異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

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ガルデンヘイム王国王都で

エルメロイ将軍家

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私の考えなど知らないとばかりに二人は王都を散策しながら時折、露店や菓子屋などを巡って歩いている。こういう時って何故か皆元気なんだよね。軽くしてあるとは言え私フルプレートなんだけどね。

「うわー、楽しいですねえ」

笑顔で私の手を引くお坊ちゃん。端からみれば騎士を振り回すわがままなお坊ちゃんだが、実際はこの国のトップ、その次子であり、皇太子なのだ。そうともしらない周りは私達のやり取りとそれを見て苦笑するルーンちゃんを微笑ましい眼差しで見つめている。

「お坊ちゃん、余りはしゃぎ過ぎますな」
「でも、こんな事ってあんまりないもの!」

騎士の喋り方を心得つつも私はお坊ちゃんを宥めてエルメロイ将軍の下へと向かう。しかしお坊ちゃんもルーンちゃんも楽しそうにしているので私も言葉のみの留めている。

「可愛いお坊ちゃんねえ、オマケだよ」
「ありがとうございます、奥方様!」
「あっはっは!奥方様なんてお上手だねえ」

菓子屋のオバさんからオマケを貰って笑顔で菓子を頬張る姿は年齢相応の姿だ。可愛い。

「ある・・・騎士様、美味しいですよ」
「私も後でいただきますよ、ルーン殿」

鎧を外せないのわかってるかな?ルーンちゃん。

「わー、お祭りが歩いてるよ!」
「ホントだ!お祭りだ!」
「お祭り?」

道行く子供達が私を指差してそう言う。ああ、戦争や騎士を良く知らない子供にはこの出で立ちがパレードや行事の際に見れる衣装に見えるのだろうか。裏にある彼らの苦労もこのあどけない笑顔に支えられているのだろう。

「こら!・・・騎士様、申し訳ありません」
「いえいえ」

そんな子供達を母親らしき人達が叱り、頭を下げて苦笑する。私もそれに釣られてヘルムの内側で苦笑しながらも手を振って子供達に愛想をふって上げると嬉しそうに手を振り返してくれる。
そんな寄り道を繰り返しながら私達はエルメロイ将軍の元へと向かう頃には午後を回り、夕方に差し掛かっていた。

「あーもう、寄り道しすぎ」
「ご、ごめんなさぁい」
「すみません」

二人とも存分に飲み食い寄り道を繰り返した為おなかを擦りながら歩いていた。ヘルムの脱げない私は当然お預けである。ぐぬぬ・・・。

「さて、ここがエルメロイ将軍のお宅なんだよね」
「ええ、此処です」
「城・・・っていうか砦っぽいね」

豪奢な貴族達の邸宅から少し離れて広い敷地を確保して建てられた建物は屋敷と言うよりは砦であり、堀や柵が巡らされている。詰めている兵士達も装備が充実しており練度もそれなりに高そうだ。

「っぽいというより砦です。此処は有事の際父や大臣達が此処に拠点を移して戦う為の物ですから」

お坊ちゃんからの補足が入った。なんでもエルメロイ家が所有するこの建物は普段こそ彼らの住宅だが緊急時には国王やその親族を迎え入れて護る為に建てられた砦らしい。
そしてその際には建物ごと権利を委譲する事となり、有事の際は王家の持ち物となるという。
その為かこの砦の中には兵士数百人を三ヶ月養うだけの食料が常に備蓄されており、飢饉などにもその倉が開かれる事があるという。

「へえ、エルメロイ将軍はそれだけ由緒ある家柄なんだね」
「ええ、武門に置いて王家に次ぐ家柄ですから。前将軍も全盛期にはハルバード一本で城門を解体して見せたといいます」

規格外な人も居たもんだ。私も今と名っては人の事言えないが。

「度量、技量に置いて国内で父に匹敵したのは全盛期のエルメロイ将軍、上回るとなればエーリカ様かと言うのが皆様の意見ですよ」

自慢げなお坊ちゃんに私は内心で微笑みを隠せないでいた。実際はヘルムで隠れていたけどそれを見透かしたようにお坊ちゃんは少し照れたようにはにかんだ。

「すみません、身内自慢ばかりで・・・」
「いいんだよ、それよりそのおじいさんに興味が湧いてきたから」

お父さんは間違いなく傑物である。正面から戦えば私や師匠はともかくルーンちゃんはキツイ。洞窟で倒した大きなトカゲさんでも十分な準備があれば一人で倒せるかもしれないくらいだ。
それに加えて為政者としての能力、そして血統。どれをとっても彼は間違いなく優秀な人物だ。
そんな人物に匹敵する人物となると俄然興味が湧いてきたよ。歴史に残るであろう人物の一人に会う機会なんてそうそうないし。

「では参りましょうか、騎士殿」
「はい、我が主殿」

大げさに騎士の礼を取り、お坊ちゃんもそれに応えて大げさに主人のように振舞う。身長差も相まって大変可愛らしい物になっている。

「なんだかんだ言ってのりのりですね。笑われてますよ」

なんとでも言え。茶番を挟みつつも私達はエルメロイ将軍のお宅へとお邪魔する事に。
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