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次の町 モリッツ
ギルドの良し悪し その2
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違約金の金額が異様に高い。そして払いきれなかった時の対応もヤバイ。当分の間ギルドの指定した仕事以外が受注できなくなり、その際に支払われる賃金も雀の涙程度になってしまっている。
(新手の奴隷商かなんかか?斡旋される仕事を断る権利が無くなるってのがヤバイ)
公営ギルドでは高ランクの仕事を制限される程度にとどまり、違約金に関してもそこまで高額の物はない。収入が無くなったことで身を持ち崩す冒険者は確かにいるがこの契約書だと違約金そのもので身を持ち崩す冒険者が出かねない。しかもちらっと確認したが麻痺毒や毒を使う厄介なモンスターの討伐クエストの難易度が意図的に低く設定されており、成功には苦労するどころか最悪死に至る可能性すらある。
(安全面に関してもおざなりだ、こりゃ公営ギルドが査察に入った瞬間大揉め確定だな)
どうやってこの盛況ぶりを維持しているのかが甚だ疑問だったがフェルグスはとりあえず書類に目を通していく。
するとどうやら入会料は無料で、退会に関してもそれほどペナルティらしいものはない。来るもの拒まず、去る者は追わず。そんな感じであり、そこは他の冒険者ギルドと同じだ。
(まあ、ここの敷居をあげちまうと誰も来なくなるからな)
入会料が高かったり、あからさまに逃がしませんよとなると二の足を踏む人も多いだろう。
「とりあえずはこんなもんか・・・」
きっちりと読み込んで顔には出さないもののフェルグスは即座にこのギルドのきな臭さを感じ取った。
「これで大丈夫だよな?」
「・・・はい、大丈夫ですよ」
確認は行ったが名前くらいしか書くところがないので確認もなにもない。フェルグスは書類を男性の職員に差し出した。
「おい、どうして受け取らねえ?」
「えっと・・・」
毛皮の鑑定をしているらしい男性は困ったように両手を毛皮の下に隠していた。
「・・・両手でちゃんと受け取れよ、大事な書類だぜ?」
もぞもぞと片手を出そうとした男性にフェルグスは言う。男性はドキリとしたように表情を強張らせ、やがて毛皮から両手を出して書類を受け取る。
「早いとこ受付の嬢ちゃんのトコもってけよ、オラ!」
受け取った男性まごまごしているのに苛立ったフェルグスがそう言うと男性は机を気にしながら立ち上がると書類を持っていく。フェルグスが上役に話しかける素振りを見せたので渋々といった様子だ。
「ふん・・・で、これかよ」
広げられた毛皮を奥から手前に二つ折りにたたんでみると・・・下から小型のナイフが出て来た。
(チッ、やけにもぞもぞ調べてやがると思ったらこれかよ)
海千山千のフェルグスは嫌な予感を察して男性職員の行動を注視していた。職員は気づいていない様子だったがこっそりと傷をつけて安く買いたたくつもりだったのだろう。
「しかしそうなると・・・やべえかもなあ」
帰ってきたら問い詰めてやろうかとも思ったが毛皮に傷はついていない。未遂だと文句をつけるのが精いっぱいだ。
(このギルドは冒険者を食い物にするやべえ部類だ、しかしならなぜこんなに繁盛している?そこが不思議だ)
そう思いつつ毛皮を取り上げてたたんで小脇に抱えるとリッキーを連れて出口に近い席に陣取った。
「親父、どうする?」
「三日と聞いたが下手するとそんなに要らねえかもな、クエストの違約金の額が詐欺レベルだぞ。公営ギルドにバレたら間違いなく業務停止命令が出る」
「断ったら?」
「騎士団かギルドにやとわれた冒険者が此処を更地にしに来る。それくらいここのシステムはヤバい」
借金で奴隷にされる。そんなことが無いわけではない。しかしクエストの難易度の設定がおかしい以上違約金の支払い義務はなくなるのだ。当然だろう、トカゲを退治しにきたらドラゴンでしたなんて話でクエスト失敗のカウントがつくなどありえない事である。正規のギルドであれば即座に周囲のギルドから袋叩きにあうし、民営でもそのルールの順守規則からは免れない。
「おまけに冒険者の持ち込んだ素材を買いたたこうって魂胆もある、そうなるといいところがねえ」
そう話し合っていると隣の席に座っていたやせぎすの男がフェルグスの肩を叩いた。
「な、なあアンタ・・・ちょっといいかい?」
「あん?誰だてめえ」
「ここじゃちょっと・・・近くに『樵の飲み屋』って酒場がある、そこで落ち合おう」
そう言うと男性はそのままふらつくようにギルドを出て行ってしまった。その後をつけるように二人ばかり男性が追いかけて行ったのをフェルグスは見逃さなかった。
「リッキー、お前は先に嬢ちゃんのところへ戻って経過を報告しろ」
