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ガルデンヘイム王国王都で
予想外!
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「なんだとぅ!!!」
ロンベル家の邸宅に一人の絶叫がこだました。
「バカな!何故奴が・・・!」
声の主はロンベル家次期当主、グラハム・ロンベル。彼は召使達からもたらされた情報に驚愕していた。
「あのバカ王子が出席だとぉ!」
「若様、どうか落ち着いてください!」
「五月蝿い!貴様らはあのチビが誰を連れてくるのかをさっさと調べておけ!」
顔も見たくないほどに嫌っている人物が出席するという事実に彼の頭は即座に沸点に達した。
そんな彼の姿に召使達は戦々恐々としていたが彼が大股で当主である父の元へと足早に去っていったのをホッとした様子で眺めていた。
事の発端はロンベル家が主催する茶会の出席メンバーを名簿に記し、その席順などを決める為ロンベル家の関係者が集まっていたときの事だった。順調に進んでいた準備の中で見つかった一人の出席予定者の名前に茶会の準備を任されていた召使達は騒然となった。
「皇太子オルランド・フォン・ガルデンヘイム・・・出席?!」
「バカな、皇太子にペアとなる女性がいたのか?!」
ロンベル家のどの情報網にも皇太子である彼に浮いた話などない事を知っていただけにその衝撃は計り知れない。さらに、仮にも王族を招くという事実がある以上格式などにも気を配り、場合によっては規模から考え直さねばならなくなる。簡単に言うと持て成しに掛かる費用と手間が出席すると決まった時点で跳ね上がるのだ。
それだけではない、なにより皇太子と共に茶会に出席する女性が如何なる人物かを見極める必要も出てくる。何処の名家の生まれか、それとも平民か、もしくは他国の王族か?などと疑問は尽きない。
「情報を集めるか?」
「そんな余裕はない、王族を招くのだぞ・・・皇太子一人ならともかく武門の頂点たるガルデンヘイム王家全体の機嫌を損ねる事は物理的な破滅を意味するぞ」
誰かの言葉に全体が息を呑む。試練の洞窟の苛烈さは誰もが知る所である。
そんな場所に護衛付きとは言え自ら乗り込み、尚且つ武功を立てて戻ってくるという難題を乗り越えた者が次期王となるこの一族は皆が優秀な戦士であり、もしくは魔法使いであった。そして一族が持つカリスマによって騎士を束ね、その武と威光は遠い異国にも及ぶという。
「下手な詮索は御家にいらぬ災厄をもたらすか」
「そういえば・・・最近王宮に女が一人いるらしい」
「女?メイド達ではないのか?」
「いや、それがどうにも皇太子殿下のお気に入りとの事だ」
「となると茶会に出席するのはその女という事か」
召使達は今、王宮で噂になっている女性が今回のペアなのではと考える。そしてそれ以外に真新しい情報は無かった。
「そうなるとその女とやらに違いあるまい」
「時間が無い以上この際情報はその女一人の事で構わん、その者の情報を集める事に絞り、残りは茶会の内容を見直す事から始めるべきだろう・・・しかしまずは旦那様にお伺いを立てねば」
彼らはそう言うと皆頷き、慌しく動き始めた。
「これホントに着ないとダメ?」
「ダメです、それにそのドレス何故かスカサハ様しか着れなくなったんですよ」
騎乗服を取り上げられてしまい、今は件のドレスでの生活を余儀なくされている。
「ふう、困ったな・・・」
このドレスの持ち主は相当な武術の練達であるだけでなく王侯貴族としての儀礼についても知り得ていたのかこのドレスを纏った途端に私の細かい動作が自然と洗練されてしまっている。
邪魔になるものでもないが自分の行動に慣れないというなんだか不自然な状態だ。
「お茶のお代わりはいかがですか?」
「ありがとう、いただきますね」
気を抜くとお嬢様になってしまう・・・!っていうか、このドレスを着て、この所作が所々出るようになってから執事のお爺ちゃんがやって来る頻度が上がった気がする。
「爺もエーリカ様のファンですから」
「なるほど、公私混同だね」
アンタもか、お爺ちゃん。っていうかホント勘弁してよ、騎士さんの目の輝きがヤバいんだよ。
なんかアイドルを見てるようでさ。剣の振りとかにも影響するし、勘弁だよ。
「むう・・・」
お茶会はパレードの一週間後、どうなるかはわからないがこのドレスを着ている以上はそこらへんをウロウロしたくないんだけどな・・・。出ると決めた以上はこの格好でも出ないと。
「あ、でもパレードとお茶会が一緒の衣装だとダメじゃない?」
「いや、むしろそれでしょう」
「いや、まったく」
「無問題です」
「気にしなくていいぞ、戴冠式に出たって可笑しくない出で立ち故にな」
順番にお坊ちゃん、ルーンちゃん、お爺ちゃん、お父さんだったが・・・満場一致で可決である。伝説の女騎士が戦場を駆けた際に身につけたドレス。無骨さの中に優雅さを持ち、儀礼としての品格を備えたそれは機能美すら備え、高い誇りを持ち合わせる・・・そう言われてしまって私に断る事などできはしない。
