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第35話:大好き!すみれ先生(その1)
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「白石先生またね~」「またね~」
手を振る女子に対し、すみれも手を振り返す。
ここはすみれのバイト先の小中学生向けの学習塾。
以前は従弟である圭太の家庭教師のバイトをしていた彼女だが、
最近圭太が受験のために
本格的な予備校に通うようになってしまったため、
こちらの塾の講師バイトを開始していた。
(圭太君ももう受験なんだなぁ・・・)
すみれはしみじみとそんな事を考える。
(さて、次は中学生の英語だっけか・・・)
次の授業の用意をしながら、すみれは頭の中で
授業のスケジュールを確認する。
「あ、すみれちゃん、こんにちわ~」
すみれの受け持つ男子塾生が声を掛けた。
「もぉ!先生って言いなさい!」
すみれが軽く叱る。
「えへへ、今日も可愛いね、先生」
彼は特に気にした様子もなく答える。
(う~ん・・・私ってば怒っても怖くないのかな?)
すみれは少しだけ自信を失くしそうになった。
「はいはい、ほらさっさと自習室に戻る!」
「はーい」
***
「やっぱうちの塾の中ではすみれちゃんが一番かわいいよな!」
授業が終わり、帰り支度中の中学生たちが教室で雑談している。
「てかホントに二十歳なのかねすみれちゃんて」
「講師募集の条件が大学生以上だからそうなんじゃないか?」
男子生徒の間ではすみれはちょっとしたアイドルになっていた。
童顔で小柄な外見が、彼らに親近感を与えているようだ。
「さっきから!あんたらは何しに塾来てるのよ!」
女生徒が注意する。
「あーまた青柳が怒ったぞ」
「青柳は怒りっぽいなぁ」
「あんたが怒らせてるんでしょうが!」
青柳と呼ばれた女生徒が怒鳴る。
「青柳は怒りっぽいから彼氏できないんだよ」
「うっさいわね!」
「青柳ちゃん、バカな男子なんかほっときなよ」
後ろから別の女生徒が止める。
「バカとはなんだぁー!!」
・・・そんな感じで生徒たちがわいわい騒いでいた
。
「あ、そういえば白石先生って彼氏いるのかな?」
もう一人の女生徒が話題を変える。
「え?どうだろ?」中学生たちは少し考える。
「前にすみれちゃんが男と歩いてるの見たぞ」男子生徒が言う。
「え?マジ?!どんな人?!」
「知らないよ!後ろ姿だけだから!
背高かったし、多分大人の男の人!」
「なんだつまんねーの」
「・・・でもそれ彼氏って決まったわけじゃないだろ!」
男子生徒中で先ほどから一人大人しかった生徒が口を開く。
「何だよ戸草、どうした急に?」
「いや、なんとなく気になっただけ・・・」
戸草と呼ばれた男子は口ごもる。
「まぁ確かに彼氏かどうかは分からねぇけど、
しかし、すみれちゃんってなんかこう・・・エロいよな」
男子生徒の一人が呟く。
「そうそう、おっぱい大きいし」
「それな!」もう一人の男子生徒が同意する。
「あんたらねぇ・・・」青柳が呆れ顔で言う。
「でも実際エロいよな」
「うんうん、あんな先生がいたら勉強どころじゃないって」
「・・・確かにあの胸は反則だけど・・・」と戸草も呟く。
「まったく、男子ってすぐこうなんだからやーよねぇ!」
「ホントにあんたら男子ってバカで下品よねー」
と女子たちが呆れたように口にする。。
「でも実際すみれちゃんって彼氏いるのかな?」
男子の一人がまた呟く。
「だから知らないってば!本人に聞いてみればいいじゃん!」
そう青柳が言う
。
「・・・そんなことが出来たら」
戸草は聞こえないように頷いた。
***
「男の子たち、みんな『先生』って呼んでくれないんだよ!」
バイトの後、すみれが自宅で遅い夕食を食べながらぼやいていた。
「まぁ、男子中学生なんてそんなもんでしょ」
と一緒に焼き魚を食べながらユキヤは返す。
二人は今、リビングで夕食を取っていた。
「俺らも中高の頃は、可愛い先生とかよくちゃん付けしてたし」
「そうなんだ・・・でもなんか、学生の男の子に
『ちゃん』付けされると変かも」
すみれは渋い顔をする。
「嫌われてるよりいいとは思うけど。」
「まぁ、それはそうなんだけどさ・・・」
すみれは箸をすすめる。
「・・・友達扱いが嫌なわけじゃないけど、
講師としてどうなんだろうねと思うんだよね」
「別に友達でもいいじゃん?」ユキヤは軽く返す。
「・・・そう思われちゃうのは、怒っても怖くないからかな?」
すみれは苦笑する。
「・・・ない」ユキヤが小声でつぶやく。
「え?どうしたのユキヤ?」
すみれが不思議そうに聞き返した。
「いや!それ絶対ないから安心しろ!」
ユキヤが真顔かつ力強く否定する。
「え?」
「いや、だってさ・・・お前は怒るとめっちゃ怖い・・・」
ユキヤが真顔のままで言う。
「・・・そう?そんなに怖くないと思うけど・・・」
「いやいやいや!マジで!」
青ざめたユキヤが顔の前で手をぶんぶん振る。
(たまに笑ってても怖い時だってある・・・)
という言葉も喉まで出かかったが必死で押しとどめた。
「えぇ~?」すみれは納得いかない様子だ。
(まさか自覚ないとか?)
