2 / 44
2.火の海
しおりを挟む
男が考えを巡らせている間にも少女は彼へ息がかかるほどの距離まで近寄っていて、左肩をついと上げ背伸びをした。
ここへつけろってことか? 男は左腕を慎重に切り口がズレぬよう彼女の肩へ合わせる。
「ありがとうございます」
つうううと肩と腕のつなぎ目がくっついていき、まるで元から彼女にくっついていたかのように継ぎ目が消失した。
「腕は……動くのか?」
「はい。稼働しております」
「そうか……」
男はそれ以上何も言わず、一歩後ずさると仕事は終わったとばかりに首をゴキリと鳴らす。一方の少女は腕の様子を確かめるように一度肩を回すと肘を曲げ伸ばしてから、手を握っては閉じに握っては閉じを二度繰り返したのだった。
あの腕はこの娘の義手なのかと思ったが、違うような気がする。もしそうならば……前代未聞のことだ……男は興味を引かれるが、首を振り自身の考えを封じ込める。
探索者にとっては涎が出るような状況ではあるが、俺は神秘や壮大な神話なんぞには興味がない。男は心の中でそう独白すると踵を返す。
そんな彼の背に向かい、少女は抑揚をまるで感じさせない声色で彼に告げる。
「ありがとうございました。ワタシは目を取りに向かいます」
「向かうってどこにだ?」
そんな恰好でどうしようというのだ? と思った男はつい彼女へ問い返してしまう。
「ここからおよそ……」
少女は目的地までの距離を口にする。それはかなりの遠方だった。
「場所は分かるのか?」
「はい」
「そこまで歩いて行くとでも? 諦めた方がいい。裸足でいけるほどの距離じゃあない。旅装もなく、食料もない。旅はそれほど甘くはない……」
そう言ったものの、男は気づいていて知らぬふりをしていた。この場所へ少女が留まることもまた不可能であると。
安全なところまでついていってやるのもやぶさかではないが、あまり他人と関わりあいになりたくはない。故に彼女が一人で何とかできるのなら、そのままこの場を立ち去りたいというのが本音だったのだ。
それ故、彼は聞くことをしない。
「行かなければならないのです」
言葉の意味合いだけは必死さを感じさせるが、相変わらず少女の物言いは書物を朗読でもしているかのような感情のこもらぬものだった。
「行けるのか?」
しまったと彼は思うが、口をついて出てしまったものは仕方ない。
彼は次に彼女の出すだろう言葉へ頷こうと彼女から背を向けた身体を前へ向けようと……。
「火の海になります」
「何?」
余りに突拍子の無い発現を聞いて男は、振り向こうとした身体がそのまま固まってしまう。
「だから行かねばならないのです」
「火の海とはどういうことだ?」
「火の海は火の海です。ワタシの記憶が欠損しており、それ以上は何も」
何を言っているのか全く理解できない。男はフウとため息を吐く。
彼女の言う「火の海」とは何を指すのだろうか。不可思議な現象が続き、自身はこの場に来た。荒唐無稽な「火の海」とやらも、ひょっとしたら本当に起こるのかもしれない……。
男はただのほら話だと彼女の発言を切って捨てることができずにいた。
「お前さんの目を見つけることができたのなら、火の海とやらは回避できるのか?」
「はい」
腕を組み考え込む男。世捨て人の彼だとて、辺り一帯が火の海になるような大災害で多くの人の命が失われることは放置できるものではない。
無手の幼い少女に一人きりで長大な距離を移動するには命がいくらあっても足りるものではないだろう。ならば……。
男の目に光がともる。
「俺はイブロ。お前さんは?」
「ワタシですか? ワタシは自律型防衛兵器チハ=ル一九七型です」
「チハルでいいのか?」
「それで個体識別は可能です」
この名前……やはりというかなんというか……。イブロは腕を組み顎を引く。
少女は人間ではない。彼は確信し拳をギュッと握りしめる。
