異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

文字の大きさ
70 / 98
ガルデンヘイム王国王都で

王都へ行こう

しおりを挟む
二人を連れて私は洋々と王宮を出る事に。関係者には情報がいきわたっているらしく私達の姿を見ても誰も驚かないようだ。

「実はこのような自由な形で王宮の外に出るのは初めてで楽しみです」

王宮の広い中庭を歩き、貴族や臣下用の出入り口へと向かう最中にお坊ちゃんは楽しげにそう言った。

「そういわれれば私も殆ど此処に居たから街に出るのは久しぶり・・・っていうか殆ど初めてかも」

前回の外出時に訪れたのは試練の洞窟から冒険者ギルド、そして呉服屋さんだけだった。折角異世界にきたというのに王宮に入り浸っているだけでは詰まらないね。こんな事でもないとさらに面倒になりそうだから今の内に楽しめるだけ楽しんでしまおう。

「外出でございますか」
「そうなります、留守を頼みますね」

扉を守る衛兵達は慇懃にお坊ちゃんに頭を下げると槍を掲げて主人の為に門を開く。
それに続いて門をくぐる私達を彼らは主人と同等の尊敬の念を持って見送ってくれる。パレードの見物人が王宮にも結構居たようだ。衛兵は騎士団とは違い、国が管理する公務員的な存在で騎士団から独立しているが為に階級は低いがいざという時細かい取り決めに縛られず動ける上に命令を受けて行動する騎士団と違い常用的に警察権を持っている為軽犯罪なら命令を受けずとも捕縛、投獄する権利を持っている。
彼らは時に騎士団の手足として、そして普段は王都や領内の治安を守る目となって働いている。
実際の命令系統は国王、騎士団、衛兵といった順番だが特別の命令が無い限り彼らは上層部の命令が無くとも公務を実行できるのだ。

「公務ご苦労様です」
「勿体無いお言葉」

お坊ちゃんに続いてそう声をかけてすれ違うと衛兵さん達は笑顔で頷く。

「お手数をおかけしますね」
「仕事ですから、貴女もお気をつけて」

ルーンちゃんのときは普通だったので何事も無かったが彼女はその普通に感動したのかはにかんだ笑みを浮かべて私とお坊ちゃんの後ろを着いてくる。

「さて、将軍のお宅へ向かうついでに王都散策と洒落込みましょうか」

私がそう言うと二人は頷いて歩き始める。パレードが終わって落ち着いてきたとはいえ王都は私が最初に通ったときと変わらない活気がある。屋台や露天商がいたり、大きなお店が並んでいたりと見た目だけでも楽しい。私がこんなだから・・・。

「うわぁ・・・!」
「なんだか景色が違って見えますね」

二人は私以上にこの景色に心躍らせている様子だ。お坊ちゃんもそうだがルーンちゃんも見かけに寄らず子供っぽいというか、一般的な娯楽に飢えている気がする。

「ま、それが人並みなら問題ないんだけどね・・・」

ルーンちゃんは私の前やお父さんの前では表情が明るいがそれ以外の人物や、時折、夢から覚めたかのように表情が抜けて感情を持っていない人形のような怖い顔をしている時があるからだ。無表情ってあんなに怖い顔なんだね。
明るいお坊ちゃんもあれで少なくないプレッシャーを感じているだろう。一緒に眠る時、時々私の体に触れるお坊ちゃんの体が震えている事があるのだ、隠しているつもりだろうが目元が濡れている事もある。

「歳からするとそんなに二人とも離れてないんだろうけど・・・困ったな」

お父さんもああ見えてお坊ちゃんの事は何時も気にかけているだろうし、期待もしている。けれどお父さんはお坊ちゃんよりもずっと強く、そして老獪だ。腕力も、魔力も、そして知力さえも彼は凄まじい。普通なら彼に敵う事は難しいだろう。それ故に、お父さんはいざという時お坊ちゃんの心細さを理解して上げられないのだ。それが彼の悩みでもあるんだろうけど・・・。

「彼らがこの事にここまで喜べる背景が・・・悲しすぎるよね」

孤独が付き纏うお坊ちゃんとルーンちゃん。私は彼らの気持ちを少しでも癒してあげられるだろうか。

「主様、いかがなさいましたか?」
「ん?」
「表情が優れないようで・・・」
「なんでもないよ、それよりその主様ってのやめとこうか。お坊ちゃんもスカサハは禁止だからね」

考え事が深くなっていたようだ。心配そうに私を見る二人の顔がやっと見えた。私が首を振ってなんでもないと答えると二人は少し安心したように笑顔を見せる。

「えっと、何故でしょうか?」
「正体を隠す為なんだから名乗ったらバレちゃうかもしれないでしょ」
「なるほど・・・」
「私は騎士の格好なんだから護衛だね、ルーンちゃんは教育係にしよう。お坊ちゃんは私達を連れてエルメロイ将軍の元に遊びに行く貴族の少年ってことでお坊ちゃんとよびましょうかね」
「お坊ちゃんではいつも通りですねぇ」

何故か嬉しそうにそう言うお坊ちゃん。自分で呼んどいてあれだけど普通皇太子殿下をお坊ちゃんなんて呼ばないからね。

「私は?」
「ルーンちゃんは名前偽ったら天罰が下っちゃうでしょ、だからルーンで固定だよ」
「はーい・・・」

なんで残念そうなの。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...