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洞窟を抜けて
ぎ、ぎりぎりセーフ!
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デカイ恐竜さんのような魔物と対峙しつつ私は内心冷や汗をかいていた。
(あ、危なかった・・・)
もちろん私にとってあの恐竜さんが怖いわけではない。だが恐らくは彼らは一般人だ。怪獣王ゴ○ラみたいな師匠と鍛錬を積んできた私とはきっと想定している相手が違うのだろう。
「素手じゃ間に合わない・・・でも」
魔法は威力を試してない。強力すぎて余波が彼らを吹き飛ばしてしまっては本末転倒だ。
ならば・・・鍛錬で培った技術を試すしかない。
「風の槍よ・・・敵を穿て!てやぁっ!」
弓を構えているヒマはない、アイテム袋から槍を取り出してそのまま振りかぶって放り投げた。
槍は投げた私が仰天するようなスピードで飛び、恐竜の顎を貫いた。貫いた槍はそのまま遠くまで飛んでいってしまった。あれ、拾いにいくの辛いな・・・。
『GUOOO・・・?』
恐竜さんがたたらを踏んでよろめく。貫いた顎が半分無くなっていたがそれでも戦意が衰えていないのはさすがというべきだろうか。
私はそのままダッシュで近づいて一足飛びにジャンプして膝をついて肩で息をしている男の子との間に割って入った。
「ふぅ、間一髪ってところかな?」
正確に言うと若干間に合ってないっぽい。腕を無くして真っ青な顔をしているオジさんと呻いている鎧姿の人達が倒れている。
「とりあえずは・・・回復だね」
師匠達のシゴキに何度も利用された風の治癒魔法を発動させる。怪我だけでなく体力と魔力の回復すら出来てしまう師匠特性の治癒魔法。この効果の凄さは師匠に踏み潰されてぺしゃんこになってしまった自分で実体験済みである。くるくると指先に魔力を篭めた状態で動かすと精霊さんが集まってきて私のお願いを聞いてくれる。十分な数の精霊さんが集まると私の魔力を糧に行動を開始してくれる。
「こ、これ治癒魔法?!」
「そうだよ、風魔法って便利だよね」
風魔法の利点、それは距離を選ばないことだ。師匠は踏みつけられた瞬間から私を治療してくれたもう一人の師匠の風のドラゴンさんは器用に離れた距離から行っていた。
師匠曰く、風の精霊を集めて治癒するように頼めば後は勝手にやってくれる。とのこと。あとは魔力次第でどうにでも加減はできるそうだ。
「さて、後は目の前のこの蜥蜴さんの後始末だね」
それと槍の回収。忘れて帰ったら師匠にどやされる。
「ま、まってください!相手はSランク・・・」
後ろで男の子がなんか言ってるけど気にしない。とりあえず魔法の実験台になってもらおう。
片手に魔力を集中させ、圧縮する。そして、魔力に火の精霊の力を篭めて・・・。
「龍炎拳!」
空手の正拳突きのポーズから魔法を撃ち出すイメージで魔法を放出する。私としては弾が飛び出すイメージだったのだが・・・。
『GUO?!・・・Ga』
まんまレーザーっぽいのが出てしまいました。しかも巨大な。そのレーザーはそのまま恐竜さんを包み込み・・・。
「き、消えた・・・バーサーカレックスが・・・」
かろうじて燃え残った首から下を残して恐竜さん――――どうやらバーサーカーレックスというらしい――――は消滅した。
「ふぅ、またつまらぬモノを消してしまった」
背中に嫌な汗を感じながら私は精一杯平静を装って倒れている。そして倒れた恐竜さんの下半身から胃袋に収まっていたらしい人が転がり出てきた。
「今ならまだ助かるかも・・・」
「えっ?助かるんですか?!」
私の呟きが聞こえたのか男の子が私の元に駆け寄ってくる。
「ええ、とりあえず倒れてる人もそろそろ動けるはずだから手伝って!」
「わ、わかりました!」
悲壮な感じを見せていた面々も私の言葉に半信半疑ながらも従ってくれた。腕を失っているオジさんと胃袋の中から出てきたローブ姿の男性が四人。魔力としては楽勝で持つ。問題はスピード。
瀕死ならともかく死んでいたなら一刻も早く治癒魔法を掛けないと手遅れになる。
「生命の守護者たる風と水の精霊さん、彼らを助けてあげて・・・」
明確に口に出して言うと精霊さん達は頑張ってくれる。普通の人間だと精霊さんは何をして欲しいか解らないので口に出して伝える必要がある。それが詠唱というものらしい。
だが精霊さんはとても純粋でお人よしなのでどんな人にも力を貸してくれる。だから一生懸命頼めば自分の魔力が続く限り頑張ってくれるのだ。
「おお・・・千切れた腕が再生していく・・・」
「胃液で爛れた肌や服まで・・・」
「信じられない・・・」
温かい青と緑の光が彼らを癒していく。爛れた皮膚を治すのは彼らの中では珍しいのだろうか。
だが師匠のブレスが直撃して消し炭になった自分自身を再生できたのだからこの程度は私にとっては楽勝なのだ。あっはっは・・・思い出すと泣けてきた・・・師匠、あそこまでする必要があったのでしょうか・・・私を消し炭にする必要が・・・。
「すごい・・・」
一分と経たない内に全員の治療が終わり、全員が目を覚ました。その様子を見て男の子も安堵した様子だった。うん、いいことした!師匠のあの鍛錬もきっと今のような事態のためなんだ!きっとそうだ!そうに違いない・・・そうに違いないはずなのだ・・・。
