ブロック作成スキルで、もふもふスローライフを目指すことにした

うみ

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第15話 全裸で水浴び

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 翌日、石鹸の様子を見てみると、底の方が固まっていたのでライラに任せて形を整えてもらい、手のひらサイズの石鹸が一つ完成した。
 残りの液体は壺に入れて、行水用に使うとするか。
 
 俺は朝食のスイカとココナツジュースを楽しみながら、今日の予定をみんなに相談することにした。
 
「ライラ、お昼までに戻るから……洗濯は……乾かないか。体を洗ったりノンビリしていてもらえるかな?」
「良介さんは出かけるのですか?」
「うん、昨日の滝の流れる池に行こうと思っているんだ。ポチも連れて探検しながら体も洗っちゃおうかと」
「それでしたら、私もご一緒していいですか?」

 え、ライラは理解しているのだろうか……。昨日服の話で、真っ赤な顔になっていたことをまさか忘れてるわけはないよな。
 彼女にどう返していいものか悩んでいるうちに彼女は言葉を続ける。
 
「ご迷惑ですか?」
「あ、いや。君が嫌じゃないのなら……」

 どう答えろっていうんだよおお。上目遣いで捨てられた子犬のようにウルウルされると何も言い返せない。
 いいんだな、いいんだなあ。
 お色気妄想をしてしまった俺はついつい、ライラのノースリーブから伸びる二の腕、おへそとお腹周りをチラリと見てしまう。
 な、何を考えているんだ俺は……。彼女はそんなつもりで来るわけじゃない。食料調査のためだよ。俺だけだと食べられるか分からないし、持って帰ってから判断するよりもその場で判断してもらった方が無駄ない。
 彼女は少しでも俺へ協力しようと時間を惜しんで動いてくれているから、きっとそんなことを考えているはずだ。
 雑念を捨てろ。なんまいだぶなんまいだぶ。
 
「ふむ。なら我が輩も行くとするか。空から食材を探そうではないか」

 一羽残ったウォルターも乗り気なようだから、全員で池まで行くこととなる。
 
 ◆◆◆
 
 そんなわけで池である。池を見た瞬間から水浴びできると興奮したポチが舌を出してハッハしているのがとても可愛い。
 ライラが昨日作ってくれた籠と袋はお互いに一つずつ持ってここまでやって来たのだ。
 ん? 思考がそれてるって? うん、ワザと気にしないようにしているんだけど……、本当に脱ぐのか? いや、俺は脱ぐが。
 
「良介さん、私はアブラヤシとココナツを採取してから家に戻りますね」
「え? あ、うん」

 そ、そうか。一緒に来ると言ったのは、方向が同じだったからか。
 
「アブラヤシとココナツの実と葉を加工しておきます」
「昨日の石鹸で体もさっぱりしておいていいからね」
「はい。魚を獲るんですよね? 網があればよかったんですが、今日作っておきますね」
「ありがとう! 今日は魚がいるのかの確認で……といっても食べられるものは持ち帰るつもりだよ」
「分かりました。楽しみに待っていますね」

 ライラは満面の笑みを浮かべて、俺に手を振るとコウモリの翼をはためかせ空へと飛び立って行く。

「我が輩もアブラヤシを探そうではないか。すぐに戻る」

 ウォルターも真っ黒な翼をパタパタすると高く飛び上がった。さすが鳥。ライラとは比べ物にならないくらい飛行性能が高いな。

「よし、俺たちも池に行こうぜ! ポチ!」
「わんわん」

 俺が服を脱ぎ始めると、ポチは待ちきれないのか俺の周りをグルグル回り尻尾をぶんぶん振るう。興奮しすぎて、舌から涎が垂れてるぞ、ポチ……。
 
「脱いだぞ、ポチ。まずは水をゆっくりと体にかけて慣らしてから……って、おおおい」

 俺が手のひらで池の水をすくった瞬間、ポチは池にどぼーんと入ってしまい犬かきで左右に泳ぎ始めてしまった。
 よっぽど入りたかったんだなあ。ポチ。
 俺も続くぞ! 池の水を少し体にかけてみると、思ったより冷たい。川の水は冷たいって聞くけど、池からあがった後風邪を引かないように注意しなきゃな。
 もっとも、湿った体を拭くタオルなんてものはねえ。
 
 しかし、気持ちよさそうなポチの様子を見ていると、細かいことなんてどうでもよくなった。
 俺は靴だけ履いた姿でポチの元へと走り出す。一メートルくらい進んだところで急に深くなり俺の肩より少し低いくらいの水位になる。
 お、おお、これだけ深ければ魚もいっぱいいるかもな!
 
 俺がやって来る姿が目に入ったポチが「わうんわうん」とご機嫌な声を出して、俺へ飛びついて来た!

「ポ、ポチい。勢いあり過ぎだよ。倒れそうになってしまった」
「わんわん」

 ん、ポチが首を振って俺から少し離れる。
 ま、まさか。ここで――
 
 俺から距離をとったポチはポニーサイズに巨大化して俺をじーっと見つめながらハッハと舌を出す。

「乗っていいの? ポチ?」
「わうん」

 マ、マジかあああ。これはテンションが上がる!
 馬よ、ダチョウよ、見たか俺のポチを。なんと、俺のポチは水陸両用なのだああ!
 
 ポチの背中にまたがって彼のふさふさの首回りを撫でながら、俺はこれ以上ないほど大興奮していた。

「進めー、ポチ!」
「わんわん」

 速い速い。犬かきで進んでいるけど、大きいだけに推進力がパワーアップしているぞ。
 見る見るうちに、断崖絶壁まで到着しそうだ。あ、ポチ、そこは……。
 
「滝の下に突っ込む! ポチ」
「わん」

 ポチは大喜びで、そのまま前進し俺たちは滝に打たれてしまう。ぐ、ぐうおお。思った通りすごい威力だ。この滝。
 だって高さ百メートル以上落ちてきてんだもん。
 
「ポ、ポチいい。退避、退避だああ」

 素直に俺の言うことを聞いてくれたポチが滝つぼから離脱し、穏やかなところまで泳いでいく。

「ポチ、楽しいなあ」
「わんわん」

 あれ、俺は何をしに来てたんだっけ……。ポチと遊んでいたら目的を忘れてしまっていたよ。

「ポチ、そのままそこでいてくれ。潜ってみる」

 ポチの背から飛び降りると、水中の様子を眺めてみる。
 滝によって攪拌かくはんされているからか、視界はあまりよくない。泥が混じった濁った水は目にも痛い……。
 息が切れそうになった時、魚影の群れを発見した。お、魚はいるみたいだな。ポチに網を引かせて、地引網のようにすれば沢山の魚が獲れるかもしれないぞ。
 ライラに大きな網にしてもらうように頼まないと。きっと彼女は人間が扱う程度の小さな網を想定しているはずだ。
 
 水面に戻ろうとすると、ポチの頭に腹からすくい上げられて一気に水面に出る。
 
「ポチ、待っていろっていったじゃないか」
「わおん」

 素知らぬ顔で、再び乗れという仕草をするポチへ「しょうがない奴だな」と思うものの、彼が可愛くて仕方ない。
 
 岸部に戻って元のサイズに戻ったポチに液体状石鹸を振りかけてわしゃわしゃすると毛並みが泡立ってきた。お、おお。何とかうまくいったみたいだな。
 泡の立ち方が、油ものを洗うときの食器用洗剤みたいだけど、真水で洗うよりは汚れが取れそうだ。
 ポチの全身を泡まみれにした後、俺自身も同じように体に液体状石鹸を塗りたくり頭もガシガシと洗う。
 
「よっし、池に入ろう。ポチ」

 お座りして待っていたポチは俺の言葉に反応して、駆け出すとジャンプして池にぽちゃんと入る。
 続いて俺も池で頭を流すと、汚れと共に疲れも吹き飛んだ気持ちになってきた。お風呂じゃないけど、さっぱりすることで生き返った気分になってくる。
 さて、一旦岸に戻るかなあ。お、あれは、ウォルターか。
 
 空に自身と同じくらいの大きさがある枝を咥えたウォルターがこちらへと飛んで来るのが目に入った。
 岸に出た俺たちのそばへ着陸したウォルターは枝を地面に置くと軽く羽ばたく。
 
「ウォルターそれは?」
「おやつだ。ここに戻ってきたところ、諸君らはまだ水浴びをしているようだったからね。崖の上までひとっ飛びしてきたのだよ」
「ふうん、それ見せてもらってもいいかな?」
「見せるだけだぞ」

 全くこの食いしん坊カラスめ。
 枝を手に取りつぶさに観察してみると、チェリーより一回り小さいくらいの木の実が沢山枝についているな。色はみずみずしい赤色。
 香りは……ん、特にこれといってあまーい香りがするわけじゃあないな。
 
「ありがとう、ウォルター」
「この実の花は優雅な香りがするのだ」
「だったら、花も持ってきてくれたらいいのに……」

 俺が苦言を呈すると、ウォルターは「それもそうだな……」と呟き、赤い実を啄んだ。

「良介、花を摘んでくる。家に運んでおくぞ。また後でな」
「了解。楽しみにしているよ」

 一体何しにやって来たんだか……、食料探しを手伝うとか言ってなかったっけこのカラス。
 まあいい、身体も乾いて来たし服を着るかな。
 
 この後、ポチとヤシガニを三匹も発見して捕まえることができた。さすがポチだぜ。彼のクンクンは素晴らしい。
 こうやって鹿も見つけていたのかなあ。なんて考えながら、ポチと共に家へ戻ったのだった。

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