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第23話 聖女と魔女
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国際魔法機関。それは、妖魔や魔法に関する情報を集積し、世界各地の退魔師と共有する為に設立された組織である。
A級以上の妖魔の出現が確認された地域には、ここから選りすぐりの一等退魔師が派遣されてくる。そうすることで、秘密裏に妖魔から世界を守っているのだ。
とある日の早朝、国際魔法機関の本部『マウソレウム』には二人の一等退魔師が招集されていた。
一人は、長い銀髪に深く青い瞳を持つ、理知的な雰囲気の少女――シルヴィア・ヴァルプルギス。他者に加護をもたらす白魔術を得意とする、癒しの聖女。
もう一人は、長い金髪に吊り上がった紅い瞳を持った、強い意志を感じさせる少女――フレドリカ・ヴァルプルギス。他者に災いをもたらす黒魔術を得意とする、災いの魔女。
その容貌は十三歳前後の少女に見えるが、二人の年齢や経歴、出生等に関する情報は全て秘匿されているため不明である。
神秘的な雰囲気を持つ二人の少女は、豪華な装飾が施された大聖堂の中心で久しぶりに顔を合わせた。
「ごきげんよう、シルヴィア」
「こんにちは、フレドリカ」
しかし――
「相変わらず、青白くてジメジメした陰気くさい顔をしているわねシルヴィア! 見てるとこっちまで気が滅入るわ! もう視界に入らないでちょうだい!」
「フレドリカの何も考えていなさそうな赤ら顔の方が……気になるわよ。それに、私はいつでも理知的で美しいから……心配の必要はないわ……」
魔女フレドリカと聖女シルヴィアは、この上なく仲が悪いのである。
「あ、あんたの心配なんかするわけないでしょ! あたしは馬鹿にしてんの!」
顔をさらに赤くし、声を張り上げて怒りを露わにするフレドリカ。
「そう……。私は、いつもあなたを心配しているわ。そんな性格だから、友達になってくれる人なんて誰もいなさそう……」
シルヴィアは、澄ました顔でさらに挑発を重ねる。
「友達がいないのはあんたの方でしょっ! 自分の性格の心配でもしてなさいよ!」
「いいえ……あなたの性格のおめでたさには到底敵わないわ……」
「なにをぉッ!」
「なにかしら?」
至近距離まで顔を近づけ、互いに睨み合う二人。
「友達、作り方、白魔術!」
「ひ、人の検索履歴を詠唱するのはやめなさい……! あなた、どこでそれを……!」
「白魔術、男の子、魅了!」
フレドリカの詠唱によって、シルヴィアは追い詰められる。
「……つ、使い魔、美少年に変身させる、方法……」
「あんたも見てるじゃないっ! あたしの検索履歴っ!」
しかし、とっさに呪詛返しを発動したことで形勢は逆転した。
「性格、直す、黒魔術……!」
「やめろおおおおおッ!」
退魔師には、様々な魔法の知識にアクセスできる専用のネットワークが存在するのだ。
「ぜぇ、ぜぇっ……」
「はぁ、はぁ……」
――その後もお互いの恥部を詠唱し続けた二人だったが、戦いは引き分けに終わった。
「……こ、ここで……つまらない言い争いをしていても……仕方がないわね」
シルヴィアは息を切らしながら言った後、続ける。
「……だって、今日はあなたに会いに来たわけではないもの。無駄な時間を過ごしてしまったわ……」
「それはこっちの台詞よ! あんたの顔なんか二度と見たくないわ! ついてこないで!」
「何を言っているの……? 同じ場所に行くのだから、無理に決まっているでしょう……。少し考えたら分かることなのに……」
「もうっ! 近くでぶつぶつ喋らないで! 鬱陶しい!」
「じゃあ、ずっとぶつぶつ喋ってあげる……あなたが不愉快な気持ちだと、私はとても嬉しいわ……」
