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11.ご一緒
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「じゃ、じゃあ。協力してエルダートレントを倒すってのはどうだろう?」
「何!」
むっさ目を見開かれた。
そ、そうだよな。トリアノンにとっては、一対一で戦って打ち倒してこそ名誉だろう。
ゆらりと頭を動かす彼女へ、こいつはマズイと慌てて両手をブンブン振って口を開く。
「い、いや。あ、気を悪くしたのなら、ごめん。ただのじょうだ……」
「もふも……熟練者との共闘、是非、こちらからもお願いしたい」
「え?」
「共に戦おう。なあに休息する時は気にせず一緒に休むことができるぞ。オルトロスがいるからな」
「俺、割に夜行性で……」
「そうか。そろそろ寝るのかと思ったのだが」
目が怖い。
指先をわしゃわしゃさせているけど、なんかこう戦いとは別の邪な気持ちから「共に戦う」とか言ってない?
いや、この際、彼女の事情なんてどうでもいい。
エルダートレントさえ討伐できりゃあな。
ここは変な流れを断ち切り、話を進めないとな。
「エルダートレントをどうやって倒すか、作戦を決めないか?」
「うむ。連携は大事だ」
「おう」
あれやこれやとトリアノンと話し合った結果、エルダートレントに挑むのは日が沈んでから。
ジャックオーランタンの活発さは変わらないけど、本体であるエルダートレントの動きが鈍っているように思えるという単純な理由だ。
で、どうやって討伐するかなんだが……。
オルトロスとトリアノンがジャックオーランタンを引きつけつつ、俺がエルダートレントを奇襲するってザルもいいとこのざっくりし過ぎた作戦に決まった。
「俺はその作戦でいいけど、オルトロスはともかくトリアノンは平気なのか?」
「任せろ。貴君の奇襲の後、追撃もする」
「え、えっと。トリアノンってテイマーだよな?」
「いかにも」
俺の認識は合っていた。
彼女はオルトロスのようなモンスターを使役し、戦ってもらうテイマーである。
テイマーって自分のペットをサポートする役目で、戦士みたいな前衛じゃあないだろ?
改めて彼女の装備に目をやる。
全身鎧。フルフェイスの兜。おまけに大きな戦斧を脇に置いていた。
あれえ?
「その斧でぶった切るの?」
「もちろんだ! 木と言えば斧だろ?」
「あ、うん」
もはや何も言うまい。
彼女はバトルマニアの脳筋……ってことでいいんだな。
「さあ、そうと決まったら行くぞ!」
「え、え。ちょっと引っ張らないで」
舐めていた。
決めたら即実行ってどういうことだよ?
偵察したりとか、決行前にやることいろいろあるだろお。準備って大切なんだぞ。
ぐぐぐっと地面を引きずり抵抗していたら、背中を掴まれふわりと宙に浮く。
「何だ。抱っこが良かったのか。全く」
「俺、移動は木の上なんだ」
むぎゅーっと抱きしめられてしまうが、鎧が痛くて叶わん。
何とかして脱出し、するすると太い木の幹を登り始める。
「っち」
「今、舌打ちしていなかった?」
「気のせいだ。一つ聞きたいことがある」
「何だろう?」
「エルダートレントがどこにいるか分かるか?」
「分かるけど……先導する……」
じゃあ、さっきの「行くぞ」は何だったんだ。
ノープランで歩き始めたってのかよおお。よくそれで今まで生き残ってこれたな……。
◇◇◇
そんなわけでやってまいりました。エルダートレントのいる場所まで。
「ここを真っ直ぐ進み、あの木が見えるか?」
「うむ」
「あの木の奥に入ると、エルダートレントのテリトリーだ」
「そうか」
いや、そこで何で斧を構える?
