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3.寝込みを襲えば楽勝だ!
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日が暮れるまで、木の枝から枝へ飛び移りながら探索を行った。
熊のようなモンスターと人型のモンスターを見かけたが、最初に観察したあの二人以来、冒険者の姿を見かけることはなかったんだ。
冒険者がわんさかいるようだったら、おこぼれだけで生きていけると思ったけど……世の中そう甘くはない。
もちろん、非情な現実はそのままで、ユーカリの木も一本たりとも見かけることはなかった……。
そんなわけで一日探索した結果分かったことは、モンスターをどうにかして倒さなきゃならないって現実を突きつけられただけだったのだ。
こうして木の上で考え事をしている間にもユーカリの在庫は確実に減っていっている。
もしゃもしゃ……。
ユーカリうめえ。
……ともかく。
ここで俺は違和感を覚える。
キョロキョロと左右を見渡して、目をぱちくりさせた。
今まさに日が落ち夕方から夜に変わろうとしており、満月が光を増してきている。
だというのに、俺の視界はハッキリしていて、昼間よりもむしろ視界が良好な気さえするんだ。
思考力も真昼間よりむしろ冴えているような……。
そっか。
俺は人間ではない。コアラだ。
ユーカリの葉を食べ、樹上生活を行っている。
当たり前だけど、俺は産まれてこの方ずっと人間だった。だから、人間の時の感覚、常識が俺にとって当たり前なことは当然である。
だが、その感覚がコアラである俺の可能性をスポイルしているんだ。
コアラは薄明薄暮性。
夜目は効くし、今日のような満月の日だと夜でも行動に支障がないはず。
現に視界はクリアなわけだしな。
地球だと猫とか肉食性の猛獣の多くは薄明薄暮性だという。そいつらに対する生存能力を高めるため、一部の草食動物は薄明薄暮性に進化したのだという説がある。
何が言いたいのかというと、モンスターも含め生き物ってのは「活動時間」ってのがあるのだ。
つまり、寝込みを襲えばか弱い俺であってもチャンスがある。
「つっても、素手だとどうしようもないな……」
自分の両手を見やりため息をつく。
鋭い爪は生えそろっているけど、しょせん木登りするためのものだからな。敵の肉を切り裂くことなんてできやしない。
だけど、俺は普通のコアラではない。
元人間である。
一応、人間並みの思考力を持っている……よな? たぶん。
「自分の爪が使えないなら、武器を使えばいい」
◇◇◇
――見つけた。
白骨化した人間の亡骸の傍に半ばほどで折れた槍が落ちている。
素早く地面に降り立ち、槍を掴んでさささっと樹上に戻った俺。
穂先が錆びているけど、柄は木製で長さも一メートルに届かないくらいだから小柄な俺でも扱える。
武器としては上々だ!
ホクホクとした気持ちでユーカリの葉をもしゃる。
お次は獲物を探さねばな。
樹上を移動し始めてすぐに木の根元で気持ちよく眠るイノシシを発見する。
たぶん……イノシシだよな。大きさは俺の知っているイノシシと同じくらいだけど、頭から角が生えている。
気のせいだ。うん。
イノシシは木の根元を少しだけ掘って、そこに単独で寝ている様子。
これほど、待ってましたなシチュエーションは早々ないだろう。
「チャンスだ……しくじると反撃されるかもしれないけど……ここでやらねば……」
ゴクリと生唾を飲み込み、イノシシの眠る大木から伸びる枝へ隣の木の枝を伝って音を立てぬように移動する。
イノシシまでの距離はおよそ七メートル。
槍を下向きに構え――。
枝から飛び降りる!
グサリ――。
真っ直ぐに落下する。そのまま穂先がイノシシの頭に突き刺さり、地面まで貫通した。
脳天を破壊されたイノシシは、悲鳴もあげずにそのまま絶命する。
力の無い俺でも重力の力を借りれば、なんとななるみたいだな。
ホッと胸を撫でおろしていると、イノシシが砂のようにサラサラと消えて行く。
イノシシの死骸があった場所には、笹の葉が三枚だけ残っていた……。
ユーカリは?
ねえ、ユーカリはどこ……。
笹なんてゴミは要らねえんだよお!
せっかく苦労して倒したってのにあんまりだ。
『レベルが上がりました。スキルポイントを獲得しました。固有スキル「ユーカリサーチ」を覚えました』
ん?
脳内にメッセージが流れる。
レベルアップとな。
脳内コマンドを開いてみると、レベルが三になっていた。
レベルがあがれば俺も強くなるんだろうか?
スキルポイントと固有スキルがあることから、レベルよりスキルの方が重要かもしれん。
えっと、スキルを使うにはどうすりゃいいんだ?
「ユーカリサーチって、まんまじゃねえかよ」
『ユーカリサーチを発動します』
お、おお?
頭に思い浮かべただけでスキルが発動するらしい。
な、なんだと……こ、こいつはすげえ!
円形の的にレーダーを照射したかのように、光の線がグルリと円盤を回転すると赤い光が二つ浮かび上がった。
この円盤がどれくらいの半径なのか分からないけど、赤い点がユーカリに違いない!
ユーカリが近くにあるとあっては、居ても立っても居られないってもんだ。
赤い点のあった方向へ目をやるが、円盤がざっくりとしているから分からん。
高さも不明、距離も不明。方向だけ……となるとなあ……。
それでも、俺は、やる。
探してみせる。
このスキルは慣れが必要だが、モノにすると非常に役に立つことは確かなんだ。
あんまり長い時間、慣れるために費やすことはできないが、完全にモノにするまでは機をみて練習せねばな。
◇◇◇
三十分くらいユーカリサーチを使いながら探していると、ようやく二枚のユーカリを発見することができた。
冒険者が捨て置いたものらしく、落ち葉にまじってユーカリの葉が地面に落ちていたんだ。
何度もユーカリサーチを使ったからか、だいぶ慣れてきた。
「スキルの使用回数とかってあるのかな……」
MPとかSPといったスキル使用に関する数値も分からないし、スキル使用回数といった回数表示も不明。
調査系や自己分析系のスキルがあれば、把握できるようになるかもしれないな。今後に期待ってところか。
だけど、少なくとも十回以上「ユーカリサーチ」を使用したが、体に疲労感は無くまだまだ使えそうだ。
樹上でさきほど拾ったユーカリをもしゃりながら、お次はスキルポイントについて調べてみることにした。
『コマンド
ステータス
アイテムボックス
スキル
……』
コマンドにスキルってのが増えている。
これかなあ。
スキルを選んでみたら、スキルマネジメントってのが出て来た。
だがしかし。
『まだこのコマンドは解放されていません』
と表示されている。
……。
きっとスキルマネジメントでスキルポイントを使ってスキルを習得したりできるんだろうけど、解放されていないのなら仕方ない。
解放条件は不明。レベルが上がれば解放されるっていうのなら楽でいいんだけど……。
何か他に変わっているところがあるかどうか、念のためにチェックしておくか。
「便利といえば便利だけど……」
ステータスにスキル一覧ってのが加わっていた。
開いてみたら、固有スキルのところにユーカリサーチが記載されている。
今後、スキルを覚えていったら表示が増えていくのだろう。
「よおし、ユーカリサーチを使いつつ、次の獲物を探すか」
次のドロップアイテムが笹じゃあないことを祈る。
※少しでも気になる方は、ぜひぜひブックマークをしていただけますと嬉しいです。
熊のようなモンスターと人型のモンスターを見かけたが、最初に観察したあの二人以来、冒険者の姿を見かけることはなかったんだ。
冒険者がわんさかいるようだったら、おこぼれだけで生きていけると思ったけど……世の中そう甘くはない。
もちろん、非情な現実はそのままで、ユーカリの木も一本たりとも見かけることはなかった……。
そんなわけで一日探索した結果分かったことは、モンスターをどうにかして倒さなきゃならないって現実を突きつけられただけだったのだ。
こうして木の上で考え事をしている間にもユーカリの在庫は確実に減っていっている。
もしゃもしゃ……。
ユーカリうめえ。
……ともかく。
ここで俺は違和感を覚える。
キョロキョロと左右を見渡して、目をぱちくりさせた。
今まさに日が落ち夕方から夜に変わろうとしており、満月が光を増してきている。
だというのに、俺の視界はハッキリしていて、昼間よりもむしろ視界が良好な気さえするんだ。
思考力も真昼間よりむしろ冴えているような……。
そっか。
俺は人間ではない。コアラだ。
ユーカリの葉を食べ、樹上生活を行っている。
当たり前だけど、俺は産まれてこの方ずっと人間だった。だから、人間の時の感覚、常識が俺にとって当たり前なことは当然である。
だが、その感覚がコアラである俺の可能性をスポイルしているんだ。
コアラは薄明薄暮性。
夜目は効くし、今日のような満月の日だと夜でも行動に支障がないはず。
現に視界はクリアなわけだしな。
地球だと猫とか肉食性の猛獣の多くは薄明薄暮性だという。そいつらに対する生存能力を高めるため、一部の草食動物は薄明薄暮性に進化したのだという説がある。
何が言いたいのかというと、モンスターも含め生き物ってのは「活動時間」ってのがあるのだ。
つまり、寝込みを襲えばか弱い俺であってもチャンスがある。
「つっても、素手だとどうしようもないな……」
自分の両手を見やりため息をつく。
鋭い爪は生えそろっているけど、しょせん木登りするためのものだからな。敵の肉を切り裂くことなんてできやしない。
だけど、俺は普通のコアラではない。
元人間である。
一応、人間並みの思考力を持っている……よな? たぶん。
「自分の爪が使えないなら、武器を使えばいい」
◇◇◇
――見つけた。
白骨化した人間の亡骸の傍に半ばほどで折れた槍が落ちている。
素早く地面に降り立ち、槍を掴んでさささっと樹上に戻った俺。
穂先が錆びているけど、柄は木製で長さも一メートルに届かないくらいだから小柄な俺でも扱える。
武器としては上々だ!
