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ガルデンヘイム王国王都で
保護者面談・・・? その2
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固唾を呑んで見守る私を前に五龍の面々はあれこれと話し合う。なにやら聞き取れない事も多いが一つだけ解るのは彼らが皆一様にあの少女に執着しているということだった。
『今、我等は姫君の凡その位置を把握することができるが・・・』
『うむ、だが考えてみればそれでも我等はちょっと寂しい』
『待ち遠しいからな・・・』
『身も蓋もないがな』
『姫君も我等が居なくて寂しいのではなかろうかと』
なんだか送り出したわが子を心配する親のような、ともすれば逆のような彼らのやりとりに私は戸惑いつつも沙汰を待つしかなかった。
『ならばどうする、我等は彼女の傍には居れぬ』
『しかし今、契約を結んだものがおるではないか』
『確かに、ちょうどよい者が』
『この者に我等の代わりをさせるのがいいだろう』
『代わりか・・・どうするのだ?』
皆の視線が一斉に私を見た。なんだろう、猛烈に嫌な予感がする。
『お前に科す代償が決まった』
「・・・それは・・・一体?」
『貴様を龍族へ変化する力を授けよう、ただしこれは全て姫君の許可を得て行える事とする』
「へ?」
それって別に代償でもなんでもないような・・・。龍族に変化って事はドラゴンに変身できるということだし・・・許可が要るのは彼女の権利というか主人として当然の権利だから・・・。
「軽すぎませんか?」
『構わぬ、もとより何かあれば我等は貴様如きの命など魂ごと消滅させる術など幾らでもある』
『左様、貴様の五体を奪う事も考えたがそれでは従者として働けぬではないか』
『ならばせめて姫君の寂しさを和らげる手伝いをせよ』
『そして我等の召喚に応じて姫君の近況を報告する義務を負わせる事にする』
『雷龍、良き事を言った。それがいいな』
皆が交互に頷き、小難しい魔法陣を描いていく。いいんだけど・・・やっぱり軽いような・・・っていうかこの龍達は何故彼女にここまで固執するんだろうか。
「えっと、では私は彼女・・・姫様のお傍に仕え、精神的な支柱となりつつ五龍様に姫様の近況を今回のような形で報告せよと?」
『うむ、そうなる。どのような細かいことも漏らさずな』
とりあえず頷いておこうとルーンは納得し、彼らの望みを叶える事に全力を注ぐ事にする。
いろいろあったが自分の命の危機は去り、確かに自分がこのまま暗殺者やそれを辞めて隠遁する事を思えばずっとずっと凄い事が起こりそうだから。それが楽しいかは今は解らない、けれど彼女の傍に居る事はきっと悪いことでは無いだろう。
(尽くす事に異存はない、彼女が何者であろうと命の恩人である事は変わらないのだから・・・)
罪人である自分を拾いあげた彼女の笑顔が目に浮かぶ、それが全てであるようにさえ思えた。
『そろそろ時間だな、くれぐれも怠るな』
『隠し立てすると八つ裂きにする』
とりあえず、紙が高いが日記をこれからつけていこう。私が長生きするために。
薄れ行く意識の中で私は固くそう誓うのだった。
「大丈夫?」
気がつくと私を見つめる彼女と目が合った。余裕たっぷりだったあのときと違い、若干の不安を孕んだ視線に私は思わず顔を赤らめる。
「だ、大丈夫です」
「師匠はちょっとやりすぎるから心配だったんだよ?首が千切れたりしないかとか、突然体が炭になるまで焼かれたりしないかとか!」
想像したくないようなえげつないことを言う。っていうかなぜそうなるかもしれないことを彼女は知っている?!
「ま、まさか・・・」
「私に稽古つけてくれた時は踏み潰されたり、消し炭にされたり散々だったからね」
「そ、そうなんですか・・・」
暗殺者としてそれなりに厳しい訓練を積んだつもりだったが彼女のそれはどうやら私の『厳しい』をちょっと超えてしまっているようだ。
「まぁ、とりあえず貴女が無事に師匠のお眼鏡に適ってよかった。これからよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
互いに握手を交わして微笑み合うと私は立ちあがり、私達のやり取りを見ていた二人に向かい合った。
「と、言うわけで彼女との契約は終了したので危険は一切ありませんよー」
「ですが・・・ま、いいでしょう」
あっけらかんと言う彼女に少し納得いかない様子だったが私のあのザマと五龍というこの世界の頂点が絡む契約ということで彼らも渋々納得してくれたようだ。
『今、我等は姫君の凡その位置を把握することができるが・・・』
『うむ、だが考えてみればそれでも我等はちょっと寂しい』
『待ち遠しいからな・・・』
『身も蓋もないがな』
『姫君も我等が居なくて寂しいのではなかろうかと』
なんだか送り出したわが子を心配する親のような、ともすれば逆のような彼らのやりとりに私は戸惑いつつも沙汰を待つしかなかった。
『ならばどうする、我等は彼女の傍には居れぬ』
『しかし今、契約を結んだものがおるではないか』
『確かに、ちょうどよい者が』
『この者に我等の代わりをさせるのがいいだろう』
『代わりか・・・どうするのだ?』
皆の視線が一斉に私を見た。なんだろう、猛烈に嫌な予感がする。
『お前に科す代償が決まった』
「・・・それは・・・一体?」
『貴様を龍族へ変化する力を授けよう、ただしこれは全て姫君の許可を得て行える事とする』
「へ?」
それって別に代償でもなんでもないような・・・。龍族に変化って事はドラゴンに変身できるということだし・・・許可が要るのは彼女の権利というか主人として当然の権利だから・・・。
「軽すぎませんか?」
『構わぬ、もとより何かあれば我等は貴様如きの命など魂ごと消滅させる術など幾らでもある』
『左様、貴様の五体を奪う事も考えたがそれでは従者として働けぬではないか』
『ならばせめて姫君の寂しさを和らげる手伝いをせよ』
『そして我等の召喚に応じて姫君の近況を報告する義務を負わせる事にする』
『雷龍、良き事を言った。それがいいな』
皆が交互に頷き、小難しい魔法陣を描いていく。いいんだけど・・・やっぱり軽いような・・・っていうかこの龍達は何故彼女にここまで固執するんだろうか。
「えっと、では私は彼女・・・姫様のお傍に仕え、精神的な支柱となりつつ五龍様に姫様の近況を今回のような形で報告せよと?」
『うむ、そうなる。どのような細かいことも漏らさずな』
とりあえず頷いておこうとルーンは納得し、彼らの望みを叶える事に全力を注ぐ事にする。
いろいろあったが自分の命の危機は去り、確かに自分がこのまま暗殺者やそれを辞めて隠遁する事を思えばずっとずっと凄い事が起こりそうだから。それが楽しいかは今は解らない、けれど彼女の傍に居る事はきっと悪いことでは無いだろう。
(尽くす事に異存はない、彼女が何者であろうと命の恩人である事は変わらないのだから・・・)
罪人である自分を拾いあげた彼女の笑顔が目に浮かぶ、それが全てであるようにさえ思えた。
『そろそろ時間だな、くれぐれも怠るな』
『隠し立てすると八つ裂きにする』
とりあえず、紙が高いが日記をこれからつけていこう。私が長生きするために。
薄れ行く意識の中で私は固くそう誓うのだった。
「大丈夫?」
気がつくと私を見つめる彼女と目が合った。余裕たっぷりだったあのときと違い、若干の不安を孕んだ視線に私は思わず顔を赤らめる。
「だ、大丈夫です」
「師匠はちょっとやりすぎるから心配だったんだよ?首が千切れたりしないかとか、突然体が炭になるまで焼かれたりしないかとか!」
想像したくないようなえげつないことを言う。っていうかなぜそうなるかもしれないことを彼女は知っている?!
「ま、まさか・・・」
「私に稽古つけてくれた時は踏み潰されたり、消し炭にされたり散々だったからね」
「そ、そうなんですか・・・」
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「まぁ、とりあえず貴女が無事に師匠のお眼鏡に適ってよかった。これからよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
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