兜もしっかりと装着しているし……。
「行くぞ! オルトロス」
トリアノンの呼びかけに応じ、オルトロスが力一杯咆哮をあげる。
ちょ、おま。
こんなところで、そんな大声出したら……。
ほら、ジャックオーランタンが集まってきてるじゃねえかよ。
ここはエルダートレントのお膝元なんだぞ。
なるべく静かに進み、ジャックオーランタンをやり過ごせるだけやり過ごした方がいいに決まってる。
「後から行く。頼むぞ。ソウシ」
「分かった」
嬉々として斧をブンと一振りしたトリアノンはオルトロスと共に駆け出す。
一番手前にいたジャックオーランタンを斧で真っ二つにしたトリアノン。
一方でオルトロスも負けていない。
高く跳躍し、前脚で打ち払うように宙に浮くジャックオーランタンを叩きつけ、地面に転がすと止めとばかりに踏みつける。
も、もういいや。
この強さならジャックオーランタンが物量で攻めようとも、そうそう崩れないだろ。
俺は俺で進むとするか。
枝を伝い、エルダートレントの元へ向かう。
植物系モンスター相手に通用するか分からないけど、ステルスと忍び足を発動させておいた。
後ろからオルトロスとトリアノンの奇声が聞こえてくるが、気にしないことにしてエルダートレントの縄張りに入る。
いたいた。
エルダートレントが先日見た位置と全く同じところでじっと息を潜めている。
周囲の大木より若干背が高く、二十メートルには届かないくらいだろうか。
太い幹には洞が三つあり、目と口のようになっている。鼻にあたる部分はピノキオの鼻のように高く伸びていた。
枝には葉の代わりに鋭い刃が生えており、あれを振り回されたらなかなか厄介だ。
一発当たっただけでもおそらく俺の身体がズダボロになることは想像に難くない。
動物学――。
よし、発動。
植物ぽいモンスターだから、赤い丸が見えないかもと懸念したけど……バッチリ見える。
エルダートレントの弱点は、目に見える洞の奥らしい。
人間なら洞は小さ過ぎて無理だけど、俺の体の大きさなら洞から中に入ることができそうだ。
といっても、洞の中がどうなっているか分からないし、危険過ぎるよな……。
ならばと他に弱点が無いか目を凝らすが、見当たらない。
さて、どうする?
こんな時こそ、冷静に周囲をしっかりと観察しなきゃならねえ。俺がどっかの脳筋と同じことをすれば、一たまりもないからな。
いつもはエルダートレントを護衛するように周囲をふよふよしているジャックオーランタンは……いない。
不意打ちを喰らわせようとする影に潜むジャックオーランタンもいないな。
どうやら、エルダートレントはテリトリーのすぐ外の外敵にジャックオーランタンを集中させたようだ。
ひょっとして、トリアノンはこの状況を作り出すためにあれだけ派手に暴れているのか?
いやいや、まさかあ。
首を振り、ワザとらしくおどけてみせるが、ただの一人芝居だ……ちょっとだけ虚しい。
でも、こいつはまたとないチャンスだぞ。
エルダートレント自身もジャックオーランタンを動かすために集中しているのか、俺がいることに気が付いた様子はない。
――やってやる!
トリアノンのいる今しかねえ。
あの枝からが良さそうだ。
エルダートレントに気が付かれないようにゆっくりと音を立てぬよう枝から枝を渡り、目的の枝まで移動する。
枝にぶらーんぶらーんとぶら下がり、勢いをつけ手を離す。
行くぞ!
枝から斜めに落ちて行く俺の目指す先は――弱点である目にあたる洞の中だ!