(あ、危なかった・・・)
もちろん私にとってあの恐竜さんが怖いわけではない。だが恐らくは彼らは一般人だ。怪獣王ゴ○ラみたいな師匠と鍛錬を積んできた私とはきっと想定している相手が違うのだろう。
「素手じゃ間に合わない・・・でも」
魔法は威力を試してない。強力すぎて余波が彼らを吹き飛ばしてしまっては本末転倒だ。
ならば・・・鍛錬で培った技術を試すしかない。
「風の槍よ・・・敵を穿て!てやぁっ!」
弓を構えているヒマはない、アイテム袋から槍を取り出してそのまま振りかぶって放り投げた。
槍は投げた私が仰天するようなスピードで飛び、恐竜の顎を貫いた。貫いた槍はそのまま遠くまで飛んでいってしまった。あれ、拾いにいくの辛いな・・・。
『GUOOO・・・?』
恐竜さんがたたらを踏んでよろめく。貫いた顎が半分無くなっていたがそれでも戦意が衰えていないのはさすがというべきだろうか。
私はそのままダッシュで近づいて一足飛びにジャンプして膝をついて肩で息をしている男の子との間に割って入った。
「ふぅ、間一髪ってところかな?」
正確に言うと若干間に合ってないっぽい。腕を無くして真っ青な顔をしているオジさんと呻いている鎧姿の人達が倒れている。
「とりあえずは・・・回復だね」
師匠達のシゴキに何度も利用された風の治癒魔法を発動させる。怪我だけでなく体力と魔力の回復すら出来てしまう師匠特性の治癒魔法。この効果の凄さは師匠に踏み潰されてぺしゃんこになってしまった自分で実体験済みである。くるくると指先に魔力を篭めた状態で動かすと精霊さんが集まってきて私のお願いを聞いてくれる。十分な数の精霊さんが集まると私の魔力を糧に行動を開始してくれる。
「こ、これ治癒魔法?!」
「そうだよ、風魔法って便利だよね」
風魔法の利点、それは距離を選ばないことだ。師匠は踏みつけられた瞬間から私を治療してくれたもう一人の師匠の風のドラゴンさんは器用に離れた距離から行っていた。
師匠曰く、風の精霊を集めて治癒するように頼めば後は勝手にやってくれる。とのこと。あとは魔力次第でどうにでも加減はできるそうだ。
「さて、後は目の前のこの蜥蜴さんの後始末だね」
それと槍の回収。忘れて帰ったら師匠にどやされる。
「ま、まってください!相手はSランク・・・」
後ろで男の子がなんか言ってるけど気にしない。とりあえず魔法の実験台になってもらおう。
片手に魔力を集中させ、圧縮する。そして、魔力に火の精霊の力を篭めて・・・。
「龍炎拳!」
空手の正拳突きのポーズから魔法を撃ち出すイメージで魔法を放出する。私としては弾が飛び出すイメージだったのだが・・・。
『GUO?!・・・Ga』
まんまレーザーっぽいのが出てしまいました。しかも巨大な。そのレーザーはそのまま恐竜さんを包み込み・・・。
「き、消えた・・・バーサーカレックスが・・・」
かろうじて燃え残った首から下を残して恐竜さん――――どうやらバーサーカーレックスというらしい――――は消滅した。
「ふぅ、またつまらぬモノを消してしまった」
背中に嫌な汗を感じながら私は精一杯平静を装って倒れている。そして倒れた恐竜さんの下半身から胃袋に収まっていたらしい人が転がり出てきた。
「今ならまだ助かるかも・・・」
「えっ?助かるんですか?!」
私の呟きが聞こえたのか男の子が私の元に駆け寄ってくる。
「ええ、とりあえず倒れてる人もそろそろ動けるはずだから手伝って!」
「わ、わかりました!」
悲壮な感じを見せていた面々も私の言葉に半信半疑ながらも従ってくれた。腕を失っているオジさんと胃袋の中から出てきたローブ姿の男性が四人。魔力としては楽勝で持つ。問題はスピード。
瀕死ならともかく死んでいたなら一刻も早く治癒魔法を掛けないと手遅れになる。
「生命の守護者たる風と水の精霊さん、彼らを助けてあげて・・・」
明確に口に出して言うと精霊さん達は頑張ってくれる。普通の人間だと精霊さんは何をして欲しいか解らないので口に出して伝える必要がある。それが詠唱というものらしい。
だが精霊さんはとても純粋でお人よしなのでどんな人にも力を貸してくれる。だから一生懸命頼めば自分の魔力が続く限り頑張ってくれるのだ。
「おお・・・千切れた腕が再生していく・・・」
「胃液で爛れた肌や服まで・・・」
「信じられない・・・」
温かい青と緑の光が彼らを癒していく。爛れた皮膚を治すのは彼らの中では珍しいのだろうか。
だが師匠のブレスが直撃して消し炭になった自分自身を再生できたのだからこの程度は私にとっては楽勝なのだ。あっはっは・・・思い出すと泣けてきた・・・師匠、あそこまでする必要があったのでしょうか・・・私を消し炭にする必要が・・・。
「すごい・・・」
一分と経たない内に全員の治療が終わり、全員が目を覚ました。その様子を見て男の子も安堵した様子だった。うん、いいことした!師匠のあの鍛錬もきっと今のような事態のためなんだ!きっとそうだ!そうに違いない・・・そうに違いないはずなのだ・・・。
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