めて四人でまずは掃除を始める。
「さて、どうすっかな」
「とりあえずさっきのギルドに戻って登録してみよっか」
端から見れば親子というより冒険者とその荷物持ちと言った様子。フェルグスとリッキーはてくてくと商売敵の冒険者ギルドへと向かう最中にあれこれと話し合う。
「ギルドの良し悪しってどうやって測るの?」
「そうさな、まずは入ったときの雰囲気だ。ギスギスしてるトコなんかは最悪だ、場所によっちゃ職員同士で揉めてたり冒険者同士の揉め事を放置してる場所もある」
「そうなんだ・・・」
「そうだぜ、そんなとこで考えなしに誰かとつるむといつの間にかどこかの派閥の一員扱いされて反対勢力から妨害あう、中立の時はまだいいが敵対したと思われると最悪命に関わるからな」
第三者の時はもしかしたら味方になるかもと好意的にみれば思ってくれるかもだが相手のグループと付き合いがあるとなると味方に引き入れる事すらリスクを伴う。そうなるとあっという間に攻撃の対象となるのだ。
そしてそう言ったことを放置しているとなるとギルドの職員にやる気か能力かどちらかが欠如していることになる。
前者は冒険者の上前を刎ねる可能性があり、後者は単純に無法地帯と化している。どちらもまともな商売なんかできっこないのでいずれ寂れる事になる。公営の場合は下手をすると騎士団や属する領地の警邏と事を構えることになる。
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