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もう、限界
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今日も城外の雰囲気は影を落としたように薄暗い。
それもそうだ、と、私は気分を落としてしまう。
度重なる増税のせいで、いまや民の暮らしはかなり危うい。民が流出しても不思議はないくらいの重税だ。
第一王子である旦那様を通じて国王へ進言はしているが、あまり聞き届けてもらえない。特段、領地が不景気なワケじゃない。単純に私利私欲の限りを尽くしたいが故の増税だ。
その原因が――義妹にある。
まぁ出会って三日目で義妹の奔放さには呆れた。
とりあえずワガママを具現化したような存在だ。とんでもなく高価な動物が欲しいとわめいて、なんとか手に入れたのに翌日にはもう飽きてしまうのだ。もちろん買い取った以上、命を奪うわけにもいかず、城に勤める人たちが飼育している。
そんなことが一週間に一度は起こる。
もちろん毎回動物ってワケじゃないが、レアで討伐難易度の高いモンスターの牙だったり、宝石だったり、ドレスだったり。
とにかくお金がかかりまくる。国家財政が圧迫されるくらいに。規模が小さい王国なのだから尚更だ。
しかし誰も咎めない。唯一の女の子だからか、国王が溺愛しまくっているのだ。
「市井の評判はよろしくありません」
さすがに看過できなくなって、私はたびたび進言することになった。
奇しくも私は嫁ぐまでは公爵家にいたが、そこでは良質な治世を行っていたし、教育も受けてきた自負もある。このまま放置しておけば、大元である国が倒れてしまう可能性があった。
けれど、それを義妹が気に入らないらしい。
ことあるごとにケンカを売られるようになり、とうとう旦那様も私を煙たがって蔑むようになってしまった。
こんなので夫婦生活が良くなるはずもなく。
私は日に日に孤立していってしまっていた。
「あぁら、アリシャお義姉さま。今日も体調がよくないのかしら」
そのイヤミは、朝食のテーブルの上で言い放たれた。
うるさい。今日も、じゃない。
単純に月の巡りのせいだ。あんたらがいちいち突っかかってきたり、ストレスをためまくるようなことをしたりするせいでリズムが悪いし重くなってしまったのだ。
とはいえ、そんな事情をあけすけに言えるはずもない。
何より私は嫁で、相手は国王の娘である。現時点での立場はどちらが上か、という話だ。旦那様が国王になれば地位は逆転するんだろうけど。
たぶん、それがイヤなんだろうな。
まぁ私もそうだ。
国家予算を圧迫しまくる存在なんて絶対に許さないからね。
「そうですね、申し訳ありません」
「あらあら。民が苦しんでいるというのに、残すなんて贅沢ねぇ」
私が素直に謝ると、義妹は見せ付けるかのようにおおぶりのエビを頬張る。
いや、っていうか体調悪いのもあるけどこの朝ごはん無理でしょ。
脂たっぷりのベーコンエッグに、ロブスターのオイリーソースがけに、バターをいれまくったクロワッサン。
脂ギッシュやん! 超絶脂ギッシュやん!!
フツーにパンと豆スープでいいよ! 朝なんだし!
力の限りいいたいけど無理。
仕方なく、私はもう一度頭を下げるハメになった。あんたの気分をよくするためだけになんで謝らなきゃならんのだ。
っていうか節制しなさいよ、節制。
しかしそんなことも言えず。私は悔しい思いをしながらも自室に戻った。
とりあえず今日の公務は午後からだ。それまでは身体を休めよう。
「アリシャ」
そう思ってベッドに入った矢先、部屋に入ってきたのは旦那様だった。
気弱な部分があるけれど、誠実な第一王子。見た目も大人しそうな印象だ。見合い結婚ではあるけれど、私はそんな彼を好きだ。
彼も、私のことを気に入ってくれている。いや、くれていた、か?
「どうされましたか、旦那様」
「その……さっきの朝食のことなんだが、その。だな。妹のベスが泣いていてな」
「はい?」
私は思わず聞き返してしまった。
なんで泣いてるワケ?
え、むしろ泣きたいのこっちなんですけど?
「今朝のメニューはベスが考案したものだったんだ」
「そうでしょうね」
じゃないとあんな脂ぎっちぎちの嫌がらせメニュー出てくるはずがない。
「アリシャ、それなのにどうして残したんだ」
……は?
いきなり咎められて、私は呆気に取られてしまった。
いや、どうして残したって言われても。
「体調が悪かったから、ですけど」
「そういう嘘、よくないぞ」
「はい?」
「聞いたんだ。ベスから。アリシャはベスのことがキライだから、わざと体調不良を装って朝食を食べないんだって。悲しいって泣いてたぞ」
はぁああああああ?
なんで憤慨してるの? あんたが? は?
思いっきりあの妹が自分かわいそうアピールするための、私を貶めるだけの罠で演技じゃないのっ! なんで騙されてるの!?
「そんなことありませんっ。私は本当に体調がっ」
「だから、いいって。俺の前ではそんなのいいからさ」
いやいやいやいや、いいからって何。いいからって。こっちの言い分も聞けよ。
何俺はわかってるからみたいな雰囲気出してるワケ?
こめかみがぴくぴくし始める。
そんな私のベッドに、旦那様は寄り添うようにして座る。
「女同士だし折り合い悪いのかもしれないけどさ。家族なんだから仲良くしようよ。ね? ほら、謝りにいこう。そしたらベスも許してくれるから」
はぁぁああああああああん???
おま、この、言うにことかいて、謝れ? 許す? はぁあああ!? 一方的に犯人扱いしといて、何それ、何それ! こっちを信じろよこっちを!
私の頭の中を、怒りだけが蹂躙していく。ぷるぷると両手が震えた。
こ、こんな屈辱っ……!
いよいよアイツも攻撃してきたってことか。
これで私が謝りにいっても、何を要求されるか分からないし、結局は色々と難癖つけてくるに決まってる。今回は、その第一段階なのだろう。かといって、拒否すればそれはそれで立場が悪くなる。
まさに私を悪役令嬢に仕立て上げるつもりなのだろう。
詭弁でしかない罠だけど、自分に甘い連中が集まってるこの関係性なら通用するわけだ。
とこっとん意地汚い。
「アリシャ?」
何故か情けをかけてる風ふかせる旦那にもムカつく。
これは――もう限界だ。
私は覚悟を決める。
今ここが分水嶺で、最後の分岐路だ。このまま屈服すれば、どうなってしまうか。家庭崩壊まっしぐらである。きっと私は最後には投獄されてしまう。アイツならやる。絶対にやる!
だったら――。
今ここで、反撃をぶちかますしかない。
そのためには。
私はとびっきりの笑顔のまま、旦那を見た。
「旦那様」
「うん?」
「ちょっとそのツラ、貸していただけます?」
「え? ツラ?」
「はい。ちょっと殴りますから」
「殴る? え? ええ?」
私の宣言に戸惑う旦那の胸倉を、私は思いっきりつかんだ。
まずは旦那の再教育から必要だ。
それもそうだ、と、私は気分を落としてしまう。
度重なる増税のせいで、いまや民の暮らしはかなり危うい。民が流出しても不思議はないくらいの重税だ。
第一王子である旦那様を通じて国王へ進言はしているが、あまり聞き届けてもらえない。特段、領地が不景気なワケじゃない。単純に私利私欲の限りを尽くしたいが故の増税だ。
その原因が――義妹にある。
まぁ出会って三日目で義妹の奔放さには呆れた。
とりあえずワガママを具現化したような存在だ。とんでもなく高価な動物が欲しいとわめいて、なんとか手に入れたのに翌日にはもう飽きてしまうのだ。もちろん買い取った以上、命を奪うわけにもいかず、城に勤める人たちが飼育している。
そんなことが一週間に一度は起こる。
もちろん毎回動物ってワケじゃないが、レアで討伐難易度の高いモンスターの牙だったり、宝石だったり、ドレスだったり。
とにかくお金がかかりまくる。国家財政が圧迫されるくらいに。規模が小さい王国なのだから尚更だ。
しかし誰も咎めない。唯一の女の子だからか、国王が溺愛しまくっているのだ。
「市井の評判はよろしくありません」
さすがに看過できなくなって、私はたびたび進言することになった。
奇しくも私は嫁ぐまでは公爵家にいたが、そこでは良質な治世を行っていたし、教育も受けてきた自負もある。このまま放置しておけば、大元である国が倒れてしまう可能性があった。
けれど、それを義妹が気に入らないらしい。
ことあるごとにケンカを売られるようになり、とうとう旦那様も私を煙たがって蔑むようになってしまった。
こんなので夫婦生活が良くなるはずもなく。
私は日に日に孤立していってしまっていた。
「あぁら、アリシャお義姉さま。今日も体調がよくないのかしら」
そのイヤミは、朝食のテーブルの上で言い放たれた。
うるさい。今日も、じゃない。
単純に月の巡りのせいだ。あんたらがいちいち突っかかってきたり、ストレスをためまくるようなことをしたりするせいでリズムが悪いし重くなってしまったのだ。
とはいえ、そんな事情をあけすけに言えるはずもない。
何より私は嫁で、相手は国王の娘である。現時点での立場はどちらが上か、という話だ。旦那様が国王になれば地位は逆転するんだろうけど。
たぶん、それがイヤなんだろうな。
まぁ私もそうだ。
国家予算を圧迫しまくる存在なんて絶対に許さないからね。
「そうですね、申し訳ありません」
「あらあら。民が苦しんでいるというのに、残すなんて贅沢ねぇ」
私が素直に謝ると、義妹は見せ付けるかのようにおおぶりのエビを頬張る。
いや、っていうか体調悪いのもあるけどこの朝ごはん無理でしょ。
脂たっぷりのベーコンエッグに、ロブスターのオイリーソースがけに、バターをいれまくったクロワッサン。
脂ギッシュやん! 超絶脂ギッシュやん!!
