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第53話 近海ってどの辺?
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ハミルトンのメッセージは簡潔に事実を伝えていた。
『アーモンドアイ近海にウリドラが確認された。王国と街は総力をあげ港に防衛網を構築中とのこと。街に来る際は十分に注意されたし』
こいつはアーニーの気が動転していて当然だ。アーモンドアイは街の郊外に彼女の家があり、ハミルトンが勤める探索者ギルドもある。
「近海ってどの辺なんだろうな……」
「港からネームドが見えたくらいでしょうか……」
口から出た言葉は至極どうでもいいことだった。アーニーに落ち着けと言った手前、ぎゃーきゃー騒ぐことは抑えれているものの、動揺するな、ってのは無理だよ。
「様子を見に行ってみよう」
「お供します!」
何とかできるわけじゃないけど、居ても立っても居られなくて。万が一の時はアーニーとハミルトンを無理にでもホームへ連れて帰るぞ。
街の人は他にもいっぱいいるじゃないか、と言われるかもしれない。だけど、俺は俺の手の届くところでしか何ともできないのだ。
俺にとってアーニーとハミルトンが一番、後は彼女らが連れて行きたいと言った人がいれば無理のない範囲でホームへ連れ帰る気はある。
だけど、もめるようなら、それもしない。別に俺は聖人ってわけじゃなく、自分が満足する範囲だけでいいのだ。
彼女の家にゲートで移動し、テレポートを使って崖を下る。何度か繰り返すうちにようやく俺もテレポートに慣れてきたよ。
さっそく向かったのは港ではなく、探索者ギルドである。情報を得るならまず探索者ギルドかなって。
ハミルトンの情報も探索者ギルドからもたらされたものだろうし。
道中でアーニーにハミルトンと連絡を取ってもらって、彼に会えないか聞いてもらったのだけど、あいにく時間が合わなかった。
探索者ギルドは意外にもいつもと変わらぬ様子で、昼下がりというかともあり、中は閑散としている。
これなら受付のスタッフならば、手が空いてそうだ。
ちょうど前回俺たちの相手をしてくれたウサギ耳の女の子が受付に座っていたので、アーニーが手を振ってから並んで席に座る。俺は探索者ではないので、受付に用がある探索者がきたら席を譲るつもりだ。ん、だけどそんなほいほい部外者の相手をしていていいものなのだろうか?
「あ、もしかして、アーニーって探索者登録している?」
「一応登録してますよー。でないと受付でお喋りできません」
納得、納得。当たり前のように部外者お断りだったか。登録しようとする人とか探索者ギルドに用がある商会などの業者は別で。
以前にもアーニーが探索者ギルドに登録しているか聞いた気がするのだが、あいにく既に覚えていない。
色んなことがあり過ぎて、結構忘れていたりするんだ。何度も聞いていたらすまん。
と、心の中でアーニーに謝罪しつつも受付の女の子に挨拶をする。そんで、用件についてはアーニーが説明してくれた。
「ミミちゃん、災害級モンスターが出たとハミルさんに聞きました! どんな様子なんですか?」
「港から数キロ先の洋上で発見されてます。いつ街へ襲撃してくるか予断を許さない状況です」
ここまではハミルトンから聞いていた通りだな。ミミの発言を受け、アーニーが続ける。
「騎士団が来たりとか、するの!?」
「領主さまが王都へ要請したと聞いているよ」
「わあ、騎士団ってキラキラでピカピカなのかな」
「そうかも? お金持ちかも?」
竜神ウリドラが来襲するとか、緊迫した状況じゃあなかったのか?