ホクホクとした気持ちでユーカリの葉をもしゃる。
お次は獲物を探さねばな。
樹上を移動し始めてすぐに木の根元で気持ちよく眠るイノシシを発見する。
たぶん……イノシシだよな。大きさは俺の知っているイノシシと同じくらいだけど、頭から角が生えている。
気のせいだ。うん。
イノシシは木の根元を少しだけ掘って、そこに単独で寝ている様子。
これほど、待ってましたなシチュエーションは早々ないだろう。
「チャンスだ……しくじると反撃されるかもしれないけど……ここでやらねば……」
ゴクリと生唾を飲み込み、イノシシの眠る大木から伸びる枝へ隣の木の枝を伝って音を立てぬように移動する。
イノシシまでの距離はおよそ七メートル。
槍を下向きに構え――。
枝から飛び降りる!
グサリ――。
真っ直ぐに落下する。そのまま穂先がイノシシの頭に突き刺さり、地面まで貫通した。
脳天を破壊されたイノシシは、悲鳴もあげずにそのまま絶命する。
力の無い俺でも重力の力を借りれば、なんとななるみたいだな。
ホッと胸を撫でおろしていると、イノシシが砂のようにサラサラと消えて行く。
イノシシの死骸があった場所には、笹の葉が三枚だけ残っていた……。
ユーカリは?
ねえ、ユーカリはどこ……。
笹なんてゴミは要らねえんだよお!
せっかく苦労して倒したってのにあんまりだ。
『レベルが上がりました。スキルポイントを獲得しました。固有スキル「ユーカリサーチ」を覚えました』
ん?
脳内にメッセージが流れる。
レベルアップとな。
脳内コマンドを開いてみると、レベルが三になっていた。
レベルがあがれば俺も強くなるんだろうか?
スキルポイントと固有スキルがあることから、レベルよりスキルの方が重要かもしれん。
えっと、スキルを使うにはどうすりゃいいんだ?
「ユーカリサーチって、まんまじゃねえかよ」
『ユーカリサーチを発動します』
お、おお?
頭に思い浮かべただけでスキルが発動するらしい。
な、なんだと……こ、こいつはすげえ!
円形の的にレーダーを照射したかのように、光の線がグルリと円盤を回転すると赤い光が二つ浮かび上がった。
この円盤がどれくらいの半径なのか分からないけど、赤い点がユーカリに違いない!
ユーカリが近くにあるとあっては、居ても立っても居られないってもんだ。
赤い点のあった方向へ目をやるが、円盤がざっくりとしているから分からん。
高さも不明、距離も不明。方向だけ……となるとなあ……。
それでも、俺は、やる。
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このスキルは慣れが必要だが、モノにすると非常に役に立つことは確かなんだ。
あんまり長い時間、慣れるために費やすことはできないが、完全にモノにするまでは機をみて練習せねばな。
◇◇◇
三十分くらいユーカリサーチを使いながら探していると、ようやく二枚のユーカリを発見することができた。
冒険者が捨て置いたものらしく、落ち葉にまじってユーカリの葉が地面に落ちていたんだ。
何度もユーカリサーチを使ったからか、だいぶ慣れてきた。
「スキルの使用回数とかってあるのかな……」
MPとかSPといったスキル使用に関する数値も分からないし、スキル使用回数といった回数表示も不明。
調査系や自己分析系のスキルがあれば、把握できるようになるかもしれないな。今後に期待ってところか。
だけど、少なくとも十回以上「ユーカリサーチ」を使用したが、体に疲労感は無くまだまだ使えそうだ。
樹上でさきほど拾ったユーカリをもしゃりながら、お次はスキルポイントについて調べてみることにした。
『コマンド
ステータス
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スキル
……』
コマンドにスキルってのが増えている。
これかなあ。
スキルを選んでみたら、スキルマネジメントってのが出て来た。
だがしかし。
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……。
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解放条件は不明。レベルが上がれば解放されるっていうのなら楽でいいんだけど……。
何か他に変わっているところがあるかどうか、念のためにチェックしておくか。
「便利といえば便利だけど……」
ステータスにスキル一覧ってのが加わっていた。
開いてみたら、固有スキルのところにユーカリサーチが記載されている。
今後、スキルを覚えていったら表示が増えていくのだろう。
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