「ふん! 一人でバカみたいにやってれば? バカ!」
かくして、二人は互いに反発し合いながら、仲良く肩を並べて大聖堂の地下へと向かうのだった。
――そこにいる長老達に会うために。
現状、S級の妖魔に匹敵する力を持つ退魔師は存在しないとされているが、それはあくまで表向きの話だ。
国際魔法機関の中枢である霊廟の地下に、彼ら五人は秘匿されている。
現代に通じる魔術理論の基礎を完成させた偉大なる黒魔術師。
錬金術や化学に精通し時間旅行の術を持つとされた謎多き伯爵。
強力な呪術や式神を駆使し数多の妖魔を祓った天才陰陽師。
不老不死の霊薬を探究し練丹術を極めた伝説の方士。
その召喚術よって七十二柱の悪魔と契約した至高の王。
彼ら五大老と直接対話することができるのは、世界でも有数の一等退魔師のみだ。
「もうすぐ着くわよ! せいぜい転がり落ちないよう気をつけることね!」
「いちいち言われなくても……分かっているわ……」
これがその一等退魔師たちである。
「やっぱりムカつくわ! バカ! バカバカバカバカ!」
「それしか言えないのかしら? このお間抜けさん……」
飽きることなく言い争いながら、地下へと続く長い階段を下る二人。
その先には、何もない真っ白な空間が広がっていた。
フレドリカとシルヴィアは互いに肘で小突き合った後、姿勢を正し、空間の内部へ歩み出て跪く。
「招集に従い馳せ参じました、五大老様」
そう言ったのはフレドリカだ。
「私たちにご用命をお伝えください」
今度はシルヴィアが言う。
先程までのやり取りが、まるで嘘だったかのようだ。
「――では、私が話そう」
次の瞬間、どこからともなくそんな声が聞こえてきた。
同時に、白いローブを身に纏った中性的な美青年が、一瞬にして何もない白の空間から姿を現す。
とても、長老には見えない風貌だが、魔法を極めて神の領域に到達し、死すらも超越した彼らにとって、肉体はただの容れ物であり代替可能な部品でしかないのだ。
従って、その姿に大した意味などない。
「二人とも。先週、日本の守矢市という場所でS級妖魔――ベルゼブブが顕現したという話は聞いているかな?」
青年は問いかける。
「はい、聞き及んでおります」
フレドリカはそう答えた後、顔を上げて続けた。
「……ですが、信じ難い話です」
「S級妖魔が五大老様の結界を越えたことなんて……この数百年で一度もありませんでした」
シルヴィアの言葉に対し、青年は首を振った。
「なに、たかが数百年、運良く破られなかっただけさ」
「そ、そんなこと――」
「遅かれ早かれ、こうなることは分かっていた」
そう言われ、口を閉ざして俯くシルヴィア。
「……………………」
「……いいや、違うな。理解していたところで対策の打ちようがないのだから――何も理解していなかったとも言える。まあ、五大老といっても所詮はこんなものさ」
そう話す青年の笑顔からは、自嘲の念など一切感じ取れなかった。
「今のところはね」
どこか余裕を感じさせる、底知れない雰囲気を放っている。
「さて、本題に戻ろうか」
青年は、暗い顔をした二人の少女に向かって話を続けた。
「一番の問題は、現時点で結界に異常が確認できていないところにある。つまり、ベルゼブブが顕現した一瞬だけ我々の結界が打ち破られたということだ。……おそらく、敵は結界術の原理を良く知る人間――我々退魔師の中にいる」
「………………!」
その言葉を聞き、目を見開くフレドリカ。拳を握りしめ、裏切り者に対する怒りをにじませる。
「……おまけに、その前日には同じ守矢市でA級相当の妖魔反応が確認されている。当初は誤検知だと判断されたそうだが、その後S級妖魔が顕現したとなれば話は別だ。相手は結界を破り、こちらへ悟られぬよう修復する術《すべ》を知っていると見て間違いないだろう。そう簡単に対処できる相手ではないな……都知久母の件もあるし」