「よし」
すぽんと見事に洞の中に入りこむ。
中は人間の目だと暗いのだろうが、俺にとっては視界良好。
ガランとした洞の中で、再度動物学を発動。
足元に赤い丸が見える。
赤い丸の大きさは両の手の平を合わせたくらいしかなく、巨大なモンスターの弱点にしては随分小さいものだった。
さすがに自分の体内であるからか、エルダートレントは鋭い刃を差し込んで俺を切り裂こうとはして来ない。
アイテムボックスから槍を取り出し、大きく上に槍を掲げ全体重を乗せ、振り下ろす。
「何!」
むっさ目を見開かれた。
そ、そうだよな。トリアノンにとっては、一対一で戦って打ち倒してこそ名誉だろう。
ゆらりと頭を動かす彼女へ、こいつはマズイと慌てて両手をブンブン振って口を開く。
「い、いや。あ、気を悪くしたのなら、ごめん。ただのじょうだ……」
「もふも……熟練者との共闘、是非、こちらからもお願いしたい」
「え?」
「共に戦おう。なあに休息する時は気にせず一緒に休むことができるぞ。オルトロスがいるからな」
「俺、割に夜行性で……」
「そうか。そろそろ寝るのかと思ったのだが」
目が怖い。
指先をわしゃわしゃさせているけど、なんかこう戦いとは別の邪な気持ちから「共に戦う」とか言ってない?
いや、この際、彼女の事情なんてどうでもいい。
エルダートレントさえ討伐できりゃあな。
ここは変な流れを断ち切り、話を進めないとな。
「エルダートレントをどうやって倒すか、作戦を決めないか?」
「うむ。連携は大事だ」
「おう」
あれやこれやとトリアノンと話し合った結果、エルダートレントに挑むのは日が沈んでから。
ジャックオーランタンの活発さは変わらないけど、本体であるエルダートレントの動きが鈍っているように思えるという単純な理由だ。
で、どうやって討伐するかなんだが……。
オルトロスとトリアノンがジャックオーランタンを引きつけつつ、俺がエルダートレントを奇襲するってザルもいいとこのざっくりし過ぎた作戦に決まった。
「俺はその作戦でいいけど、オルトロスはともかくトリアノンは平気なのか?」
「任せろ。貴君の奇襲の後、追撃もする」
「え、えっと。トリアノンってテイマーだよな?」
「いかにも」
俺の認識は合っていた。
彼女はオルトロスのようなモンスターを使役し、戦ってもらうテイマーである。
テイマーって自分のペットをサポートする役目で、戦士みたいな前衛じゃあないだろ?
改めて彼女の装備に目をやる。
全身鎧。フルフェイスの兜。おまけに大きな戦斧を脇に置いていた。
あれえ?
「その斧でぶった切るの?」
「もちろんだ! 木と言えば斧だろ?」
「あ、うん」
もはや何も言うまい。
彼女はバトルマニアの脳筋……ってことでいいんだな。
「さあ、そうと決まったら行くぞ!」
「え、え。ちょっと引っ張らないで」
舐めていた。
決めたら即実行ってどういうことだよ?
偵察したりとか、決行前にやることいろいろあるだろお。準備って大切なんだぞ。
ぐぐぐっと地面を引きずり抵抗していたら、背中を掴まれふわりと宙に浮く。
「何だ。抱っこが良かったのか。全く」
「俺、移動は木の上なんだ」
むぎゅーっと抱きしめられてしまうが、鎧が痛くて叶わん。
何とかして脱出し、するすると太い木の幹を登り始める。
「っち」
「今、舌打ちしていなかった?」
「気のせいだ。一つ聞きたいことがある」
「何だろう?」
「エルダートレントがどこにいるか分かるか?」
「分かるけど……先導する……」
じゃあ、さっきの「行くぞ」は何だったんだ。
ノープランで歩き始めたってのかよおお。よくそれで今まで生き残ってこれたな……。
◇◇◇
そんなわけでやってまいりました。エルダートレントのいる場所まで。
「ここを真っ直ぐ進み、あの木が見えるか?」
「うむ」
「あの木の奥に入ると、エルダートレントのテリトリーだ」
「そうか」
いや、そこで何で斧を構える?
