異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

文字の大きさ
59 / 98
ガルデンヘイム王国王都で

宝具『戦乙女のドレス』を手に入れた!

しおりを挟む
魔道具、それは生物以外の物体に魔を宿した道具の総称である。そして魔道具はその希少さや宿した魔力の多さなどからその呼び名を変えていく。

「ドレスにプレートが・・・!」
「おお・・・!」

取り外されていたであろう防具の金属パーツが徐々に出現していく。その金属は鉄よりも硬く、そして銀よりも眩しい希少金属・・・ミスリル製のプレートであった。

「祖母様が纏うた具足がかように美しく蘇ったか・・・!」
「うわわっ・・・魔力をドンドン吸い取っていくんだけど!」

まるであの時に流した魔力が呼び水になったかのように私の体から膨大な量の魔力が流れ込んでいく。まるで底なしだ。そしてその魔力を媒介にしてドレスを覆う部品が形成されていく。

「ううっ、さすがにちょっとふらつくなぁ・・・」

増えた重量と抜けた魔力の量が多いため足元がふらつく。倒れず踏ん張って魔力の吸収が終わるのを待っているとやがて仮面を模した頬当てが出現し、カシャンと音を立てて私の顔に収まった。
それと同時に魔力の吸収も止まり、体に圧し掛かる倦怠感も治まった。

「素晴らしい、ワシの思い出の中の祖母様が蘇えったわ」

憧憬の視線を注ぐお父さん。どうやらこれがドレスの本来の姿らしい。

「元々の姿がこれだとして、どうしてこのドレスはプレートとか防具が外されていたの?」
「それはなぁ・・・母が原因でな」

呆れたように言うお父さんに寄ると彼の母親、前王妃が前国王があまりに祖母の話ばかりするので嫉妬してプレートを外し、自分にしか解らない所に隠してしまったらしい。
前国王は前王妃を何とか説得し、プレートを取り戻したが揉め事の種になるのは問題だと思ったらしくドレスのみをそのままにプレートを鋳溶かして前王妃が身につける儀礼用の杖に鍛えなおさせたのだという。

「嫉妬に関しては母が悪大人気なかったと言えばそれまでなんだが・・・父が取った行動、まーこれが非難轟々でな!祖母は笑って許してくれたが祖父がなぁ」

祖母を深く愛し、そして思い出の品と永く保存できるように職人を集めてまで加工した妻の服を台無しにしてしまった為、祖父の怒りは凄まじく危うく退位させられるところだったとか何とか。
大臣達の中にもその意見に同調する者が多く、祖母の助けナシでは政務にも支障をきたす有様だったという。

「まあ、ワシにとっては良い思い出よ。父には災難だっただろうが・・・それに今はこうしてそなたの力で復元されたのだから祖父様も喜んでいるだろうよ」
「喜んでくれたなら嬉しいけど・・・やっぱり私が着てちゃ不味いんじゃ?」
「何を言うか、そなたの実力は祖母様に勝るとも劣らないではないか。そして、倅の助けとなるためにそのドレスを纏うのだからなんら問題ない」

懐かしそうにドレスを眺めながらそう言うお父さん。うーん、なんだかプレッシャーがすごいよ。
そう思いつつ頬当ての仮面部分を押し上げて顔を出すと部屋から出てくるお坊ちゃんが見えた。
そして私を目ざとく見つけると瞳を輝かせて走りよってくる。

「スカサハ様!その格好はまさか!」
「ふふふ」
「『戦乙女』と名高いエーリカ様のドレスを着てくれたなんて・・・感激です!」

ぬ?戦乙女?

「物語にも描かれるご先祖様のドレスを纏ってパーティに出てくれるならボクも心強いです!」

物語?ちょっと待ってどういうこと?!

「祖母様は国内外に置いて伝説的な存在なのだ。そのドレスを纏いパーティに出席したなら貴族連中は腰を抜かすであろう!なにせ物語から飛び出してきたかのようだからな!」

頭に?を浮かべる私にまたもや何処からか合流したルーンちゃんが一冊の本を手渡してくれた。

「なになに、『戦乙女戦記』・・・表紙絵の女性が・・・うわ、綺麗な人」
「主様も負けてませんよ」
「そうです!髪色が違うくらいで赤が似合うし、魔法も武術もすごいし!」

興奮した様子の二人に気圧されつつも私は考える。この表紙がどうやら件のエーリカさんらしい。
金色の髪に勝ち気そうな目、そして開いた胸元にはっきりと見える谷間が眩しい。
っていうかちょっとまって、って事は私実在の人物とはいえ物語の人物と同じ格好してパーティに出るって事?!私コスプレイヤーじゃないよ!

「これでお茶会は成功したも同然ですね」
「ええ、何せ『戦乙女』がボク達の味方なんですから!」

本を胸に抱いてふんす!と何時になく興奮した様子のルーンちゃん。あれ、もしかしてこの子この手の物語が好きなのかな?可愛いけど着ていく身にもなってよ。

「うーむ、各国の人間に見せたらどんな反応が返ってくるか楽しみだのう」

止めて、そんなことしたら承知しないよ!それは私に対する公開処刑だよ!
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...