しかし、そんな彼へ表情一つ変えることなく、チハルが問いかけた。
「どうかされましたか?」
「いや、お前さんはアーティファクトなのかと思ってな」
「自律型防衛兵器です」
「……まあ、いい」
イブロは四十数年の人生において、人間そっくりの古代の遺物のことなど聞いたことも無かった。
今まさに彼の目の前で動くチハルが世界初、そして世界唯一の存在であるかもしれない……イブロは喉をゴクリと鳴らす。
しかし、古代の遺物とはいえ、見た目は人間と変わりはない。彼女を人として扱うことに決めた。それは、博愛精神とかそういった理由からではなく、彼にとって一番理解しやすいのが彼女は人間と変わらないとすることだったからに過ぎない。
更に言うのなら、彼女が未だ見たことのない古代の遺物と周囲に認識されるのは、目的を達成するに不都合であることも理由の一つだ。物珍しい物に飛びつく輩は後を絶たないのだから。
「では行くか」
「イブロさんはどこに行かれるのですか?」
これは……人間らしく振舞うに前途多難だ……。イブロは頭を抱えるも、気を取り直し彼女へ手を差し出す。
そんな彼の仕草にも彼女は何も反応を見せずただ彼の言葉を待っているようだった。
「お前さんと一緒に『目』を探しに行く」
「そうですか。分かりました」
「あと、人間は『よろしく』という意味で握手をするもんだ。握手は分かるか?」
「……記録に残っています。こうですね?」
チハルがイブロの手を取り、ギュッと握りしめると彼も手を握り返す。
「よろしくな、チハル」
「はい。イブロさん」
話が終わったとばかりに両手をパシッと打ち合わせ、イブロは前を向く。
そこで、彼は自身の置かれた状況を思い出す。
そうだった。俺は地下一階から即死するほどの高さを「落ちて」来たんだった。戻るにしてもタフだな……。道も探さねばならないし、どんな罠が潜んでいるのか分かったもんじゃない。
彼は眉間にしわを寄せるも、考えても仕方がないとすぐに気持ちを入れ替える。
「チハル。この広間を探索してもいいか?」
「はい。構いません。ワタシに必要なモノはここにもうありませんから」
チハルの了解をとったイブロは、さっそく広間の探索から始める。どこかに抜け道はないか、扉はないか、上に登る道はないか……と罠に注意を払いながら広間をゆっくりと歩いていく。
広間は視界を遮るものは何もなく、彼が発見できたのは意匠が施された金属光沢を放つ真っ黒な扉だけだった。扉は観音開きになっており、イブロの二倍ほどの高さがある。
こういうあからさまに豪華な扉には嫌な予感しかしないイブロであったが、ここしか外へ繋がる出口はない。
「チハル、ここから外へ出るぞ」
「はい」
◆◆◆
扉の外は広大な回廊だった。通路の幅は二十メートルを優に超え、天井までの高さも三十メートル以上あるだろう。床は純白の大理石でできており、目を凝らしてようやく行き止まりが見えるほどの長さを誇っていた。
この回廊もチハルのいた大広間と同じく天井が光っており、昼間と同じ明るさを確保しているようだ。ここも大広間と同じく、ガランとしていて何も物がない。
背筋に嫌な汗が流れるものの、イブロはそれを振り払うかのように前へ一歩進み、チハルも彼の後ろに続く。
一歩、二歩……三歩。と慎重に歩を進めて行くイブロだったが、四歩目が床についた時――
ガラスを爪でひっかいたような不快で甲高い音が鳴り響いた。
『侵入者発見。侵入者発見』
どこからともなく無機質な声が聞こえたかと思うと、床が開き中から何か巨大なものがせり出してくる。
『排除します。侵入者を排除します』
声と共に、イブロを標的として捕捉したのは巨大な人型の彫像だった。
その姿は異形。ヒョウのような顔に人間に近い体躯を持ち、頭からは長い捻じれた角が生え、背中からは半身を覆い隠すほどの鳥のような翼が見える。
ここへつけろってことか? 男は左腕を慎重に切り口がズレぬよう彼女の肩へ合わせる。
「ありがとうございます」
つうううと肩と腕のつなぎ目がくっついていき、まるで元から彼女にくっついていたかのように継ぎ目が消失した。
「腕は……動くのか?」
「はい。稼働しております」
「そうか……」
男はそれ以上何も言わず、一歩後ずさると仕事は終わったとばかりに首をゴキリと鳴らす。一方の少女は腕の様子を確かめるように一度肩を回すと肘を曲げ伸ばしてから、手を握っては閉じに握っては閉じを二度繰り返したのだった。
あの腕はこの娘の義手なのかと思ったが、違うような気がする。もしそうならば……前代未聞のことだ……男は興味を引かれるが、首を振り自身の考えを封じ込める。
探索者にとっては涎が出るような状況ではあるが、俺は神秘や壮大な神話なんぞには興味がない。男は心の中でそう独白すると踵を返す。
そんな彼の背に向かい、少女は抑揚をまるで感じさせない声色で彼に告げる。
「ありがとうございました。ワタシは目を取りに向かいます」
「向かうってどこにだ?」
そんな恰好でどうしようというのだ? と思った男はつい彼女へ問い返してしまう。
「ここからおよそ……」
少女は目的地までの距離を口にする。それはかなりの遠方だった。
「場所は分かるのか?」
「はい」
「そこまで歩いて行くとでも? 諦めた方がいい。裸足でいけるほどの距離じゃあない。旅装もなく、食料もない。旅はそれほど甘くはない……」
そう言ったものの、男は気づいていて知らぬふりをしていた。この場所へ少女が留まることもまた不可能であると。
安全なところまでついていってやるのもやぶさかではないが、あまり他人と関わりあいになりたくはない。故に彼女が一人で何とかできるのなら、そのままこの場を立ち去りたいというのが本音だったのだ。
それ故、彼は聞くことをしない。
「行かなければならないのです」
言葉の意味合いだけは必死さを感じさせるが、相変わらず少女の物言いは書物を朗読でもしているかのような感情のこもらぬものだった。
「行けるのか?」
しまったと彼は思うが、口をついて出てしまったものは仕方ない。
彼は次に彼女の出すだろう言葉へ頷こうと彼女から背を向けた身体を前へ向けようと……。
「火の海になります」
「何?」
余りに突拍子の無い発現を聞いて男は、振り向こうとした身体がそのまま固まってしまう。
「だから行かねばならないのです」
「火の海とはどういうことだ?」
「火の海は火の海です。ワタシの記憶が欠損しており、それ以上は何も」
何を言っているのか全く理解できない。男はフウとため息を吐く。
彼女の言う「火の海」とは何を指すのだろうか。不可思議な現象が続き、自身はこの場に来た。荒唐無稽な「火の海」とやらも、ひょっとしたら本当に起こるのかもしれない……。
男はただのほら話だと彼女の発言を切って捨てることができずにいた。
「お前さんの目を見つけることができたのなら、火の海とやらは回避できるのか?」
「はい」
腕を組み考え込む男。世捨て人の彼だとて、辺り一帯が火の海になるような大災害で多くの人の命が失われることは放置できるものではない。
無手の幼い少女に一人きりで長大な距離を移動するには命がいくらあっても足りるものではないだろう。ならば……。
男の目に光がともる。
「俺はイブロ。お前さんは?」
「ワタシですか? ワタシは自律型防衛兵器チハ=ル一九七型です」
「チハルでいいのか?」
「それで個体識別は可能です」
この名前……やはりというかなんというか……。イブロは腕を組み顎を引く。
少女は人間ではない。彼は確信し拳をギュッと握りしめる。
しかし、そんな彼へ表情一つ変えることなく、チハルが問いかけた。
「どうかされましたか?」
「いや、お前さんはアーティファクトなのかと思ってな」
「自律型防衛兵器です」
「……まあ、いい」
イブロは四十数年の人生において、人間そっくりの古代の遺物のことなど聞いたことも無かった。
今まさに彼の目の前で動くチハルが世界初、そして世界唯一の存在であるかもしれない……イブロは喉をゴクリと鳴らす。
しかし、古代の遺物とはいえ、見た目は人間と変わりはない。彼女を人として扱うことに決めた。それは、博愛精神とかそういった理由からではなく、彼にとって一番理解しやすいのが彼女は人間と変わらないとすることだったからに過ぎない。
更に言うのなら、彼女が未だ見たことのない古代の遺物と周囲に認識されるのは、目的を達成するに不都合であることも理由の一つだ。物珍しい物に飛びつく輩は後を絶たないのだから。
「では行くか」
「イブロさんはどこに行かれるのですか?」
これは……人間らしく振舞うに前途多難だ……。イブロは頭を抱えるも、気を取り直し彼女へ手を差し出す。
そんな彼の仕草にも彼女は何も反応を見せずただ彼の言葉を待っているようだった。
「お前さんと一緒に『目』を探しに行く」
「そうですか。分かりました」
「あと、人間は『よろしく』という意味で握手をするもんだ。握手は分かるか?」
「……記録に残っています。こうですね?」
チハルがイブロの手を取り、ギュッと握りしめると彼も手を握り返す。
「よろしくな、チハル」
「はい。イブロさん」
話が終わったとばかりに両手をパシッと打ち合わせ、イブロは前を向く。
そこで、彼は自身の置かれた状況を思い出す。
そうだった。俺は地下一階から即死するほどの高さを「落ちて」来たんだった。戻るにしてもタフだな……。道も探さねばならないし、どんな罠が潜んでいるのか分かったもんじゃない。
彼は眉間にしわを寄せるも、考えても仕方がないとすぐに気持ちを入れ替える。
「チハル。この広間を探索してもいいか?」
「はい。構いません。ワタシに必要なモノはここにもうありませんから」
チハルの了解をとったイブロは、さっそく広間の探索から始める。どこかに抜け道はないか、扉はないか、上に登る道はないか……と罠に注意を払いながら広間をゆっくりと歩いていく。
広間は視界を遮るものは何もなく、彼が発見できたのは意匠が施された金属光沢を放つ真っ黒な扉だけだった。扉は観音開きになっており、イブロの二倍ほどの高さがある。
こういうあからさまに豪華な扉には嫌な予感しかしないイブロであったが、ここしか外へ繋がる出口はない。
「チハル、ここから外へ出るぞ」
「はい」
◆◆◆
扉の外は広大な回廊だった。通路の幅は二十メートルを優に超え、天井までの高さも三十メートル以上あるだろう。床は純白の大理石でできており、目を凝らしてようやく行き止まりが見えるほどの長さを誇っていた。
この回廊もチハルのいた大広間と同じく天井が光っており、昼間と同じ明るさを確保しているようだ。ここも大広間と同じく、ガランとしていて何も物がない。
背筋に嫌な汗が流れるものの、イブロはそれを振り払うかのように前へ一歩進み、チハルも彼の後ろに続く。
一歩、二歩……三歩。と慎重に歩を進めて行くイブロだったが、四歩目が床についた時――
ガラスを爪でひっかいたような不快で甲高い音が鳴り響いた。
『侵入者発見。侵入者発見』
どこからともなく無機質な声が聞こえたかと思うと、床が開き中から何か巨大なものがせり出してくる。
『排除します。侵入者を排除します』
声と共に、イブロを標的として捕捉したのは巨大な人型の彫像だった。
その姿は異形。ヒョウのような顔に人間に近い体躯を持ち、頭からは長い捻じれた角が生え、背中からは半身を覆い隠すほどの鳥のような翼が見える。
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる