27 / 31
27.染料発見
しおりを挟む
ふっと蝋の火を消し、上を向き、下を向き、そして左右を向いた僕は大きく伸びをする。
明るかったら文字が見え辛いからな。
「カピー。今日は何が出るかなー」
「きゅっきゅ」
そのまま寝てしまったから、恒例のガチャタイムをやってなかったんだ。
危ない危ない。カピーの頭を撫でると彼はむくりと顎をあげ、可愛らしい鳴き声を出した。
起こしちゃって悪いと思いつつも、「一日中寝ているからいいかな」なんて悪い自分が心の中で舌を出す。
のそのそとベッドから降りたカピーは壁に顔を向ける。
カピーの目が光り、いつもの文字が、え、えええ。
光に照らされたのは、まるでスポットライトを浴びるかのようなニーナであった。
「何でそれを着ているんだよ。男の人向けって言ってたじゃないか」
「『着てみせます』と言ったじゃないですか。どうですか、ビャクヤさん?」
「どうもこうもないよ! う、動いたらダメだ。ズレる。見えるから、な」
「ひゃ、はわわわ」
ニーナが両腕で自分を抱きしめるようにして焦ったように僕から背を向ける。
下半身がいつもすっぽんぽんのニーナであるが、おっぱいが見えることは恥ずかしがるのだ。意味が分からないけど、マーメイド族なので仕方ない。
しかし、顔だけこちらを向けぺろっと舌を出した。
「なあんて。驚きましたー?」
くるっと体の向きを変え、腰に手を当ておどけて見せるニーナ。
「あ、うん」
思わず目を逸らす僕であったが、彼女は陽気に言葉を続ける。
「こうみえて、クラゲ製のこれは滑らずガッチリ固定されるんですよお」
「そ、そうか。だけど、貝殻ブラジャーも念のために装着したほうがいいと思うぞ。僕は」
ぽろりしてる。おっぱいが小さくてもぽろりするものだな。
いや、ぽろりというよりは単にズレただけだな。ちなみに僕は見ていない。何も見ていないんだ。
ほら、僕は彼女からそっぽを向けているだろ?
「ビャクヤさんー! み、見えちゃってました」
「今日のガチャは何だったのかなあ」
その場でうずくまり真っ赤になる彼女を照らすスポットライトなんて気にせず、箱を開ける。
「おー。今日の素敵アイテムは洗濯バサミかー。いろいろ使えそうだナー。あははー」
いっそもうこれで挟めばいいんじゃないか。そうすりゃ見えないかもしれんぞ。
どこを? いや、何も言うまい。
洗濯バサミを出したのはワザとか? なんて思いつつベッドに寝転がる僕なのであった。
◇◇◇
十二日目――。
昨晩の惨劇は全て忘れることにして、爽やかな朝を迎える。
さっそく洗濯バサミを使ったぞ。僕の海パンを干すためにね。
「よっし、ニーナが起きて来る前に採集をしてこようか」
「あんちゃん、おいらも行くよ」
「パックもはやいな」
「朝日が昇ると起きちゃうんだ」
「僕もだよ」
気が合うな。
パックもいるなら目的変更だ。食べ物だけじゃなく、麻と綿の採集もやっちゃおう。
それだけじゃないぞ。もしかしたら、見つかるかもって思ってね。この島は意図的だろうけど、いろんな植物が揃っているんだ。
これほど実り多いのは不自然なものなのだが、僕を島に呼んだ人がそのようにしたのだろう。だから、意図的だと表現した。
僕にとっては不都合どころか、大歓迎な植生なので特に思うところはない。
てくてくと散策しつつ綿花と麻があるポイントを目指す。
道中で気になるものがあればしゃがんで、島の書でチェックをしていきながらもなかなか楽しいものだ。
「お、これは」
「何だいそれ?」
「そいつは島の書に聞こう」
「うん!」
あるかなと思ったけど、あったよ! 僕の予想が正しければ……。
根元が白く先がピンク色のなった蕾が並ぶ特徴的な草を根元から黒曜石ナイフでしゅっと切る。
『藍
別名インディゴ。染料として利用可能』
パックにも分かるように読み上げたが、彼はふうんと頷くものの反応が薄い。
「染料があれば、服にも使えるだろ?」
「綿と麻を染める? でも、染料はとても手間だって聞くぞ」
「そいつは、僕の特性で何とかなる」
「そういうことか! 楽しみだな。あんちゃん」
「だろ」
にしししとお互いに笑い合い、麻と綿を刈り取りにかかる。
藍色だけでもあるのとないのじゃ全然違う。こいつは布作りが楽しみになってきたぞ。
◇◇◇
流行る心を抑えて朝食を食べた後、カピーにお留守番をお願いする。
そして、三人でそれぞれ籠を抱えて砂浜へ繰り出した。
「ニーナ、スカートは?」
「このまま海に入るつもりでしたので、荷物も多いですし」
布の元になる綿やら麻を大量に持ち込んでいるというのに、ニーナは布を纏っていない。
この子は言わなきゃスカートもはかないのかと思ったが、一応彼女なりに考えあってのことだった。
荷物が嵩張るからといってスカートを置いてくるなんて、本末転倒じゃないかよ。
着てれば荷物にはならん。砂浜で脱いで、帰りに着ていけばいいだけだろうに。
できれば、スカートを履いていて欲しかったんだよなあ。主に服のために。
「できればニーナのサイズを計りたかったんだけど、だいたいでいいか」
「どうぞ! 触れても問題ないですう!」
いや、そこは問題にしろよ!
頭から布を被せて計ってくれようか。それなら目視のがマシか。
僕とのだいたいの身長差で当たりをつければいいだろ。複雑な作りのものは一発目からだとハードルが高いし。
「あんちゃーん」
「おう、先にレバーからだよな」
砂浜の上にポツンと鎮座する人工物は目立つ。
ただの円柱なのだけど、周囲に草木がないから余計にね。
「出発進行ー」
「おー」
「えいやさー」
その掛け声はやめろ、ニーナと内心突っ込みつつ、円柱レバーを倒す。
ゴゴゴゴと地面が揺れ、島が動き始める。
おおおと三人揃って歓声をあげ、しばらく島が動く様子を眺めた僕らは行動を開始した。
海に向かおうとするニーナを呼び止める。
泳ぐためにスカートを履いてこなかったと聞いていたが、やはり心配だ。
彼女は海中で抜群の動きができることは身をもって体感している。だけど、島が動いているから、海中で事故が起こらないとも限らない。
「どうしたんですか?」
「島を動かしている間は念のために潜らない方がいいと思ってさ」
「海の中だと力が発揮できますし、大丈夫ですよお」
「大丈夫だと思うけど、突然、島が超高速で動いたりとか飛び上がったりするかもしれないじゃないか。そうなると最悪ニーナとはぐれることになる」
「それは困りますう。わたしはこの島の巫女なんですから」
突拍子の無い言い訳をしてしまったが、無事彼女を説得できたのでこれで良しとしよう。
三人ならんで海を前に腰を降ろし、持ってきた籠から綿や麻を取り出す。
島の動く様子を見つつ、服作りに精を出すことにしようか。
明るかったら文字が見え辛いからな。
「カピー。今日は何が出るかなー」
「きゅっきゅ」
そのまま寝てしまったから、恒例のガチャタイムをやってなかったんだ。
危ない危ない。カピーの頭を撫でると彼はむくりと顎をあげ、可愛らしい鳴き声を出した。
起こしちゃって悪いと思いつつも、「一日中寝ているからいいかな」なんて悪い自分が心の中で舌を出す。
のそのそとベッドから降りたカピーは壁に顔を向ける。
カピーの目が光り、いつもの文字が、え、えええ。
光に照らされたのは、まるでスポットライトを浴びるかのようなニーナであった。
「何でそれを着ているんだよ。男の人向けって言ってたじゃないか」
「『着てみせます』と言ったじゃないですか。どうですか、ビャクヤさん?」
「どうもこうもないよ! う、動いたらダメだ。ズレる。見えるから、な」
「ひゃ、はわわわ」
ニーナが両腕で自分を抱きしめるようにして焦ったように僕から背を向ける。
下半身がいつもすっぽんぽんのニーナであるが、おっぱいが見えることは恥ずかしがるのだ。意味が分からないけど、マーメイド族なので仕方ない。
しかし、顔だけこちらを向けぺろっと舌を出した。
「なあんて。驚きましたー?」
くるっと体の向きを変え、腰に手を当ておどけて見せるニーナ。
「あ、うん」
思わず目を逸らす僕であったが、彼女は陽気に言葉を続ける。
「こうみえて、クラゲ製のこれは滑らずガッチリ固定されるんですよお」
「そ、そうか。だけど、貝殻ブラジャーも念のために装着したほうがいいと思うぞ。僕は」
ぽろりしてる。おっぱいが小さくてもぽろりするものだな。
いや、ぽろりというよりは単にズレただけだな。ちなみに僕は見ていない。何も見ていないんだ。
ほら、僕は彼女からそっぽを向けているだろ?