何やらきゃっきゃしている……。もっとこう聞かなきゃならないことあるんじゃ。
「お金持ちさんには余り興味がないかなあ!」
「てんちょおさんがいるもんね」
「うん! 人は見た目やお金じゃないの」
「アーニーさん、それ、本人の前で言わない方がいいよ……」
お金はともかく、冴えない見た目をしていることは自覚している。元々の俺もそうだったし、逆にイケメンになったりした方が嫌だわ。
ミミから指摘を受けたアーニーだったが特に気にした様子もなく、犬耳をピコピコさせ両手を顔の前で合わせる。
言われた本人が気にしているわけじゃないから、特に言うことはないが……。
「憧れのカッコいい人ならいるよ。だけど、もう会えないかも」
「相変わらず、唐突ね。その人が目の前に現れたら?」
「現れてもてんちょおについて行くに決まってるよ。えへへ」
「あらあら」
アーニーのそれは恋愛感情じゃないと思う。俺もまあ、似たようなもんだわ。
しっかし、もう聞いてられん。割って入るぞ。
「街にウリドラが来襲した場合、撃退できそうなんですか?」
「ウリドラ? ハミルさんが翼のあるリヴァイアサンにつけた名前ですね。ウリドラが災害級のモンスターであれば、総力を尽くせば撃退できる見込みです」
「災害級であれば、ですか。災害級のモンスターはどれほどのモンスターなのですか?」
「リヴァイアサンは災害級のモンスターです」
あ、こら、あかん。通常のリヴァイアサンで災害級だったら、ネームドのリヴァイアサンであるウリドラを撃退するなど、夢のまた夢。
騎士団の皆さんがどれだけ頑張ってくれるかにかかっている。頑張れ、騎士団。フレーフレー騎士団……。
いや、街人全員で避難した方が現実的じゃないか?
「てんちょおでも何ともならないんですか?」
「逃げる手伝いならできるかな……」
アーニーの質問に対し、腕を組み唸りながら回答をする。無理なもんは無理だよなあ。
爆弾系のアイテムをばらまきつつ、アーニーにゲートを出してもらって撤収する、とかならできそうだ。
そういった事態になる前に全員で避難するのがベストだと思うが……。
「そうだ、アーニー。探索者ギルドで聞くことは聞いたし、港まで行かない?」
「行きましょう!」
「ウリドラかどうかまで実物を確認できればラッキーってことで」
「遠くに行ってくれていた方がいいですー」
そらそうだ。勝手にどこかに行ってくれるのが最も幸せな結果だよな。
『アーモンドアイ近海にウリドラが確認された。王国と街は総力をあげ港に防衛網を構築中とのこと。街に来る際は十分に注意されたし』
こいつはアーニーの気が動転していて当然だ。アーモンドアイは街の郊外に彼女の家があり、ハミルトンが勤める探索者ギルドもある。
「近海ってどの辺なんだろうな……」
「港からネームドが見えたくらいでしょうか……」
口から出た言葉は至極どうでもいいことだった。アーニーに落ち着けと言った手前、ぎゃーきゃー騒ぐことは抑えれているものの、動揺するな、ってのは無理だよ。
「様子を見に行ってみよう」
「お供します!」
何とかできるわけじゃないけど、居ても立っても居られなくて。万が一の時はアーニーとハミルトンを無理にでもホームへ連れて帰るぞ。
街の人は他にもいっぱいいるじゃないか、と言われるかもしれない。だけど、俺は俺の手の届くところでしか何ともできないのだ。
俺にとってアーニーとハミルトンが一番、後は彼女らが連れて行きたいと言った人がいれば無理のない範囲でホームへ連れ帰る気はある。
だけど、もめるようなら、それもしない。別に俺は聖人ってわけじゃなく、自分が満足する範囲だけでいいのだ。
彼女の家にゲートで移動し、テレポートを使って崖を下る。何度か繰り返すうちにようやく俺もテレポートに慣れてきたよ。
さっそく向かったのは港ではなく、探索者ギルドである。情報を得るならまず探索者ギルドかなって。
ハミルトンの情報も探索者ギルドからもたらされたものだろうし。
道中でアーニーにハミルトンと連絡を取ってもらって、彼に会えないか聞いてもらったのだけど、あいにく時間が合わなかった。
探索者ギルドは意外にもいつもと変わらぬ様子で、昼下がりというかともあり、中は閑散としている。
これなら受付のスタッフならば、手が空いてそうだ。
ちょうど前回俺たちの相手をしてくれたウサギ耳の女の子が受付に座っていたので、アーニーが手を振ってから並んで席に座る。俺は探索者ではないので、受付に用がある探索者がきたら席を譲るつもりだ。ん、だけどそんなほいほい部外者の相手をしていていいものなのだろうか?