ユキヤは内心戦慄する。
(いや、お前は怒るとめちゃくちゃ怖いのは事実だぞ・・・)
「まぁいいや、とりあえずご飯食べよ。」すみれが話題を変える。
「そ、そうだな・・・」ユキヤも同意する。
***
数日後。
塾生たちの間で、すみれに彼氏がいるという事は
周知の事実となっていた。
当のすみれがまったく隠す気が無かったからだ。
生徒に聞かれれば答えていたし、
スーパーなどで二人で買い物をしてる様子を、
生徒たちに目撃されることも多かった。
とはいえど、男子生徒の間でのすみれの人気は
落ちることはなかったし、
女生徒も『あの年齢でむしろいない方がおかしい』
という結論に達していて、そこまで影響はなかった。
(でも・・・それでも俺は・・・)
しかしすみれの事を知ってもなお、
戸草はそんな風に考えてしまっていた。
男子生徒の中で彼だけがすみれに対して
本気の好意を寄せていた・・・。
(俺は本気なんだ、すみれちゃん)
しかしそんな想いを抱きつつ、戸草はすみれの彼氏について
詮索する事は出来なかった。
「あーあ、片想いご苦労様だねぇ」
青柳がからかうように戸草に声を掛けた。
「うるせぇ」と戸草はぶっきらぼうに言い返す。
「だって白石先生彼氏いるじゃん」
「分かってるよ」
「てかあんた、この間から何なの?
『俺は本気なんだ』ってオーラ出しまくってさ。ウザいんだけど」
「・・・別にいいだろ」
戸草はふてくされたように言うと立ち去ってしまった。
「ばぁか・・・」青柳は戸草の後ろ姿を見ながらつぶやいた。
その夜、戸草はベッドで一人悶々としていた・・・。
塾の帰りに他の男子生徒たちと話した会話がいけなかった。
『すみれちゃん彼氏いるってことはさ、もう・・・シたのかな?』
『じゃあ彼氏、はあのおっぱいを
吸ったりもんだりしてるのか・・・?!』
『あのおっぱいを・・・!』
「・・・」戸草はベッドの上で悶々としていた。
(すみれちゃん、彼氏とどんな事するんだろう)
戸草の脳内に裸で横たわっている
すみれのイメージが浮かんでくる・・・。
(ダ、ダメだ!!こんなこと考えちゃ・・・)
頭ではそう思うが、広がるイメージは止まらない。
『先生・・・!もう我慢できないよ!』
『あぁん♡ダメよぉ、こんなところでぇ』
妄想の中のすみれが甘い声で答える。
(あのおっぱいを揉んでる男がいる・・・。)
戸草は想像の中でその相手になりきる。
(くそっ!やめろ俺!!そんなんじゃないだろ?!)
心の中で叫ぶが、妄想の勢いは止まらない。
『先生っ!好きだっ!!』
「あぁっ!!」思わず声が出てしまう。
しかしその声は自分しかいない・・・
(すみれちゃん・・・俺は・・・もう・・・)
こうして戸草は妄想まみれの長い夜を過ごすことになった・・・
***
同じ頃。
「あぁん・・・そんなとこに・・・そんな・・・」
「ふふ、ユキちゃんはここ弱いもんねぇ」
「あ、ああ・・・ダメぇ・・・」
ユキヤがベッドの上で甘い吐息を漏らす。
しかしその両腕は拘束されており動かせない。
「ほら、もう降参?」
「ま、まだだよぉ・・・んんっ!」
ユキヤが身体を大きく跳ねさせる。
(相変わらず弱いなぁ)
すみれは内心苦笑する。しかし手は止めない。
(さて次はどうしてあげようかなぁ)
そう思いながらすみれはユキヤの乳首に吸い付いた。
「あふぅっ!!・・・そんなに優しく嚙まないでぇっ・・・!」
またユキヤの身体が跳ねる。
(ふふっ!ユキちゃんは本当に可愛いわ)
「ねぇユキちゃんはどうして欲しいのかな?」
「え?・・・そ、それは・・・」
「ほら、乳首ビンビンになってきちゃったよ」
そう言いながらすみれはユキヤの乳房を揉みしだく。
「う、うるさいよ」顔を赤らめながらユキヤが応える。
「ふふ♪でもユキちゃんが正直に言ったら
ご褒美にいっぱい触ってあげようと思ってたんだけどなぁ」
「・・・うぅ」
「あれぇ、もうこんなになってるのにまだ言えないのかなぁ」
意地悪くすみれが言う。
「・・・です」
「ん~?聞こえないよぉ?」ニヤニヤと笑いながら聞き返す。
「・・・さ、触って欲しいです」
「どこを?」
「・・・ち、乳首・・・」恥ずかしそうにユキヤが答える。
(ふふっ!可愛い♪)
「よく言えました♪」そう言うと
すみれはユキヤの乳首をつまんだ。
「ひゃうっ!?」思わず声が出る。
そしてそのまま指先でクリクリと転がす様に弄ぶ。
「あぁ・・・っ!そこぉ・・・!」
ビクビクっと身体を震わせながら甘い声を漏らす。
「だ、ダメ・・・そんな風にされたら・・・!」
(もうすっかり出来上がっちゃって・・・)
「このまま続けたら、乳首だけでイケちゃうかな?」
すみれは先端をつまみながら意地悪く囁いた。
「そ、それは・・・無理・・・」
ユキヤは顔を真っ赤にしながら答えた。
「そう?じゃあやめちゃおっか」すみれがパッと指を離した。
(え・・・)ユキヤは一瞬戸惑った表情を見せた後、
すぐにハッとした顔になる。
「い、いや!続けて!」慌てて懇願するように言った。
「ふふっ♪素直になったね♪」
そう言うと再び指先で乳首を転がし始める。
今度は先程よりも少し強めに責め立てるように・・・。
「ひゃっ・・・はぁんん・・・」
ユキヤの声も徐々に甘く切ない感じになってくる。
(あぁユキちゃん、本当に可愛い♡
もっともっと気持ちよくさせたいなぁ・・・)
すみれも自分の気持ちが高ぶっていくのを感じていた。
「すみれ・・・お願い・・もう」
「ふふ♪」今度は指先でユキヤの胸の先端を強く摘まむ!