フツーにパンと豆スープでいいよ! 朝なんだし!
力の限りいいたいけど無理。
仕方なく、私はもう一度頭を下げるハメになった。あんたの気分をよくするためだけになんで謝らなきゃならんのだ。
っていうか節制しなさいよ、節制。
しかしそんなことも言えず。私は悔しい思いをしながらも自室に戻った。
とりあえず今日の公務は午後からだ。それまでは身体を休めよう。
「アリシャ」
そう思ってベッドに入った矢先、部屋に入ってきたのは旦那様だった。
気弱な部分があるけれど、誠実な第一王子。見た目も大人しそうな印象だ。見合い結婚ではあるけれど、私はそんな彼を好きだ。
彼も、私のことを気に入ってくれている。いや、くれていた、か?
「どうされましたか、旦那様」
「その……さっきの朝食のことなんだが、その。だな。妹のベスが泣いていてな」
「はい?」
私は思わず聞き返してしまった。
なんで泣いてるワケ?
え、むしろ泣きたいのこっちなんですけど?
「今朝のメニューはベスが考案したものだったんだ」
「そうでしょうね」
じゃないとあんな脂ぎっちぎちの嫌がらせメニュー出てくるはずがない。
「アリシャ、それなのにどうして残したんだ」
……は?
いきなり咎められて、私は呆気に取られてしまった。
いや、どうして残したって言われても。
「体調が悪かったから、ですけど」
「そういう嘘、よくないぞ」
「はい?」
「聞いたんだ。ベスから。アリシャはベスのことがキライだから、わざと体調不良を装って朝食を食べないんだって。悲しいって泣いてたぞ」
はぁああああああ?
なんで憤慨してるの? あんたが? は?
思いっきりあの妹が自分かわいそうアピールするための、私を貶めるだけの罠で演技じゃないのっ! なんで騙されてるの!?
「そんなことありませんっ。私は本当に体調がっ」
「だから、いいって。俺の前ではそんなのいいからさ」
いやいやいやいや、いいからって何。いいからって。こっちの言い分も聞けよ。
何俺はわかってるからみたいな雰囲気出してるワケ?
こめかみがぴくぴくし始める。
そんな私のベッドに、旦那様は寄り添うようにして座る。
「女同士だし折り合い悪いのかもしれないけどさ。家族なんだから仲良くしようよ。ね? ほら、謝りにいこう。そしたらベスも許してくれるから」
はぁぁああああああああん???
おま、この、言うにことかいて、謝れ? 許す? はぁあああ!? 一方的に犯人扱いしといて、何それ、何それ! こっちを信じろよこっちを!
私の頭の中を、怒りだけが蹂躙していく。ぷるぷると両手が震えた。
こ、こんな屈辱っ……!
いよいよアイツも攻撃してきたってことか。
これで私が謝りにいっても、何を要求されるか分からないし、結局は色々と難癖つけてくるに決まってる。今回は、その第一段階なのだろう。かといって、拒否すればそれはそれで立場が悪くなる。
まさに私を悪役令嬢に仕立て上げるつもりなのだろう。
詭弁でしかない罠だけど、自分に甘い連中が集まってるこの関係性なら通用するわけだ。
とこっとん意地汚い。
「アリシャ?」
何故か情けをかけてる風ふかせる旦那にもムカつく。
これは――もう限界だ。
私は覚悟を決める。
今ここが分水嶺で、最後の分岐路だ。このまま屈服すれば、どうなってしまうか。家庭崩壊まっしぐらである。きっと私は最後には投獄されてしまう。アイツならやる。絶対にやる!
だったら――。
今ここで、反撃をぶちかますしかない。
そのためには。
私はとびっきりの笑顔のまま、旦那を見た。
「旦那様」
「うん?」
「ちょっとそのツラ、貸していただけます?」
「え? ツラ?」
「はい。ちょっと殴りますから」
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