そんなこんなで私の二大イベントに出席する為の服は決まった。
ロンベル家の邸宅に一人の絶叫がこだました。
「バカな!何故奴が・・・!」
声の主はロンベル家次期当主、グラハム・ロンベル。彼は召使達からもたらされた情報に驚愕していた。
「あのバカ王子が出席だとぉ!」
「若様、どうか落ち着いてください!」
「五月蝿い!貴様らはあのチビが誰を連れてくるのかをさっさと調べておけ!」
顔も見たくないほどに嫌っている人物が出席するという事実に彼の頭は即座に沸点に達した。
そんな彼の姿に召使達は戦々恐々としていたが彼が大股で当主である父の元へと足早に去っていったのをホッとした様子で眺めていた。
事の発端はロンベル家が主催する茶会の出席メンバーを名簿に記し、その席順などを決める為ロンベル家の関係者が集まっていたときの事だった。順調に進んでいた準備の中で見つかった一人の出席予定者の名前に茶会の準備を任されていた召使達は騒然となった。
「皇太子オルランド・フォン・ガルデンヘイム・・・出席?!」
「バカな、皇太子にペアとなる女性がいたのか?!」
ロンベル家のどの情報網にも皇太子である彼に浮いた話などない事を知っていただけにその衝撃は計り知れない。さらに、仮にも王族を招くという事実がある以上格式などにも気を配り、場合によっては規模から考え直さねばならなくなる。簡単に言うと持て成しに掛かる費用と手間が出席すると決まった時点で跳ね上がるのだ。
それだけではない、なにより皇太子と共に茶会に出席する女性が如何なる人物かを見極める必要も出てくる。何処の名家の生まれか、それとも平民か、もしくは他国の王族か?などと疑問は尽きない。
「情報を集めるか?」
「そんな余裕はない、王族を招くのだぞ・・・皇太子一人ならともかく武門の頂点たるガルデンヘイム王家全体の機嫌を損ねる事は物理的な破滅を意味するぞ」
誰かの言葉に全体が息を呑む。試練の洞窟の苛烈さは誰もが知る所である。
そんな場所に護衛付きとは言え自ら乗り込み、尚且つ武功を立てて戻ってくるという難題を乗り越えた者が次期王となるこの一族は皆が優秀な戦士であり、もしくは魔法使いであった。そして一族が持つカリスマによって騎士を束ね、その武と威光は遠い異国にも及ぶという。
「下手な詮索は御家にいらぬ災厄をもたらすか」
「そういえば・・・最近王宮に女が一人いるらしい」
「女?メイド達ではないのか?」
「いや、それがどうにも皇太子殿下のお気に入りとの事だ」
「となると茶会に出席するのはその女という事か」
召使達は今、王宮で噂になっている女性が今回のペアなのではと考える。そしてそれ以外に真新しい情報は無かった。
「そうなるとその女とやらに違いあるまい」
「時間が無い以上この際情報はその女一人の事で構わん、その者の情報を集める事に絞り、残りは茶会の内容を見直す事から始めるべきだろう・・・しかしまずは旦那様にお伺いを立てねば」
彼らはそう言うと皆頷き、慌しく動き始めた。
「これホントに着ないとダメ?」
「ダメです、それにそのドレス何故かスカサハ様しか着れなくなったんですよ」
騎乗服を取り上げられてしまい、今は件のドレスでの生活を余儀なくされている。
「ふう、困ったな・・・」
このドレスの持ち主は相当な武術の練達であるだけでなく王侯貴族としての儀礼についても知り得ていたのかこのドレスを纏った途端に私の細かい動作が自然と洗練されてしまっている。
邪魔になるものでもないが自分の行動に慣れないというなんだか不自然な状態だ。
「お茶のお代わりはいかがですか?」
「ありがとう、いただきますね」
気を抜くとお嬢様になってしまう・・・!っていうか、このドレスを着て、この所作が所々出るようになってから執事のお爺ちゃんがやって来る頻度が上がった気がする。
「爺もエーリカ様のファンですから」
「なるほど、公私混同だね」
アンタもか、お爺ちゃん。っていうかホント勘弁してよ、騎士さんの目の輝きがヤバいんだよ。
なんかアイドルを見てるようでさ。剣の振りとかにも影響するし、勘弁だよ。
「むう・・・」
お茶会はパレードの一週間後、どうなるかはわからないがこのドレスを着ている以上はそこらへんをウロウロしたくないんだけどな・・・。出ると決めた以上はこの格好でも出ないと。
「あ、でもパレードとお茶会が一緒の衣装だとダメじゃない?」
「いや、むしろそれでしょう」
「いや、まったく」
「無問題です」
「気にしなくていいぞ、戴冠式に出たって可笑しくない出で立ち故にな」
順番にお坊ちゃん、ルーンちゃん、お爺ちゃん、お父さんだったが・・・満場一致で可決である。伝説の女騎士が戦場を駆けた際に身につけたドレス。無骨さの中に優雅さを持ち、儀礼としての品格を備えたそれは機能美すら備え、高い誇りを持ち合わせる・・・そう言われてしまって私に断る事などできはしない。
そんなこんなで私の二大イベントに出席する為の服は決まった。
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