「あの、ツチグモの件とは……?」
S級妖魔の名が連続して登場したことに対し、首を傾げるシルヴィア。
「ああ。……これも同日に守矢市で起きたことなんだが、絡新婦という妖魔が、その都知久母を呼び出そうと試みていたらしくてね」
「ど、どうなっているのですかその土地はっ!」
彼女は、珍しく声を張り上げた。
「おそらく、そちらも裏切り者が関係しているのだろう」
「そ、そんなに重大な事件ばかり起きて……よく無事ですね。その、モリヤシという場所は……」
「ああ。それが一番不可解な点だよ。本来であれば、既に日本一帯が丸ごと消失していても不思議ではない。……なぜ今も無事に残っているのだろうね? 裏切り者の思惑か、はたまた別の要因が絡んでいるのか……そもそも顕現したベルゼブブはどこへ消えてしまったのか……」
しばらく考え込むような素振りをした後、青年は顔を上げる。
「――興味は尽きないが、残念ながら我々はここを動くことができない」
五大老たちは現在、世界を守護するための結界にその霊力のほとんどを割いている。
そのため、結界を解いて更なるS級妖魔を招き入れてしまうリスクを負ってまで、事件に対処することはできないのだ。
世界の仮初の平和は、薄氷の上に成り立っているのである。
「……そこで君達には、実際に現地へ行って調査をしてきてもらいたいんだ。一体何が起こっているのか、裏切り者は誰なのか――主にこの二つをね」
青年は言う。
「わ、私がフレドリカとですか……?」
「シルヴィアなんかと私がッ?!」
すると、二人は声を揃えて反発した。
「ああ。やはり、君たちのチームワークは抜群だな。今回の任務も期待しているよ。頑張ってくれたまえ」
しかし、青年は全く意に介さずそう言った後、一瞬にして姿を消してしまった。
「そ、そんな……!」
絶望し、その場で膝をついて座り込むシルヴィア。
「この世の終わりよッ!」
一方フレドリカは、頭を抱えてうずくまる。
かくして二人は、仲良く守矢市へ旅立つことになるのだった。
A級以上の妖魔の出現が確認された地域には、ここから選りすぐりの一等退魔師が派遣されてくる。そうすることで、秘密裏に妖魔から世界を守っているのだ。
とある日の早朝、国際魔法機関の本部『マウソレウム』には二人の一等退魔師が招集されていた。
一人は、長い銀髪に深く青い瞳を持つ、理知的な雰囲気の少女――シルヴィア・ヴァルプルギス。他者に加護をもたらす白魔術を得意とする、癒しの聖女。
もう一人は、長い金髪に吊り上がった紅い瞳を持った、強い意志を感じさせる少女――フレドリカ・ヴァルプルギス。他者に災いをもたらす黒魔術を得意とする、災いの魔女。
その容貌は十三歳前後の少女に見えるが、二人の年齢や経歴、出生等に関する情報は全て秘匿されているため不明である。
神秘的な雰囲気を持つ二人の少女は、豪華な装飾が施された大聖堂の中心で久しぶりに顔を合わせた。
「ごきげんよう、シルヴィア」
「こんにちは、フレドリカ」
しかし――
「相変わらず、青白くてジメジメした陰気くさい顔をしているわねシルヴィア! 見てるとこっちまで気が滅入るわ! もう視界に入らないでちょうだい!」
「フレドリカの何も考えていなさそうな赤ら顔の方が……気になるわよ。それに、私はいつでも理知的で美しいから……心配の必要はないわ……」
魔女フレドリカと聖女シルヴィアは、この上なく仲が悪いのである。
「あ、あんたの心配なんかするわけないでしょ! あたしは馬鹿にしてんの!」
顔をさらに赤くし、声を張り上げて怒りを露わにするフレドリカ。
「そう……。私は、いつもあなたを心配しているわ。そんな性格だから、友達になってくれる人なんて誰もいなさそう……」
シルヴィアは、澄ました顔でさらに挑発を重ねる。
「友達がいないのはあんたの方でしょっ! 自分の性格の心配でもしてなさいよ!」
「いいえ……あなたの性格のおめでたさには到底敵わないわ……」
「なにをぉッ!」
「なにかしら?」
至近距離まで顔を近づけ、互いに睨み合う二人。
「友達、作り方、白魔術!」
「ひ、人の検索履歴を詠唱するのはやめなさい……! あなた、どこでそれを……!」
「白魔術、男の子、魅了!」
フレドリカの詠唱によって、シルヴィアは追い詰められる。
「……つ、使い魔、美少年に変身させる、方法……」
「あんたも見てるじゃないっ! あたしの検索履歴っ!」
しかし、とっさに呪詛返しを発動したことで形勢は逆転した。
「性格、直す、黒魔術……!」
「やめろおおおおおッ!」
退魔師には、様々な魔法の知識にアクセスできる専用のネットワークが存在するのだ。
「ぜぇ、ぜぇっ……」
「はぁ、はぁ……」
――その後もお互いの恥部を詠唱し続けた二人だったが、戦いは引き分けに終わった。
「……こ、ここで……つまらない言い争いをしていても……仕方がないわね」
シルヴィアは息を切らしながら言った後、続ける。
「……だって、今日はあなたに会いに来たわけではないもの。無駄な時間を過ごしてしまったわ……」
「それはこっちの台詞よ! あんたの顔なんか二度と見たくないわ! ついてこないで!」
「何を言っているの……? 同じ場所に行くのだから、無理に決まっているでしょう……。少し考えたら分かることなのに……」
「もうっ! 近くでぶつぶつ喋らないで! 鬱陶しい!」
「じゃあ、ずっとぶつぶつ喋ってあげる……あなたが不愉快な気持ちだと、私はとても嬉しいわ……」
「ふん! 一人でバカみたいにやってれば? バカ!」
かくして、二人は互いに反発し合いながら、仲良く肩を並べて大聖堂の地下へと向かうのだった。
――そこにいる長老達に会うために。
現状、S級の妖魔に匹敵する力を持つ退魔師は存在しないとされているが、それはあくまで表向きの話だ。
国際魔法機関の中枢である霊廟の地下に、彼ら五人は秘匿されている。
現代に通じる魔術理論の基礎を完成させた偉大なる黒魔術師。
錬金術や化学に精通し時間旅行の術を持つとされた謎多き伯爵。
強力な呪術や式神を駆使し数多の妖魔を祓った天才陰陽師。
不老不死の霊薬を探究し練丹術を極めた伝説の方士。
その召喚術よって七十二柱の悪魔と契約した至高の王。
彼ら五大老と直接対話することができるのは、世界でも有数の一等退魔師のみだ。
「もうすぐ着くわよ! せいぜい転がり落ちないよう気をつけることね!」
「いちいち言われなくても……分かっているわ……」
これがその一等退魔師たちである。
「やっぱりムカつくわ! バカ! バカバカバカバカ!」
「それしか言えないのかしら? このお間抜けさん……」
飽きることなく言い争いながら、地下へと続く長い階段を下る二人。
その先には、何もない真っ白な空間が広がっていた。
フレドリカとシルヴィアは互いに肘で小突き合った後、姿勢を正し、空間の内部へ歩み出て跪く。
「招集に従い馳せ参じました、五大老様」
そう言ったのはフレドリカだ。
「私たちにご用命をお伝えください」
今度はシルヴィアが言う。
先程までのやり取りが、まるで嘘だったかのようだ。
「――では、私が話そう」
次の瞬間、どこからともなくそんな声が聞こえてきた。
同時に、白いローブを身に纏った中性的な美青年が、一瞬にして何もない白の空間から姿を現す。
とても、長老には見えない風貌だが、魔法を極めて神の領域に到達し、死すらも超越した彼らにとって、肉体はただの容れ物であり代替可能な部品でしかないのだ。
従って、その姿に大した意味などない。
「二人とも。先週、日本の守矢市という場所でS級妖魔――ベルゼブブが顕現したという話は聞いているかな?」
青年は問いかける。
「はい、聞き及んでおります」
