異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

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ガルデンヘイム王国王都で

なぜ王族は洞窟に潜るんだろう?

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王族が力を示す為に高難易度の洞窟に潜り、戦果を上げて凱旋しそれを持って王たる器を示す。
それは確かに立派だし、冒険者や一般人からも注目を集めるだろう。しかし失敗した時のリスクは計り知れない。なにせ王族が何人もその洞窟で命を落としている事は私が最下層から集めた遺留品から容易に察することが出来るからだ。

「なぜ命まで賭けて王族は地下にもぐるの?命あっての物種って言葉があるよ?」
「それは・・・伝説として民間人に伝わっている言い伝えが理由となっています」
「伝説?」
「建国の祖がこの洞窟の最下層でドラゴンと会い、さまざまな技術や魔力を身につけて地上に戻り
その力を持ってこの国を拓いたという伝説です」

建国の祖は地下で師匠達に会ったらしい。何年前だったかは私は知らないし興味も無いがそれが真実だと信じて・・・、ま、少なくとも始祖の何代か後は本人を見ているわけだからじゃあ私も!となっても可笑しくは無い。

「最初は軍を送り込んだりとしましたが結果は惨憺たるもので、高名な冒険者達もそれを突破できるものは居ませんでした。その内に始祖の伝説は物語となり、民間人の中でそれが事実かどうかなど気にするものはいなくなり・・・恥ずかしながらボクも半信半疑でした」
「半信半疑・・・でした?」

そう言うとお坊ちゃんは頬を染めながら熱っぽい視線で私を見つめる。

「貴女が現れたから・・・伝説は本当なんだって確信しました」

少し考えて私は内心で手を叩いた。そうか、私が建国の始祖を鍛えたドラゴンと関係があると考えてるわけね。そんなお坊ちゃんは私の手を取ると笑顔で言う。

「それと本当にありがとうございました・・・ボクだけじゃなく部下やフルンの命まで助けていただいて・・・本当になんとお礼をしたらいいか!この宝物の返却にも対価を用意しなければなりません」
「お礼はあの時も言ったけど要らないって。対価って言われても欲しい物なんて・・・まあ、無くも無いんだけど」
「なにか欲しい物があればなんでも言ってください、できる限り用意しますので」

そう言ってくれるなら孤児院の事を任せちゃおう。彼ならちゃんとしてくれるはずだ。

「なら頼みたいんだけど、貧民街にある孤児院を知ってる?」
「教会が運営するあの孤児院ですか?聞いた事はありますが・・・それがなにか?」
「其処の子とちょっと色々あってね、孤児院では毎月大銀貨一枚が支給されてるはずだけどそれがなくなって困ってるんだって。だからその宝物を返却する際にもらえる金額をその孤児院の運営費として毎月決まった額を報酬がなくなるまででいいから贈ってあげてよ」
「ですが二つとなると金貨レベルですよ?何十年と掛かると思いますが一括で払わないのですか?」

そうしてもいいがそうなるとまた誰かしらがケチをつけてくるのは目に見えてるし、シスターがいつまでもいい人がしてくれるとは限らないしね。

「それもいいけど今回も結構タチの悪い奴にちょっかい出されてたから王宮がその孤児院をみているよって抑止力が欲しいんだよね」
「なるほど・・・そう言う事なら、ボクが出来る限り行います」
「ありがとう、君なら安心だ」

そう言って頭を撫でるとお坊ちゃんは顔を真っ赤にして私の手に照れくさそうに目を細める。
可愛いじゃないのもう。

「あの・・・それで、ボク・・・」
「ん?」

話も一段落してどうしようかなと考えているとお坊ちゃんから話しかけてくる。モジモジとしていて可愛いけど一体なんだろうか。

「スカサハ様と・・・その、もっとお話したいなって・・・」
「ふふ、可愛い事を言うね」
「ダメですか・・・?」
「私は構わないけど君はいいの?」

了承するとお坊ちゃんはぱあっと表情が明るくなり、私の問いかけに何度も頷いた。それからお坊ちゃんと私はその日、日が暮れるまでお話をする事になった。

『殿下、お食事の用意が整いました』
「もうこんな時間ですか・・・」

ドア越しにメイドさんの声が聞こえてくる。日は傾き、夕日は地平線に隠れようとしていた。
私としては他愛のない会話だったがお坊ちゃんには新鮮だったらしく私の故郷の話などを細部を暈して教えてあげるととても喜んでくれた。

「行って来るといいよ、なんなら待っててあげようか?」
「いいんですか?」
「いいよ、君がいいなら」

どうせ今から出てっても宿なんか取れないし、生憎と持ち合わせも無いもんでね。王都の一日目は野宿だよ!トホホ・・・。

「じゃ、じゃあ今日は泊まっていってください!ボクが部屋を用意しますから!」
「わざわざ用意してくれなくてもいいよ、別にソファでもいいし」
「フルンに話を通せば許してくれるから!大丈夫!」

嬉しさが続いてハイテンションなのか途中から子供らしい言葉遣いになっているお坊ちゃんに私も自然と笑顔になる。彼は嬉しそうに部屋を飛び出していってしまった。

「元気だねぇ~、今の内に私は私のご飯を済ませるか」

洞窟でたらふく食べて飽きてきたけど他人の家に上がりこんでただ飯を要求するわけにも行かないので私は焼いたカニさんをアイテム袋から取り出し、こそこそと一人で食べる事にした。

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