兜もしっかりと装着しているし……。
「行くぞ! オルトロス」
トリアノンの呼びかけに応じ、オルトロスが力一杯咆哮をあげる。
ちょ、おま。
こんなところで、そんな大声出したら……。
ほら、ジャックオーランタンが集まってきてるじゃねえかよ。
ここはエルダートレントのお膝元なんだぞ。
なるべく静かに進み、ジャックオーランタンをやり過ごせるだけやり過ごした方がいいに決まってる。
「後から行く。頼むぞ。ソウシ」
「分かった」
嬉々として斧をブンと一振りしたトリアノンはオルトロスと共に駆け出す。
一番手前にいたジャックオーランタンを斧で真っ二つにしたトリアノン。
一方でオルトロスも負けていない。
高く跳躍し、前脚で打ち払うように宙に浮くジャックオーランタンを叩きつけ、地面に転がすと止めとばかりに踏みつける。
も、もういいや。
この強さならジャックオーランタンが物量で攻めようとも、そうそう崩れないだろ。
俺は俺で進むとするか。
枝を伝い、エルダートレントの元へ向かう。
植物系モンスター相手に通用するか分からないけど、ステルスと忍び足を発動させておいた。
後ろからオルトロスとトリアノンの奇声が聞こえてくるが、気にしないことにしてエルダートレントの縄張りに入る。
いたいた。
エルダートレントが先日見た位置と全く同じところでじっと息を潜めている。
周囲の大木より若干背が高く、二十メートルには届かないくらいだろうか。
太い幹には洞が三つあり、目と口のようになっている。鼻にあたる部分はピノキオの鼻のように高く伸びていた。
枝には葉の代わりに鋭い刃が生えており、あれを振り回されたらなかなか厄介だ。
一発当たっただけでもおそらく俺の身体がズダボロになることは想像に難くない。
動物学――。
よし、発動。
植物ぽいモンスターだから、赤い丸が見えないかもと懸念したけど……バッチリ見える。
エルダートレントの弱点は、目に見える洞の奥らしい。
人間なら洞は小さ過ぎて無理だけど、俺の体の大きさなら洞から中に入ることができそうだ。
といっても、洞の中がどうなっているか分からないし、危険過ぎるよな……。
ならばと他に弱点が無いか目を凝らすが、見当たらない。
さて、どうする?
こんな時こそ、冷静に周囲をしっかりと観察しなきゃならねえ。俺がどっかの脳筋と同じことをすれば、一たまりもないからな。
いつもはエルダートレントを護衛するように周囲をふよふよしているジャックオーランタンは……いない。
不意打ちを喰らわせようとする影に潜むジャックオーランタンもいないな。
どうやら、エルダートレントはテリトリーのすぐ外の外敵にジャックオーランタンを集中させたようだ。
ひょっとして、トリアノンはこの状況を作り出すためにあれだけ派手に暴れているのか?
いやいや、まさかあ。
首を振り、ワザとらしくおどけてみせるが、ただの一人芝居だ……ちょっとだけ虚しい。
でも、こいつはまたとないチャンスだぞ。
エルダートレント自身もジャックオーランタンを動かすために集中しているのか、俺がいることに気が付いた様子はない。
――やってやる!
トリアノンのいる今しかねえ。
あの枝からが良さそうだ。
エルダートレントに気が付かれないようにゆっくりと音を立てぬよう枝から枝を渡り、目的の枝まで移動する。
枝にぶらーんぶらーんとぶら下がり、勢いをつけ手を離す。
行くぞ!
枝から斜めに落ちて行く俺の目指す先は――弱点である目にあたる洞の中だ!
「よし」
すぽんと見事に洞の中に入りこむ。
中は人間の目だと暗いのだろうが、俺にとっては視界良好。
ガランとした洞の中で、再度動物学を発動。
足元に赤い丸が見える。
赤い丸の大きさは両の手の平を合わせたくらいしかなく、巨大なモンスターの弱点にしては随分小さいものだった。
さすがに自分の体内であるからか、エルダートレントは鋭い刃を差し込んで俺を切り裂こうとはして来ない。
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