「ああぁぁんん!!」ビクビクと身体を痙攣させる。
どうやら軽く達してしまったのだろう。
「乳首だけでもいけちゃったね」すみれが耳元で囁いた。
「うぅ・・・」恥ずかしいのか、顔を背けるユキヤ。
「ほらぁ♪こっち見て♡」
すみれはユキヤの頬をつかみこちらを向かせる。
「ねぇ、キスしていい?」「だ、だめ!」
ユキヤは慌てて否定をする。
「どうして?」すみれは意地悪そうに微笑みながら聞く。
「・・・なんか、恥ずかしいから」ユキヤは顔を真っ赤にして答えた。
(ふふ可愛いなぁ)と思いながら、すみれはユキヤにキスをした。
「・・・ん・・・んん!」
ちゅっと音を立てて唇を離すと、今度は舌を入れてきた。
「うぷっ!んんっ!?」驚くユキヤだったがすぐに受け入れたようだ。
2人は舌を絡め合う濃厚なキスを続ける・・・。
そこには戸草をはじめとする男子生徒たちの想像と
真逆の光景が繰り広げられていた・・・。
つづく
手を振る女子に対し、すみれも手を振り返す。
ここはすみれのバイト先の小中学生向けの学習塾。
以前は従弟である圭太の家庭教師のバイトをしていた彼女だが、
最近圭太が受験のために
本格的な予備校に通うようになってしまったため、
こちらの塾の講師バイトを開始していた。
(圭太君ももう受験なんだなぁ・・・)
すみれはしみじみとそんな事を考える。
(さて、次は中学生の英語だっけか・・・)
次の授業の用意をしながら、すみれは頭の中で
授業のスケジュールを確認する。
「あ、すみれちゃん、こんにちわ~」
すみれの受け持つ男子塾生が声を掛けた。
「もぉ!先生って言いなさい!」
すみれが軽く叱る。
「えへへ、今日も可愛いね、先生」
彼は特に気にした様子もなく答える。
(う~ん・・・私ってば怒っても怖くないのかな?)
すみれは少しだけ自信を失くしそうになった。
「はいはい、ほらさっさと自習室に戻る!」
「はーい」
***
「やっぱうちの塾の中ではすみれちゃんが一番かわいいよな!」
授業が終わり、帰り支度中の中学生たちが教室で雑談している。
「てかホントに二十歳なのかねすみれちゃんて」
「講師募集の条件が大学生以上だからそうなんじゃないか?」
男子生徒の間ではすみれはちょっとしたアイドルになっていた。
童顔で小柄な外見が、彼らに親近感を与えているようだ。
「さっきから!あんたらは何しに塾来てるのよ!」
女生徒が注意する。
「あーまた青柳が怒ったぞ」
「青柳は怒りっぽいなぁ」
「あんたが怒らせてるんでしょうが!」
青柳と呼ばれた女生徒が怒鳴る。
「青柳は怒りっぽいから彼氏できないんだよ」
「うっさいわね!」
「青柳ちゃん、バカな男子なんかほっときなよ」
後ろから別の女生徒が止める。
「バカとはなんだぁー!!」
・・・そんな感じで生徒たちがわいわい騒いでいた
。
「あ、そういえば白石先生って彼氏いるのかな?」
もう一人の女生徒が話題を変える。
「え?どうだろ?」中学生たちは少し考える。
「前にすみれちゃんが男と歩いてるの見たぞ」男子生徒が言う。
「え?マジ?!どんな人?!」
「知らないよ!後ろ姿だけだから!
背高かったし、多分大人の男の人!」
「なんだつまんねーの」
「・・・でもそれ彼氏って決まったわけじゃないだろ!」
男子生徒中で先ほどから一人大人しかった生徒が口を開く。
「何だよ戸草、どうした急に?」
「いや、なんとなく気になっただけ・・・」
戸草と呼ばれた男子は口ごもる。
「まぁ確かに彼氏かどうかは分からねぇけど、
しかし、すみれちゃんってなんかこう・・・エロいよな」
男子生徒の一人が呟く。
「そうそう、おっぱい大きいし」
「それな!」もう一人の男子生徒が同意する。
「あんたらねぇ・・・」青柳が呆れ顔で言う。
「でも実際エロいよな」
「うんうん、あんな先生がいたら勉強どころじゃないって」
「・・・確かにあの胸は反則だけど・・・」と戸草も呟く。
「まったく、男子ってすぐこうなんだからやーよねぇ!」
「ホントにあんたら男子ってバカで下品よねー」
と女子たちが呆れたように口にする。。
「でも実際すみれちゃんって彼氏いるのかな?」
男子の一人がまた呟く。
「だから知らないってば!本人に聞いてみればいいじゃん!」
そう青柳が言う
。
「・・・そんなことが出来たら」
戸草は聞こえないように頷いた。
***
「男の子たち、みんな『先生』って呼んでくれないんだよ!」
バイトの後、すみれが自宅で遅い夕食を食べながらぼやいていた。
「まぁ、男子中学生なんてそんなもんでしょ」
と一緒に焼き魚を食べながらユキヤは返す。
二人は今、リビングで夕食を取っていた。
「俺らも中高の頃は、可愛い先生とかよくちゃん付けしてたし」
「そうなんだ・・・でもなんか、学生の男の子に
『ちゃん』付けされると変かも」
すみれは渋い顔をする。
「嫌われてるよりいいとは思うけど。」
「まぁ、それはそうなんだけどさ・・・」
すみれは箸をすすめる。
「・・・友達扱いが嫌なわけじゃないけど、
講師としてどうなんだろうねと思うんだよね」
「別に友達でもいいじゃん?」ユキヤは軽く返す。
「・・・そう思われちゃうのは、怒っても怖くないからかな?」
すみれは苦笑する。
「・・・ない」ユキヤが小声でつぶやく。
「え?どうしたのユキヤ?」
すみれが不思議そうに聞き返した。
「いや!それ絶対ないから安心しろ!」
ユキヤが真顔かつ力強く否定する。
「え?」
「いや、だってさ・・・お前は怒るとめっちゃ怖い・・・」
ユキヤが真顔のままで言う。
「・・・そう?そんなに怖くないと思うけど・・・」
「いやいやいや!マジで!」
青ざめたユキヤが顔の前で手をぶんぶん振る。
(たまに笑ってても怖い時だってある・・・)
という言葉も喉まで出かかったが必死で押しとどめた。
「えぇ~?」すみれは納得いかない様子だ。
(まさか自覚ないとか?)
ユキヤは内心戦慄する。
(いや、お前は怒るとめちゃくちゃ怖いのは事実だぞ・・・)
「まぁいいや、とりあえずご飯食べよ。」すみれが話題を変える。
「そ、そうだな・・・」ユキヤも同意する。
***
数日後。
塾生たちの間で、すみれに彼氏がいるという事は
周知の事実となっていた。
当のすみれがまったく隠す気が無かったからだ。
生徒に聞かれれば答えていたし、
スーパーなどで二人で買い物をしてる様子を、
生徒たちに目撃されることも多かった。
とはいえど、男子生徒の間でのすみれの人気は
落ちることはなかったし、
女生徒も『あの年齢でむしろいない方がおかしい』
という結論に達していて、そこまで影響はなかった。
(でも・・・それでも俺は・・・)
しかしすみれの事を知ってもなお、
戸草はそんな風に考えてしまっていた。
男子生徒の中で彼だけがすみれに対して
本気の好意を寄せていた・・・。
(俺は本気なんだ、すみれちゃん)
しかしそんな想いを抱きつつ、戸草はすみれの彼氏について
詮索する事は出来なかった。
「あーあ、片想いご苦労様だねぇ」
青柳がからかうように戸草に声を掛けた。
「うるせぇ」と戸草はぶっきらぼうに言い返す。
「だって白石先生彼氏いるじゃん」
「分かってるよ」
「てかあんた、この間から何なの?
『俺は本気なんだ』ってオーラ出しまくってさ。ウザいんだけど」
「・・・別にいいだろ」
戸草はふてくされたように言うと立ち去ってしまった。
「ばぁか・・・」青柳は戸草の後ろ姿を見ながらつぶやいた。
その夜、戸草はベッドで一人悶々としていた・・・。
塾の帰りに他の男子生徒たちと話した会話がいけなかった。
『すみれちゃん彼氏いるってことはさ、もう・・・シたのかな?』
『じゃあ彼氏、はあのおっぱいを
吸ったりもんだりしてるのか・・・?!』
『あのおっぱいを・・・!』
「・・・」戸草はベッドの上で悶々としていた。
(すみれちゃん、彼氏とどんな事するんだろう)
戸草の脳内に裸で横たわっている
すみれのイメージが浮かんでくる・・・。
(ダ、ダメだ!!こんなこと考えちゃ・・・)
頭ではそう思うが、広がるイメージは止まらない。
『先生・・・!もう我慢できないよ!』
『あぁん♡ダメよぉ、こんなところでぇ』
妄想の中のすみれが甘い声で答える。
(あのおっぱいを揉んでる男がいる・・・。)
戸草は想像の中でその相手になりきる。
(くそっ!やめろ俺!!そんなんじゃないだろ?!)
