【完結】飯屋ではありません薬屋です。

たちばな樹

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妹が来てからウチから漂う料理の煙は塀を越え騎士団警備隊に届いていた。

毎日嗅がされる美味そうな香りに皆が限界になったらしい。


「ルリちゃんが来てからお前の肌色良くなっただろ」
「毎日嗅がされる身になってみろ!匂いの暴力だ!拷問だ!」
「ご馳走を匂いだけでお預けだからな!」
「お前だけズルイっす!!」



こっちは唯の普通の毎日な生活だ!
知るか!!
何がズルイだ!!
兄妹だ!!
家族だ!!
文句あるかーーーーーー!!!







「飯食べに来た!!!」
「匂いに誘われまして……」
「風に乗ってくる美味しい匂いにいつも我慢してたんだぜ」
「この間のご飯美味しかったっす!」



真相を知った妹がポカンと口を開けて呆けていた。
その後、即座に物凄い剣幕で騎士達に詰め寄る様は、怒髪天の形相で怖かった。

その怖い顔を晒すと嫁の貰い手に困るから辞めとけよ、とは言わなかった俺はヘタレじゃない。
悪くない。

その顔見て、引くなら好都合。



お前らに妹はやらん!!





初めてウチで飯を食べた時ーーー



こいつらをー目見れば分かる。



飯目当てから目標変更してるだろ!!






「食材はタダじゃないのよー!!!」

「食材持ってこい!じゃなくば作らん!!!」




妹の怒号に屈強な男達が、御意!!と礼をし市場へと駆け出した。





マッチョを飯で操る妹に俺はどうしたらいいだろうか。








我が薬屋は飯時になるとマッチョが群がる。




匂いに釣られ。
ワラワラと。





騎士共仕事しろーーーーー!!






ここは薬屋だぁあああーーーーーー!!!











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