「あ、もしかして、アーニーって探索者登録している?」
「一応登録してますよー。でないと受付でお喋りできません」
納得、納得。当たり前のように部外者お断りだったか。登録しようとする人とか探索者ギルドに用がある商会などの業者は別で。
以前にもアーニーが探索者ギルドに登録しているか聞いた気がするのだが、あいにく既に覚えていない。
色んなことがあり過ぎて、結構忘れていたりするんだ。何度も聞いていたらすまん。
と、心の中でアーニーに謝罪しつつも受付の女の子に挨拶をする。そんで、用件についてはアーニーが説明してくれた。
「ミミちゃん、災害級モンスターが出たとハミルさんに聞きました! どんな様子なんですか?」
「港から数キロ先の洋上で発見されてます。いつ街へ襲撃してくるか予断を許さない状況です」
ここまではハミルトンから聞いていた通りだな。ミミの発言を受け、アーニーが続ける。
「騎士団が来たりとか、するの!?」
「領主さまが王都へ要請したと聞いているよ」
「わあ、騎士団ってキラキラでピカピカなのかな」
「そうかも? お金持ちかも?」
竜神ウリドラが来襲するとか、緊迫した状況じゃあなかったのか?
何やらきゃっきゃしている……。もっとこう聞かなきゃならないことあるんじゃ。
「お金持ちさんには余り興味がないかなあ!」
「てんちょおさんがいるもんね」
「うん! 人は見た目やお金じゃないの」
「アーニーさん、それ、本人の前で言わない方がいいよ……」
お金はともかく、冴えない見た目をしていることは自覚している。元々の俺もそうだったし、逆にイケメンになったりした方が嫌だわ。
ミミから指摘を受けたアーニーだったが特に気にした様子もなく、犬耳をピコピコさせ両手を顔の前で合わせる。
言われた本人が気にしているわけじゃないから、特に言うことはないが……。
「憧れのカッコいい人ならいるよ。だけど、もう会えないかも」
「相変わらず、唐突ね。その人が目の前に現れたら?」
「現れてもてんちょおについて行くに決まってるよ。えへへ」
「あらあら」
アーニーのそれは恋愛感情じゃないと思う。俺もまあ、似たようなもんだわ。
しっかし、もう聞いてられん。割って入るぞ。
「街にウリドラが来襲した場合、撃退できそうなんですか?」
「ウリドラ? ハミルさんが翼のあるリヴァイアサンにつけた名前ですね。ウリドラが災害級のモンスターであれば、総力を尽くせば撃退できる見込みです」
「災害級であれば、ですか。災害級のモンスターはどれほどのモンスターなのですか?」
「リヴァイアサンは災害級のモンスターです」
あ、こら、あかん。通常のリヴァイアサンで災害級だったら、ネームドのリヴァイアサンであるウリドラを撃退するなど、夢のまた夢。
騎士団の皆さんがどれだけ頑張ってくれるかにかかっている。頑張れ、騎士団。フレーフレー騎士団……。
いや、街人全員で避難した方が現実的じゃないか?
「てんちょおでも何ともならないんですか?」
「逃げる手伝いならできるかな……」
アーニーの質問に対し、腕を組み唸りながら回答をする。無理なもんは無理だよなあ。
爆弾系のアイテムをばらまきつつ、アーニーにゲートを出してもらって撤収する、とかならできそうだ。
そういった事態になる前に全員で避難するのがベストだと思うが……。
「そうだ、アーニー。探索者ギルドで聞くことは聞いたし、港まで行かない?」
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