フレドリカはそう答えた後、顔を上げて続けた。
「……ですが、信じ難い話です」
「S級妖魔が五大老様の結界を越えたことなんて……この数百年で一度もありませんでした」
シルヴィアの言葉に対し、青年は首を振った。
「なに、たかが数百年、運良く破られなかっただけさ」
「そ、そんなこと――」
「遅かれ早かれ、こうなることは分かっていた」
そう言われ、口を閉ざして俯くシルヴィア。
「……………………」
「……いいや、違うな。理解していたところで対策の打ちようがないのだから――何も理解していなかったとも言える。まあ、五大老といっても所詮はこんなものさ」
そう話す青年の笑顔からは、自嘲の念など一切感じ取れなかった。
「今のところはね」
どこか余裕を感じさせる、底知れない雰囲気を放っている。
「さて、本題に戻ろうか」
青年は、暗い顔をした二人の少女に向かって話を続けた。
「一番の問題は、現時点で結界に異常が確認できていないところにある。つまり、ベルゼブブが顕現した一瞬だけ我々の結界が打ち破られたということだ。……おそらく、敵は結界術の原理を良く知る人間――我々退魔師の中にいる」
「………………!」
その言葉を聞き、目を見開くフレドリカ。拳を握りしめ、裏切り者に対する怒りをにじませる。
「……おまけに、その前日には同じ守矢市でA級相当の妖魔反応が確認されている。当初は誤検知だと判断されたそうだが、その後S級妖魔が顕現したとなれば話は別だ。相手は結界を破り、こちらへ悟られぬよう修復する術《すべ》を知っていると見て間違いないだろう。そう簡単に対処できる相手ではないな……都知久母の件もあるし」
「あの、ツチグモの件とは……?」
S級妖魔の名が連続して登場したことに対し、首を傾げるシルヴィア。
「ああ。……これも同日に守矢市で起きたことなんだが、絡新婦という妖魔が、その都知久母を呼び出そうと試みていたらしくてね」
「ど、どうなっているのですかその土地はっ!」
彼女は、珍しく声を張り上げた。
「おそらく、そちらも裏切り者が関係しているのだろう」
「そ、そんなに重大な事件ばかり起きて……よく無事ですね。その、モリヤシという場所は……」
「ああ。それが一番不可解な点だよ。本来であれば、既に日本一帯が丸ごと消失していても不思議ではない。……なぜ今も無事に残っているのだろうね? 裏切り者の思惑か、はたまた別の要因が絡んでいるのか……そもそも顕現したベルゼブブはどこへ消えてしまったのか……」
しばらく考え込むような素振りをした後、青年は顔を上げる。
「――興味は尽きないが、残念ながら我々はここを動くことができない」
五大老たちは現在、世界を守護するための結界にその霊力のほとんどを割いている。
そのため、結界を解いて更なるS級妖魔を招き入れてしまうリスクを負ってまで、事件に対処することはできないのだ。
世界の仮初の平和は、薄氷の上に成り立っているのである。
「……そこで君達には、実際に現地へ行って調査をしてきてもらいたいんだ。一体何が起こっているのか、裏切り者は誰なのか――主にこの二つをね」
青年は言う。
「わ、私がフレドリカとですか……?」
「シルヴィアなんかと私がッ?!」
すると、二人は声を揃えて反発した。
「ああ。やはり、君たちのチームワークは抜群だな。今回の任務も期待しているよ。頑張ってくれたまえ」
しかし、青年は全く意に介さずそう言った後、一瞬にして姿を消してしまった。
「そ、そんな……!」
絶望し、その場で膝をついて座り込むシルヴィア。
「この世の終わりよッ!」
一方フレドリカは、頭を抱えてうずくまる。
かくして二人は、仲良く守矢市へ旅立つことになるのだった。
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