「わかった、『樵の飲み屋』に夕方集合する?」
「それでいい、俺が来なかったらなにかヤバイことが起ったと思え」
二人は互いに頷くとギルドを出て二手に別れて行動し始める。
(新手の奴隷商かなんかか?斡旋される仕事を断る権利が無くなるってのがヤバイ)
公営ギルドでは高ランクの仕事を制限される程度にとどまり、違約金に関してもそこまで高額の物はない。収入が無くなったことで身を持ち崩す冒険者は確かにいるがこの契約書だと違約金そのもので身を持ち崩す冒険者が出かねない。しかもちらっと確認したが麻痺毒や毒を使う厄介なモンスターの討伐クエストの難易度が意図的に低く設定されており、成功には苦労するどころか最悪死に至る可能性すらある。
(安全面に関してもおざなりだ、こりゃ公営ギルドが査察に入った瞬間大揉め確定だな)
どうやってこの盛況ぶりを維持しているのかが甚だ疑問だったがフェルグスはとりあえず書類に目を通していく。
するとどうやら入会料は無料で、退会に関してもそれほどペナルティらしいものはない。来るもの拒まず、去る者は追わず。そんな感じであり、そこは他の冒険者ギルドと同じだ。
(まあ、ここの敷居をあげちまうと誰も来なくなるからな)
入会料が高かったり、あからさまに逃がしませんよとなると二の足を踏む人も多いだろう。
「とりあえずはこんなもんか・・・」
きっちりと読み込んで顔には出さないもののフェルグスは即座にこのギルドのきな臭さを感じ取った。
「これで大丈夫だよな?」
「・・・はい、大丈夫ですよ」
確認は行ったが名前くらいしか書くところがないので確認もなにもない。フェルグスは書類を男性の職員に差し出した。
「おい、どうして受け取らねえ?」
「えっと・・・」
毛皮の鑑定をしているらしい男性は困ったように両手を毛皮の下に隠していた。
「・・・両手でちゃんと受け取れよ、大事な書類だぜ?」
もぞもぞと片手を出そうとした男性にフェルグスは言う。男性はドキリとしたように表情を強張らせ、やがて毛皮から両手を出して書類を受け取る。
「早いとこ受付の嬢ちゃんのトコもってけよ、オラ!」
受け取った男性まごまごしているのに苛立ったフェルグスがそう言うと男性は机を気にしながら立ち上がると書類を持っていく。フェルグスが上役に話しかける素振りを見せたので渋々といった様子だ。
「ふん・・・で、これかよ」
広げられた毛皮を奥から手前に二つ折りにたたんでみると・・・下から小型のナイフが出て来た。
(チッ、やけにもぞもぞ調べてやがると思ったらこれかよ)
海千山千のフェルグスは嫌な予感を察して男性職員の行動を注視していた。職員は気づいていない様子だったがこっそりと傷をつけて安く買いたたくつもりだったのだろう。
「しかしそうなると・・・やべえかもなあ」
帰ってきたら問い詰めてやろうかとも思ったが毛皮に傷はついていない。未遂だと文句をつけるのが精いっぱいだ。
(このギルドは冒険者を食い物にするやべえ部類だ、しかしならなぜこんなに繁盛している?そこが不思議だ)
そう思いつつ毛皮を取り上げてたたんで小脇に抱えるとリッキーを連れて出口に近い席に陣取った。
「親父、どうする?」
「三日と聞いたが下手するとそんなに要らねえかもな、クエストの違約金の額が詐欺レベルだぞ。公営ギルドにバレたら間違いなく業務停止命令が出る」
「断ったら?」
「騎士団かギルドにやとわれた冒険者が此処を更地にしに来る。それくらいここのシステムはヤバい」
借金で奴隷にされる。そんなことが無いわけではない。しかしクエストの難易度の設定がおかしい以上違約金の支払い義務はなくなるのだ。当然だろう、トカゲを退治しにきたらドラゴンでしたなんて話でクエスト失敗のカウントがつくなどありえない事である。正規のギルドであれば即座に周囲のギルドから袋叩きにあうし、民営でもそのルールの順守規則からは免れない。
「おまけに冒険者の持ち込んだ素材を買いたたこうって魂胆もある、そうなるといいところがねえ」
そう話し合っていると隣の席に座っていたやせぎすの男がフェルグスの肩を叩いた。
「な、なあアンタ・・・ちょっといいかい?」
「あん?誰だてめえ」
「ここじゃちょっと・・・近くに『樵の飲み屋』って酒場がある、そこで落ち合おう」
そう言うと男性はそのままふらつくようにギルドを出て行ってしまった。その後をつけるように二人ばかり男性が追いかけて行ったのをフェルグスは見逃さなかった。
「リッキー、お前は先に嬢ちゃんのところへ戻って経過を報告しろ」
「わかった、『樵の飲み屋』に夕方集合する?」
「それでいい、俺が来なかったらなにかヤバイことが起ったと思え」
二人は互いに頷くとギルドを出て二手に別れて行動し始める。
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