心の中で叫ぶが、妄想の勢いは止まらない。
『先生っ!好きだっ!!』
「あぁっ!!」思わず声が出てしまう。
しかしその声は自分しかいない・・・
(すみれちゃん・・・俺は・・・もう・・・)
こうして戸草は妄想まみれの長い夜を過ごすことになった・・・
***
同じ頃。
「あぁん・・・そんなとこに・・・そんな・・・」
「ふふ、ユキちゃんはここ弱いもんねぇ」
「あ、ああ・・・ダメぇ・・・」
ユキヤがベッドの上で甘い吐息を漏らす。
しかしその両腕は拘束されており動かせない。
「ほら、もう降参?」
「ま、まだだよぉ・・・んんっ!」
ユキヤが身体を大きく跳ねさせる。
(相変わらず弱いなぁ)
すみれは内心苦笑する。しかし手は止めない。
(さて次はどうしてあげようかなぁ)
そう思いながらすみれはユキヤの乳首に吸い付いた。
「あふぅっ!!・・・そんなに優しく嚙まないでぇっ・・・!」
またユキヤの身体が跳ねる。
(ふふっ!ユキちゃんは本当に可愛いわ)
「ねぇユキちゃんはどうして欲しいのかな?」
「え?・・・そ、それは・・・」
「ほら、乳首ビンビンになってきちゃったよ」
そう言いながらすみれはユキヤの乳房を揉みしだく。
「う、うるさいよ」顔を赤らめながらユキヤが応える。
「ふふ♪でもユキちゃんが正直に言ったら
ご褒美にいっぱい触ってあげようと思ってたんだけどなぁ」
「・・・うぅ」
「あれぇ、もうこんなになってるのにまだ言えないのかなぁ」
意地悪くすみれが言う。
「・・・です」
「ん~?聞こえないよぉ?」ニヤニヤと笑いながら聞き返す。
「・・・さ、触って欲しいです」
「どこを?」
「・・・ち、乳首・・・」恥ずかしそうにユキヤが答える。
(ふふっ!可愛い♪)
「よく言えました♪」そう言うと
すみれはユキヤの乳首をつまんだ。
「ひゃうっ!?」思わず声が出る。
そしてそのまま指先でクリクリと転がす様に弄ぶ。
「あぁ・・・っ!そこぉ・・・!」
ビクビクっと身体を震わせながら甘い声を漏らす。
「だ、ダメ・・・そんな風にされたら・・・!」
(もうすっかり出来上がっちゃって・・・)
「このまま続けたら、乳首だけでイケちゃうかな?」
すみれは先端をつまみながら意地悪く囁いた。
「そ、それは・・・無理・・・」
ユキヤは顔を真っ赤にしながら答えた。
「そう?じゃあやめちゃおっか」すみれがパッと指を離した。
(え・・・)ユキヤは一瞬戸惑った表情を見せた後、
すぐにハッとした顔になる。
「い、いや!続けて!」慌てて懇願するように言った。
「ふふっ♪素直になったね♪」
そう言うと再び指先で乳首を転がし始める。
今度は先程よりも少し強めに責め立てるように・・・。
「ひゃっ・・・はぁんん・・・」
ユキヤの声も徐々に甘く切ない感じになってくる。
(あぁユキちゃん、本当に可愛い♡
もっともっと気持ちよくさせたいなぁ・・・)
すみれも自分の気持ちが高ぶっていくのを感じていた。
「すみれ・・・お願い・・もう」
「ふふ♪」今度は指先でユキヤの胸の先端を強く摘まむ!
「ああぁぁんん!!」ビクビクと身体を痙攣させる。
どうやら軽く達してしまったのだろう。
「乳首だけでもいけちゃったね」すみれが耳元で囁いた。
「うぅ・・・」恥ずかしいのか、顔を背けるユキヤ。
「ほらぁ♪こっち見て♡」
すみれはユキヤの頬をつかみこちらを向かせる。
「ねぇ、キスしていい?」「だ、だめ!」
ユキヤは慌てて否定をする。
「どうして?」すみれは意地悪そうに微笑みながら聞く。
「・・・なんか、恥ずかしいから」ユキヤは顔を真っ赤にして答えた。
(ふふ可愛いなぁ)と思いながら、すみれはユキヤにキスをした。
「・・・ん・・・んん!」
ちゅっと音を立てて唇を離すと、今度は舌を入れてきた。
「うぷっ!んんっ!?」驚くユキヤだったがすぐに受け入れたようだ。
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