「ビャクヤさんー! み、見えちゃってました」
「今日のガチャは何だったのかなあ」
その場でうずくまり真っ赤になる彼女を照らすスポットライトなんて気にせず、箱を開ける。
「おー。今日の素敵アイテムは洗濯バサミかー。いろいろ使えそうだナー。あははー」
いっそもうこれで挟めばいいんじゃないか。そうすりゃ見えないかもしれんぞ。
どこを? いや、何も言うまい。
洗濯バサミを出したのはワザとか? なんて思いつつベッドに寝転がる僕なのであった。
◇◇◇
十二日目――。
昨晩の惨劇は全て忘れることにして、爽やかな朝を迎える。
さっそく洗濯バサミを使ったぞ。僕の海パンを干すためにね。
「よっし、ニーナが起きて来る前に採集をしてこようか」
「あんちゃん、おいらも行くよ」
「パックもはやいな」
「朝日が昇ると起きちゃうんだ」
「僕もだよ」
気が合うな。
パックもいるなら目的変更だ。食べ物だけじゃなく、麻と綿の採集もやっちゃおう。
それだけじゃないぞ。もしかしたら、見つかるかもって思ってね。この島は意図的だろうけど、いろんな植物が揃っているんだ。
これほど実り多いのは不自然なものなのだが、僕を島に呼んだ人がそのようにしたのだろう。だから、意図的だと表現した。
僕にとっては不都合どころか、大歓迎な植生なので特に思うところはない。
てくてくと散策しつつ綿花と麻があるポイントを目指す。
道中で気になるものがあればしゃがんで、島の書でチェックをしていきながらもなかなか楽しいものだ。
「お、これは」
「何だいそれ?」
「そいつは島の書に聞こう」
「うん!」
あるかなと思ったけど、あったよ! 僕の予想が正しければ……。
根元が白く先がピンク色のなった蕾が並ぶ特徴的な草を根元から黒曜石ナイフでしゅっと切る。
『藍
別名インディゴ。染料として利用可能』
パックにも分かるように読み上げたが、彼はふうんと頷くものの反応が薄い。
「染料があれば、服にも使えるだろ?」
「綿と麻を染める? でも、染料はとても手間だって聞くぞ」
「そいつは、僕の特性で何とかなる」
「そういうことか! 楽しみだな。あんちゃん」
「だろ」
にしししとお互いに笑い合い、麻と綿を刈り取りにかかる。
藍色だけでもあるのとないのじゃ全然違う。こいつは布作りが楽しみになってきたぞ。
◇◇◇
流行る心を抑えて朝食を食べた後、カピーにお留守番をお願いする。
そして、三人でそれぞれ籠を抱えて砂浜へ繰り出した。
「ニーナ、スカートは?」
「このまま海に入るつもりでしたので、荷物も多いですし」
布の元になる綿やら麻を大量に持ち込んでいるというのに、ニーナは布を纏っていない。
この子は言わなきゃスカートもはかないのかと思ったが、一応彼女なりに考えあってのことだった。
荷物が嵩張るからといってスカートを置いてくるなんて、本末転倒じゃないかよ。
着てれば荷物にはならん。砂浜で脱いで、帰りに着ていけばいいだけだろうに。
できれば、スカートを履いていて欲しかったんだよなあ。主に服のために。
「できればニーナのサイズを計りたかったんだけど、だいたいでいいか」
「どうぞ! 触れても問題ないですう!」
いや、そこは問題にしろよ!
頭から布を被せて計ってくれようか。それなら目視のがマシか。
僕とのだいたいの身長差で当たりをつければいいだろ。複雑な作りのものは一発目からだとハードルが高いし。
「あんちゃーん」
「おう、先にレバーからだよな」
砂浜の上にポツンと鎮座する人工物は目立つ。
ただの円柱なのだけど、周囲に草木がないから余計にね。
「出発進行ー」
「おー」
「えいやさー」
その掛け声はやめろ、ニーナと内心突っ込みつつ、円柱レバーを倒す。
ゴゴゴゴと地面が揺れ、島が動き始める。
おおおと三人揃って歓声をあげ、しばらく島が動く様子を眺めた僕らは行動を開始した。
海に向かおうとするニーナを呼び止める。
泳ぐためにスカートを履いてこなかったと聞いていたが、やはり心配だ。
彼女は海中で抜群の動きができることは身をもって体感している。だけど、島が動いているから、海中で事故が起こらないとも限らない。
「どうしたんですか?」
「島を動かしている間は念のために潜らない方がいいと思ってさ」
「海の中だと力が発揮できますし、大丈夫ですよお」
「大丈夫だと思うけど、突然、島が超高速で動いたりとか飛び上がったりするかもしれないじゃないか。そうなると最悪ニーナとはぐれることになる」
「それは困りますう。わたしはこの島の巫女なんですから」
突拍子の無い言い訳をしてしまったが、無事彼女を説得できたのでこれで良しとしよう。
三人ならんで海を前に腰を降ろし、持ってきた籠から綿や麻を取り出す。
島の動く様子を見つつ、服作りに精を出すことにしようか。
2
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる